maeda_admin のすべての投稿

高プロ制・労働時間の把握は不要――働き方改革法案が成立

政府が通常国会に提出していた働き方改革推進法案が一部修正のうえ成立した。時間外労働規制の強化、高度プロフェッショナル制度の創設、不合理な待遇格差の解消などが改正の柱で、労働基準法施行後最も大きな改正と位置付けている。注目された高度プロ制では、一部修正し、対象労働者が同意を撤回する場合の手続きを明確にしなければならないことにした。一定の健康管理時間を超えた際に義務付けられている医師面接の実施に関して、労働者が拒否している場合は高度プロ制の適用に影響しないなどの 運用上のポイントも明らかになっている。

常用・男性の専門・技術職28.7万円――厚労省・中途採用時賃金(29年度下半期)

平成29年度下半期に中途採用された常用者・男性の平均賃金は、専門的・技術的職業28.7万円、事務的職業32.4万円、生産工程、労務の職業22.6万円などとなった。男性全体では25.6万円、前年度下半期に比べて2.4%増加しており、事務的職業など6職種が2%以上伸びている。女性では事務的職業が21.2万円、販売の職業が18.7万円などとなり、全体平均は2.5%増の20.4万円だった。急激な上昇傾向が続いており、この5年間で1.8万円、約10%アップしている。

キャリア形成へ長期休暇制――MSD

製薬業のMSD㈱(東京都千代田区、ヤニー・ウェストハイゼン代表取締役社長)は、社員の成長促進や、キャリア形成支援を目的に「ディスカバリー休暇」と名付けた長期休暇制度を導入した。年間40日付与し、語学留学や長期のボランティア活動への参加、副業の実施などを想定する。 分割取得ができるため、週休3日で働くことも可能だ。

ダイバーシティ経営で女性活用の情報公表強化を――経産省

経済産業省は、ダイバーシティ経営の推進に向けた有識者検討会を開き、 企業や政府において女性活用に関する情報公開を強化すべきとする提言を取りまとめた。情報公開を進めることで、労働市場や資本市場から人材と資金を企業に呼び込むのが狙い。提言では、取締役・監査役への女性登用などにより、取締役会における多様性の確保も求めた。提言内容に沿って、企業の実践すべき事項を示した「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」の改訂も行っている。

「働く女性2000人意識調査」

日本経済新聞社が行った調査によると、現在の仕事に“やりがい”を感じている女性は39.1%で、年代別では30代が42.2%と最も高く40代が36.0%と最も低かった。やりがいを感じている39.1%の主な理由は、
・やりたい仕事ができるから ~ 31.7%
・責任ある仕事が任されているから ~ 27.0%
・成長を感じられるから ~ 16.9%
一方、やりがいを感じていないと回答した26.3%の主な理由は、
・仕事に見合った給料をもらっていないから ~ 23.8%
・やりたい仕事ができていないから ~ 23.0%
・成長を感じられないから ~ 18.1%
であった。
また、管理職になりたいと思わない主な理由として、
・責任が重くなるから
・精神的負担が大きいから
・自分には向かないから
が上位を占めた。
女性に対して、管理職志向を持つよう育成してこなかったことに加えリ-ダ-のモデルが固定化されていることも背景としてあること、強い指導力があり仕事で成果を出せる人、というリ-ダ-像と自分とのギャップを感じて、向かないと思い込む女性が多いと分析している。
更に女性自身の意識として“キャリアアップよりワ-クライフバランスを重視したい”“結婚相手には自分より多く稼いでほしい”という女性は8割を超えた。

以上

役職廃止し360度評価主体へ――ネットプロテクションズ

㈱ネットプロテクションズ(東京都中央区、柴田紳社長)は今年10月、マネージャー職を廃止し、360度評価を昇給・昇格に反映する新人事制度「Natura」へ本格的に移行する。 社員が互いに3要素11項目のコンピテンシー評価を行うもので、マインド5項目、基礎スキル2項目を4段階で採点し、さらに複合スキル4項目を「どのグレードに見合うレベルか」で評価する。 新設した5段階のグレード別に年収レンジを設ける一方、原則として査定による昇給格差は付けない。基本的にはレンジ内のゾーンに応じて0.5~2.5%の昇給を行う。社員間の競争意識を排除することで、個人が成長と能力発揮に注力できる環境の構築をめざす。

残業禁止は不当と相当額支払い命じる――大阪府労委

所定時間外労働を禁止され、経済的な不利益を受けたとして、労働組合が救済を申し立てた事案で、大阪府労働委員会(井上英昭会長)は、使用者の㈱トライメディカルサービスに他の従業員と同じように所定外労働をしていれば得られたであろう賃金相当額の支払いを命じた。組合結成と同時期から所定外労働を認めなくなったのは、組合嫌悪によるものと判断した。

大手の定年モデル退職金2,700万円――中労委・退職金調査

大手企業のみを対象とする中央労働委員会「退職金、年金および定年制事情調査」によると、大卒・総合職の定年モデル退職金は2,690万円となった。2年前の前回調査から8.3%伸びている。会社都合時のモデル退職金も改善し、全勤続ポイントで3~4%台の伸び率を示した。拡大傾向が続く確定拠出年金(企業型)は、退職年金制度を持つ企業の3分の2で採用していた。一方で再雇用後の基本給については、定年前の50~80%未満とする企業が5割強を占めている。

 

時間削減率で一時金支給――明電舎

㈱明電舎(東京都品川区、浜崎祐司取締役社長)は今月8日の賞与支給時に、年間総実労働時間の削減率に応じて一時金を支払った。金額は削減率によって3段階に設定している。「働き方改革推進室」を立ち上げて労働時間削減に取り組んできた経緯があり、一時金は社員の頑張りに報いた形。今後、総実労働時間の減少を個人の昇給に反映する方針を示す。

平成31年大卒求人初任給・技術系で3000円増に――労働新聞社調査

平成31年3月に卒業を見込む大学生を対象に企業が提示している求人初任給の水準を本紙が調べたところ、技術系職種が前年より3千円ほど高くなっていることが分かった。一般職はおよそ1600円、前年平均を下回ったものの18万円台半ばに到達し、総合職の21万円台は2年連続。収益向上のカギを握る営業系は23万円をクリアするなど、人手不足に苦しむ企業の求人意欲が現れている。

大手の定年モデル退職金2,700万円――中労委・退職金調査

大手企業のみを対象とする中央労働委員会「退職金、年金および定年制事情調査」によると、大卒・総合職の定年モデル退職金は2,690万円となった。2年前の前回調査から8.3%伸びている。会社都合時のモデル退職金も改善し、全勤続ポイントで3~4%台の伸び率を示した。拡大傾向が続く確定拠出年金(企業型)は、退職年金制度を持つ企業の3分の2で採用していた。一方で再雇用後の基本給については、定年前の50~80%未満とする企業が5割強を占めている。

生産性要件の利用拡大へ――厚労省・労働関係助成金で

厚生労働省は、労働関係助成金における生産性向上に対する割増し支給制度の活用拡大を企業に呼びかけている。助成金の申請企業が会計年度の3年度前に比較して1%以上生産性をアップさせた場合、助成率を上乗せするものだが、ここ10カ月間の支給実績は全体で約3000件に留まっている。厚労省では、金融機関との連携強化や生産性要件担当の事業主支援アドバイザーを配置して制度の積極的な周知、活用促進に力を入れ始めた。

IT人材育成へプログラム――中経連・イノベーション促進策

中部経済連合会(豊田鐵郎会長)は、AIやIoTなどの共通基盤技術を活用しイノベーションを起こせる人材を育成するため、イノベーションドライバー育成プログラムを作成、今年6月からスタートさせた。将来技術に対する理解を深めるとともに、社会的な活用方法を検討し、ビジネスプランに落とし込む能力を磨く。中部圏のIT人材不足が背景にある。

大卒総合職のピーク55歳63万円――中労委「大手のモデル賃金調査」

大手企業380社を調査対象とする中央労働委員会の賃金事情調査によると、大卒・総合職のモデル賃金は22歳21.7万円、35歳39.8万円、45歳54.9万円、55歳62.6万円などとなった。30歳代で2%弱の伸びを示すなど、すべての年齢で前年結果を上回っている。ピークを迎える55歳の水準は、新卒22歳の2.89倍だった。加重平均した所定内賃金が前年比1,400円増の36.3万円と伸びた一方、所定外賃金は2,300円減の6.3万円と落ち込んでいる。

「女性管理職」

東京都は2017年9月に従業員30人以上2500社のうち703社から有効回答を得た男女雇用平等参画状況調査を発表した。
都内企業で課長職以上に占める女性の割合は2017年度8.6%で、前年の2016年度に比べると0.6%上昇。
係長以上を対象にすると14.5%、そのうち役員は6.8%、部長は6.5%、課長は9.5%で係長が25%であった。
管理職昇進に尻込みする女性は少なくなく、上司から管理職になることをすすめられた場合、男性は“引き受ける”が44.9%であるのに対して女性は15.9%に留まっており、“引き受けない”が29.1%にのぼっている。過去1年間に、子供が生まれた従業員のうち育児休業を取った女性は、前年より0.2ポイント低下の93.3%で、男性は4.9ポイント上昇の12.3%となり、男性の取得が広がりつつある。
しかし、男性の取得期間は5日未満が21.6%と最も多く女性最多の6ケ月から1年未満の39.1%とは差が開いたままとなっている。

以上

労働者の健康情報管理へ指針――厚労省・安全配慮義務など考慮し

厚生労働省は、事業場における労働者の心身に関する健康情報の取扱い方を定めた指針を作成する。事業主は、安全配慮義務履行などの観点から労働者の健康情報を取得する必要性が高まっているものの、既往症などの情報はプライバシー保護の観点から厳重な管理が求められる。健康情報の収集・保管・使用などの方法について指針を作成し、事業場における適正な取扱いを促すとした。部署や職種ごとに取扱う情報範囲を限定すべきなどとしている。

外国人職場体験を強化――経産省

経済産業省は、中小・中堅企業の海外展開に向けた支援を強化する。海外在住の若年外国人などと日本国内企業をマッチングし、国内企業におけるインターンシップを支援する「国際化促進インターンシップ事業」の対象企業を前年度の最大120社から最大210社へと大幅に拡大している。外国人材の視点を活用したイノベーションの創出や、今後の外国人採用の体制整備につなげるのが狙い。受入れ企業には1日2000円の研修費を支給する。

業務別スキルも昇給要件に――常陽銀行の営業店勤務パート

㈱常陽銀行(茨城県水戸市、寺門一義取締役頭取)は、実績・意欲などの評価項目に加え、業務スキル面も評価する人事考課制度を運用し、パートタイム労働者の定着・キャリアアップを進めている。営業店舗で働く人材に対して、テラー、ロビーなどの業務内容ごとにスキルレベルを確認し、一定基準をクリアした場合のみ昇給を行う。無期転換ルールのスタート等を睨んでフルタイムに準ずる「Lパート」の時給テーブルを12から24号俸へ増やしたほか、高スキル人材に対して年間6万円の報奨金を支給する認定制度も採り入れた。今年度以降、無期転換者に対する降級ルールの運用も開始する。

全職業情報 AI活用しデータベース化――厚労省・調査事業開始

厚生労働省は、AI(人工知能)を活用した職業情報提供サイト「日本版O-NET」の運用開始に向けた調査・分析をスタートさせる。日本版O-NETは、仕事に求められる知識、能力、技術のほか、将来展望、平均年収までの総合的職業情報を検索・参照できるサイトで、学生、労働者が適職を見付けられるようにする。今年度末までに調査・分析を終了し、2020年度からの運用開始をめざす。

能力向上や人脈形成めざす――大企業で副業広がる

副業・兼業を制度化したケースが相次いでいる。オリックス生命保険㈱は、他社で雇用されない働き方を前提として、保有する資格を活用して報酬を得る「社外活動」を解禁した。㈱エイチ・アイ・エスでは、個人事業として行う通訳や翻訳を想定して副業を認めた。ユニ・チャーム㈱は入社4年目以上の社員に解禁。いずれの企業も長時間労働や情報漏洩防止に向け、事前申請制度を採る。社内で得られない経験を通して個人の能力向上や人脈形成をめざす。

最高ランクで特別賞与200万円――㈱バンダイナムコアミューズメント「店舗プロフェッショナル正社員」

全国に250店舗のアミューズメント施設を展開する㈱バンダイナムコアミューズメント(東京都港区、萩原仁社長)は、地域限定かつ職務も店舗勤務のみとする「店舗プロフェッショナル正社員」を新設した。契約社員の最上級者に門戸を開き、試験をパスした33人が4月から転換を果たしている。処遇面では、年間評価による洗替え方式の基本給体系を採用し、賞与については総合職と同じ支給月数を適用。計5段階のうち最高ランクを得た人材には、加えて年間200万円の特別賞与を支給する。

多能工化で生産性向上――中小企業白書

中小企業庁は、2018年版中小企業白書を公表した。採用難で従業員を増やせない中小企業にとって、従業員の多能工化・兼任化が人手不足への有効な対策になるとともに、労働生産性の向上にもつながると指摘した。多能工化を進めるうえで、業務マニュアルの作成や従業員のスキルの見える化に取り組む企業が多い。人手不足対応では、高齢者や女性の業務範囲の拡大も進んでいるとして、企業事例を紹介している。

手当不支給は不合理で労契法20条違反――松山地裁

農業機器メーカーの㈱井関農機の子会社・㈱井関松山製造所(愛媛県松山市)に勤める有期契約労働者3人が、住宅手当など3つの手当と賞与に正社員との格差があると訴えた訴訟で、松山地方裁判所(久保井恵子裁判長)は、同3つの手当の不支給が不合理で、労働契約法第20条違反とする判決を下した。支給金額の決定方法が、業務内容と無関係である点を重視している。

多面評価で基本給改定――㈱オリエンタルコンサルタンツ

建設コンサルタントの㈱オリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区、野崎秀則社長)は、日常的に一緒に働く10人程度から周辺考課(360°評価)を受け、その結果を基本給や昇格管理に反映する「能力考課」を運用している。自律的な成長を促す「人材育成フィードバック」の一部として取り組むもので、本人が参加するプロジェクトのリーダーや同僚・後輩などが考課者となり、スキル・マネジメント・取組み姿勢の3要素6項目について採点を行う。直属上司との間では、四半期ごとの振返り面談で成長目標、行動計画の進捗を確認する一方で、処遇決定に際しては本人の働きぶりを知る複数の目を採り入れている。

「働くことの意識調査」vol-2

公益財団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会が発表した、平成29年度新入社員1882人を対象にした「働くことの意識」調査結果を過去の推移でみると

○«第一志望に入社できたか»
平成21年度 62.3%
平成22年度 55.2%
平成23年度 56.6%
平成24年度 60.9%
平成25年度 52.0%
平成26年度 55.0%
平成27年度 56.4%
平成28年度 60.2%
となっており、平成22年度に大幅に減少したが、平成26年度以降は改善傾向が続いている

4月1日現在の大卒者の就職率をみてみると(厚生労働省・文部科学省調査)
平成23年3月卒業者 91.0%
平成24年3月卒業者 93.6%
平成25年3月卒業者 93.9%
平成26年3月卒業者 94.4%
平成27年3月卒業者 96.7%
平成28年3月卒業者 97.3%
に達し、年々少しずつ好転している

○≪仕事についての考え方や希望は»                                                                                                                                                                              (前年度)
第1位 社会や人から感謝される仕事がしたい                          92.5(-1.5)
第2位 仕事を通じて人間関係を広げたい                                92.4(-1.7)
第3位 WLBに積極的に取り組む職場で働きたい                   91.8(+0.8)
第4位 どこでも通用する専門技術を身につけたい                   90.6(+1.2)
第5位 高い役職につくため少々の苦労はしても頑張る           81.1(-3.5)
第6位 終身雇用ではないので会社に甘える生活はできない  77.5(+0.5)
第7位 仕事を生きがいとしたい                                                73.6(-1.2)
第8位 仕事をしていく上で人間関係に不安を感じる               66.2(-1.5)
第9位 できれば地元(自宅から通える所)で働きたい               60.7(-0.3)
第10位 職場の上司、同僚が残業していても
自分の仕事が終わったら帰る                                                  48.7(+9.9)

○«どのポストまで昇進したいか»
(平成18年度)                (平成18年度)
社長                             男性/ 15.9% (24.8%)   女性/2.8% (6.2%)
部長                             男性/ 24.1% (20.7%)   女性/6.6% (2./3%)
課長、係長、主任班長    男性/11.0%(3.5%)       女性/30.9%(18.9%)
で社長への回答は大きく減っているが部長以下のポストへの昇進志向は男女とも高まっている

以上

働き方改革へ監督徹底へ――厚労省・30年度運営方針

厚生労働省は、平成30年度地方労働行政運営方針をまとめ、過重労働の疑いのある事業場に対する監督指導を徹底する考えを明らかにした。各種情報から時間外・休日労働時間数が1カ月当たり80時間を超えている事業場などが重点対象となる。全国の労働基準監督署に設置した「調査・指導班」が監督指導を担当するとした。働き方改革法案の成立によって、罰則付き時間外上限規制や高度プロフェッショナル制度の導入された場合には法制度の周知を図るとともに、時間外の上限水準まで安易に協定しないよう求めていく。

手掛けやすい制度収載――農水省/働き方改革へ手引き

農林水産省は、中小企業が99.8%を占める食品関連業の働き方改革に向けたハンドブックを作成した。スキルマップの作成、時間単位年次有給休暇制度の導入など手を付けやすく、時間を掛けずに実施できる対策を盛り込んだ。取組みが遅れている、あるいは労使で取組み状況に差のある項目の確認に向け、チェックリストを収載。「職場環境を改善しても安全でなければ人材は定着しない」とし、労働災害防止も訴えた。

3,100円増で基本給18万円に――厚労省・介護職員の処遇調査

処遇改善加算を取得した事業所で働く介護職員の基本給は、前年比3,140円増の18.0万円に――。厚生労働省による介護従事者処遇状況等調査で分かった月給制・常勤者の実態で、手当や賞与を含む1カ月当たりの給与額では29.4万円となり、1万1,920円伸びている。時給制・非常勤者の基本時給は、20円増の1,110円だった。平成29年度に給与等を引き上げた事業所のうち、5割弱が各種手当を引上げ・新設し、2割強が給与表を改定している。制度拡充で新設された加算Ⅰについては、全体の65%が取得。定期昇給制度の仕組みがある割合は52.1%だった。

経済的従属性が基準――厚労省検討会・雇用類似の働き方で報告

厚生労働省は、「雇用類似の働き方」に対する法的保護のあり方について検討報告をまとめた。保護対象となるのは、契約内容が一方的に決定され、不本意な条件を受け入れざるを得ない経済的従属性を強いられ、しかも雇用関係に基づかない働き方としている。契約条件や契約変更・終了ルールの明確化、報酬額の適正化、紛争処理窓口の設置などが課題となるとした。厚労省では引き続き、審議会において保護の必要性や具体的内容などを検討していく考えである。

 

情報サービス産業の働き方改革へ施策集――業界団体

一般社団法人情報サービス産業協会(横塚裕志会長)は、同産業における働き方改革を加速させるため、労働時間の短縮やICTを活用した働き方の実現、活気あるチーム作りなどの具体的な事例をまとめた“施策集”を作成した。業界平均の年間労働日数20日削減などを目標に掲げた「働き方改革宣言」を実践するための先進施策を明らかにしている。残業解消時に収
入が低下しない仕組みの導入や、経営トップによる顧客企業に対する協力依頼の実施などが挙がっている。

年功色抑制し65歳定年へ――東京メトロ

東京地下鉄㈱(東京都台東区、山村明義社長)は、従来の年功的な賃金カーブを是正するとともに、65歳定年制を実現した。55歳まで自動昇給があった年齢給を基礎給へ衣替えし、上限を設けていなかった職能給も接続型へ是正している。昇格による昇給分を役職手当に振り替えることで、役職手当のウエートを高め、役割基準の要素を強めた。60歳定年だった旧制度では、対象者の半数以上が退職もしくはグループ会社に再就職していたが、今後は非管理職の場合、自社内で役職を維持したまま65歳まで働けるようにしている。

経済的従属性が基準――厚労省検討会・雇用類似の働き方で報告

厚生労働省は、「雇用類似の働き方」に対する法的保護のあり方について検討報告をまとめた。保護対象となるのは、契約内容が一方的に決定され、不本意な条件を受け入れざるを得ない経済的従属性を強いられ、しかも雇用関係に基づかない働き方としている。契約条件や契約変更・終了ルールの明確化、報酬額の適正化、紛争処理窓口の設置などが課題となるとした。厚労省では引き続き、審議会において保護の必要性や具体的内容などを検討していく考えである。

コンビニFC店の96%で法違反――東京労働局

東京労働局(勝田智明局長)は平成30年度、コンビニエンスストアのフランチャイズ(FC)店舗における労働基準関係法令の遵守に向けて、個別監督指導と集団指導を集中的に実施する。29年度に実施した監督指導では、対象事業場の約96%で法違反が発覚した。違法な長時間労働が6割近くに上ったほか、定期健康診断の未実施も5割を超えている。法令知識の不足が要因とみて、個別監督指導を強化するとともに、大手コンビニ本部と共同で、FC店経営者に対する法令周知セミナーを展開する方針だ。

 

実収入72.5万円で前年並み――日本生協連・全国生計費調査(速報)

日本生活協同組合連合会の2017年全国生計費調査(速報)によると、サラリーマン世帯の1カ月当たりの実収入は72.5万円、消費支出は43.4万円だった。実収入が前年比0.6%増加したものの、消費支出は0.8%減少している。税・社会保険料の合計は、3.0%伸びて16.0万円となり、実収入に占める割合が22.1%にまで高まった。一方、上昇傾向が続く妻の就労収入は12.3万円、実収入に占める割合では17.0%に達し、いずれも過去最高の水準を示している。

パワハラ・事業主に措置義務を――厚労省が検討会報告

厚生労働省は、職場におけるパワーハラスメントを防止するため、将来的に事業主に雇用管理上の措置義務を法律に明記する必要があるとする検討報告案をまとめた。現場において具体的に取組むべき事項をガイドラインで示した後、取組みが定着してきたところで法定化をめざす方向である。違反行為に対する行政指導を可能にする狙い。措置義務では、防止に関する事業主の方針の明確化、相談窓口の設置、迅速・適切な対応、再発防止対策など示した。

昇格上限ない限定正社員導入――サミット

サミット㈱(東京都杉並区、竹野浩樹代表取締役社長)は、昇格上限のない「地域限定正社員」の導入を柱の1つとする新人事制度をスタートさせた。育児・介護中といった制約を持つ人材でも、店長など上位職として働ける。勤務地は会社が示す5店舗から選べる。60歳定年後の雇用区分統合も行い、65歳までのキャリアパスを明確化した。

正社員男性のピーク43.7万円――厚労省・雇用形態別賃金

平成29年賃金構造基本統計調査の雇用形態別集計によると、男性フルタイム労働者の所定内給与のピークは、正社員が50~54歳43.7万円、非正社員は再雇用世代の60~64歳25.2万円だった。20~24歳に対する格差ではそれぞれ2.05倍、1.33倍となり、大きな開きがみられる。女性パート労働者・非正社員の時給は、無期の1,049円に対して有期は16円高い1,065円だった。勤続5年以上に限ると有期1,099円、無期1,092円であり、ともに1,100円弱の水準となっている。

「働くことの意識調査」vol-1

公益財団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会が発表した、平成29年度新入社員1882人を対象にした「働くことの意識」調査結果を過去の推移でみると

○«働く目的»
「楽しい生活をしたい」37.0%→41./7%→42.6%と過去最高を更新
「自分の能力をためす」13.4%→12.4%→10.9%と過去最低を更新

