介護職員は月給22.3万円――介護労働安定センター 介護労働実態調査

介護労働安定センターの「令和3年度介護労働実態調査」によると、月給制で働く労働者の職種別所定内賃金は、介護職員が22.3万円、訪問介護員が22.4万円、介護支援専門員が26.5万円だった。前年結果からは横ばいで、それぞれ0.5%(1201円)増、0.5%(1198円)増、0.1%(151円)減となっている。時間給については介護職員が1031円(1.2%、12円増)、訪問介護員が1319円(1.6%、21円増)などと改善し、看護職員は2.5%(37円)増の1490円とめだって伸びた。月給労働者の賞与支給額は59.1万円となっている。

賃上げ取組む企業に奨励金――東京都

東京都は、物価高騰への緊急対策として、中小企業に対する支援事業を新設・拡大する。新規事業として、エンゲージメントの向上によって賃上げに取り組む企業に対する奨励金制度を設け、9月の補正予算案に7億円を計上した。賃上げにつながる取組みとして複数の項目を設定し、満たした項目数に応じて支給する。既存の事業も拡充し、自社内で実施するOff―JTの訓練への助成対象件数を従来の2倍の200社とする。業務のデジタル化に必要な機器・システムの導入に対する助成金制度では、賃上げ計画書を策定した場合に補助率を引き上げる措置を追加した。

飲食店店長 管理監督者性を否定――東京地裁

飲食店の店長を務めていた労働者が残業代の不払いなどを不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所(布施雄士裁判官)は労働者の管理監督者性を否定し、運営会社に計980万円の支払いを命じた。労働者の月給は30万円で、勤務時間は不規則かつ長時間に及んだ。同地裁は労働者の月給は一般的な飲食店従業員の賃金である月給25万円と比べて必ずしも高額ではないと指摘。管理監督者に相応しい待遇とは到底いえないとして、残業代に加え、付加金の請求も認めている。

賃金台帳 労働時間数を過少に記入――伊万里労基署

佐賀・伊万里労働基準監督署(福田貴裕署長)は、賃金台帳に実際より過少な労働時間数などを記入していたとして、貨物自動車運送業のロジコン㈱(同県伊万里市)と当時の同社統括運行管理者を労働基準法第108条(賃金台帳)違反の疑いで伊万里区検に書類送検した。昨年7月、同社の労働者がトラック運転中に交通事故を起こし、6人が死傷している。同社に対しては昨年11月、労働者の過労運転を容認したとして、兵庫県警が道路交通法第66条の2違反の疑いで神戸地検尼崎支部に書類送検した。

付加金支払い命令を取消し――東京高裁

農林畜産物の生産・販売や飲食店経営を営む㈱hototo(山梨県山梨市、水上篤代表取締役)で働く労働者が残業代の支払いを求めた裁判で、東京高等裁判所(木納敏和裁判長)は、付加金支払いを命じた一審判決を取り消した。一審は未払い残業代に加え、80万円の付加金支払いを命令していた。同社は一審判決後に未払い分の残業代をすべて弁済。同高裁は最高裁判決(平成26年3月6日)を踏まえ、口頭弁論終結までに義務違反の状況が消滅したときは、付加金支払い命令ができなくなるとしている。

トラック運転者 休息期間の下限は9時間――労政審・作業部会報告

労働政策審議会の作業部会は、トラック運転者の労働時間等改善基準告示の見直しに関する報告を取りまとめた。現行基準で継続8時間以上としている1日の休息期間について、継続11時間以上を基本としつつ、9時間を下限に設定するのが適当とした。ただし、泊まりを伴う長距離運行に例外措置を設ける。運行途中の休息の下限を8時間とし、運行後に継続12時間以上の確保を求める。1カ月の拘束時間は「原則284時間まで、最大310時間まで」に見直す。現行よりも順に9時間、10時間の短縮となる。

第274話「テレワ-クで夫が家事・育児」

2022年版少子化社会対策白書によると、新型コロナウイルスの感染拡大前後で、夫婦の家事・育児の役割が増加した割合が、テレワ-クの場合で通常の働き方をしている夫の2倍以上に上り、テレワ-クの普及により家庭内の分担を見直すきっかけになったと分析している。

また、夫の休日の家事・育児時間が長いほど、第2子以降の生まれる割合が高くなる傾向があるという。
白書はテレワ-クが少子化対策にも有効とみて、ポストコロナでの継続を求めた。

一方、感染拡大前後で家事・育児の時間の変化については、大幅に増加したと回答した女性の割合が8.7%だったのに対し、男性は3.9%だった。
白書は、在宅時間が増える中、女性の家事・育児の負担がより重くなっている、とも指摘した。

2022年版の子供・若者白書では、2021年に警察が検挙した児童虐待の件数は、過去最多の2174件で、新型コロナの影響により、子供の(地域による)見守り機会が減少し、虐待リスクが高まっている、と警鐘を鳴らした。

以上

中途採用の応募1・6倍に――ヤフー

ヤフー㈱(東京都千代田区、小澤隆生代表取締役社長)は、今春から拡充した「どこでもオフィス制度」の効果により、中途採用の応募者数が1・6倍に増えたと明らかにした。リモートワークの活用を前提に国内ならどこでも居住可能としたもので、1都3県以外からの応募が全体の35%にまで高まっている。既存社員が転居するケースも増え、契約社員を含めた対象者約8000人のうち、8月末現在で130人以上が飛行機・新幹線での通勤圏へ移り住んでいる。

貨物自動車運送業 拘束時間が上限超過し送検――奈良労基署

奈良労働基準監督署(尾形賢一署長)は、運転者2人に36協定の限度時間を超える時間外労働をさせたとして、貨物自動車運送業の㈱カズショウ(奈良県奈良市)と同社代表取締役を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで、奈良地検に書類送検した。同社は協定に「改善基準告示の拘束時間の上限を時間外労働の限度とする」と付記していた。このため同労基署は時間外労働について、協定で定めた時間内に収まっていたか否かにかかわらず、休憩を含めた拘束時間が告示の上限を超えた時点から、すべて違法と判断した。

公立教員の残業代請求棄却――東京高裁

公立学校の教員に対する残業代の支払い義務が争点となった裁判で、東京高等裁判所(矢尾渉裁判長)は支払い義務がないと判断した一審判決を維持した。埼玉県内の公立学校の教員が、同県に240万円の支払いを求めたもので、給特法は残業の対価として月額給与の4%を教職調整額として支給すると定めており、労働基準法37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)の適用は排除されているとした。国家賠償法上の責任についても、自由意思を極めて強く拘束するような時間外勤務命令はなかったと指摘。責任を否定している。

第273話「20代女性、孤独感じる65%」

野村総研が20~60代以上の男女2,200人に調査したところ、「孤独を感じる」と答えた人の割合は全年代で上昇。
中でも20代女性は昨年から8ポイント増えて65%となり、最も割合が高かった。

職業別では専業主婦・主夫の6割が「新型コロナウイルス流行前と比較して孤独を感じることが増えた」と答えた。
コロナによる失業などの経済的困窮が影響している可能性があり、1度切れた人間関係を元に戻すのが難しいといった側面もありそうだ。

孤独が深刻になるほど家族以外の人を相談相手に選ぶ