○«人並み以上に働きたいか»
「人並みで十分」53.5%→58.3%→57.6%と高い水準を維持

○«デ-トか残業か»
「残業」80.8%→76.9%→71.0%で減少傾向
「デ-ト」19.0%→22.6%→28.7%と増加傾向

○«若いうちは進んで苦労すべきか»
「好んで苦労することはない」23.0%→26.0%→29.3%で過去最高

○«会社の選択理由は»
「能力・個性がいかせる」33.2%→31.2%と減少したが1位は維持
「仕事が面白いから」17.3%→17.8%とわずかに増加

となった。就労意識、生活価値観、対人関係の調査結果は次回掲載致します。

以上

平均妥結額2099円、人手確保へ大手上回る――中堅中小の18労使交渉

業界大手を含む中堅中小企業の18春闘が順次終了しており、ベースアップを含む賃金引上げで交渉を終えた127社の平均妥結額が2099円になったことが本紙の単純集計で分かった。前年の1252円を850円ほど上回っており、自動車、電機、鉄鋼など大手完成品メーカーの平均妥結額より500円玉1枚分多い水準。前年と比較できる同一企業107社の平均妥結額1647円は前年の1230円より400円ほど高く、人手獲得を意識した企業行動がうかがえる。

建設業・働き方改革加速へ新計画――国交省

国土交通省は、建設業における働き方改革を加速させるための施策パッケージである「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定した。長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3分野で具体的に取り組んでいく事項を明らかにしている。長時間労働の是正に向けては、民間工事でのモデル工事の試行などによる週休2日制の導入や、適正な工期設定を推進する。各施策は、官民関係者が密接な連携の下で展開するとした。

SE男性は34.4万円に微増――厚労省の職種・役職・標準者賃金

平成29年賃金構造基本統計調査の職種別集計によると、システム・エンジニア男性の所定内給与額は前年比1.4%増の34.3万円だった。技能職種の男性はドライバー系、生産系とも改善傾向を示し、営業用大型貨物自動車運転者が1.1%増の28.4万円、機械組立工が3.2%増の26.5万円と伸びている。女性では福祉施設介護員が1.9%増の21.3万円、販売店員が1.6%増の19.9万円と堅調だった。役職者賃金では、大手の課長級が58.3万円となり、中堅規模は16%低い49.0万円、中小規模では24%低い44.0万円と格差が付いている。

平均で1548円 5年連続の賃上げを実現――金属労協

自動車、電機、鉄鋼など大手金属メーカーの労働者約200万人で作る金属労協(JCM・高倉明議長)は、定昇相当分とは別に、平均1548円の賃上げ回答を引き出した(3月15日時点)。賃上げは5年連続である。前年と比較できる組合も500円ほど上回った。人手獲得に苦しむ小規模労組ほど賃上げ額が高い。未組織労働者に波及し得る企業内最低賃金も平均1216円の引上げ回答となっている。

中核人材の確保へ「期間限定型」雇用の活用を――経産省報告書

中小企業が中核を担う人材を確保するには、終身雇用・フルタイム型の雇用のほか、副業・兼業・出向など多様な働き方を活用した期間限定型(プロジェクト型)の人材確保も大事――経済産業省は、「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」の報告書を取りまとめた。人手不足時代では人材を必要な場面に必要な量だけ確保するのが重要とみて、経営状況などに応じて多様な人材活用方法を検討する必要があるとしている。経営課題の洗出しから採用後の職場環境見直しに至る人材確保の手順も明らかにした。

東京の中企業38.8万円――厚労省・都道府県別賃金

平成29年賃金構造基本統計調査の都道府県別集計によると、100~999人規模の中企業で働く一般労働者・男性の賃金は、東京38.8万円、大阪34.3万円、愛知31.6万円などとなった。大阪が前年比2.9%減とめだって落ち込み、0.3%減だった東京との差が4.5万円(11.6%)に広がっている。愛知は0.1%減と横ばいで、東京とは7.2万円(18.4%)の差が付いている。短時間労働者・女性の時間給は主要地域の伸びが顕著で、東京が57円増の1,293円、大阪は50円増の1,105円と大きく伸びている。

「外国人労働者」

国内の人材不足が続く中、外国人労働者の雇用は重要な経営戦略の一つになっている。2017年1月厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、外国人労働者を雇用している国内事業所数は17万2789ケ所で、そこに勤める外国人労働者数は108万3769人に及ぶ。15年からの推移をみると、事業所数で2万537ケ所(13.5%)、労働者数で17万5873人(19.4%)の増加となっており、2007年雇用状況届出の義務化以来ともに最高の数値となった。

従事している産業別の割合で見ると、
・製造業 ~ 31.2%
・卸売業、小売業 ~ 12.9%
・宿泊業、サ-ビス業 ~ 14.2%
で約6割を占めている。
また、規模別で見ると、
・30人未満 ~ 34.0%
・30から99人 ~ 18.1%
・100から499人 ~ 22.9%
・500人以上 ~ 19.9%
・不明 ~ 5.4%
となっており、半数以上が99人以下の事業所に勤めており、30人未満の事業所に勤める外国人労働者の割合は前年同期比20.8%の増加となつており、中小企業が積極的に外国人を受け入れていることがうかがえる。

以上

監督官OB54人が復帰へ――厚労省・全国労基署の機能強化

厚生労働省は、長時間労働の是正を柱とする実効性ある働き方改革を推進するため、全国労働基準監督署の監督指導態勢を一段と強化する方針である。合計54人の労働基準監督官OBに非常勤として監督指導業務に復帰してもらい、長時間労働が疑われる事業場などを立入り調査するほか、監督官以外でも「労働時間管理適正化指導員」や「時間外及び休日労働点検指導員」の大幅増員を図って、36協定などの適法化に努める。昨年閣議決定した「働き方改革実行計画」において「監督指導の徹底」を予定していた。

四半期ごとに特別賞与――串カツ田中

全国で店舗を運営している㈱串カツ田中(東京都品川区、貫啓二代表取締役社長)は、年間休日120日をめざして年3日ずつ休日を増やしたり、店舗で働く社員を対象として従来の賞与とは別に四半期ごと最大6万円の賞与を支給したりするなどの対策に取り組み始めた。離職者を抑制し、減った採用コストを働き方改革の原資に振り向ける。研修センターを新設し、OJT中心だった新入社員教育も見直す。

一般労働者男性のピーク42.4万円――厚労省・賃構調査(概況)

厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査(概況)によると、一般労働者・男性の所定内給与額が平均で33.6万円、年齢階級別のピークは50~54歳の42.4万円だった。全体的には前年比微増となったなかで、40~54歳の中高年層がダウンしている。企業規模別にみると大企業と中企業で40歳以上が軒並み前年比マイナスとなっている一方で、小企業が全体的に改善傾向を示している。短時間労働者・女性の1時間当たり賃金は1,074円となり、3年連続で20円以上アップしている。

転職者受入促進へ指針――厚労省・今月中に作成

厚生労働省は、今年度中に「転職者受入促進のための指針」を作成する。転職が不利にならない柔軟な労働市場の形成と企業慣行の見直しを図り、年齢にかかわりない多様な選考・採用機会を拡大する狙い。企業に対しては、職務遂行能力の適正な評価と中途採用者の賃金決定における公平かつ柔軟な取扱いなどを要請する。産業・事業構造の劇的変化に対応し、「成熟企業」から「成長企業」へ専門性の高い労働者の移動を拡大したい構えである。

建設技能者の能力評価「就業日数・保有資格で判断」――国交省が中間まとめ素案

国土交通省は、今秋からの運用を予定している「建設キャリアアップシステム」を活用した技能者の能力評価の枠組みを検討する「建設技能者の能力評価のあり方に関する検討会」を開き、中間とりまとめの素案を提示した。客観的な評価制度を構築する観点から、同システムに蓄積・登録される就業日数と保有資格を活用して評価を行い、技能者を4段階にレベル分けするとした。各技能者のレベルを参考に、所属企業で具体的な処遇を決定するほか、元請が手当を支給することを想定している。

大卒・非管理職35歳32.6万円に――関西地域の標準者賃金

関経連ら9つの経営者団体が共同で実施した標準勤続者賃金調査によると、非管理職のモデル所定内賃金は22歳20.8万円、35歳32.6万円、管理職では45歳48.6万円、55歳56.2万円などとなった。非管理職はすべての年齢ポイントで前年結果を上回り、40歳以上では軒並み2%超の伸びを示している。一方で管理職は40歳代で横ばい、50歳以上では落ち込んでおり、ピークを迎える55歳では2%近く減少した。初任給に対するピーク時賃金の倍率は、非管理職が2.06倍、管理職が2.71倍となっている。

 

クラレ・ノー残業ウイーク実施へ――大手メーカーの働き方改革

大手メーカーで、在宅勤務やテレワークの試行・導入を中心に、働き方改革に関する取組みが広がっている。クラレは来年度、個人ごとに1カ月のなかで残業しない週を設定する「ノー残業ウイーク」を導入予定。旭硝子は配偶者が転勤する際に通算3年の休職を認める制度を導入する。

現行スキルで対応不可7割――連合「AI調査」

AI(人工知能)の職場導入を働き手がどう考えているかを探った連合の調査によると、実際に導入されたら自分のスキルや知識では対応できないと考えている人が約7割に及んだことが分かった。自身の労働時間に変化は起きないとみる人が6割いた反面、減ると思っている人も2割半ば存在。とくに運輸業と金融・保険業で同様の見方が多く、AI導入による長時間労働の緩和効果に期待している可能性があると分析している。

大卒35歳モデル38万円に――経団連・定期賃金調査

経団連と東京経協が実施した「2017年6月度定期賃金調査」によると、総合職・大卒35歳のモデル賃金は前年結果を3.2%下回る38.0万円だった。全体的に減少傾向を示し、ピークの55歳は1.9%減の60.4万円となっている。初任給相当の22歳の水準と比べると、35歳が1.77倍、55歳が2.81倍の水準だった。一方、集計企業396社の平均所定内賃金は43.7万円で、そのうち所定内は38.0万円に。実在者を集計した役職者賃金は、部長が1.4%減の68.8万円、課長が0.5%減の53.3万円だった。

働き方改革へ「特別チーム」――厚労省来年度・全国労基署に設置

厚生労働省は平成30年4月から、全国の労働基準監督署に働き方改革の推進に向けた「特別チーム」を新設する方針である。特別チームは、法令に関する知識や労務管理体制が不十分な中小規模事業場などを対象に長時間労働削減のためのきめ細かな指導を行う「労働時間相談・支援班」と長時間労働の抑制や健康障害防止などを目的とした監督指導を行う「調査・指導班」の2班で構成する。中小規模の事業場を重点に労働時間に関する法制度の周知と法令遵守に万全を期して、着実な働き方改革に結びつける狙いである。

働き方改革で生産性向上――日建連が事例集

建設業界における生産性向上を推進している一般社団法人日本建設業連合会(山内隆司会長)は、生産性向上に積極的な会員企業23社の取組みをまとめた事例集を初めて作成した。工事の進め方や資材選びなどの工夫によって作業日や作業時間を削減して4週8休を実現したケースや、現場管理における煩雑な業務の専業・分業化、女性活躍推進、ICT技術の徹底活用といった働き方改革が成果を上げているケースがある。

現金給与総額0.4%増の31.7万円に――毎勤統計29年平均(速報)

厚生労働省の毎月勤労統計調査の平成29年平均(速報)によると、月間現金給与総額は31.7万円となり、前年に比べて0.4%増加した。伸び率は0.1ポイント鈍化したが、26年から4年連続プラスで推移している。一方で消費者物価指数の伸び率0.6%増は下回ったため、実質賃金は0.2%減とマイナスに転じた。雇用形態別の賃金は、一般労働者の所定内給与が0.3%増の30.7万円、パートタイム労働者の時間当たり給与が2.4%増の1,110円となっている。

「社員が人材定着・育成に必要だと考える取組」

2017年版、中小企業白書によると「人材育成・定着について社員が必要と
考える取組み」(複数回答)は
男性社員   女性社員
□能力や適性に応じた昇給・昇進               53.5%   55.7%
□成果や業務内容に応じた人事評価              50.5%       52.5%
□他社よりも高い賃金水準の確保                                     51.6%       45.1%
□時間外労働の削減・休暇制度の利用促進                    43.6%       44.5%
□職場環境・人間関係への配慮                                       32.5%       36.7%
□育児・介護に係る補助・手当て                                      25.9%        34.2%
□家賃・住宅に係る補助・手当て                                      30.8%        31.3%
□勤務時間の弾力化                                                        26.9%        30.9%
□作業負担軽減・業務上安全確保の徹底                       30.8%        29.1%
□研修・能力開発支援                                                      29.3%        27.1%
□希望に応じた配置に関する相談体制確保                    17.1%        19.3%
□メンタ-制度などの各種サポ-ト                                   15.2%        12.5%

となっており、男女とも「能力や適性に応じ昇進・昇格」「成果や業務内容に応じた
人事評価」「他社よりも高い賃金水準の確保」が人材の定着・育成に必要だと考える
割合が高かった。

以上

店舗の全契約社員を無期化――ファンケル

㈱ファンケル(神奈川県横浜市、代表取締役 社長執行役員 CEO 島田和幸)は、4月から店舗スタッフ向けの雇用区分「地域限定正社員」を新設し、現在は契約社員として働く約1,000人を全員移行させる。従来の1日7時間勤務、転居を伴う異動がない働き方は変えることなく、1年ごとに更新していた雇用契約を無期とするもの。接客スキルを評価し、全5階層に格付けているキャリアクラス制度の仕組みは維持したまま、年間休日を113日から120日に増やし、処遇面では年間の賞与月数の平均を1.9カ月から2.7カ月に引き上げる。

マルチジョブホルダー適用へ――厚労省検討会・雇用保険見直し

厚生労働省は、労働者の副業・兼業を促進する一方で、マルチジョブホルダーの雇用保険制度適用のあり方について本格的検討を開始した。現行の雇用保険制度では、同時に2つ以上の雇用関係にある労働者は、主たる賃金を受ける1つの雇用関係についてのみ被保険者となれるとされている。A事業所で週所定15時間、B事業所で同10時間の就業をしている労働者は、合計25時間あっても適用要件を満たしていないことになる。

働き方改革企業へ金利優遇――大阪労働局・金融機関と連携

大阪労働局(田畑一雄局長)では、働き方改革実現に向けた金融機関との連携が進んでいる。金融機関の知見や顧客ネットワークを生かして助成金制度の活用を進め、労働生産性の向上や非正規労働者の処遇改善をめざす。同労働局では、全国に先駆けて連携協定を締結するのみならず、厚生労働省の女性・若者活躍などについての認定を受けた企業に対する貸付金利優遇制度などを実現しており、全国から注目されている。

17年賃上げ率は2.3%に微増――経団連・東京経協/昇給・ベア調査

経団連と東京経協が共同実施した「昇給、ベースアップ実施状況調査」によると、2017年の平均賃上げ額は6,914円となり、所定内賃金に対する引上げ率では2.3%だった。過去4年間では15年の7,308円、2.4%に次ぐ水準で、前年比では102円、0.1ポイント上昇している。昇給・ベアの区別がある企業224社のうち、ベアを実施した割合は58.9%に。15年の64.8%には及ばなかったが、4年連続で5割を超えた。賃上げに際して主に考慮した要素には、「企業業績」、「世間相場」に続き「人材確保・定着率」が挙がっている。

産後8週間の休業を促進――厚労省が検討会骨子

厚生労働省の仕事と育児の両立支援に係る総合的研究会(座長・武石恵美子 法政大学キャリアデザイン学部学部長)は、男性の育児参加を徹底するための方策に関する「取りまとめ骨子」を明らかにした。産後8週間以内における男性の休業・休暇取得を促進して意識改革につなげるとともに、育児休業取得に対する不利益取扱い禁止とハラスメント防止を徹底すべきなどとしている。配偶者の企業へ手紙を送付するなどして、「ワンオペ育児」の抑制も必要とした。

「2%基準」ベア要求へ――UAゼンセン

あらゆる産業・業種の労働組合を傘下に収める連合構成組織で最大の産別であるUAゼンセン(松浦昭彦会長)は1月31日、東京で開いた第6回中央委員会で「2%基準」のベースアップ要求を行う18春闘方針を正式に決めた。翌2月1日には構成3部門の方針も定まった。高まる人手不足感、昨年ほとんどなかった物価上昇、2%近い実質経済成長率、政府の3%賃上げ要請とそれに呼応する経団連方針等々、賃上げ環境は整ったとみており、同会長は「今やらずしていつやるか」と組合員に檄を飛ばした。

17年賃上げ率は2.3%に微増――経団連・東京経協/昇給・ベア調査

経団連と東京経協が共同実施した「昇給、ベースアップ実施状況調査」によると、2017年の平均賃上げ額は6,914円となり、所定内賃金に対する引上げ率では2.3%だった。過去4年間では15年の7,308円、2.4%に次ぐ水準で、前年比では102円、0.1ポイント上昇している。昇給・ベアの区別がある企業224社のうち、ベアを実施した割合は58.9%に。15年の64.8%には及ばなかったが、4年連続で5割を超えた。賃上げに際して主に考慮した要素には、「企業業績」、「世間相場」に続き「人材確保・定着率」が挙がっている。

「ケアサポーター」を導入――介護のツクイ

介護事業を展開している㈱ツクイ(神奈川県横浜市、津久井宏代表取締役社長、グループ計=1万9700人)は現場で働く職員の負担軽減に向け、新職種の「ケアサポーター」を導入した。食事の配膳や片付け、事務作業など周辺業務を担う。雇用形態はパートとし、1回当たり半日程度の勤務を想定。あくまで介護自体を行うわけではないことを強調するなど、求人面の工夫も凝らし、全国的に採用を広げていく考えだ。

バイト賃金・新卒の”55%水準”を容認――大阪地裁

同じ業務に従事する正職員がいるのに新卒の55%程度の賃金しかもらえないことなどが労働契約法第20条に違反するとして、学校法人大阪医科薬科大学(大阪府高槻市)のアルバイト職員が起こした訴訟で、大阪地方裁判所(内藤裕之裁判長)は、原告の請求をいずれも棄却する判決を下した。採用時における職務の限定性の違いや、正職員登用制度の存在を重視している。

課長級のピーク60万円強――人事院・民間給与の実態

事務系、技術系ごとに職階別賃金を調べている人事院・職種別給与実態調査によると、課長級の所定内給与のピークは、事務課長が48~52歳未満61.0万円、技術課長が同60.3万円だった。新人レベルの係員級20~24歳未満の水準と比べると、いずれも2.81倍となっている。標準的なフルタイム再雇用者の給与水準を聞いた設問では、定年前常勤者と比較して月給が70.4%、年間賞与が47.7%、年間給与は65.4%との結果が明らかになった。

副業・兼業を解禁―コニカミノルタ

コニカミノルタ㈱(東京都千代田区、山名昌衛代表執行役社長兼CEO、5770人)は、副業・兼業を解禁した。多くのスキルが必要となる副業・兼業、起業をすることで得た知見を本業に還元してもらいたい考え。社員だった個人事業主が週1日働くなどというような、同社を副業先とするケースもあり得るとしている。同時に育児・介護や転職で離職した社員が戻れる制度も開始した。

賃金改善「3千円以上」要求へ 自動車総連・18春闘方針を決定

トヨタや日産などの完成車メーカーおよび車体・部品、輸送、販売など自動車関連企業の労働組合およそ1100組合でつくる自動車総連(高倉明会長)は1月11日、神戸市で第85回中央委員会を開催し、「3000円以上」の賃金改善要求を掲げる18春闘方針を決定した。上げ幅ではなく水準自体を重視して格差是正に力を注ぐ考えで、めざす賃金額を明確に要求する個別賃金の取組みを強める。直接雇用の非正規労働者の時給20円引上げに向けた産別としての決意を明確にしている。

大卒モデル・55歳44万円がピーク―東京都・中小企業の賃金事情

東京都の「中小企業の賃金事情」調査によると、大卒のモデル賃金は22歳20.8万円、35歳30.5万円、45歳39.0万円などとなり、ピークの55歳は44.2万円だった。3年連続で減少傾向を示し、35歳以上の全年齢ポイントで前年を下回っている。初任時の水準に対するピーク時の倍率も、前年2.22倍から2.12倍にダウンした。一方で過去1年間のベア実施率は27%と横ばいだったが、全体平均の所定内賃金は1.1%増の35.2万円と伸びている。

業務改善助成金 全国へ適用拡大――厚労省

厚生労働省は、設備投資を行い、事業場内最低賃金を引き上げた中小企業に対して設備投資費用の一部を支援する業務改善助成金について、支給対象地域を全国に拡大する。従来、地域最賃が高いエリアの企業が助成金を受けるには事業場内最賃を60円以上引き上げる必要があったが、地域別最賃が低いエリアと同様に、30円以上の引上げで50万円を上限に受給できるようになる。平成29年度補正予算で実施するもので、今年1月末まで申請を受け付ける。

働き方改革検討委員会設置 年度内にガイドライン策定―農水省

農林水産省は、政府が進める働き方改革を農業でも進めるため、検討会を立ち上げた。このほど開いた初回の席上で委員は、「まずは農業法人の経営者の意識改革が重要」との意見で一致している。今後、人材確保・定着に関する課題および対策のアンケート調査などを行い、年度内にガイドラインをまとめる方針。繁閑差を活用し、複業者を雇って人材確保に成功した企業事例なども収める予定。

大卒35歳モデル31.6万円に――情報労連・ITエンジニアの労働実態調査

情報サービス産業で働く大卒・基幹職のモデル賃金は、22歳20.7万円、35歳31.6万円、45歳40.3万円、ピークの55歳43.6万円に――。情報労連の「ITエンジニアの労働実態調査」で明らかになったもので、初任時と比べると35歳は1.53倍、ピーク時は2.11倍の水準だった。職種別の平均賃金は、プログラマー22.7万円、SE31.6万円、プロジェクトリーダー等39.5万円、システムコンサルタント等47.2万円などとなっている。回答企業の最低額・最高額から求めたSEの賃金レンジは25.8万~39.9万円、プロジェクトリーダー等は33.6万~47.8万円だった。

「働き方改革への取組状況」

日本オラクルは2017年11月1日、従業員100人以上の国内企業で働く部長職以上の管理職412人を対象にした調査結果を発表した。

「働き方改革の目的は」(複数回答)
1位・・・ワ-クライフバランスの実現44.9%
2位・・・コンプライアンスの遵守   41.3%
3位・・・従業員の健康管理      34.0%
4位・・・従業員の満足度向上     27.0%
5位・・・コスト削減         19.9%
6位・・・自社の持続的成長      18.8%
7位・・・離職率の改善        11.7%
8位・・・自社の競争力強化        8.5%
9位・・・自社の採用ブランド力強化    3.2%

となっており、8割の企業が何らかの形で着手しており、意識されていることが示された。また、どれほどの効果を実感しているかについては、約半数の49%が効果が出ていると回答。中でも、「残業時間の削減」57.8%、「有給休暇の消化促進」が38.7%と多く、労働環境の改善に注力している実態が明らかになった。

一方、人事評価や勤務制度への落とし込みへの課題もあり、上手くいっていない取り組みについては、「人事評価指標・方法の変更」25.5%、「柔軟な勤務制度の導入」が22.9%と上位に挙がった。さらに働き方改革への阻害要因としては、「社風・文化へのフィット」33.8%、「一般社員の強いコミットメント」20.9%、「管理職の強いコミットメント」18.5%、「経営者の強い推進力」が18.2%で、合わせると70.5%となった。

ビッグデータ保護へ改正――経産省・不正競争防止法

経済産業省は、企業がビッグ・データなどの利活用を安全に行えるようにするため、不正競争防止法を改正する。スマートフォンから得られる消費動向や化学物質の素材データなどは、産業分野横断的に共有・利活用されることで新たな事業の創出につながり、わが国経済をけん引する高い付加価値が生み出されるが、不正競争防止法上の「営業秘密」として保護の対象外となっている。改正案では、保護対象の要件として、ID・パスワード管理などにより、電磁的アクセス制限が掛かり集積によって商業的価値が認められるものとしている。権限のない者が管理侵害によりデータを取得したり、使用すると不正取得となる。

税制改正大綱 賃上げ・設備投資で減税へ――与党

自民党、公明党の両党は、平成30年度税制改正大綱を決定した。生産性向上のための設備投資と持続的な賃上げを後押しする観点から、時限的な措置として、十分な賃上げや国内設備投資を行った企業について賃上げ金額の一定割合を税額控除できるようにする。中小企業の代替わりを促進するため、事業承継税制の抜本的な拡充も実施。10年間の特例措置として、株式の贈与・相続に伴う納税猶予割合を拡大するなどとした。

地域限定型の活用範囲広がる――2017年掲載事例を振り返る

人手不足が続く一方、企業業績の好調さが指摘されるなかで、2017年は10~20年ぶりに制度改定を果たす企業が多かった。転居を伴う異動がない「地域限定型」の活用範囲を思い切って広げたり、65歳定年に踏み切ったりするなどの動きがみられた。一方、職種別のコンピテンシーモデルの廃止や、個人の役割を重要度・難易度の両面から評価する併存型の体系を改めるなど、従来の手法を見直すケースも散見された。

AI普及・非正規雇用に深刻な影響――労政基本部会で本格論議開始

中長期的な労働政策全般について検討する労働政策審議会労働政策基本部会(部会長・守島基博学習院大学教授)はこのほど、スピードが増しているAI(人工知能)化の進展と雇用・労働への影響について初めて議論した。AIやロボットによる代替可能性が高い労働人口割合は全体で49%に達し、なかでも非正規労働者が担う定型的労働を直撃する可能性があるとしている。コミュニケーション能力を生かしたサービス、マニュアルに基づかない仕事への労働力移動が早急に求められるとした。

交通事業者向け・接遇ガイドライン作成へ――国交省

国土交通省は、鉄道やバス、タクシーなどの交通事業者を対象に、接遇の基本的事項や交通手段ごとの応対方法を示した「接遇ガイドライン」を今年度中に作成する。多数の高齢者や障害者の来訪が見込まれる東京オリンピック・パラリンピック開催などを背景に、移動に制約がある人の要望にきめ細やかに対応できるようにするのが目的。現在、接遇に関する職員教育の有無や内容は事業者ごとに異なっているため、望ましい接遇のあり方を示すとともに研修プログラムを作成し、接遇レベルの底上げを図る。

中小・男性のピーク637万円――国税庁・民間給与実態(細部集計)

民間事業所の年間給与額を把握している国税庁・民間給与実態統計によると、規模100~499人の事業所で働く男性・従業員のピークは、55~59歳637万円だった。中堅規模の500~999人は1.13倍に当たる723万円で、5,000人以上は1.43倍に当たる909万円などとなっている。年齢階級別のカーブにはめだった規模間格差がみられ、新卒者を含む20~24歳の水準との格差は、それぞれ2.17倍、2.36倍、3.57倍だった。

時間外月80時間以下で助成金――厚労省・労基法改正への対応支援

厚生労働省は平成30年度、「時間外労働等改善助成金」をスタートさせる方針である。時間外労働が月80時間(休日労働含む)・年720時間以下の特別条項付き36協定を締結し、現実に同時間以下の範囲で時間外労働を行った労働者が生じた中小企業を対象に50万円などを支給する。次期通常国会に提出予定となっている労働基準法改正案成立後の施行を円滑にする狙い。時間外労働の上限規制設定に取組んだ中小企業団体にも500万円を上限に助成する。

「快適職場」に認定制度――日建連

ゼネコンの事業者団体である日本建設業連合会(山内隆司会長)は、働きやすい作業環境を整えている建設作業所を認定する「快適職場認定制度」を創設した。認定に当たっては、作業員の心身の負担を軽減するための作業空間・方法の改善や、長時間労働の是正対策といった働き方改革に関する取組みなどを審査する。働きやすい環境整備に向けた機運を醸成し、建設業の担い手確保につなげるのが狙い。

100人超の改定額5,600円強――厚労省・引上げ等実態調査

厚生労働省の賃金引上げ等の実態調査によると、規模100人以上の1人平均改定額は5,627円だった。所定内賃金に対する改定率は0.1ポイント増の2.0%となり、額・率とも集計方法が変わった平成11年以降、最高の水準を示している。定昇制度がある企業のベア実施割合については、管理職で22.9%、一般職で26.8%となり、前年比でそれぞれ5.1ポイント、3.5ポイント改善した。

 

「情報漏洩」

「企業における営業秘密管理に関する実態調査」が(独)情報処理推進機構/2047年3月から公表された。それによると、営業秘密の漏洩ル-トは

・現場従業員のミスによる漏洩 ・・・ 43.8%
・中途退職者による漏洩 ・・・ 34.4%
・取引先や共同研究者を経由した漏洩 ・・・ 11.4%
・現場従業員による具体的動機を持った漏洩 ・・・ 7.8%

の順となっている。企業秘密が外部に洩れることは、独自の技術やノウハウ、販売手法などが模倣され市場での競争力が低下するという大きなリスクになり、個人情報の漏洩は社会からの信用損失だけでなく、訴訟問題へも発展する可能性がある。
また、その漏洩先で一番多いのは国内の競合他社が32.4%で、外国の競合他社を含めると42.9%にのぼり、自社事業へ大きな影響を及ぼす可能性が高いことがうかがえる。
情報漏洩の主な原因としては、電子メ-ルの誤送信、パソコンやUSBメモリ、スマ-トフォンの持ち出しや紛失、盗難などが挙げられる。また、近年ではSNSなどに従業員が企業秘密を掲載して問題となるケ-スも発生しており、広範囲での注意が必要となってきている。

介護離職対策 休業期間倍増し186日に――日本精工

ベアリング製造業の日本精工㈱(東京都品川区、内山俊弘取締役代表執行役社長、3万1501人)は、10月から介護離職対策を強化した。介護休業期間を法定の倍となる通算186日まで取得可能とし、分割制限も撤廃した。1カ月以上介護を理由に休業した場合、1日当たり4800円の見舞金も支給する。一般社員向けおよび管理職・人事部門向けの2種類の介護セミナーの開催も実施し、来年度のうちに7500人が受講する。

人手不足の運送業者 同違反で年2度送検――柏労基署

千葉・柏労働基準監督署(市倉健人署長)は関東西部運輸㈱(千葉県野田市)と同社の代表取締役を今年2回にわたり、労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで千葉地検松戸支部に書類送検した。同社は9月の1カ月間、トラック運転者4人に対し、36協定で定める限度時間(127時間)を超え労働させた。1カ月の時間外労働は最長の者で183時間に上っている。同社は今年5月にも、今回と同じ運転者4人に違法な時間外労働をさせたとして書類送検されており、同様の違反を繰り返した。1度目の送検が大きく報道されたことで、運転者の退職が相次ぎ、計画通りに改善が進まなかったという。

資格7階層と役割レベル併用――岐阜商工信用組合

岐阜商工信用組合(岐阜県岐阜市、森嶋篤男理事長)は今年から新人事制度を導入し、全7階層の「資格区分」、役職と連動する「役割レベル」を併用している。それぞれの格付けは、標準以上の評定なら毎年1号ずつ昇給する基本給、レベル別定額の役割給に連動させ、複雑かつ透明性の低かった旧制度を見直した。資格区分については上限号俸に達する前の“飛び級”的昇格も可能とし、抜擢者の基本給額を一気に引き上げる。人事考課制度は目標管理をベースとする仕組みに改めており、意欲・能力面の評定で昇給の可否が決定するほか、業績面の評定で賞与にメリハリを利かせる。

退職者の「秘密管理性」を否定――東京地裁

食品の商品企画・開発・販売などを営むエイシン・フーズ㈱が、秘密保持契約に違反したとして退職労働者と転職先会社に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(佐藤達文裁判長)は訴えを全面的に棄却した。同社は同労働者が製造規格書などの情報を転職先会社に漏えいしたと主張したが、情報は各従業員がアクセス可能なサーバに保管されており、従業員が秘密として認識できる形で管理されていなかった。秘密保持契約に定める「機密事項」に当たらないと判断した。

高齢者雇用推進へガイドライン――日本人材紹介事業協会

一般社団法人日本人材紹介事業協会(渡部昭彦会長)は、人材紹介業における高齢者雇用を推進するため、企業に求められる配慮・工夫や人事制度などを示したガイドラインを作成した。社会全体で高齢層の転職の増加が予想されるなか、高齢求職者の事情に共感できるシニアカウンセラーなどとして活用することで、より質の高いサービスの提供につなげるのが狙い。高齢人材の活躍を促すための工夫として、勤務の時間・場所など本人の事情に考慮した柔軟な勤務形態の設定などを挙げている。

大学卒・男性20.8万円に――厚労省・決定初任給調査

厚生労働省「賃金構造基本統計調査(初任給)の概況」によると、平成29年の大卒決定初任給は男性が0.9%増の20.8万円、女性は2.1%増の20.4万円だった。ともに26年からの上昇傾向が続き、伸び率でも前年結果を上回っている。男女計でも、過去4年間で最高となる1.3%増の伸び率を示した。100人未満規模が500円アップにとどまる一方、1,000人以上が4,100円アップと大きく伸び、全体平均を押し上げている。

9割が指導標など交付――3経協「働き方」調査

愛知、岐阜、三重の3経営者協会は、労働時間および働き方改革に関する実態調査結果を取りまとめた。昨年4月以降に労働基準監督署の臨検を受けた企業のうち、是正勧告書や指導票を交付された企業は9割に上っており、2年前の前回調査と比べて2割増加した。労働時間の適正な把握に向けたガイドラインについては4割の企業が未対応。労働時間の自己申告制を採る企業が、客観的な労働時間との乖離を指摘された例もあった。

最低でも物価上昇分確保を――UAゼンセン・18春闘

連合の傘下最大で、流通・製造・外食系などあらゆる産業の労働組合が集うUAゼンセン(松浦昭彦会長)は11月6日、東京都内で開催した政策フォーラムで18春闘方針の「素案」を傘下の単組に示した。17春闘と表向き同じ「ベア2%基準」としているが、今年は物価上昇が見込めそうな情勢にあり、実質賃金の引上げとなる交渉を強く要請した。労働力人口の減少で要員不足が続いていく趨勢も指摘し、求職者に自信をもって提示できる魅力ある労働条件づくりを経営者に説くよう求めた。

東京・4人世帯27.9万円――人事院「平成29年地域別標準生計費」

今年4月の4人世帯の標準生計費は、東京が27.9万円、大阪市21.4万円、名古屋市23.4万円などとなった。人事院による全国の水準22.0万円と比べると、大阪市、名古屋市にめだった差がみられない一方で、前年比4.2%伸びた東京との格差が約6万円に拡大している。47都道府県全体では、20万~25万円の範囲に6割弱の地域が集中しており、20万円に満たないのは約3割に当たる15地域となっている。

セルフ・キャリアドックの普及加速化へ――厚労省が東京・大阪に拠点

厚生労働省は平成30年度、企業内において節目ごとに定期的なキャリアコンサルティングを実施する「セルフ・キャリアドック」の普及拡大加速化事業に着手する方針である。すでに、モデル企業14社の選定を終え、実施結果に基づく導入マニュアル、モデル就業規則を今年度中に作成する予定となっている。30年度に、同マニュアルなどを用いた普及拡大に努める。東京と大阪に、キャリアコンサルタントを配置した拠点を設けて、企業を訪問支援するとした。

設業のICT活用で最先端5技術を試行へ――国交省

国土交通省は、ICT(情報通信技術)などを活用した建設現場の生産性向上施策である「i-construction」を推進するため、AI(人工知能)を活用した受発注業務の効率化を図る技術など5件の新技術を現場で試行する。このほど、行政・現場が求める技術ニーズと、IT企業などが開発をめざす最先端技術(シーズ)のマッチングを実施し、現場で試行する技術を決定している。スマートフォンなどを活用して作業員や重機の位置を検知して災害防止につなげる技術も試す。今年度末まで実施し、活用の可能性を評価する予定だ。

大卒初任給 事務・技術とも21.3万円に――経団連・東京経協「2017年3月卒初任給調査」

経団連と東京経協が共同実施した2017年3月卒の決定初任給調査によると、大卒初任給は事務系21万2,873円、技術系21万2,774円だった。16年実績からの増減額を調べた対前年引上げ額は1,377円、1,613円となり、前年並みにとどまった事務系に対し、技術系では約200円上回っている。改定の有無については、据え置いた企業が51.7%を占め、3年ぶりに、前年から引き上げた企業の割合を逆転した。「世間相場」を最重視する企業が3割弱を占める傾向に変化はみられないが、「在籍者とのバランスや新卒者の職務価値」、「人材確保の観点」を挙げる企業が微増している。

 

フリーランスに法的保護――厚労省が専門的検討を開始

厚生労働省は、フリーランスの法的保護に関する専門的検討を開始した。クラウドソーシングの普及、兼業・副業の拡大などにより、雇用関係によらない働き方が増加しているものの、法的保護制度が整備されておらず、様々なトラブルにつながっている。それぞれの働き方において、権利義務関係を明確化した上で、公正なルールの形成に力を入れる考え。検討結果は、労働政策審議会の労働政策基本部会に提出する。

ベトナム人実習生に100時間超の時間外で送検――所沢労基署

埼玉・所沢労働基準監督署(井出章署長)はベトナム人技能実習生5人に違法な時間外労働をさせたとして、㈲ラビット(埼玉県入間市、機械器具製造業)と同社の取締役社長を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで書類送検した。同社は今年1月から4月1日までの間、ベトナム人技能実習生5人に対し、法定労働時間を超える労働をさせた。36協定の届出はあったが、別法人の従業員が過半数代表者にされており、有効ではなかった。

役職層に4種の職群制運用――ニチレイフーズ

㈱ニチレイフーズ(東京都中央区、大櫛顕也社長)は、管理職層の役割を明確にし、キャリア・ゴールや働き方を多様化した新職群制度を運用している。管理監督者の範囲を上位3グレードに絞り込んだうえ、非組合員層の役職レベルに対して職務限定・地域限定の3職群を設けたもの。総合職コースに当たる基幹職群を含め、相互転換を可能としている。給与レンジが大きく重複していた基本給体系は、グレードごとに21号俸を上限とするシンプルな設計へ改めた。昇降給・昇降格に用いるコンピテンシー評価も再設計し、グレード間の関係を明らかにしている。

「働き方改革の弊害」

日経ビジネス社がビジネスパ-ソン1036人を対象に「働き方改革の弊害と感じることは何か」について実施した調査を公表した。

1位 ~ 仕事がより過密になり疲労が増加した ・・・32.0%
2位 ~ 仕事をしたいのにできない      ・・・29.8%
3位 ~ 仕事を通じて学ぶ機会が減少した   ・・・22.7%
4位 ~ サ-ビス残業が増加した       ・・・14.9%
5位 ~ コミュニケ-ションが取りづらくなった・・・12.0%

が上位になった。
この調査でで、自身が勤める会社が働き方改革に取り組んでいるとした人の割合は62.7%あった。
取り組み始めた時期としては3割以上の企業が2年以内にスタ-トしていた。
急ピッチで進む働き方改革を現場はどのように受け止めているのか、との問いには“満足している”が12.1%だったのに対し、“不満がたまっている”が30.5%と大きく上回った。
一方で、働き方改革に対する経営の姿勢については“良い”が29.8%で“悪い”の22.4%を上回っていた。
経営サイドが打ち出す改革の方向性は評価するものの、現時点では現場の負荷や弊害が大きいと感じている実態が鮮明になった。

以上

下請Gメンが監視へ――厚労省と中企庁が働き方改革推進

生労働省と中小企業庁は来年度、中小企業に狙いを絞った働き方改革支援に総額2100億円を投入する方針である。取組みが遅れがちの中小企業においても、働き方改革の必要性を広報し、商工会・商工会議所などと連携しながら支援を進める考えである。労務管理や人手不足に関する相談体制を強化する一方、取引条件改善や生産性向上を後押しする助成を充実させる。大手企業の働き方改革が中小・下請けへのしわ寄せにならないよう下請Gメンが実態把握に回る。

改正品確法の影響 適正な工期設定進む――全建調査

全国建設業協会(近藤晴貞会長)は会員企業を対象に、建設業における担い手の中長期的な育成・確保を目的に適正な工期設定などを公共工事発注者の責務として定めた改正品確法について、運用指針の施行から2年経過後の影響を調査した。工期設定の状況が「改善された」とした割合は、発注者が国交省と都道府県のケースで4割を超える。市区町村では、指針施行後も未改善の割合が高い。週休2日(4週8休など)を実施している企業は1割に満たず、適正工期を通じた休日拡大は道半ばの状況だ。

地域限定型設け全員総合職へ――東邦銀行

㈱東邦銀行(福島県福島市、北村清士頭取)は今年10月、3コース複線型だった体系を改め、全員を総合職とする新制度に移行した。地域限定のエリア総合職を新設して3回までの相互転換を可能とする一方、役職への任用や昇格面では運用に差を設けない。ポストや職務役割の高さを反映する定額制の職務給についても、勤務地限定の有無にかかわらず同額を支給する。早期抜擢を推進するため、各役職に登用できる資格等級の範囲も引き下げた。併せて若年層の等級を細分化して昇格回数を増やしたほか、55歳以降の減額措置を緩和し、よりフラットな賃金カーブに見直している。

総合職・大卒35歳32.6万円に――「愛知のモデル賃金」調査

愛知県経営者協会と名古屋商工会議所がまとめた「愛知のモデル賃金」調査によると、総合職・大卒のモデル賃金は22歳20.5万円、35歳32.6万円、50歳46.5万円、ピークの60歳47.0万円などとなった。50歳および60歳ではダウンしたものの、35歳で3,000円アップしたのをはじめ全体的に微増傾向を示している。初任時22歳に対するピーク時60歳の倍率は、前年を0.04ポイント下回る2.29倍となった。実在者を調べた管理職賃金は、部長級が54.9万円、課長級が44.4万円で、ともに前年並みの水準だった。

副業・兼業にガイドライン――厚労省・柔軟な働き方促進へ

厚生労働省は、今年度内にテレワークと副業・兼業の拡大に向けたガイドラインを作成する。テレワークの普及により、時間・空間の制約にとらわれない働き方を促進する一方、副業・兼業を後押しして技術開発や起業の増加につなげる狙い。ガイドラインでは、企業がテレワーク導入に躊躇しないよう、的確な労働時間管理の手法と長時間労働防止対策などを提示する。副業・兼業に対しては、裁判例・学説などに基づく就業規則改定などを促進するとしている

新国立競技場建設工事 81社で違法残業など発覚――東京労働局

東京労働局(勝田智明局長)は、新国立競技場建設現場で作業を行っている762社を対象に、労働時間などに関する自主点検調査と監督指導を実施した。同現場下請企業社員の自殺についての労災申請を受けた緊急対策として実施したもの。監督指導を行った事業場128社の6割を超える81社で違法な時間外労働や割増賃金不払いなどの法令違反が発覚し、是正勧告書を交付した。違法な時間外労働があった事業場のうち10社では、月100時間超の時間外・休日労働に従事させていた。

正規・男性の年間給与 前年並み540万円に――国税庁・平成28年民間給与実態

国税庁の平成28年民間給与実態統計によると、昨年1年間を通して勤務した正規・男性の平均年間給与は、539.7万円だった。4年連続で前年比プラスとなったが、伸び率は1.0ポイント低下し、0.2%増にとどまっている。女性では正規が1.7%増の373.3万円と伸び、非正規は0.6%増の148.1万円だった。全体の平均給与は0.3%増の421.6万円となり、25年以来の増加傾向を維持した一方で、平均賞与が0.5%減の64.5万円と落ち込んでいる。

 

厚労省・国交省が建設業の人材確保で連携――30年度予算要求で

厚生労働省と国土交通省は平成30年度、建設業の人材確保・育成事業に共同して取り組む方針である。建設業において働き方改革を推進するほか、地域の中小・中堅建設業における多能工化・協業化の促進、「基本計画」に基づく建設職人の安全・健康確保など各種新事業をスタートさせる。助成金制度では、人材確保等支援助成金(仮称)を新設し若年者や女性の雇用促進と職場定着を後押しする考え。

大手2社で働き方改革牽引――パチンコ業界

パチンコ業界の売上げ上位2社である㈱ダイナムと㈱マルハンは、働き方改革を考える意見交換会を初めて開催した。両社がそれぞれ現状や対応策を披露するなかで、「今現場で活躍する女性が、若手の気持ちを理解できておらず、敵となっているかもしれない」など共通する課題を持つことが判明している。セミナー後には両社とも、働き方改革において「業界を引っ張る」と決意を示しており、今後さらに協力していく構えをみせた。

 

「勤怠システム」導入不可避――東京大学・水町教授

突然の衆院解散で働き方改革関連法の審議見通しに不透明感が漂う中、東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授は、同法案が成立すれば「勤怠システム」の導入が避けられなくなると語った。連合東京が9月19日に開催した関連セミナーに講師として招かれた際の発言で、「長時間労働是正」に向けた36協定の適正運用や年休付与義務の順守に不可欠としたもの。最短の施行日となる2019年4月に向け、準備を急ぐよう訴えた。

「同一労働同一賃金アンケ-ト」

1916年末から2017年初旬にかけて、求人サイト「はたらこねっと」を運営するディップがアンケ-ト調査を行い、975人から有効回答を得た。

□同一労働同一賃金に賛成ですか?
・正規社員の約7割が賛成
・非正規社員の約8割が賛成

□同一労働同一賃金に何を期待していますか?
・正規社員
「雇用形態による福利厚生の差がなくなる」 75%
「雇用形態による給与の差がなくなる」 65%
「雇用形態による責任の差がなくなる」 29%

・非正規社員
「雇用形態による給与の差がなくなる」 74%
「雇用形態による福利厚生の差がなくなる」 54%
「年齢による給与の差がなくなる」 24%

□同一労働同一賃金について懸念することは?
・正規社員
「給与が下がる」 45%
「雇用形態の安定がなくなる」 44%
「会社からの命令に準ずる業務が発生する」 39%

・非正規社員
「会社からの命令に準ずる業務が発生する」 50%
「仕事が増える」 39%
「雇用形態の安定がなくなる」 33%

以上

労働7法を一括改正へ――厚労省・働き方改革で

厚生労働省は、次期国会へ提出をめざす「働き方改革促進法案」をまとめた。時間外労働の上限規制と高度プロフェッショナル制度の創設に加え、非正規雇用労働者の処遇改善、勤務間インターバル導入促進など、多数の改革事項を一本化した法案となっている。改正する主な法律は、労働基準法をはじめ、パートタイム労働法、労働時間等設定法など合計7本になる。中小企業の割増賃金率の引上げなどを除き、原則として平成31年4月1日の施行を見込んでいる。

テレワーク導入へ流れ加速――地銀

地方銀行でテレワークの拡大が進んでいる。㈱北陸銀行では、生産性向上やワーク・ライフ・バランス(WLB)の実現などを目的に、今月から営業店・本部の両方で試行を開始した。昨年から社内インフラの整備を進め、導入に向けた下地が整いつつあった。㈱常陽銀行は今年1月からの試行を今月末で終え、10月から正式に制度化する予定。対象は育児中の社員に限定している。富山銀行は本店移転を機にテレワークを行いやすくする方針だ。

職種別モデルやめ役割基軸に――ヤマハの新・一般社員制度

ヤマハ㈱(静岡県浜松市、中田卓也社長)は昨年10月、一般社員層に役割を基軸とする等級・評価・報酬制度を採用した。職種別のコンピテンシーをベースとしていた旧制度を大きく見直すとともに、35歳まであった年齢昇給を廃止し、基本給の一本化を図っている。等級の大括り化を進めて若手の早期活躍を促す一方、新たに技能職全般と企画職の下位層に対し、高い評価を取れば上限を超えて昇給できるルールも採用した。コンピテンシー基準だった評価制度はよりシンプルな形となり、役割のレベルで3パターンを使い分ける総合評価方式へ移行している。

同一労働同一賃金導入へ業界別マニュアル――厚労省・30年度方針

厚生労働省は平成30年度、同一労働同一賃金の実現など非正規労働者の処遇改善と時間外上限規制に向けた企業支援対策を強化する方針である。非正規労働者の多いサービス業などを対象とした業界別の「同一労働同一賃金導入マニュアル」を作成するほか、正規労働者との間の不合理な待遇差を解消する相談員を全国都道府県労働局に配置する。時間外上限規制の「技術的な相談」に応じるため、労務管理の専門家を配置した「働き方改革推進支援センター」(仮称)も新設する。

70歳雇用実現26社に助成金――埼玉県

埼玉県は定年制廃止などを新たに実施する県内企業26社に対し、「70歳雇用推進助成金」の交付を決定した。就業規則を見直し、実際に定年廃止などの実施が確認できた後に交付する。助成額は1社当たり最大で180万円。併せて県内企業17社に対し「生涯現役実践企業」の第1回認定を行った。認定企業は「三つ星企業」の表示が可能となり、同県のホームページに企業名などが掲載される。

SE・プログラマの年収590万円――経産省・IT産業の給与等調査

経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、顧客向けシステムの開発・実装に従事するSE・プログラマの年収は593.7万円だった。高度SE・ITエンジニアはその1.31倍に当たる778.2万円、プロジェクトマネージャは1.48倍の891.5万円、コンサルタントは1.53倍の928.5万円などとなっている。年功的な給与制度を持つ企業ほど同年齢における年収格差が小さい傾向が明らかになった一方、55歳時の最高・最低水準の格差は年功型で約1.4倍、能力・成果重視型でも約1.6倍にとどまっている。

「有給休暇を取得できない・しない・しづらい理由は」

2017年7月18日から19日に20代から50代の男女1000人を対象にBIGLOBEがインタ-ネットで調査を行った。(複数回答)

第1位 ・・・職場に休める雰囲気がないから                 33.6%
第2位 ・・・休むと同僚が多く働くことになるから      22.9%
第3位 ・・・上司、同僚がとらないから                         22.3%
第4位 ・・・自分でコントロ-ルできない業務だから    21.1%
第5位 ・・・業務対応が発生するかもしれないから      18.1%
第6位 ・・・他の日に残業しなければならなくなるから 17.1%
第7位 ・・・罪悪感を感じるから                                   13.1%
第8位 ・・・何となく心配で休む勇気がないから          11.5%
第9位 ・・・取得申請が面倒だから                             10.3%
第10位 ・・・上司に許可してもらえないから                   8.7%
第11位 ・・・評価が下がりそうだから                              8.5%
第12位 ・・・休暇を使ってやりたいことがないから         8.0%

となった。また、「同僚が取得した際、働く人はどのように感じるのか」という調査では、「取れるならどんどん取った方がいい」が34.6%でトップ。
次いで「自分も取りたい」が31.9%だった。「イライラする」「怠慢だ」等の感情を持つのは少数だった。
不快感を示す人が少ないにもかかわらず、「職場に休める雰囲気がない」と感じる人が多い現状を改善するために何が必要か、という調査に対しては「会社の制度を変えるべき」が66.6%を占め、「個々の意識を変えるべき」の33.4%を大きく上回り、企業側に休暇を取得する仕組みづくりを求める声が多かった。

以上

人手不足対策にタブレット――ローソン

大手コンビニエンスストアの㈱ローソン(東京都品川区、竹増貞信代表取締役社長、連結9403人)は、人手不足および複雑化する店舗業務の効率化を目的に、新たなタブレット端末を導入し始めた。画面に商品陳列や清掃作業の「出来栄え基準」を示すことで、経験の浅い従業員でも作業に馴染みやすくしている。11月には、操作ステップのナビゲーション機能や自動釣銭機機能を備えた新型レジも導入予定。シニアや外国人の従業員でも使いやすくすることでレジ業務の効率化を図り、生産性を上げる。

技術革新の雇用影響を注視――JAM・ものづくり基盤強化へ

300人未満クラスの中小サプライヤー労組が大半を占める機械金属系ものづくり産別のJAMは8月31日~9月1日にかけ、第1回定期大会を岐阜県で開催し、向こう2年間の運動方針を確立した。柱の1つに、ものづくり基盤強化に向けた取組みを掲げ、IoTやAIに代表される第4次産業革命と呼ばれる技術革新が雇用に及ぼす影響を注視しながら、波に乗り遅れないための対策に着手する考え。技術革新を利用した生産性向上や不足する労働力の補完機能の双方をにらみ、まずは調査研究から着手する。

事務課長の所定内58.6万円に――人事院・職種別民間給与調査

人事院の職種別民間給与実態調査によると、事務課長の所定内給与は58.6万円、技術課長は58.0万円だった。役職に就いていない係員クラスと比べると、それぞれ2.02倍、1.94倍の水準となっている。前年比では事務系がおおむね微増となったのに対し、技術系では係長、主任が1%台の減少率を示した。大卒初任給は事務系が0.7%増の19.9万円、技術系が0.4%増の20.3万円となり、ともに4年連続で伸びている。定年後再雇用者は、係員クラスで1.1万円増の25.3万円となっている。

4県が目安額「+1円」に――地域最賃答申

全労働者に適用される法定最低賃金(地域別最低賃金)について、全都道府県における審議が終了し、新潟、鳥取、宮崎、沖縄の4県が「目安額+1円」で答申を行った。異議申立て期間を経ておおむね10月1日からの発効となるが、「地方の経済実態が分かっていない」「賃上げを起点に経済を回す考えは本末転倒だ」など、賃上げと並ぶ政府主導型の最賃引上げに使用者側の不満の声がくすぶっている。

テレワーク普及へモデル事業――東京都

東京都は、中小企業における働き方改革を推進するため、テレワークの導入を支援する「モデル実証事業」を開始する。中小・中堅企業20社程度を対象に、専門のコンサルタントが人事制度の見直しやシステム導入といった環境整備のほか、従業員向け研修の実施などを一貫して手助けする。他の企業への普及を図るため、導入結果は好事例集として取りまとめる。中小企業がテレワークを体験できるセミナーも都内各地で開く予定だ。

妥結額・前年並みの6,600円弱に――厚労省・民間主要企業賃上げ

厚生労働省の平成29年春季賃上げ集計によると、民間主要企業における定期昇給込みの平均妥結額は6,570円だった。交渉前の平均賃金31.1万円に対する賃上げ率は、2.11%となっている。いずれも前年結果を下回ったものの、減少幅は金額で69円、率では0.03ポイントとわずかな差にとどまった。産業別にみると自動車が193円増の7,692円、建設が355円増の7,396円、卸・小売が195円増の5,899円となるなど、計20産業のうちの6産業でプラスとなっている。

「2017年新入社員の意識調査」

入社3ケ月が経過した7月4日から12日にマイナビが提供する研修に参加した新入社員にアンケ-トを行い、1623人から有効回答を得た。

□不安に思うこと
・「仕事を上手くこなせるか」      → 69.6%(入社直後調査78.5%)
・「上司、先輩、同僚との人間関係」  → 47.3%(入社直後調査58.1%)
・「十分な収入が得られているか」   → 25.0%(入社直後調査11.6%)

□改善して欲しいこと
・「給料を上げて欲しい」                    → 39.9%
・「人材育成の仕組み」                      → 25%
・「福利厚生」                                     → 20%
・「残業」                                             → 19%
・「オフィス環境」                                → 16%

□入社後にギャップを感じたこと
・「思っていたより自由に仕事ができた」 → 23.4%
・「給料が思ったより少ない」           → 21.9%

と収入、給与についてがいずれも上位となった。

以上

ワーケーション広がる――長期休暇先で仕事

長期休暇滞在先などで仕事をすることを認めることで、年次有給休暇の取得増進といった効果が発生する「ワーケーション」に注目が集まり始めている。日本航空㈱はこの夏に実施。自治体側では和歌山県が今年度、滞在先として選択してもらえるよう企業への働きかけを強化している。サテライトオフィスを増設しテレワーク環境をより充実させる。

震災復興工事の残業削減へ”リアス宣言”――岩手労働局

岩手労働局(久古谷敏行局長)は、震災復旧・復興工事現場における過重労働の解消をめざし、自治体やゼネコンなどとともに「いわてリアス宣言」を採択した。重点実施事項として、月80時間を超える時間外・休日労働を行う労働者の抑制、月1回以上の土曜日の現場閉所などを掲げた。同労働局管内では依然として過重労働が問題になっており、昨年、時間外・休日労働を月160時間以上行わせた工事現場を指導している。自主点検結果をみても、80時間を超える工事現場の数が前年比で4割増加しているという。

介護職員の所定内20.8万円に――28年介護労働実態調査

月給制・介護職員の所定内賃金は大幅増で20.8万円に――。介護労働安定センターの「平成28年介護労働実態調査」によると、職種別の所定内賃金は総じて前年比アップし、なかでも介護職員は4.8%増とめだって改善した。訪問介護員は2.8%増の19.7万円、サービス提供責任者は2.3%増の22.5万円、介護支援専門員は1.9%増の25.5万円などとなっている。改善傾向は時給制労働者にも共通するが、訪問介護員は34円減の1,255円に落ち込んだ。

シルバー人材センター・週40時間就労が拡大――厚労省・改正高年法で

厚生労働省によると、シルバー人材センター事業において、週40時間までの就労が実施可能となっている地域が、今年6月現在で26地域に達していることが分かった。神奈川県横浜市を始め、山梨県笛吹市、滋賀県全域などで、商品販売、配達飲食サービス、廃棄物処理、生産関連事務などの業務分野に広がっている。今後は高齢者雇用の拡大と人手不足対策として、保育・介護分野での活用にも力入れていく方針である。

無期転換制度・「内容知らない」当事者84%――連合調査

労働契約法に基づく有期契約労働者の「無期転換ルール」の開始まで余すところ8カ月となったなか、内容まで知らない当事者が84%もいることが分かった。全国の民間企業で週20時間以上働く20~59歳の当事者1000人を対象に連合が行ったインターネット調査で判明したもので、「不合理な労働契条件の禁止」もそれ自体を知らない当事者が約6割に上っている。どちらか一方でも「知っていた」うちの半数強が「マスコミ」を情報源とし、「勤務先からの説明」は35.9%と低調な実態も分かった。

課長以上の女性比率12.1%――厚労省・雇用均等基本調査

厚生労働省の「平成28年度雇用均等基本調査」によると、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は、12.1%だった。前年度結果に比べて、0.2ポイント伸びている。正社員・正職員全体に占める女性の割合は24.8%で、管理職比率とは12.7ポイントの差が付いている。コース別雇用管理の採用率は、全体計では7.2%と大きくないものの、極端な規模間格差を示した。100人未満では10%を切り、中堅規模でも27.1%にとどまるのに対し、5,000人以上規模では50.5%と半数を占めている。

「就活学生の労働意識」

2018年春の入社を目指し、東京都内で就職活動している大学生、大学院生を対象に日経新聞が直接聞き取り調査を行った。調査期間は5月15日~23日で141人(男性80人、女性61人)から回答を得た。

□働き方改革で企業に求めたい内容
1位 決めた時間以降の残業禁止、強制消灯    51%
2位 ノ-残業デ-の設定                               46%
3位 フレックスタイム制度の導入                        41%
4位 無駄な会議や資料作りの見直し                 31%
5位 管理職の意識改革                                     30%
以下、経営陣の意識改革、長時間労働の是正を狙った人事給与制度改革、在宅勤務(テレワ-ク)の整備、過剰サ-ビスの見直し、ITによる業務効率化となっている。

□1ケ月間に残業しても構わない時間
最も多かったのは「20時間~40時間未満」(1日あたり1~2時間)の43%で「20時間未満」の16%、「残業したくない」の1%をあわせると60%に達し、就活学生の10人に6人は月40時間を超える残業はしたくないと考えていることになる。

残業時間の上限規制では、労使協定を結べは「月平均60時間(年720時間)」までは認められることになったが、「60時間~80時間」で7%、「80時間超」で6%と月60時間の残業はかなり厳しい水準となっている。

以上

平成30年度高卒求人初任給 技術・技能系で18万円超に――労働新聞社調査

来春高校を卒業する生徒に企業が提示している高卒求人初任給の水準を本紙が実地に調べたところ、技術・技能系18万1994円、販売・営業系17万8905円、事務系17万728円などとなり、前年より順に23円減、6581円減、4420円増となった。技術・技能系の建設や運輸関連で18~19万円近い水準となり、人手確保意欲が表れている。ドライバー職も19万円近い水準となっている。

管理職層を役割と貢献の2本立てに――飯田信用金庫が新人事制度

飯田信用金庫(長野県飯田市、森山和幸理事長)は今年6月、管理職層に対して新たに6階層の役割等級を設け、貢献資格3階層と併用するダブルラダー型の人事制度を導入した。支店長のポストを支店規模によって3つの等級に区分するなど、職能資格制度の下で乖離が進んでいた資格と職位(役職)の関係を整理している。7段階洗替え方式の役割給を採用し、役割別の行動評価、目標管理を反映することで、処遇面でも役割との連動性を大きく高めた。

多様な人材活躍へ11施策――サッポロドラッグストアー

㈱サッポロドラッグストアー(北海道札幌市、富山浩樹代表取締役社長)は、チャレンジ精神旺盛な社員の登用、多様な働き方の推進などからなる人事制度「サツドラジョブスタイル2017」を発表した。11施策を用意し、これを組み合わせることで、多くの人材が様ざまな働き方で活躍できる。たとえば、他社で活躍していた60歳以上の社員を「マスター職」として獲得し、店舗運営上の一定の権限を持たせることもある。地域に不足する専門職を兼業によりシェアすることも検討する。

 

業績好調で平均ベア6400円に―日建協

準大手ゼネコンの労働組合を中心につくる日本建設産業職員労働組合協議会(日建協・田中宏幸議長)は7月18日、今年の賃上げ交渉結果を公表した。加盟35組合のうち、好調な業績を背景にベースアップで妥結した26組合の加重平均は6393円(1.61%)となった。要求提出に先立って会社側からベアの逆提示を受けた労組もあり、そのうちの1社では約1万5000円もの大幅なベアが行われている。3年連続、約7割がベースアップで妥結し、優秀な人材獲得に向けた初任給引上げは19社で行われた。

相対化し洗替給にメリハリ――㈱トクヤマの管理職・新人事制度

㈱トクヤマ(本店・山口県周南市、横田浩社長)は今年4月、部課長級の人事制度を12年ぶりに見直し、絶対評価で運用してきた給与体系に相対評価の要素を盛り込んだ。目標達成度を70%、新設した職務基準書に基づく行動評価を30%のウエートで総合し、洗替え方式の成果給と賞与支給額の決定に用いる。担当職務のレベルを評価して支給していた役割給部分は、シンプルに課長級・部長級・それ以外の3つに区分する定額方式へ移行した。年功的な上昇傾向や中心化傾向がみられた従来の運用を改め、メリハリの利いた処遇を徹底する。

「2017年賃上げ率」

経団連が2017年大手企業春季労使交渉妥結結果の最終集計(加重平均)をまとめた。
・2017年賃上げ → 7,755円  2.34%
・2016年賃上げ → 7,497円  2.27%
で前年度より額で258円、率で0.07%上昇している。

製造業では
・2017年賃上げ → 7,248円  2.26%
・2016年賃上げ → 7,192円  2.24%
非製造業では
・2017年賃上げ → 10,152円  2.64%
・2016年賃上げ →  9,057円   2.41%
となっており1万円台に乗せた。

一方、東京都が発表した都内の民間労働組合の妥結状況(最終集計)では
・2017年賃上げ → 5,496円  1.74%
となっており額では前年度より303円減少している。
都内1000組合のうち、前年と比較可能な474組合の結果を業種別に見ると
・宿泊、飲食サ-ビス業 → 14.09増
・食料品、タバコ → 13.35%増など10業種で増加したが
・道路貨物運送業 → 30.95%減など18業種で減少している。
なお、474組合の平均賃金は31万6,651円(38.9歳)だった。

以上

「短時間正社員制度」を導入――広島電鉄

広島電鉄㈱(広島県広島市中区、椋田昌夫代表取締役社長、1706人)は、多様な働き方を認めることによる労働力確保に向け、全正社員がいつでも理由を問わずに一定期間、労働時間を短縮することができる「短時間正社員制度」を今年9月に導入する。労働時間は個別に設定し、1週あるいは1日の最低労働時間も設けない。同時に、既に導入している「シニア社員制度」の雇用上限年齢を66歳から70歳へ引き上げる。基本給は同一労働同一賃金の考えに基づき、職種別の時給制は維持しつつ、時給換算した際に正社員の初任給と同等になるよう引き上げる予定とした。

総理に「高度プロ」等見直しを要請――連合・神津会長

連合の神津里季生会長は7月13日、国会に上程済みの改正労働基準法案を一部見直すよう、官邸に安倍総理を訪ねて直談判した。長時間労働を助長しかねない企画業務型裁量労働制の対象業務拡大や高度プロフェッショナル制度の創設部分についてで、政府与党の数の力が大きい中、秋の臨時国会への上程が見込まれる長時間労働是正に焦点を置いたもう一つの改正労基法案とセットで成立するおそれがあるためだ。連合傘下の一部産別からは要請書提出に反対意見が上がっている。

引上げ事業所の平均2.6%――厚労省・小企業の賃金改定状況

今年6月までに賃金改定を行った小規模事業所の改定率は、平均で2.6%に――。厚生労働省の賃金改定状況調査で明らかになったもので、前年調査に比べてわずかに0.1ポイント低下した。引下げや凍結した事業所も含めた平均では、1.2%だった。引上げ実施率が47.9%に高まり、改定しない事業所36.2%との差を広げている。1時間当たり賃金額は一般労働者が20円増の1,532円、パートが13円増の1,051円だった。

中途正社員を3分の1以上に――同友会が日本型雇用改革案

経済同友会(小林喜光代表幹事)は、「岩盤」としてほぼ原型のまま存在する日本型雇用慣行の改革案を提言した「人材の採用・育成・登用委員会報告書」を明らかにした。中途採用正社員(キャリア採用)の拡大、日本型職務記述書をベースとした納得性ある評価、年齢による一律退出の廃止などを進めて、未来志向の持続可能性の高い制度に改めていく必要があるとした。欧米方式ではなく、日本人の「心の態度」を生かして生産性向上をめざすものとしている。

ダイバーシティ推進室を設置――日本通運

日本通運㈱(東京都港区、齋藤充代表取締役社長、3万2094人)は、安定的な戦力確保と企業としての競争力強化に向け、社内に「ダイバーシティ推進室」を設置した。活動の柱に、女性活躍推進、専門職人材の育成、グローバル経営人材の採用・育成強化の3点を掲げている。まずは女性活躍推進に重点を置く方針で、女性社員が管理職をめざす「意識醸成」や、「継続就労支援策の拡充」などに取り組む。

コア能力を昇格・昇給に――マルハニチロ

マルハニチロ㈱(東京都江東区、伊藤滋社長)では、一般社員層に“コア能力”をベースとした等級体系を導入している。社員全員に求められる能力として4領域12要素を設定し、その発揮レベルを絶対評価して昇格、昇給と連動させるもの。等級別に作成している評価シートでは、各要素を判断するための視点4~6項目を示しており、上司と部下の間でコア能力が発揮された行動を確認する。基本給は上下限額のみを定める接続型の設計とし、等級別の昇給額テーブルで運用している。最低在級年数を超えた以降、わずかに減額するルールも入れている。

長時間労働者の情報を共有――労政審が産業医制度改革で建議

厚生労働省の労働政策審議会(樋口美雄会長)は、働き方改革を踏まえた「今後の産業医・産業保健機能の強化」について建議をまとめ、塩崎厚生労働大臣に提出した。過重な長時間労働やメンタル不調などのリスクが高まっているため、労働者自身が産業医・産業保健スタッフに直接健康相談できる態勢整備を図る考え。一定の長労働時間を行った労働者に関する情報を産業医へ速やかに提供する仕組みも整備するとした。厚労省では、同建議に沿った法整備を進める意向。

賞与9割減額は恣意的で人事権濫用――東京地裁が支払い命令

平成25年12月の賞与を前年同期比で93%も減額されたとして三菱地所グループのマンション管理会社(東京都中央区)の労働者が損害賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所(合田章子裁判官)は、人事権濫用と判断し、減額分と慰謝料など約70万円の支払いを同社に命じた。ケアレスミスが多く勤務態度の劣悪さは認定したものの、賞与の額を46~93%減額するほどの重大な非違行為とまでは認められず、恣意的で著しく不合理とした。

 

事業段階別に3つの役割活用――セゾン情報システムズ

㈱セゾン情報システムズ(東京都豊島区、内田和弘社長)は、今年度から3つの役割タイプを使い分けるマルチジョブトラック制度の活用を始めた。従来の職種別の人材管理を廃止する一方、事業の創出/発展・改善/保守・管理というサイクルのどの段階で貢献すべきタイプかを定義することにより、会社・組織が掲げるビジョンへの共感・共鳴を促すのが狙い。評価制度はポテンシャルとパフォーマンスをそれぞれ5段階で絶対評価する体系へ移行し、基本給は両者のマトリクスで決定する。併せて昇・降格や採用の決済権を事業部門に委ね、事業ニーズへの迅速かつ柔軟な対応を図っている。

「優秀な人材の定義」

企業の人材採用にかかわる立場(経営者・役員・採用担当者・人事決裁者)にいる
400名に「あなたの会社の優秀な人材の定義」について聞いたアンケ-ト結果では
「定義づけすることが難しい」             ・・・・ 36.3%
「定義が確立されているとは思えない」  ・・・・   25.5%
となっており、かなり多くの企業で定義が決まっていない実体が明らかになった。
このことから、“どんな人材を採用するべきか”が明確にならず採用戦略への影響が
懸念される。また、育成戦略においても“どんな人材に育成するのか”という目標が
定められないため、的確な施策を打つことが難しくなる可能性が高い。

一方、定義づけされているケ-スでは、
「問題解決能力&論理的思考能力」        ・・・・ 30.3%
「コミュニケ-ションの高さ                            ・・・・ 25.8%
「志の高さ」                                ・・・・ 22.3%
「人間関係でのストレス耐性がある」           ・・・・   18.5%
「タイムマネジメント能力が高い」               ・・・・ 14.3%
「自分の考え方に強い自信を持っている」   ・・・・ 12.8%
などがあったが、企業ごとに人材が活躍できるフィ-ルドは異なるので100の会社があれば100の“優秀な人材像”があってもおかしくない。
我が社の“優秀な人材像”の明確化を改めて確認することの意義は大きい。

以上

成果や能力も考慮要素に――労政審が同一労働同一賃金で建議

労働政策審議会(樋口美雄会長)は、同一労働同一賃金の法整備に向けた「建議」を、塩崎厚生労働大臣に提出した。正規雇用労働者と短時間および有期契約労働者の間の待遇格差を不合理と判断する場合の考慮要素として、「職務の成果」「能力」「経験」を新たに例示するほか、比較対象を「同一の使用者」に雇用される正規雇用労働者とする。派遣労働者に関しては、一定水準を満たす待遇改善を労使協定の締結によって確保する方式を新たな選択肢に加えるべきであるとした。

人材育成支援 中小をネットワーク化――東京都

東京都は、中小企業に共通する人材育成上の課題を解決するため、地域での企業ネットワークを構築して支援を展開する「地域人材育成プラットフォーム化事業」を新たに開始した。職業能力開発センター2カ所が拠点となって1グループ当たり20社程度のネットワークを構築。5S活動の推進などグループ内で共通する課題を洗い出し、中小企業診断士などの専門家が人材育成プログラムの作成を支援する。効果的な取組みを行っている企業への視察も実施し、グループ内で先進事例を共有する。

SE男性のピーク44.2万円――厚労省・主要職種の賃金実態

システム・エンジニア男性のピークは44.2万円となり、大卒初任クラスの1.93倍に。平成28年賃金構造基本統計調査の職種別・所定内給与額によると、20~24歳に対するピーク時賃金の倍率は、男性では技術士2.05倍、大型貨物ドライバー1.26倍、機械組立工1.58倍などとなっている。女性ではシステム・エンジニアが1.70倍と高いが、福祉施設介護員などでは1割程度の差しかみられない。短時間労働者の時給では販売店員が941円、給仕従事者が958円となり、近年はともに年15円ペースで伸びている。

 

時間外限度基準を罰則付き法律に――厚労省・労政審が建議

厚生労働省の労働政策審議会(樋口美雄会長)は、現在、大臣告示に留まっている時間外限度基準を法律に格上げし、罰則をもって強制力を持たせるべきであるとする建議をまとめた。臨時的な特別の事情がある場合は、例外とするが、その際においても年720時間、単月では休日労働を含み100時間未満を限度とする。自動車の運転、建設業、新技術・新商品の研究開発、医師に関しては適用を緩和する。法施行には、十分な準備時間を設けるとした。

働き方改革 自らの手でより良い内容へ――連合・「36協定」対応中心に

連合は、現場で働く当事者自らの手で働き方改革をより良い内容に仕上げていくスタンスで今後の動向に対応する。長時間労働是正キャンペーンのキックオフ集会をこのほど開催して意思統一を図っており、とりわけ重要になる「36協定」について、広く世間一般を念頭に適切な対応の仕方を周知していく方針を決めた。同一労働同一賃金ガイドライン案の「手引き」もこのほどまとめて公表、同協定締結当事者の考え方にも改めて踏み込む構えをみせている。

総合職・大卒60歳で2,370万円――経団連・東京経協「モデル退職金調査」

経団連と東京経協が共同実施した退職金・年金調査によると、60歳退職金は総合職の大卒2,370万円、生産・現業労働者の高卒1,820万円だった。2年前の前回調査からめだった変化はみられず、支給月数では順に40.6カ月、44.2カ月となっている。算定方式ではポイント方式が65.4%を占め、全体の8割が賃上げと連動しない別建て方式を採っている。年金制度の導入割合では、増加傾向が続く確定拠出年金(企業型)が57.4%に伸び、次いで高い確定給付年金(規約型)50.2%との差を広げている。マッチング拠出の導入率は30.2%から35.8%に高まった。

時間外上限規制 5年後の見直しで緩和を――日商が意見書

日本商工会議所・東京商工会議所(三村明夫会頭)は、政府が公表した「働き方実行計画」に対する考え方を取りまとめ、塩崎厚生労働大臣などに提出した。罰則付き時間外労働の上限規制の施行について、中小企業の体制が整うまで十分な猶予期間を設けるよう求めたほか、施行5年後に見直しをする際は、規制をできるだけ緩和する方向で議論を進めることが重要と訴えている。高齢者の就業促進の方向性では、定年を一律に引き上げることに反対する姿勢を改めて示した。

 

休息時間は「原則11時間」――連合の政策・制度要求と提言

連合は、6月1日に熊本市で開催した中央委員会で、向こう2年間の「政策・制度要求と提言」を決定し、17春闘中間まとめも行った。雇用・労働政策では、「原則11時間」と明記した勤務と勤務の間の休息時間(勤務間インターバル)規制の導入や法定年次有給休暇の「6カ月継続勤務要件」の廃止を掲げたほか、連続勤務日数規制の導入検討なども盛り込んだ。来春から雇用義務制度の対象に加わる精神障害者(発達障害者を含む)については、「チーム」での就労支援に向けた環境整備を図る考え。

 

夫の給料44.2万円へ微減――日本生協連・生計費調査

日本生活協同組合連合会の2016年全国生計費調査によると、サラリーマン世帯の1カ月当たりの実収入は71.8万円となり、夫の給料は44.2万円だった。実収入が前年比900円増と横ばいだったのに対し、夫の給料は2,000円弱落ち込んでいる。一方で妻の給料は2,500円増の7.4万円、パート収入は1,100円増の2.6万円と改善し、実収入に占める妻の就労収入の割合が16.0%に高まった。上昇が続く税・社会保険料の合計は1.3%増の15.5万円、実収入に占める割合は21.6%となっている。

勤務間インターバルを努力義務化――厚労省が検討始める

厚生労働省は、勤務間インターバル制度を普及させるための具体的な検討に入った。労働時間等設定改善法の改正により一定の休息時間の確保を努力義務化する予定である。調査では、同制度を導入している企業割合は2%程度、検討を予定している企業を含めても10%に満たない状況にある。すでに導入済みの大手企業のケースを参考に制度設計する方針。今年度新設した助成金の活用拡大も図る。

定年廃止で200万円支給――埼玉県

埼玉県は、高齢者雇用の拡大に向けた取組みを強化するため、今年度から「働くシニア応援プロジェクト」を展開する。定年制を廃止した企業などを対象に最大200万円を支給する助成金を創設したほか、昨年度スタートしたシニア活用に関する企業認定制度に新たなランクを設けた。シルバー人材センターによる労働者派遣事業の機能強化も図り、ホワイトカラーの仕事に従事してきた高齢者が経験を活かせる業務を開拓していく。

65歳までの選択定年制導入――ホンダ

本田技研工業㈱(東京都港区、八郷隆弘社長)は、60歳から65歳の間で自らリタイア時期を決められる選択定年制を導入した。60歳到達の半年前に退職時期を自己申告するが、その後も年1回、短縮・延長の機会を設けている。従来の再雇用制度では賃金水準が現役時代の50%程度にまで下がっていたが、組合員層には新たに一律80%に圧縮した基本給表を整備。等級格付けは維持し、従来同様に人事評価による昇降給を行う。併せて65歳まで積増しを行うかたちに退職金カーブを見直した。給与原資の再配分を図った「総合的労働条件の見直し」の1つとして、給与体系の一部改定、割増賃金率変更などと併せ、移行原資を確保している。

「残業削減の即効薬は1つにあらず」

日本労働組合連合会(連合)が現場社員1775人に対し「どうすれば残業を減らせるかと思うか」について実施した調査が発表された。

1位  適正な人材配置を行う             55.6%
2位  上司による労働時間の適切な管理      25.7%
3位  ワ-クライフバランスの意識改革          24.0%
4位  会社との話合いで職場環境を改善      23.0%
5位  意味のない会議やミ-ティングを減らす   22.4%
6位  残業規制の法律、ル-ルを新たに作る   21.1%
7位  労働者自身が仕事にメリハリをつける      13.9%
8位  長時間労働が評価される風潮をなくす    13.5%

「適正な人材配置」が群を抜いて1位になっている。残業が多い現場で社員を増やせば各自の負担は減るはずだが、その業務に特定の技術や資格、経験が必要な場合は簡単には増やせないのと、人手不足が顕著な昨今では人員補充がそもそも難しい。
2位以下が団子状態なのは、残業を減らす正解は1つでないことを意味している。

以上

平成30年大卒求人初任給 前年上回る水準提示が多数――労働新聞社調査

平成30年3月卒業見込みの大学生を対象にインターネットなどで公開されている求人初任給の水準を労働新聞社が調べたところ、売り手市場の下、前年水準を上回る金額提示が多い実態が分かった。技術系と総合職では21万円を超す水準が定着した感があり、営業プロパーなど収益向上の鍵を握る職種の平均は23万円を超えている。給料の多寡を学生心理に訴えたい企業の心理が透けてみえる。

来年元日の全店休業めざす――全国携帯電話販売代理店協会

一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会(竹岡哲朗会長)は、携帯電話キャリア企業へ定休日設定や営業時間短縮などを訴えたり、集合研修を行うことで、従業員満足度(ES)を上げて職場への定着率を高めようと活動している。「来年の元日は全店休みにしたい」と話しており、販売代理店の労働環境を改善していく。女性活躍の好事例共有にも取り組む。

専門・技術職28.5万円に――厚労省・28年度下半期の中途採用者賃金

昨年度下半期に中途採用された常用者・男性の賃金は、専門的・技術的職業28.5万円、事務的職業31.6万円、生産工程、労務の職業22.9万円などとなった。27年度下半期に比べると全体では0.4%の微減となるなか、事務的職業で1.6%増、生産工程、労務の職業で0.9%増などと伸びている。女性は全体平均で2.1%増と改善し、前年同期比では4年連続のプラスだった。なかでも事務的職業が3.0%増の20.8万円、販売の職業が2.3%増の17.8万円と堅調に伸びている。

製造業・IoT活用/稼働状況可視化し生産性工場――関東経済産業局

関東経済産業局は、IoT の活用に取り組む中小製造業の事例集を初めて作成した。複数の設備の稼働状況を可視化することで生産性を向上させたケースなど、20 社の好事例を収録している。外部IT企業と連携して工場の工程改善を社外からも確認できるようにし、かつ工場内の入力作業を専任者に実施させる事例もあった。導入に向けた要点には、理解のある経営者と、社内のITに強い人材の存在を挙げている。

特定最賃 30超す業種が存続危機――3%程度地賃上昇で

埼玉県がBからA、山梨県がCからB、徳島県がDからCに目安額のランク区分が変更された地域別最低賃金審議が間もなく始まる。2020年代半ばの全国加重平均1000円に向け、前年同様「3%程度」の引き上げが見込まれる一方、業界の労使が地賃より高い水準で自発的に設定する特定最賃の効力消失の危機に陥るケースが今年も相当数に上りそうだ。仮に昨年と同率の引上げが行われた場合、全国で30を超す特定最賃が同様の状況に陥る可能性がある。

大卒・総合職でピーク62万円――中労委・大手のモデル賃金

大手企業380社を対象とする中央労働委員会の賃金事情調査によると、大卒・総合職のモデル賃金は22歳21.5万円、35歳39.1万円、45歳54.0万円、55歳61.9万円などとなった。20歳代以外は総じてダウンし、減少率は軒並み1%を超えている。ピークを迎える55歳の水準は、22歳の2.88倍だった。平成28年の賃金改定額は6,638円となり、ベースアップ分は1,335円に。賃金表がある企業のベア実施率は46.5%で、前年を10ポイント下回っている。

精神障害発生企業を重点監督――厚労省・大手の過労自殺頻発で

厚生労働省は今年度から、精神障害とパワーハラスメント防止を狙いとする監督指導を強化した。精神障害に関する労災支給の決定が行われた事業場や傘下事業場において複数の精神障害を発生させた企業の本社事業場を対象にメンタルヘルス対策を中心とする個別指導を実施する。このうち精神障害に基づく過労自殺(未遂含む)を発生させた企業の本社事業場については、労働安全衛生法に基づく特別指導事業場に指定し、全社的・計画的改善指導を図る。

女性活躍推進 他社社員間の交流支援――東京都

東京都は、女性活躍推進に積極的な中小企業の支援施策を拡充する。職場での取組みの中核を担う管理職に対する研修や「責任者」設置企業への奨励金制度などを継続するほか、新たに女性従業員による交流会をスタートさせる。ロールモデルとなる他企業の女性管理職や似た立場の他社従業員と情報交換することで、職場への定着やキャリアアップにつなげるのが狙い。従業員交流会は全10回計200人の参加を見込む。

定年退職金・勤続37年で2500万円に――人事院/退職一時金・企業年金調査

人事院が調査した事務・技術関係職種の定年退職給付額は、大卒標準者を含む勤続37年が2,515万円、同38年が2,460万円だった。1,000人以上規模が3,000万円を超えるのに対し、100~500人未満では1,600万円台にとどまっている。制度形態では退職一時金のみの企業割合が48.3%と最も多く、企業年金との併用型39.6%を8.7ポイント上回った。企業年金では確定拠出(企業型)の採用率が37.7%となり、5年前の前回調査から13ポイント伸びている。

固定残業代制の明示を――厚労省・職業紹介指針を改正へ

厚生労働省は、今通常国会で改正職業安定法が成立したのに伴い、職業紹介事業者や求人企業などが求職者に対して適正に労働条件明示をするための「指針」を大幅改正する。指針案によると、求人企業が固定残業代制度、みなし労働時間制度を採用している場合、これを明示しなければならないとした。紹介時に明示した労働条件を変更・追加するときは、対照することができる書面を交付するのが望ましいとしたほか、必要に応じて説明する。適用は平成30年1月1日。

人材確保へ人間関係など重視を――中小白書

中小企業庁は、2017年版中小企業白書を公表した。中小企業の人手不足が深刻化しているとして、採用・定着に向けた企業の積極的な取組みが重要と指摘。人事評価制度などの社内制度の整備に加え、職場環境および人間関係への配慮や時間外労働削減に取り組むことが必要と提言している。女性など多様な人材を活用して人材を確保している企業では、勤務時間の弾力化や作業負担の軽減などに積極的に取り組んでいる傾向がある。

若手の査定昇給分増額――日本ガイシ

日本ガイシ㈱(愛知県名古屋市、大島卓社長)は、複線型としていた一般社員層の人事制度を改め、職種・学歴を問わず誰もが上位職群にチャレンジできる体系を採用した。中高年層の年齢昇給を廃止・抑制し、若年層の業績反映分を増額してメリハリを利かせている。新設した業績評価制度では、目標に対する取組みを仕事の量・質など5つの指標から採点、これを踏まえて10段階の総合評価を行い、昇給・賞与に反映する。併せて定年年齢を65歳に引き上げ、基本給の減額を伴わない仕組みへ移行した。原資については、中高年層の昇給抑制分に加え、企業年金受給を5年先送りし、終身部分の給付を減らすことで確保している。

「学生アルバイトの実態調査」

京都府内の大学院生、大学生、短大生、専門学校生当1899人を対象にアルバイト勤務における実態調査が行われた。
アルバイト時間数は「10時間以上20時間未満」が49.1%で約半数を占めているが、
「20時間以上」も26.3%いた。
収入面では「3万円以上6万円未満」が46.4%、次いで「6万円以上9万円未満」が27.4%だった。

「学生は法律を知らない」と軽んじトラブルになるケ-スが報道されることがあるが、以下の法律に関する質問に対し、「知っている」と答えた割合は(複数回答)
・「6時間以上働く場合は法定の休憩時間が必要」          → 62.9%
・「適用される最低賃金の額」                       → 57.2%
・「業務命令により行う準備、片付け時間も賃金支払いが必要」  → 44.9%
・「雇入時には労働者に労働条件通知書の交付が必要」      → 39.6%
で、そのレベルは決して低くない。

また、会社(事業主)等とのトラブル等での具体的内容については(複数回答)
①一方的にシフト変更を命令された                           → 27.5%
②1日6時間を超えても休憩時間が与えられなかった         → 27.5%
③採用時に約束したシフト以上のシフトを入れられた            → 21.5%
④準備や片付けの時間の賃金が支払われなかった           → 20.8%
⑤一方的にシフトを削られた                                 → 20.6%
⑥休憩時間に仕事や来客があり、休憩できなかった            → 18.8%
⑦募集していた労働条件が実際の労働条件と異なっていた   → 15.3%
⑧給与明細をもらえなかった                                → 14.4%
⑨暴力や嫌がらせを受けた                                → 12.5%
⑩時間外労働の割増賃金が支払われなかった              → 12.0%
が上位にのぼった。

SNS等を通じて情報があっという間に拡散する時代にあって、会社(事業主)は適正な雇用に向け、法律への抵触や違反が無いかを改めて確認する必要性がある。

以上

転勤命令・育児、介護に配慮――厚労省が指針示す

厚生労働省は、このほど「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」を作成した。転勤命令に当たって踏まえるべき法規範や雇用管理のポイントを分かりやすくまとめたもの。原則として、就業規則などに定めがあれば、労働者の個別同意なく転勤させることができるが、経営上の必要性が認められなかったり、労働者が被る不利益が過大な場合、権利濫用とみなされる。労働者の事情や意向を日常的に把握しながら、キャリア形成の展望に沿った転勤の実施を求めている。

業務効率化へ「奨励金」――オリックス生命保険

オリックス生命保険㈱(東京都港区、片岡一則代表取締役社長、1366人)は業務の効率化を目的に、朝方勤務奨励金、リフレッシュ休暇取得推進などの人事施策を試験導入した。「奨励金」は定時よりも1時間早い朝8時までに出勤し、18時までに退社した場合に残業代に上乗せして1000円を手当として支払うもの。1カ月の上限は1万5000円。早く出社して早く帰る働き方を意識付けさせるための仕組みで、残業時間短縮などの成果が出た場合は正式に制度化する方針。

優秀パートを無期・準行員に――千葉興銀

㈱千葉興業銀行(千葉県千葉市、青柳俊一頭取)は、優秀なパートタイマーにさらなる活躍を促すため、職務限定かつ勤務地限定の「アソシエイト行員」を導入した。一定レベルのスキルを持つ人材を無期雇用・月給制の“準行員”に転換するもので、パート時代の職種を継続し、転居を伴う異動も行わない。管理職手前の課長代理相当の役割を担うことを前提とし、給与面でもほぼ同レベルの行員の水準を確保した。行員への転換が条件面で高いハードルとなっていたことを受け、より働きやすい区分を設けて優秀者の囲い込みを図る。

時間外規制は段階的に――政府が働き方改革実行計画

政府は、平成29年度から10年間程度を見据え、全9分野19項目にわたる働き改革実行計画をまとめた。罰則付きの時間外労働上限規制を導入するための労働基準法改正案を30年度の国会に提出し、徹底した周知期間を設けた上で段階的に施行していく方針である。法施行後5年経過後の適当な時期に制度を見直す。同一労働同一賃金に関しては、パートタイム労働法など3法を改正する予定とした。労働者の副業・兼業の促進に向けては、29年度中にガイドラインを作成する。

働き方改革で1月分の労働時間削減へ――IT業界

年間総労働時間の1カ月分を削減へ――情報サービス産業協会(横塚裕志会長)は、労働時間の大幅な削減に向けた具体的目標値などを盛り込んだ「働き方改革宣言」を策定した。働く人の心身の健康の確保や、社会貢献と自己実現につながる「ワクワク感」に満ちた働き方を実現することを、業界を挙げて宣言するもの。業務の見直しなどを通じて「年次有給休暇取得率90%以上」「時間外労働の月平均20時間以下」を実現し、労働日数20日分(年間総労働時間の1カ月相当)の労働時間短縮をめざすとした。

職位変えず年10%ずつ漸減――日置電機の65歳定年制

日置電機㈱(長野県上田市、細谷和俊社長)は、今年4月から65歳定年制へ移行し、併せて70歳までの継続再雇用制度を導入した。年金支給開始年齢の引上げに連動して段階的に進めてきた定年延長の取組みを、一気に前倒ししている。60歳以降は基本給部分を年10%ずつ漸減するものの、定年までのトータルでは平均70%の水準を確保した。役職定年により60歳でライン長のポストからは外れるが、職能資格制度に基づく職位は変更しない。定年後の継続再雇用制度では、職種系統別に4種類の給与レンジを設け、個人のレベルを勘案して基本給を決定。人事考課は年2回の業績賞与に反映し、正社員と同じ月数をベースに±10%の差を付ける。週3日勤務や1日6時間勤務なども選択可能とした。

働き方改革へ徹底監督――厚労省が29年度労働行政運営方針

過重労働の恐れがある事業場に対し徹底監督を展開――厚生労働省は、平成29年度地方労働行政運営方針を明らかにし、長時間労働是正などの働き方改革を強力に推進する意向を明らかにした。問題となっている特別条項付き時間外労働協定などについて、労使当事者が正しく締結できるよう関係法令の周知・指導を強化するとした。各方面からの情報収集により、時間外・休日労働が1カ月80時間を超えている疑いのある事業場への監督指導も重視する。

営業時間を平均2時間短縮――リンガーハット

㈱リンガーハット(東京都品川区、秋本英樹代表取締役社長、社員=496人、パート・アルバイト=4,607人)は、4月から首都圏を中心に53店舗で営業時間を平均2時間短縮し始めた。従業員の安定した確保と、モチベーション向上をめざす。現場の負担軽減に向け、店舗へ自動釣銭機などの機械導入も推し進めている。

夏冬とも前年並み70万円強――経団連・東京経協「2016年賞与・一時金調査」

経団連・東京経協による「2016年夏季・冬季賞与・一時金調査」によると、大手・非管理職の平均支給額は夏季75.0万円、冬季73.0万円だった。対前年増減率では夏季が0.6%増、冬季は同水準となり、13年夏季以降の増加傾向にブレーキがかかっている。管理職は夏季が1.6%増の147.5万円とプラスだったが、冬季は1.1%減の138.4万円とマイナスに転じた。一方、平均支給額における考課査定分の割合は、非管理職34.0%、管理職48.5%に。業績連動方式の採用率が55.0%となり、調査開始以来の最高値を更新している。

「女性の就労に関する意識の変化」

2016年4月1日に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)が施行され1年が経過しました。
実際の女性の社会進出はどのような状況なのか。2017年1月に内閣府の男女共同参画局が発表した「全国女性の参画マップ」によると、管理的職業従事者(会社役員、管理的公務員等)に占める都道府県別女性の割合の上位は、

1位 ・・・ 高知県   21.8%
2位 ・・・ 青森県   20.3%
3位 ・・・ 和歌山県  18.4%
4位 ・・・ 徳島県   17.4%
5位 ・・・ 岡山県、広島県、熊本県  17.2%
8位 ・・・ 京都府   16.6%
9位 ・・・ 長崎県   16.4%
10位   ・・・   東京都   15.8%
11位   ・・・ 大阪府   15.7%
で地方が上位を占める結果となっている。

同じく内閣府の「男女共同参画白書」での、女性の就労意識の変化を1992年と2014年での比較をみると、

□女性は職業を持たない方が良い                     ・・・   2.8% →  1.9%
□結婚するまでは職業を持つ方が良い               ・・・ 10.8% →  5.6%
□子供ができるまでは職業を持つ方が良い         ・・・ 11.1% → 11.6%
□子供ができてもずっと職業を続けるほうが良い・・・ 26.3% → 45.8%
□子供ができたら職業を辞め大きくなったら再び・・・ 45.4% → 32.4%
職業を持つ方が良い
となっており、“子供ができてもずっと職業を続けるほうが良い”とするのが大幅に増え半数近くに上っている。しかし、待機児童など育児を行いながら働くには、まだ環境が整っているとは言い切れないのが現状。

以上

ダイバーシティ 企業向け行動指針を策定――経産省

経済産業省は、人材の多様性を生かし、中長期的に企業価値を生み出し続けるダイバーシティ経営を推進するため、企業の実践すべき取組みを示した「ダイバーシティ2・0行動ガイドライン」を策定した。ダイバーシティを経営戦略に組み入れつつ達成目標と工程表を策定することや、経営トップをリーダーとする推進体制の整備を取組みの第一歩に挙げている。人事制度の見直しや部下の多様性を生かせる管理職の育成も必要とした。

関西スーパーマーケット/評価と時間数でパート賞与

㈱関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市、福谷耕治社長)は、1年契約のパートタイマーに1級から3級の3段階の等級体系を適用し、年1回の定昇、年2回の賞与支給で報いている。人事考課として半年ごとに約20項目を採点したうえ、5段階の相対評価に基づいて標準標語2号の昇給を実施。賞与では等級別の単価に半年間の稼働時間数を乗じ、さらに評価によって0.9倍から1.1倍で処遇している。最上位等級に正社員転換の挑戦機会を与える一方、レジ部門に限っては役職者への登用も行うなど、職域拡大も進めている。

3段階で人事考課実施――オーティーエス/パート活躍策

ファッション関連の商品の検品や値付け、配送作業などを行う㈱オーティーエス(東京都江戸川区、田中優一郎代表取締役社長、760人)は、全社員の8割を占めるパート社員の活用に向け、研修や評価制度を充実させている。評価は3段階で行い、翌年の時給に反映。長く働き続けることができるよう、勤務シフトの調整にも力を入れる。正社員同様の永年勤続表彰制度も導入。これらの取組みが評価され、「平成28年度パートタイム労働者活躍推進企業表彰」の奨励賞に輝いた。

超大手を300円ほど上回る平均1300円台に――中堅クラスの17春闘

金属労協(JCM・相原康伸議長)の17春闘集中回答日(3月15日)とほぼ同時期に業界大手を含む中堅企業の回答も示され、本紙の単純集計によると、ベースアップを含む賃金引上げを行った110社の平均は1,352円となった。前年(1,281円)よりやや高い水準で推移しており、超大手クラスの賃上げ水準を300円ほど上回っている。前年と比較可能な同一企業の水準もだいたい同じ状況で、人手不足を背景に、労使が積極的交渉姿勢に傾いていることがうかがえる。

勤務間インターバル制度・試験導入を合意――ゼンショーホールディングス

「すき家」などを展開する㈱ゼンショーホールディングス(東京都港区、小川賢太郎代表取締役社長、正社員=7,563人)は、社員に勤務間の休息時間を確実に与える「勤務間インターバル制度」を試験的に一部店舗で導入する方針を明らかにした。今春闘で労使が合意し、社内に設置した働き方改革を促す第三者委員会の提言を受けてのもの。24時間営業は維持しながら、11時間の休息を確保できるようにしていく。今春闘では他にも、ニトリなどが同制度の導入を合意している。

正社員・男性のピーク44.1万円に――厚労省・雇用形態別賃金

平成28年賃金構造基本統計調査の雇用形態別集計によると、フルタイム勤務者の所定内給与のピークは正社員・男性が50~54歳44.1万円、非正社員・男性が60~64歳25.5万円だった。20~24歳に比べて2.08倍まで高まる正社員に対し、非正社員は1.35倍となっている。短時間労働者・女性の時間給は、正社員1,394円に対し非正社員が25%低い1,040円だった。勤続5年以上の非正社員では雇用期間の定め無しが1,076円、定め有りが1,075円となり、格差がみられなかった。

「女性の活躍推進についての男性の本音」

男性250人を対象に、ヘイズ・スペシャリスト・リクル-トメント・ジャパンが女性活躍推進についての意識調査結果を発表した。

□女性を登用することのメリットは
①優秀な人材の獲得につながる   ・・・ 68%
②製品開発やプロセスなどにおけるイノベ-ションの促進につながる ・・・ 57%
③労働力人口の増加につながる   ・・・ 54%
④企業イメ-ジの向上につながる   ・・・ 42%
⑤生産性の向上につながる      ・・・ 25%

□女性を登用することへの不満、不安は
①女性だからという理由で登用され能力が伴っていない            ・・・ 41%
②結婚育児などて離脱するリスクがあり重要な仕事を任せづらい   ・・・ 31%
③育児中の女性は重要な仕事を任せづらい                ・・・ 30%
④セクハラやパワハラに気を遣いコミュニケ-ションが取りづらい         ・・・ 25%
⑤未婚の女性や男性同僚への負担が大きい                   ・・・ 23%

以上

金属労協・4年連続賃上げ達成――17春闘妥結

金属労協(JCM・相原康伸議長)の集計によると、3月16日現在、賃上げ要求を行った49組合すべてが会社から回答を引き出し、ベアを含む賃上げ獲得組合の平均額は1051円となった。企業内最低賃金の増額を要求した35組合中19組合も、平均1141円の引上げを獲得。相原議長は、4年連続の賃上げを前向きに評価し、後続の中小に賃上げの波が届くことを期待すると述べた。

再就職サイクルを整備――女性活躍推進へ自治体が独自事業開始

女性活躍推進法が昨年4月に全面施行されたことを受け、働く女性を後押しする地方自治体の取組みが活発化している。和歌山県は、来年度から結婚や出産で離職した女性の再就職支援に向けた就活サイクルをスタートさせる。テレワークなど多様な働き方の拡大に取り組む鳥取県では、「託児機能付きサテライトオフィス」を独自に開設する。広島県や愛媛県では、女性管理職の育成、ロールモデルの普及に力を入れるとした。

SE男性の所定内33.9万円――厚労省/役職・職種・標準者賃金

平成28年賃金構造基本統計調査によると、男性の主な職種の所定内給与額はシステム・エンジニア33.9万円、機械組立工25.7万円、女性では看護師29.9万円、販売店員19.6万円などとなった。前年は好調だった生産系職種がおおむね減少に転じるなか、貨物自動車運転者の大型が2.3%増の28.1万円、普通・小型が7.4%増の25.9万円となるなど、車両運転系職種が総じて改善している。一方、課長級の役職者賃金をみると、大手58.9万円に対して中堅は17%低い48.8万円、中小は25%低い44.0万円となっている。

時間外上限規制はオリンピック後に――日建連が要望

一般社団法人日本建設業連合会(中村満義会長)は、建設業における長時間労働の是正に関する要望書を石井啓一国土交通大臣に提出した。政府が検討している時間外労働の上限規制の導入には理解を示す一方、導入時期を2020年の東京オリンピック以降に設定するよう求めた。週休2日制の定着が働き方改革最大の課題であるとして、その定着に向けた支援とともに、定着状況を踏まえて段階的に上限規制を導入するよう要請している。

規模問わず続々導入――企業主導型保育事業

政府が進める待機児童対策の一環である「企業主導型保育事業」制度を利用し、社員の両立支援を進める企業が続々と現れている。社員の多様な働き方に応じた柔軟な事業所内保育を企業が行う場合に、整備費や運営費の一部を国が助成する仕組みだ。大手企業では、日本生命保険相互会社や㈱ノーリツが導入することを発表。地方中小企業では既に開所したところもある。「将来的な若者、女性の採用に向けて設置した」という沖縄県のタクシー会社のような事例もあった。

東京・中企業の男性・所定内38.9万円――厚労省・都道府県別賃金

平成28年賃金構造基本統計調査の都道府県別集計によると、100~999人規模の中企業で働くフルタイム・男性の所定内給与額は、東京38.9万円、大阪35.3万円、愛知31.7万円などとなった。大阪が前年比2.1%増と伸び、微減した東京との格差が1割を切っている。上昇傾向が続く短時間労働者・女性の時間給は、東京1,236円、大阪1,105円、愛知1,079円などとなった。8割の都道府県で前年結果を上回り、20円以上伸びた地域が全体の約半数を占めている。

「高年齢者の雇用状況」

高年齢者が年齢にかかわりなく働き続けることができる生涯現役社会の実現に向け、企業に「定年制の廃止」「定年の引上げ」「継続雇用制度の導入の」いづれかの措置を講じるよう義務付けている。厚生労働省は従業員31人以上の企業153,023社の平成28年6月1日現在の雇用状況を公表した。
※( )は対前年比

□制度の導入
・定年制の廃止・・・4,064社(154社増)   2.7%(0.5ポイント増)
・定年の引上げ・・・24477社(1,318社増)  16.0%(0.5ポイント増)
で継続雇用制度の導入が圧倒的に多くなっている。
また、定年の引き上げを行った16.0%のうち、65歳定年の割合が14.9%あり、66歳~69歳は0.1%、70歳以上は0.1%となっている。

□継続雇用制度について
・希望社全員66歳以上の継続雇用・・・7,444社(685社増)  4.9%(0.4ポイント増)
で、うち
中小企業(31人~300人)では7,147社(633社増)  5.2%(0.3ポイント増)
大企業(301人以上)では297社(52社増)  1.9%(0.3ポイント増)
となっている。

□70歳以上まで働ける企業
・全体  ・・・32,478社(2,527社増)  21.2%(1.1ポイント増)
・中小企業・・・30,275社(2,281社増)  22.1%(1.1ポイント増)
・大企業 ・・・2,203社(246社増)    13.9%(1.2ポイント増)
となっている。

以上

解雇金銭救済で制度案――厚労省・新法制定も視野に

厚生労働省は、解雇無効時における金銭救済制度の「基本的枠組み」(案)を明らかにした。裁判によって解雇無効と判断された際に、労働者が申立てをし、使用者の金銭支払いと伴に労働契約を終了させる仕組みを想定している。解雇された労働者の保護・救済の選択肢を広げるのが狙い。法改正や新法を制定して権利義務関係を明確に規定する方法と、司法判断により権利義務関係を変動させる方法の2通りを提案している。

がん就労対策で事例集――東京都

失効した有給休暇の積立制度や多様な勤務制度で就労継続を支援――東京都は、がん患者の就労継続支援やがん予防対策に関する好事例集を作成した。都が表彰した16社の取組みをまとめたもので、治療と仕事の両立に向けて、時差出勤やフレックスタイム、所定労働時間の短縮措置などのほか、有給休暇の積立制度を整備している企業がめだつ。社長面談で悩みを聞いたり、自社の支援制度についてのガイドブックを用意したりして、支援を受けやすい体制づくりをしているケースも多い。

男性の所定内・ピーク時で42.6万円――厚労省・賃構調査(概況)

厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査(概況)によると、一般労働者・男性の所定内給与額は前年並みの33.5万円となり、年齢階級別のピークは50~54歳の42.6万円となった。35歳未満の若年層を中心として全体的に上昇傾向を示した一方で、ピークの50~54歳とその手前の45~49歳では約1%落ち込んでいる。短時間労働者・女性の1時間当たり賃金は、22円アップの1,054円となり、2年連続で20円台の伸び幅を示している。

ハラスメント対策を強化へ――厚労省・個別企業訪問し支援

厚生労働省は平成29年度、企業に対するハラスメント対策支援事業を新たにスタートさせる予定である。妊娠・出産などに関するマタニティハラスメントやセクシュアルハラスメントが後を絶たないため、個別企業を対象とした防止対策についてのアドバイス、企業内の相談担当者向けマニュアルの作成など行うとした。ハラスメント防止の措置義務を規定した改正男女雇用機会均等法が1月から施行されており、企業としては新たな対応が求められている。

働き方・休み方「表彰制度」創設へ――日本旅行業協会

一般社団法人日本旅行業協会(田川博己会長)は、業界全体の働き方改革に向け、今年6月までに規模・業態ごとの働き方・休み方の好事例をまとめる。好事例は表彰することも決定した。業界内では、1年のなかで生じる繁閑の差への対応が課題となっている。業界大手が違法な残業をさせた疑いで書類送検されそうなことが取組みの背景だ。

男性の所定内・ピーク時で42.6万円――厚労省・賃構調査(概況)

厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査(概況)によると、一般労働者・男性の所定内給与額は前年並みの33.5万円となり、年齢階級別のピークは50~54歳の42.6万円となった。35歳未満の若年層を中心として全体的に上昇傾向を示した一方で、ピークの50~54歳とその手前の45~49歳では約1%落ち込んでいる。短時間労働者・女性の1時間当たり賃金は、22円アップの1,054円となり、2年連続で20円台の伸び幅を示している。

「36協定の見直し、中小企業の53.8%が賛成」

日本商工会議所は2月1日「時間外労働規制に関する意識調査」を発表した。
調査期間は2016年10月3日~11月4日で1581社の中小企業から有効回答を得た。

□36協定の締結について
締結している ・・・ 72.0%(1139社)
締結していない・・・ 26.7%(422社)
締結している企業のうち特別条項の届出を行っている企業・・・50.6%(576社)

□36協定の見直しについて
賛成・・・53.8%
反対・・・40.7%

□見直しの方向性について
≪賛成企業≫
・一定の上限規制は必要だが業種業態や企業規模を考慮し、一律に規制するのではなく柔軟な制度設計とすべき・・・74.4%
≪反対企業≫
・特別条項の存在だけが長時間労働の原因ではないので、法改正しても効果的ではない・・・30.8%
・現行制度は保険的な意味があり、現状維持とすべき・・・25.9%

□長時間労働の是正に向けて効果的だと思う見直し策は
長時間労働を肯定するような労働者、経営者の意識改革・・・39.0%
長時間労働を是正するというトップの強いコミットメント・・・36.7%
残業を生みやすい業種業界特性、商習慣の見直し・・・36.3%

□長時間労働の是正に向けて効果的でない思う見直し策は
労働法、制度の規制強化・・・25.6%
発注者との取引条件の見直し・・・21.9%
残業削減に対するインセンティブ付与・・・21.6%
36協定の特別条項の見直し・・・21.4%

以上

トラック運送業の生産性向上へ手引――国交省

国土交通省は、トラック運送事業者と荷主向けに、「生産性向上方策に関する手引き」を作成した。長時間化している荷待ち時間の削減や、運転以外の積卸作業の効率化などの進め方を提示している。人手不足が深刻化するなか、良質な運送サービスの提供に向けて生産性を高める取組みを促進するのが狙い。荷待ち時間の削減では、積卸の時間帯を事前に予約できるシステムの導入を推奨している。

女性活躍推進へ連携――食品業界大手5社

女性の活躍推進に課題を抱える食品業界の大手5社が東京都内で2月14日、各社から10人ずつ女性社員を集めて「LADY,GO UP!」と題した共同セミナーを開催した。参加者同士が社外ネットワークを構築することで、各社に不足するロールモデルを社外でみつけてもらうことも狙いの1つ。基調講演やキャリアプランについて話し合うグループワークを行い、女性自らが活躍に向けた気付きを得られる内容とした。

「就社」から「就職」へ転換を―ー中部経済連合会

一般社団法人中部経済連合会(豊田鐵郎会長)は、サービス産業の生産性向上に向けた報告書を取りまとめた。同産業では、業種ごとに必要とされるスキルの専門分化が進み、労働需給のミスマッチが生じている。現行の「就社」型の雇用慣行に代わって、特定の職能分野に就く「就職」型への転換が必要と提言した。職場を変えながらも専門性が高まるとする。また、ICTへの投資も生産性向上に不可欠とした。

局長指導と同時に企業名公表――厚労省・監督指導手順示す

厚生労働省は、違法な長時間労働や過労死などが複数の事業場で認められた企業に対する指導と企業名公表の方法・手順を明らかにした。対象となった企業に対しては、本社を管轄する労働基準監督署長が経営幹部を呼び出して全社的な早期是正・改善を指導する。その後、再度、全社的な監督指導を実施し、是正・改善していない場合、都道府県労働局長による経営トップによる指導にうつるとともに、企業名を公表する。

標準化活動推進 人材育成へ行動計画策定――経産省

経済産業省は、企業における国際標準化活動を担う「標準化人材」の育成に向けた「3つのアクションプラン」を策定した。企業や経産省、業界・関係団体がただちに取り組むべき項目として、組織体制および人事評価制度の明確化などの3項目を挙げている。経産省は標準化の成功事例などを含むコンテンツを作成し、経営者の理解を深めるための企業訪問を開始するとした。企業は、好事例を評価制度などの構築に生かす。

現金給与総額・0.5%増の31.5万円に――厚労省・毎勤27年平均速報

毎月勤労統計調査の平成28年平均(速報)によると、現金給与総額は0.5%増の31.5万円となり、3年連続で上昇した。0.2%低下した消費者物価指数を受けて、実質賃金指数が0.7%増と5年ぶりにプラスに転じている。前年並みの24.0万円にとどまった所定内給与も、0.2%の微増ながら2年連続で改善した。雇用形態別では、短時間労働者が0.1%減の9.2万円だったのに対し、フルタイムの一般労働者が0.6%増の30.6万円と伸びている。27年平均で初めて3割に達したパート比率は、30.7%に拡大している。

残業規制強化へ法改正――厚労省が方針まとめる

厚生労働省は、企業の自主的な取組みでは限界があるとして、労働基準法の改正により時間外労働の上限規制を強化すべきであるなどとする「論点整理」を明らかにした。1日や1週といった短い期間を単位として上限を設定すると、業務の繁閑に対応できない可能性があることに留意が必要とした。勤務間インターバル制度の普及も促していくとしている。

「テレワーク推進」へ拠点――東京都・新事業

東京都は平成29年度、「誰もが活躍できる都市」の実現をめざし、テレワークの推進や中小企業における多様な人材の確保に向けた取組みを強化する方針だ。テレワークに関する情報提供や相談対応の拠点を新設するほか、在宅勤務やモバイルワークなどのモデル事業を行い、成果を広く発信する。テレワーク導入経費の一部を補助する制度も創設する。多様な人材の確保に向けて、200社を対象としたコンサルティング事業も開始する。

大卒・総合職35歳で39.3万円――経団連・定期賃金調査

経団連と東京経協が共同実施した「2016年6月度定期賃金調査」によると、総合職・大卒のモデル賃金は22歳21.6万円、35歳39.3万円、45歳52.1万円、ピークの55歳61.6万円などとなった。35歳までは各年齢で0.5~1.3%増加した一方、中高年層は軒並みマイナスとなり、45歳以上では軒並み2~3%台の減少率を示した。初任時22歳に対するピーク時の倍率も、前年の2.96倍から2.86倍に落ち込んでいる。役職者賃金は部長が0.1%増の69.8万円、課長が0.6%減の53.6万円などとなり、全体にめだった変化はみられなかった。

処遇改善へ雇用環境・均等局新設――厚労省・監督官も増員

厚生労働省は平成29年度、働き方改革や生産性向上、少子化対策に的確に対応するため、本省組織を大幅改編する予定である。現行の雇用均等・児童家庭局や職業能力開発局を廃止し、非正規労働者の処遇改善などを担当する「雇用環境・均等局」、労働生産性の向上を推進する「人材開発統括官」(局長級)を新設する。併せて、長時間労働是正へ向けた労働基準監督官の大幅増員、同一労働同一賃金の実現支援のための人員体制強化を図る。

ロールモデル普及に注力――日本公認会計士協会・「女性活躍促進協議会」を設立

日本公認会計士協会(関根愛子会長)は、女性会計士の復職支援やネットワークづくりに取り組む「女性会計士活躍促進協議会」を立ち上げた。多様なロールモデルを広く紹介することに力を入れ、「会計士は働きやすく、キャリアも作りやすい」とアピールする。時間単位で働く会計士や、社外役員を求める企業の声を受け、それらニーズに対して職場を離れている女性会計士をマッチングすることを検討していく。復職に向けた研修の開催も予定しており、スキルや経験値向上につなげる。

2年前と同じ2.2%に――経団連・昇給・ベースアップ調査

経団連と東京経協が共同実施した「昇給、ベースアップ実施状況調査」によると、2016年の平均賃上げ額は6,812円、所定内賃金に対する賃上げ率は2.2%となった。15年結果と比べると496円減、率では0.2ポイント低下し、14年並みの水準に落ち込んだ。昇給・ベアの区別がある企業222社の集計では、ベアの実施割合は55.4%となり、3年連続で過半数を占めている。賃上げに当たって考慮した要素は、前年と同じく企業業績が6割強、世間相場が5割弱と大勢を占めた。

日本とアメリカにおける女性雇用をみる

立命館大学の筒井淳也教授の研究によると、女性の雇用セクタ-別職業構成は
日本とほかの先進国では大きな違いがあるとされている。
例えば、民間企業における日本女性の仕事の特徴は、
・事務職 → 30.85%
・サ-ビス、販売職 → 30.45%
が多いが、アメリカ女性の場合は
・事務職 → 19.34%
・サ-ビス、販売職 → 16.36%
程度と低く、
・管理職 → 14.62%
・専門職 → 16.95%
など、収入や生産性の高い職種に就く女性が多くいるのが日本との大きな違いとなっている。

仕事と家庭の両立という意味ではアメリカの方が法整備は遅れていて、全国レベルでの産休育休制度はない。そのような中で日本よりずっと女性活用が進み、管理職の半分を女性が占めるまでなったのは、生産性の高い仕事に女性が就いているという事実と、アメリカの多くの組織は日本に比べて性別や人種によらない能力発揮や均等待遇を重視しており、女性労働者についても育児支援よりも能力発揮の支援が優先されていると言える。
参考までに、男性の平均賃金に対する女性の平均賃金の比率ではアメリカが80%前半であるのに対し、日本は50%前半となっている。(アメリカ経済統計局、国税庁デ-タより)

残業ゼロで月1.5万円支給――はるやまHDの働き方改革

㈱はるやまホールディングス(岡山県岡山市、治山正文代表取締役社長執行役員、1267人)は今年4月から、残業しない社員に対して1月当たり1万5000円を支給する「No残業手当」制度を開始する。社員が自発的に残業をなくそうと意識して働くよう仕向けることが目的で、「残業しない社員が得をする」制度とした。今後、さらに定時帰宅できる仕組みを実行していく。

4月から所定内労働20分短縮――味の素・労使で残業ゼロへ

4月から現行の1日の所定労働時間を20分(年間80時間)短縮する味の素(株)は、「残業ゼロ」の考えに基づくマネジメントやワークスタイルの変革に労使一体で取り組んでいる。昨年の16春闘で所定労働時間の短縮要求を行った労働組合に、「自ら率先する」と踏み込んだメッセージを添えて具体的短縮時間数を回答した会社側。多様な人材が活躍できる環境づくりの一環で、1日7時間労働も視野に、グループ企業や社会全体への波及を狙う。

非管理職35歳32.1万円に――関西地域のモデル賃金

関西地域の9つの経営者団体が共同実施した標準勤続者賃金によると、大卒・事務技術のモデル所定内賃金は非管理職が22歳20.7万円、35歳32.1万円、管理職が45歳48.4万円、55歳57.1万円などとなった。非管理職では定年直前、管理職では55歳でピークを迎えており、初任時22歳の水準に対する倍率は、それぞれ2.01倍、2.76倍だった。前年調査では軒並み低下傾向を示していたが、非管理職の45~55歳を除いてプラスに転じた。管理職の改善がより顕著で、50歳代では1.5~3.2%伸びている。

インターバル勤務を開始――ユニ・チャームが働き方改革

昨年10月に「働き方改革推進室」を社内に設置したユニ・チャーム㈱(東京都港区、高原豪久代表取締役社長、1297人)は、今月から社員の健康維持と生産性向上を目的に、インターバル勤務制度と在宅勤務制度を開始した。インターバルとして設ける休息時間は最低でも8時間としている。両制度とも、対象は原則全社員となっている。

働き方改革で支援拠点――北海道

北海道は、道内企業の働き方改革をバックアップするため、総合相談窓口「ほっかいどう働き方改革支援センター」を札幌市内に開設した。社会保険労務士を「働き方改革アドバイザー」として企業に派遣することで、長時間労働の是正や子育て支援拡充のための助言・指導を行う。人手不足が深刻な情報サービス業などに対しては就業実態調査を実施し、業界団体と連携しながら、働き方改革推進に向けたモデル事業を展開する。

大卒は60歳45万円がピークに――都内中小のモデル賃金

東京都の「中小企業の賃金・退職金事情」によると、大卒のモデル賃金は22歳20.6万円、35歳31.0万円、45歳39.3万円などとなり、ピークを迎える60歳45.4万円は初任時の2.2倍の水準だった。初任給に相当する22歳以外は軒並みダウンし、30歳と35歳では2%台の減少率を示している。退職金制度を持つ企業は7割弱となり、2年前の前回調査から9ポイント低下した。大卒・定年時のモデル退職金は1,139万円、支給月数では25.4カ月だった。

「誰もが活躍」を推進――東京都の新中期計画

誰もが活躍できるまちをめざし、非正規労働者の正規雇用化を重点的に支援――東京都は、平成32年までの政策方針を示した中期計画「都民ファーストでつくる『新しい東京』2020年に向けた実行プラン」を発表した。「ダイバーシティ」の実現をキーワードの一つに挙げ、非正規雇用対策の強化や女性の活躍推進などによって「誰もが活躍できるまち」をめざすとした。正社員転換を実施する企業や若者を採用する企業への助成金制度などを通じて、平成29年度中に1万5000人の正規雇用化を図る。

同一労働同一賃金~正規・非正規の賃金差必要――流通団体が提言

(一社)日本スーパーマーケット協会(川野幸夫会長)は12月26日、同一労働同一賃金を図ることで人件費が12%超増加するとの試算結果を公表、労使で合意できる賃金格差を正規・非正規の間に設ける必要があると提言した。生産性向上がまず先とした一方、労働側のUAゼンセンは、労働政策審議会の軽視自体に不満を述べつつ、政府が年末に示した同一労働同一賃金ガイドライン案の方向性を前向きに捉えている。

大卒35歳のモデル賃金30.9万円に――情報労連・ソフトワーカーの労働実態

情報労連の「ソフトワーカーの労働実態調査」によると、大卒・基幹職のモデル賃金は22歳20.4万円、35歳30.9万円、45歳40.3万円などとなった。35歳で初任時の1.52倍、45歳では1.98倍と高まっていくカーブを描いている。システムエンジニアの所定内賃金は、平均30.8万円となり、各社の最低額・最高額から求めた賃金レンジは24.8万~40.3万円だった。その他の職種の平均は、プログラマー22.5万円、アシスタントSE25.9万円、プロジェクトリーダー等38.9万円、システムコンサルタント等45.9万円となっている。

「同一賃金同一労働」

厚生労働省は平成28年12月16日に「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」の
中間報告を、同年12月20日には「同一労働同一賃金ガイドライン案」を発表した。
本施策におけるポイントは
①正規、非正規社員両方の賃金決定ル-ル、基準の明確化
②職務や能力等と賃金など待遇水準との関係性の明確化
③能力開発機会の均等、均衡による一人一人の生産性向上
で、ガイドラインの位置付けと民間(労使)の取組については
・第一義的には現行法解釈の明確化と位置づける
・制定、発効には適切な検討プロセスを経ること
・制定、発効には過不足のない時間軸の確保が重要
・民間(労使)による積極的な取組が不可欠
・賃金決定を客観化、透明化し正規、非正規間を比較可能にすること
・具体的な取組は手当を優先に
・基本給部分は段階を踏んだ取組が必要
・企業の実情に合わせた丁寧な対応が必要
などとされている。
ガイドライン案については、今後、関係者の意見や改正法案について国会審議を踏まえて
最終的に確定する。

 参考/厚生労働省ホ-ムペ-ジ
「同一労働同一賃金中間報告」「同一労働同一賃金ガイドライン案」

過去最高の積立金を「還元」――厚労省・雇用保険法改正へ

保険料率0.2%引下げへ――厚生労働省は、雇用保険制度を見直して、平成29年度から実施する方針である。賃金日額全般の引上げ、特定受給資格者の給付日数の拡大、保険料率の引下げ、教育訓練給付の拡充などを進める方向で、雇用情勢改善による積立金増加に対応したものとなっている。マルチジョブホルダーの雇用保険適用では、新たに検討会を設けて技術的問題などを議論していくとした。

円滑な事業承継へ”ガイドライン”示す 中企庁

中小企業庁は、事業承継の実施手順や留意点を示した手引「事業承継ガイドライン」を策定した。中小企業経営者の高齢化が進み、多くの企業が今後5~10年間に事業承継のタイミングに迎えることから、円滑な事業承継を後押しするのが狙い。実施手順として、経営状況・経営課題の把握、承継計画の策定、承継実施など5つのステップを提示した。承継前には商品力や人的資源を強化し、経営状況を改善するよう勧めている。

無期化・正社員化が活発に――2016年掲載事例を振り返る

長引く人手不足や目前に迫った無期転換ルール適用に対応するため、2016年は無期化・正社員化を図る施策が活発だった。正社員並みの基本給水準を確保した「エリア限定区分」の導入がめだったほか、多数の契約社員を活用してきた企業において、一律の無期化に踏み切ったケースも出ている。役割等級へのシフトも引き続き進展し、同時に管理職層を複線型とする事例が多かった。スペシャリスト志向を打ち出したり、海外事業向けのコースを整備するなどの工夫がなされている。IT技術者の需給環境が逼迫するなか、配置転換の範囲をあえて特定領域に限定した正社員区分を設けた事例もみられた。

経営側が過大な負担を懸念――同一労働同一賃金ガイドラインで

政府の働き方改革実現会議(議長・安倍晋三総理大臣)は、厚生労働省が近々にまとめる検討会報告の考え方に基づき、同一労働同一賃金ガイドラインを作成する見通しとなった。どのような賃金格差が不合理かを明確にすることによって紛争を防止するとともに、非正規社員の待遇改善に向けて誘導していく意向である。使用者側からは、合理性の立証責任を企業側のみに課すなど過大な負担とならない制度にすべきと訴えている。

全単組が「個別賃金」要求へ――JAM17春闘

中堅中小が大半を占める金属ものづくり系下請け企業の労組でつくるJAM(宮本礼一会長)は、来る17春闘で掲げる賃上げ要求の方式を「個別賃金」に原則統一する。「上げ幅」ではなく賃金の「絶対額」を求めるもので、参加の全単組が30歳26万円、35歳30万5000円への到達をめざす。今後ますます困難になる人手の確保に必要だと訴えるだけでなく、会社が賃金原資を確保できるよう、取引企業に対する公正取引要請を経営側に促すなど社会運動としての性格も持たせた活動に取り組む方針。組合員の反応もよく、このほど開催した中央討論集会は、ほぼ異論なしで通過。1月20日に正式決定する。

改定額5,200円弱へ微減―厚労省・賃金引上げ等実態調査

平成28年の賃金改定額は、前年比微減の5,176円に――。厚労省の賃金引上げ等実態調査によると、規模100人以上の1人平均賃金改定額は27年を106円下回り、改定率は同率の1.9%となった。5,000人以上が1,500円以上ダウンするなか、中堅・中小がともに500円以上伸び、それぞれ5,319円、4,482円となっている。定昇制度を持つ企業のベア実施率は、管理職17.8%、一般職23.3%となり、2~3ポイント落ち込んだ。改定に当たって最も重視した要素を聞いた設問では、例年同様に「企業の実績」が5割を超える一方、「労働力の確保・定着」が11.0%とめだって伸びている。

過重労働の抑制へ優良企業視察――全国労働局長

全国の都道府県労働局で、模範となる労働環境を整備したベストプラクティス企業を選定し、局長自らが視察した。11月の過重労働解消キャンペーンに併せて今年度、初めて全国的に実施に移した。優良企業を各労働局管内に広く紹介することが目的である。長時間労働削減をめざすワークショップ形式の研修を進めている小売業、業務効率化に取り組んでいる造船業などを視察している。

「3000円以上」の賃上げへ――金属労協17春闘

自動車、電機、鉄鋼・造船など大手金属系メーカー労組の5産別でつくる金属労協(JCM・相原康伸議長)は12月2日、東京都内で第59回協議委員会を開催し、17春闘方針を決定した。底上げや格差是正に力を入れた16春闘と全体の枠組みは同じで、賃金については「3000円以上」の賃上げ(ベア)要求を行う方針。率換算だと1%で、5産別が一枚岩で要求に取り組む。大手・中小(正規・非正規)間の水準的開きを縮める一方、バリュー(サプライ)チェーン全体の付加価値循環運動も継続する。

事務課長のピーク61.6万円――人事院・28年民間給与の実態

人事院の職種別民間給与実態調査によると、課長級の所定内給与がピークを迎えるのは、事務課長が52~56歳未満61.6万円、技術課長が同59.5万円だった。大卒初任者を含む係員の20~24歳未満の水準と比べると、それぞれ2.86倍、2.81倍となっている。家族手当制度を導入する割合は、前年並みの76.8%だった。配偶者に手当を支給する企業の85%が収入制限を設けており、そのうちの3分の2が「103万円」、3割弱が「130万円」としている。

外国人の正社員化を支援――静岡県

静岡県は、外国人労働者の正社員化を促進する「外国人就業・定着システム構築事業」をスタートさせた。就労意欲の高い外国人と正社員採用に前向きな県内企業とをマッチングさせるほか、就業後には企業へアドバイザーを派遣して雇用環境の質的向上を図る考え。外国人雇用で先進的な取組みを行う企業事例の収集も進めており、今年度末を目途に事例集として取りまとめる予定である。

17春闘 ベア要求「2%基準」へ――UAゼンセン

日本最大産別のUAゼンセン(松浦昭彦会長)は11月22日、来る17春闘で「2%基準」のベースアップ要求を行うなどとする本部方針の素案を固めたと発表した。定昇制度がなく賃金体系維持分が明確でない場合の要求基準は、9500円または4%。前日の中央執行委員会で決定し、より低い水準の要求となることが見込まれている金属労協に先駆けて方針案を公表することで、自ら春闘相場を形成していきたい考え。「65歳定年」要求も新たに打ち出した方針案は、1月31日の中央委員会で正式に決まる。

3年連続増で大卒・男性20.6万円――厚労省・28年決定初任給調査

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(初任給)の概況によると、大卒の決定初任給は、大卒・男性が0.7%増の20万5,900円、女性が0.6%増の20万円だった。ともに3年連続のプラスとなり、女性が初めて20万円台に乗せている。企業規模別では100人未満の小企業でめだった伸びがみられ、男性は3,800円、女性では4,400円アップした。一方で過去2年にわたって顕著な伸びを示していた高卒は、男性が0.1%増の16万3,500円と横ばいで、女性は0.6%増の15万7,200円となっている。

「エンジニアの満足度」

全国のメ-カ-で働く研究・設計・開発系の業務に就くエンジニアのうち、中小企業(従業員300人以下)で働く200名と、大企業(従業員1001人以上)で働く200名を対象にした「企業規模と働きがい」に関するアンケ-ト調査が発表された。
項目別に5点満点で回答した結果、中小企業が大企業より勝っていた項目は「仕事のやりがい」のみで、他の項目は全て大企業の方が高い結果となった。
大企業と比べ、中小企業で働くエンジニアの間で特に満足度が低かった項目は、「研修制度」「福利厚生」「会社のブランド」となった。

大企業で働くエンジニアに、自分の働く企業や職場で“一番満足している所”を自由回答形式で聞いたところ、「業務で扱う技術の先進性、専門性」「業務に集中できる環境」「仕事の規模が大きい」「ワ-クライフバランスがとり易い」「給料、福利厚生がいい」などの意見があった。
逆に“一番不満を持っていること”については、「経営層への不信」「スピ-ドが遅い」「組織の巨大化に伴う弊害」「仕事内容への不満」があがった。

一方、中小企業で働くエンジニアの“一番満足している所”では「業務で扱う技術の先進性、専門性」「業務に集中できる環境」など大企業と同じ意見の他に「顧客からのフィ-ドバックが得られる」「人間関係が温和」といった意見が見られた。
また、“一番不満を持っていること”は「業務負担が大きい」「人事評価に不満」「若手が育たない」などがあがった。

以上

国交省と厚労省が建設業対策で連携強化――計110億円規模の人材確保事業

国土交通省と厚生労働省は平成29年度、建設業における人材の確保・育成と魅力ある職場づくりを後押しするため、連携・共同して予算要求し対策を推進する方針である。技能労働者の高齢化が急速に進行しているなか、建設業が持続的成長を果たしていくには、関係省庁が一体となって中長期的対策を打ち出す必要があるとしている。連携して予算要求しているのは、雇用管理制度の整備に向けたコンサルティング支援や社会保険加入促進事業および各種助成金の拡充など、合計14事業、予算規模110億円を上回る。

 

東大水町教授・「みなさんの問題」と訴え――連合東京「同一労働・賃金集会」で

「みなさんの問題なんです」――連合東京が11月14日に都内で開いた同一労働同一賃金に関するセミナーで、講師に招かれた東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授が、集まった組合員らに、使用者も念頭に置いてこう訴えた。関連3法の一括改正などをめざす政府の妥当性を述べつつ、正規・非正規の格差や長時間労働の問題は法改正に関与してきた労使の取組みの結果であるという厳しい見方を突き付けた。坊主(アベノミクス)憎けりゃ袈裟(働き方改革)まで憎いでは、現場の実態は変わらないと熟考を求めた。

複線化し専門人材も役職に――㈱ユーグレナが新人事制度

㈱ユーグレナ(東京都港区、出雲充社長)は、役割等級の上位階層をマネジメント系列とスペシャリスト系列に複線化した新人事制度を導入した。ライン長以外の役職として新たにテクニカルディレクターを設け、高度専門職人材を部課長並みに処遇する。個人のキャリア志向とライフプランに応じた働き方を実現できる仕組みをめざしたもので、柔軟な勤務制度も採り入れた。始・終業時刻を2時間まで繰り上げられるモーニングシフト制を導入したほか、退職理由によっては3年以内の復職を認める制度を新設し、博士号やМBA取得への挑戦を可能としている。

パートの厚年適用拡大へ助成金――厚労省が拡充へ

厚生労働省はこのほど、雇用保険法に基づく各種助成金を広範囲に見直した。パート労働者への厚生年金の適用拡大が始まったのを受け、キャリアアップ助成金を改善、週所定労働時間を延長した中小企業に対して、労働者1人当たり4万~20万円を支給する。労働移動支援助成金では、教育訓練施設などに委託して再就職に向けたスキルの向上を行う事業主に上限30万円を支給していく。

中小の人手不足対策 業種、規模別に対策提示へ――中企庁

中小企業庁は、企業の人手不足が深刻化していることから、有識者で構成する「中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会」(座長・今野浩一郎学習院大学教授)を設置した。女性や高齢者、障害者などの多様な人材から選ばれる職場環境づくりのポイントと、人手不足を補うための生産性向上の進め方を検討する。人材の属性別や業種別のほか、創業時や安定成長期など企業の成長ステージ別に、企業における対策を提示する方針だ。

「超長期の羅針盤」模索へ――連合が検討委発足

「人口減少・超少子高齢社会ビジョン」検討委員会が連合の内部に発足し、第1回会合が11月8日に開かれた。先進各国と比べ極端に速いスピードで人口減少・超少子高齢社会を迎えた日本において、労働運動が取り組むべき課題などを「超長期の羅針盤」としてまとめられないか検討する。「2035年」の日本社会を射程に入れつつ、連合がめざす社会像自体の補強・強化もあり得るスタンスで臨む。逢見直人事務局長を座長に据え、外部の有識者3人を含む19人のメンバーよる本格的検討が始まった。

定年後の賃金引下げ容認――東京高裁

定年後の再雇用で、職務内容などが同じにもかかわらず賃金が低下するのは違法として長澤運輸㈱(神奈川県横浜市)の労働者3人が同社を訴えた裁判の控訴審で、東京高裁(杉原則彦裁判長)は、賃金引下げを認める逆転判決を下した。再雇用者の賃金引下げは、広く行われ社会的にも容認されているとする。1審(東京地裁)では、労働契約法第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)違反として賃金の差額分の支払いを命じていた。

長澤運輸事件・現状追認、20条の理念は?――東京高裁判決に労組書記長が思い

「現状追認判決だ」――注目された長澤運輸事件の控訴審判決直後の会見で、原告が所属する全日本建設運輸連帯労働組合の小谷野毅書記長は、判決に対し怒りを込めてこう語った。「社会問題化している格差や差別の不合理性を糺すのが労働契約法20条の理念。定年後再雇用だから仕方ないというのは到底承伏できない」とも述べ、最高裁で争う考えを示した。同席した宮里邦雄代理人弁護士は、同一労働同一賃金が議論されている社会的背景を考えても妥当性を欠く判決だと訴えた。

東京の4人世帯26.8万円――平成28年地域別標準生計費

今年4月の4人世帯の標準生計費は、東京26.8万円、大阪市17.3万円、名古屋市22.8万円などとなった。人事院による全国の水準22.2万円と比較すると、東京は4.6万円高く、名古屋市では0.6万円高くなっているが、大阪市は4.9万円下回っている。47都道府県全体の半数を超える25地域で前年比プラスとなった一方、7割近い31地域が20万円台前半に集中しており、20万円以下は12地域にとどまっている。

勤続1年で0.3カ月分アップ――解雇紛争解決金・厚労省検討会

厚生労働省内で、解雇無効時における金銭救済制度の検討が進んでいる。労働審判制度や民事訴訟上の和解において、解雇に関するほぼ全ての労働紛争が金銭で和解に至り、その金額は正社員の勤続年数が1年増すごとに0・3ずつ月収倍率が増加する傾向にある実態などが分かってきた。近年の裁判では、解雇を不法行為として、将来の就労見込みを含めた損害賠償額を認めるケースもあり、解決金水準にも影響しそうだ。

多店舗展開企業の安全衛生活動を支援――中災防

中央労働災害防止協会は、災害が増加傾向にある第3次産業などを対象とした「企業・業界団体等安全衛生総合支援事業」を開始した。小売業、飲食店などの多店舗展開企業や業界団体で組織的な安全衛生活動が実施されるよう、ノウハウの提供や人材育成の支援を行う。現在、対象企業の本社と事業場を訪問して各社の現状を把握しているところで、今後は各社の改善計画を作成。計画に基づき、本社・事業場それぞれに対し、作業マニュアル作成のアドバイスや安全衛生の教育研修などを実施する。

複線化しグローバル職群新設――国際紙パルプ商事㈱

国際紙パルプ商事㈱(東京都中央区、田辺円社長)は、総合職の上位階層を複線化し、海外事業向けの人材や高度専門職を育成・処遇する人事制度を導入した。非管理職の最上位グレード以上に3つのコースを設けるとともに、課長・部長・本部長の役職位とグレードをリンクさせている。担当する事業領域によってグローバル職群、ナショナル職群、スペシャリスト職群に区分し、職群ごとの給与テーブルを設けた。重複型だった基本給体系も見直し、総合職全体を通して階差型の体系へ改めている。今後はグローバル職群の育成を促し、並行して海外事業の拡大を推進する。

「従業員1人当たりの教育研修費の実態と推移」

産労総合研究所は2016年6月から8月に会員企業から任意抽出した約3,000社を対象にアンケ-ト調査を行った。
従業員1人当たりの額とは、回答企業の教育研修費用総額を対象事業所の正規従業員数で除したもので、研修受講者の延べ人数で除したものとは異なる。
教育研修費用総額は企業規模によって大きく異なるため、水準を比較するには1人当たりの額を参照するのがよい。

≪予算≫
2011年度 45,000円
2012年度 39,888円
2013年度 42,462円
2014年度 40,684円
2015年度 47,170円

≪実績≫
2011年度 32,034円
2012年度 36,054円
2013年度 32,010円
2014年度 36,877円
2015年度 35,662円

因みに2016年度予算は44,892円となっている。

2015年度を規模別でみると、
大企業40,679円、中堅企業37,326円、中小企業24,613円で企業間規模の格差による推移では、ここ数年は大きな変化は見られない。
また、業種別では、
製造業25,850円、非製造業40,088円で製造業は減少傾向、非製造業は若干の増加傾向にある。

以上

職場の嫌がらせ対策強化を――東京都審議会提言

東京都男女平等参画審議会は、東京都女性活躍推進計画の策定に向けた「基本的考え方」に関する「中間のまとめ」を取りまとめた。マタニティハラスメントなどが社会問題化していることから、同計画に盛り込むべき事項の一つに職場におけるハラスメント対策を挙げた。都による相談態勢の充実や使用者への働きかけの強化を求めている。働き方の見直しも重要課題として、企業の取組みを後押しするための奨励金支給も提案した。都は、今後示される最終答申を踏まえ、同計画を立案する。

「2%程度」の賃上げへ――連合・17春闘基本構想

連合は、10月20日の第13回中央執行委員会で、17春闘の「基本構想」を決定した。3年連続の賃上げにもかかわらず消費が伸びない現実を直視し、「ここで止めたらますます状況が悪くなる」とみて4年目となるベア要求を産別に促す方針。その際の水準は「2%程度」で、定昇制度のない中小の場合は1万500円とする。とりわけ低所得者層の所得向上を通じた消費拡大につなぎたい考えで、16春闘で掲げた「大手追従・準拠からの脱却」「サプライチェーン全体の付加価値分配」の旗を振り続ける。

大学卒・事務系21.4万円に――2016年3月卒決定初任給調査

経団連と東京経協が共同で実施した2016年3月卒の決定初任給調査によると、大学卒の水準は事務系21万3,892円、技術系21万3,677円、高校卒・現業系は16万8,230円だった。対前年引上げ額は順に1,338円、1,443円、933円となっている。前年の水準から引き上げた企業が全体の51.1%を占め、2年連続で据え置いた企業の割合を上回った。そのうちの8割強が賃金改定後に引き上げているのに対し、2割弱は求人の段階で前年を上回る水準を示していた。

製造請負・高齢者活用へ指針策定――技能協

高齢者活用に向けた取引先企業の理解獲得が課題――一般社団法人日本生産技能労務協会(清水竜一会長)は、「製造請負・派遣業における高齢者雇用推進ガイドライン」を策定した。請負・派遣事業者に対し、受入れに不安を抱えがちな取引先へ高齢者活用のメリットを伝え、理解を促進するよう求めている。中高年従業員を対象とした節目研修や階層別研修などのキャリア形成支援策を充実させることも重要とした。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

フルタイム非正規月額2,092円――連合・連合総研「組合費調査」

連合および連合総研による労働組合費調査の結果がまとまり、単組の場合でみると、一人当たりの平均月額(加重平均)は順に、正規従業員5,023円、フルタイム非正規2,092円、短時間非正規1,301円となった。フルタイム非正規は正規の約4割、短時間非正規はフルタイム非正規の約6割の水準で徴収している実態にある。罷業(スト)資金の積立組合は減少傾向だが、積立総額は約6億5,000万円。2週間分の賃金保障がある一方、産別でスト資金を積み立てているのは15.4%にとどまった。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

総合職・大卒35歳32.4万円に――「愛知のモデル賃金」調査

愛知県経営者協会と名古屋商工会議所が共同で実施した「愛知のモデル賃金」調査によると、総合職・大卒のモデル賃金は22歳20.4万円、35歳32.4万円、50歳46.6万円、ピークの60歳47.3万円などとなった。50歳で前年比2.4%減少した以外は、おおむね前年並みの水準を示している。初任時22歳に対するピーク時の倍率は、2.33倍だった。前年調査ではマイナスだった管理職賃金は、役員兼務者を除く部長級が1.0%増の55.0万円、課長級が0.5%増の44.5万円となり、わずかに改善している。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

「育児休業後の女性、4割が転職」

技術派遣のVSNは出産を経て復職経験のある10代から40代の女性を対象にインタ-ネットで調査を行った。調査期間は9月6日から8日で871の有効回答があった。

□ 育休復職後に転職した理由は
1位 ・・・ 働きづらくなった 29.4%
2位 ・・・ 仕事と育児の両立が出来なくなった 28.2%
3位 ・・・ 休職前のような働き方ができなくなった 22.1%
4位 ・・・ 職場でのストレス
5位 ・・・ 2人目や3人目の子供を妊娠した
6位 ・・・ 家庭の事情

□ 育児をしながら働く上で必要な能力は何か
1位 ・・・ 幅広い人間関係 40.8%
2位 ・・・ コミュニケ-ションスキル 38.9%
3位 ・・・ 専門能力 35.7%
4位 ・・・ 資格 34.3%

その他、上司は男性と女性どちらが好ましいかとの問いには
“どちらでもよい” → 47.2%、“男性” → 27.4%、“女性”→ 25.4%だった
また、短時間勤務制度を利用している女性は45.1%と半数で休職前と収入が下がったと答えた女性は57.9%と半数を超えた。

以上

介護休業から復帰で新助成金――厚労省が補正予算成立後に

厚生労働省はこのほど、「介護離職防止支援助成金」を新設した。介護支援プランを作成・導入し、円滑に介護休業取得に結びつけて職場復帰を図った中小企業に、対象労働者1人当たり60万円を助成する。介護のための時差出勤制度などで一定期間の利用者が生じた場合にも同じく30万円助成する。アベノミクスの重要政策の一つとなっている「介護離職ゼロ」の実現をめざす。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

大手飲食の本部部長と店長4人を送検――大阪労働局

大阪労働局(苧谷秀信局長)は、違法な長時間労働を行わせたとして、飲食業大手のサトレストランシステムズ㈱(大阪府大阪市)および同社部長と4人の店長を労働基準法第32条(労働時間)違反などの疑いで大阪地検に書類送検した。大阪府内の店舗で、36協定の限度時間を超えて1カ月当たり最長111時間の時間外労働をさせていた。全国の同社店舗で労基法違反がめだったことから、過重労働撲滅特別対策班(かとく)が捜査を進めていた。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

正規-男性の年間給与539万円に――国税庁・民間給与実態

国税庁の民間給与実態調査によると、平成27年1年間を通して勤務した者の平均年間給与は、正規・男性で538.5万円だった。前年結果に比べて1.2%増加し、3年連続で1%以上の伸び率を示している。女性では正規が2.2%増の367.2万円と堅調だったものの、非正規は0.2%減の147.2万円と落ち込んだ。給与所得者全体でみると、平均給与は1.3%増の420.4万円、平均賞与は3.7%増の64.8万円となり、25年以来の回復傾向が続いている。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

正社員転換などで実践教育プログラム――厚労省・10本程度を新規開発

厚生労働省は、平成29年度において正規雇用転換をめざす若者や育児から職場復帰を望む女性、高度IT人材の育成などに必要な実践的教育訓練プログラムの新規開発に着手する方針である。1プロジェクト当たり2000万円を上限に、計10本の開発を予定している。わが国の持続的経済成長にとって、労働者一人ひとりのキャリア形成、労働生産性の向上が不可欠とみて、人材開発を強化する。

 

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

建設業・社保未加入者の入場拒否へ――日建連が要綱を改定

一般社団法人日本建設業連合会(中村満義会長)は、社会保険未加入対策をさらに強化するため、「社会保険加入促進要綱」と実施要領を改正した。来年4月から、特段の理由がなく社会保険に適正な加入をしていない労働者の現場入場を認めないことを新たに明記した。会員である元請企業から下請企業への周知方法も定めている。企業単位の加入徹底に加え、労働者単位の加入を会員企業が足並みを揃えて推進していく。

 

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

リーダー昇格時に無期化――トーホーストアの新パート区分

㈱トーホーストア(兵庫県神戸市、伊東啓樹社長)は、パートタイマーの上位区分として月給制・契約社員の区分を設け、優秀な人材の正社員化を進めている。職場のリーダークラスを無期雇用として処遇し、さらに上位のマスタークラスでは、昇格後3年以内の正社員転換を促す。パート人材の社員区分を見直し、ステップアップの道筋を明らかにしたもので、最短ケースでは新規採用後3年目の正社員転換を可能にした。併せて職務レベルを○×方式で測るシンプルな人事考課を導入し、育成の指針として活用している。導入2年目を迎えた今春には、8人の正社員が誕生している。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

「女性活躍躍進の届出率98%に」

従業員301人以上の企業に、女性活躍に関する数値目標や行動計画の策定を
義務付ける女性活躍推進法の全面施行から半年が経過した。
厚生労働省によると、行動計画の策定、届出をした企業は8月31日現在で
対象企業15608社に対し、15341社で98%に達した。
努力義務にとどまる従業員300人以下の中小企業の届出も1300社を超えた。

優良企業には「えるぼし」を認定する制度も4月から始まり、
① 採用   ② 継続就業   ③ 労働時間等の働き方   ④ 管理職比率
⑤ 多様なキャリアコ-ス   について基準を満たす項目数に応じ3段階で認定
する。8月末までに145社が認定を受けており、中小企業も8社認定された。

埼玉県春日部市にある従業員254人の三州製菓では5項目すべてを満たし3つ星
認定がされた。
20年以上前からパ-トから正社員へ、更には管理職への登用、育休中社員への
フォロ-体制整備を進めてきた。行動計画に掲げた「女性管理職25%」は既に
達成し、「2020年までに35%」を目指している。
「中小企業でも行動計画を作って積極的に取り組むべきで、すべての社員の力
を引き出すことにつながる」と同社社長はコメントしている。

以上

36協定「特別条項」規制を見直し――厚労省・年度内に実行計画作成

厚生労働省は、このほどスタートさせた「仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会」で、時間外・休日労働協定(36協定)における「特別条項」の規制のあり方を中心とする見直しに着手した。時間外労働は、大臣告示により限度時間が設定されているが、「特別条項」を結べば、その限度時間を超えて例外的に上限なく働かせることができる。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

IT業界の長時間労働・発注者側巻き込み対策検討――(一社)情報サービス産業協会

一般社団法人情報サービス産業協会(横塚裕志会長)は、IT(情報技術)業界の長時間労働抑制をめざし、関連業界団体のほか、経団連など発注側事業者団体、学識経験者などによる検討委員会を設置する。厳しい納期やあいまいな仕様設定といった発注者側の事情も長時間労働を助長しているとみて、受発注者双方に対する実態調査を実施。現状を把握・分析するとともに課題解決のための対策を議論する。IT業界団体が発注側とともに労働時間対策を検討するのは初めて。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

目標管理のみで給与改定――SCSKの専門型正社員制度

SCSK㈱(東京都江東区、谷原徹社長)は、特定の領域において高い専門性を持つ人材を柔軟に採用・活用するため、「専門型正社員制度」を導入した。一般の正社員と同じ資格等級体系、給与テーブルを適用しつつ、あらかじめ職務の範囲を限定して、専らその領域内での貢献を求めるもの。個別に人事管理をしてきた契約社員層に統一的な枠組みを確立する一方、その上位区分として「正社員としての働き方」を制度化した。人事評価ではあえて既存の行動評価を適用せず、目標管理に基づく貢献度評価のみで給与改定を行う。契約社員の転換先区分として活用するほか、高度専門職の中途採用をめざす。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

全国に非正規待遇改善センター――厚労省・29年度

厚生労働省は平成29年度、全都道府県に「非正規雇用労働者待遇改善支援センター」(仮称)を新設する方針である。地域の商工会議所や社会保険労務士会などに事業委託し、中小企業からの要請に応じて同一労働同一賃金の実現や非正規雇用労働者の労働条件向上をバックアップする。コンサルタントが直接企業を訪問し、実態の把握から改善策の提案、改善後の検証作業まで、ワンストップで支援する構えである。制度の周知に向けたシンポジウムなども開催する予定としている。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

同一労働・賃金 直雇用非正規に賃金表を――JCMが考え整理

自動車や電機など大手中心の金属系5産別でつくる金属労協(JCM・相原康伸議長)は9月6日、東京都内で開催した第55回定期大会で「第3次賃金・労働政策」を公表した。04年の第2次政策以降の環境変化に対応するもので、「同一価値労働同一賃金」に関するJCMの考えも整理。直雇用非正規を対象にした賃金表の作成や、高卒直入正社員の初任給と未経験の非正規労働者の入口賃金の同水準化を明記した。入職以後の水準が合理的水準かどうかをチェックする制度設計を提案していく考え。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

役割基準で3系統へ複線化――静岡ガス

静岡ガス㈱(静岡県静岡市、戸野谷宏社長)は今年4月、役割を基準とする複線型の新人事制度を導入した。一本化していた職能等級体系を改め、マネジメント、プロフェッショナル、オペレーショナルという3つの職群系に区分している。これまでのゼネラリスト志向を見直し、職種を固定することでスペシャリストを育てていく方向へ舵を切ったもので、新たに計10種類の職種を整備した。一方でライン管理職を処遇するマネジメント職群系では、一つひとつのポスト、ポジションを5段階の等級に格付け、役割に応じて給与を払う姿勢をより鮮明にしている。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

「女性管理職登用の実態」

厚労省は雇用均等基本調査で平成27年度10月1日現在の、全国の企業と事業所を対象に「女性管理職」の状況をまとめた。

1.女性管理職を有する企業の割合(役員含む)       ‹平成25年度調査›
①課長相当職以上の女性管理職を有する企業 → 59.1%   ‹51.4%›
②係長相当職以上の女性管理職を有する企業 → 65.9%   ‹59.2%›

2.役職別割合
①部長相当職 →  9.6%                                         ‹9.2%›
②課長相当職 → 17.4%                        ‹16.8%›
③係長相当職 → 20.1%                        ‹21.5%›

3.企業規模別割合
●5000人以上規模では
①部長相当職 → 61.0%                       ‹63.5%›
②課長相当職 → 89.7%                       ‹93.5%›

●1000人~4999人規模では
①部長相当職 → 37.5%                       ‹35.9%›
②課長相当職 → 67.5%                       ‹70.6%›

4.管理職に占める女性の割合
①課長相当職以上の管理職に占める割合 → 11.9%       ‹9.1%›
②係長相当職以上の管理職に占める割合 → 12.8%      ‹10.8%›

5.役職別に占める女性の割合
①部長相当職 → 5.8%                         ‹4.9%›
②課長相当職 → 8.4%                         ‹6.9%›
③係長相当職 → 14.7%                        ‹13.8%›

6.産業別に見た課長相当職以上の女性管理職割合

①医療・福祉  → 46.7%
②生活関連サ-ビス・娯楽 → 28.0%
③宿泊・飲食サ-ビス  → 25.1%

以上

勤務間インターバル導入促進――厚労省・第二次補正予算案

厚生労働省は、平成28年度第2次補正予算で、業務間インターバルの導入促進や65歳を超える高年齢者の雇用拡大など、各種雇用環境整備に力を入れる方針である。今秋に大幅引上げとなる地域別最低賃金への対応としては、中小企業の経営力・生産力向上支援のための予算29億円を計上した。非正規労働者の処遇改善策をめざしたキャリアアップ助成金の拡充も予定している。

 

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

シニア活躍へ千社訪問――埼玉県

埼玉県は、今後同県の後期高齢者の増加率が全国トップになると見込まれているため、新たに「シニア活躍推進課」を設け、高齢者の就労機会の拡大などを積極化させている。県内企業の高齢者活躍に関する取組みを紹介するハンドブックを作成して1000社訪問をめざすほか、高齢者雇用に積極的な企業に対する認定制度を創設した。官民の連携強化に向けた協議会も発足させ、高齢者が働きやすい環境整備を進めている。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

上位職設けて無期化へ――コスモスイニシアが契約社員を一斉転換

㈱コスモスイニシア(東京都港区、高木嘉幸社長)は、職域限定の無期雇用社員の雇用区分を新設し、これまで1年契約で活用してきた有期雇用社員を転換させた。職域ごとに2~3階層のグレード体系を整備したもので、上位グレードに昇格した人材にはチームリーダーの役割などを任せていく。評価・処遇面は正社員に準じた仕組みとなっており、目標管理に基づいて半期ごとに業績・プロセスを評価し、過去2年分の平均値で基本給の変動を行う。今年7月には契約社員およそ170人を一斉に無期雇用化し、新規採用も開始した。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

“多様性”経営推進へ検討会――経産省

経済産業省は、企業の競争力向上につながるダイバーシティ経営(多様性を生かした経営)を推進するため、企業が取り組む際の課題や国による支援策を検討するための有識者会議を設置した。従来の企業の対応は女性の両立支援が中心で、経営面のメリットを実感できていないケースも多いことから、経営課題に対応した様ざまな人材活用のあり方を議論する。先進企業などを調査して経営面や人材活用の課題を抽出し、支援策の方向性などを盛り込んだ報告書を今年度中に取りまとめる方針だ。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

大手・中小間の開き縮まる――連合・16春闘総括

連合は、8月25日の中央執行委員会で16春闘総括を行った。定昇込みで5779円(2.00%)となった賃上げについては、3年連続達成した点を「今後につながる成果」と前向きに評価。最大の焦点だった底上げや格差是正についても、大手と中小の賃上げ水準のかい離が縮小したため「昨年までとは違う傾向を生み出せた」(神津里季生会長)とした。非正規労働者の時給を約17円引き上げた点では、初の平均800円台となった地域別の最低賃金審議に影響を及ぼし得たと評価している。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

事務課長の所定内57.8万円に――人事院・職種別民間給与実態調査

人事院の職種別民間給与実態調査によると、事務課長の所定内給与は57.8万円、技術課長は56.8万円となった。ともに前年結果を下回り、順に4.1%減、2.9%減と落ち込んだ。役職に就いていない係員と比べると、それぞれ2.01倍、1.94倍の水準だった。定年後再雇用者については、係員クラスで24.2万円となり、定年前の係員とは2割近い差が付いている。上昇傾向が続く大卒初任給は、事務系が0.5%増の19.7万円、技術系が0.9%増の20.2万円で、ともに3年連続で改善した。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

「中途採用者の活躍状況」

過去1年以内に外部の転職サ-ビスを利用して中途採用した企業の担当者927人から有効回答を得た調査結果を、転職支援サ-ビスのエン・ジャパンがまとめた。

過去2年以内に採用した社員の定着度が100%だった企業は14%で、定着度80%以上が35%で最も多かった。次いで、60%以上の定着度は31%、40%以上が11%で20%以上が3%だった。

また、定着・活躍を阻害した職場環境の要因では
1位 → 給与に不満 19.1%
2位 → 残業が多かった 15.5%
3位 → 労働条件の厳しさ(ノルマ等) 15%
で次いで、休みの取りやすさへの不満、勤務時間が長い、オフィス環境に不満などとなっている。

以上

賃金不払い1月でもあれば対象に――厚労省・特定受給資格者の範囲拡大へ

厚生労働省は、今年の通常国会で成立した改正雇用保険法に伴う省令改正案をまとめた。特定受給資格者の範囲を拡大し、賃金の3分の1を超える不支給額が1月でもあったり、育児・介護休業法に違反して事業主が休業申出拒否や不利益取扱いなどを行ったことを理由として離職した場合も対象とする方向である。有期雇用労働者に対する育児・介護休業給付の支給要件も緩和する。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

関連同族企業へ団交命令 労組法上の使用者と判断――兵庫労委

兵庫県労働委員会(滝澤功治会長)は、所属していた運送会社の解散に伴って解雇された組合員が、運送会社の創業者一族が経営する鉄資源加工処理業の㈱伊藤興業(兵庫県姫路市)に原職復帰に関する団体交渉を拒否された紛争で、同社の不当労働行為を認定した。伊藤興業を労働組合法上の使用者と判断し、団交応諾を命令した。両社間に資本関係はなかったものの運送会社の株式を伊藤興業の創業者とその親族が独占し、伊藤興業からの出向者が業務の指揮命令を行っていたことなどから、両社が同族経営の下で一体性を持つ経営体を構成していたと指摘している。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

介護職員・月給者の所定内19.9万円――介護労働実態調査

介護労働安定センターの「平成27年度介護労働実態調査」によると、月給制労働者の職種別賃金は、介護職員19.9万円、訪問介護員19.2万円、介護支援専門員25.0万円などとなった。介護支援専門員は1.3%減と落ち込んだが、訪問介護員は2.5%増、介護職員は1.3%増といずれも前年を上回る伸びをみせている。時給制労働者はより堅調で、訪問介護員の時給は51円増の1,289円、介護職員は17円増の935円、看護職員は18円増の1,396円だった。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

特定派遣からの移行に限定――厚労省・資産要件を見直し

厚生労働省は、労働者派遣事業の許可基準を今年9月30日に一部改正する予定である。改正労働者派遣法では、全ての派遣事業が新たな許可基準に基づく許可制となったが、小規模派遣事業主については資産要件に関する暫定的な配慮措置を講じていた。同配慮措置の対象を、改正派遣法施行日前から特定労働者派遣事業を行っていた事業主に絞って適用する方針である。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

金融機関と連携し働き方改革――大阪労働局

大阪労働局(苧谷秀信局長)は、大阪信用金庫(樋野征治理事長)との間で「働き方改革にかかる包括連携協定」を締結した。連携強化を図ることで、ワーク・ライフ・バランス(WLB)の実現や非正規社員の正社員転換などをめざす。まずは同信金の融資担当者を通じて国の助成金の活用を促進していく考え。10月に開催する働き方改革推進会議にも参画を求める。労働局と金融機関が協定を締結するのは全国で初めて。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

主要企業の平均妥結額6,700円弱――厚労省・平成28年春季賃上げ集計

厚生労働省の平成28年春季賃上げ集計によると、民間主要企業の平均妥結額は6,639円となった。前年比で728円ダウンし、過去3年間で最低の水準となっている。自動車が1,603円減と大幅にダウンしたのをはじめ、全20産業中の17産業で前年水準を割り込んだ。交渉前の平均賃金31万671円に対する賃上げ率は2.14%となり、27年の2.38%から0.24ポイント下落した。“官製春闘”といわれ始めた26年と比べても、0.05ポイント下回っている。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

「同一労働同一賃金導入の賛否」

政府が導入を目指す「同一労働同一賃金」について日本経済新聞社とNTTコムオンライン・マ-ケティング・ソリュ-ションズが共同で実施した働き方に関する意識調査(総回答数1028)によると、導入に賛成が48%でほぼ半数を占めたが、実現すると応えたのは6.1%にとどまった。

□導入に賛成 48.0%
主な賛成理由としては
・同じ仕事なら同じ給料が当たり前
・正社員と同じかそれ以上の仕事をしているのに
雇用形態で賃金が低くなるのは不公平
・派遣社員の働く意欲が向上する

□導入に反対 12.6%
主な反対理由としては
・仕事に対して意欲がなくなりそう
・同じ労働でもキャリアにより成果は違う
・パ-ト社員では責任の重さが違う

□どちらともいえない 39.4%

以上

接客、運転手も19万円超に――平成29年高卒求人初任給・労働新聞社調査

来春卒業する高校生を対象にした求人初任給の水準を労働新聞社が調べたところ、技術・技能系全体18万2017円、販売・営業系は18万5486円などとなり、前年比は順に991円増、4816円増となった。人手を補いたい技術・技能系の建設業や接客係、ドライバーも19万円を超え、とりわけドライバーは前年比約1万3000円も増加。「新免許」創設を背にした企業の若手ドライバー争奪戦が背景にあろう。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

人材紹介業界団体が高齢者雇用推進策を検討

一般社団法人日本人材紹介事業協会(渡部昭彦会長)は、人材紹介業界における高齢者活用が大きな課題になっているとして、「高齢者雇用推進委員会」(座長・今野浩一郎学習院大教授)を設置した。紹介事業者に実態調査を行って高齢者活用の現状を把握した後、活用のポイントや好事例などを示したガイドラインを作成する方針だ。「業界内で高齢者雇用のノウハウが増えれば、高齢者の職業紹介事案においても効果的なマッチングができるようになる」(同協会事務局)とみている。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

役職基準の役割等級採用――川崎信用金庫

川崎信用金庫(神奈川県川崎市、草壁悟朗理事長)は今年6月、年功要素の強かった旧制度を45年ぶりに抜本改正し、1年間の総合考課で給与改定する新人事制度を導入した。従来は職能資格と職位等級を組み合わせて処遇していたが、役職の位置付けを明確にして管理職を役割等級へ移行し、非管理職は3階層の職能等級へ大括り化している。複雑だった基本給部分についても一本化を図り、課長級以上に5段階の洗替え方式、それ以下の層には5段階の査定昇給を採用した。新たに等級・役職の違いに応じて15種類の考課表を整備し、行動考課と目標管理の結果で基本給の変動を行う。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

健康経営・アドバイザーの無料派遣を――東商が東京都・国へ要望

東京商工会議所(三村明夫会頭)は、健康経営の推進に向けた要望をまとめ、東京都と政府関係先に提出した。東京都に対しては、中小企業で健康づくりのノウハウが不足しているとして、企業に助言する健康経営アドバイザーの無料派遣制度の整備を求めた。企業が健康管理関連の法令を遵守できるよう、就業規則見直しなどについての支援も必要とした。国に対しては、優良企業に対する魅力的なインセンティブの導入を訴えている。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

個人型確定拠出年金の普及拡大へ――厚労省・協議会設立し

厚生労働省は、今年の通常国会で成立した改正拠出年金法に基づき、個人型確定拠出年金(個人型DC)の普及拡大をスタートさせた。DC普及・推進協議会を設立して各種活動を展開し、平成29年1月の施行日に備える。今回の法改正で、国民年金の第3号被保険者や企業年金加入者なども個人型DCに加入できるようになったもので、これによって働き方の多様化と高齢化に対処する方針である。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

引上げ事業所のみで2.7%――厚労省・小規模の賃金改定状況

厚生労働省の賃金改定状況調査によると、小規模企業の賃金改定率は、賃金を引き上げた事業所の平均で2.7%、全体の平均では1.1%だった。6月末時点で43.1%の事業所が引上げを実施済みとする一方、ほぼ同数の42.3%が今年は改定をしないとしている。1時間当たりの所定内賃金額は、一般労働者1,571円、パートタイマー1,096円だった。1年前に比べて順に16円、14円伸び、上昇率は1.0%、1.3%となっている。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

「最低賃金過去最大の引上げへ」

厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は7月26日、2016年度の最低賃金を全国平均で24円引き上げ、822円にする目安を示した。
24円という引き上げ額は、昨年実績の平均18円を大きく上回り過去最大となる。目安をもとに、都道府県が実際の引き上げ額を決め、10月にも適用される見通し。
引き上げ額は都道府県により異なるが、21円~25円が目安となり、現在最も低い鳥取県、高知県、宮崎県、沖縄県での引き上げ額が21円になった場合でも714円
となり、最低賃金が700円を下回る県はなくなる。
政府は最低賃金「全国平均1000円」を目標としているが、中小企業の経営への影響を懸念する声もある。

[地域別引き上げ額の目安]
●Aランク=25円
千葉・東京・神奈川・愛知・大阪
●Bランク=24円
茨城・栃木・埼玉・富山・長野・静岡・三重・滋賀・京都
兵庫・広島
●Cランク=22円
北海道・宮城・群馬・新潟・石川・福井・山梨
岐阜・奈良・和歌山・岡山・山口・香川・福岡
●Dランク=21円
青森・岩手・秋田・山形・福島・鳥取・島根・徳島・愛媛
高知・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄

以上

過労死など請求事業場の7割で違法長時間労働――東京労働局

過労死・過労自殺などの労災請求があった事業場の約7割で違法な時間外労働が発覚――東京労働局(渡延忠局長)は、過重労働による健康障害を発生させた事業場に対する臨検結果を取りまとめた。臨検対象の9割に当たる115事業場で何らかの労働関係法令違反があったとして、是正勧告を行っている。健康診断や医師の面接指導など、必要な健康障害防止措置を怠っている事業場も3割に上った。適切に労働時間を把握していない事業場が少なくなく、長時間労働を招く要因になっている。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら

歓送迎会後の死亡を労災認定――最高裁

仕事を中断して参加した歓送迎会から戻る途中に交通事故で死亡した場合に労働災害と認められるかが争われた裁判で、最高裁判所第2小法廷(小貫芳信裁判長)は、労災と認めなかった1審および控訴審判決を破棄し、不支給処分を取消す判決を言い渡した。部長の発言で歓送迎会への参加を余儀なくされたとし、業務に関連するものだったと判断している。

【提供:労働新聞社】
労働新聞社

本編記事はこちら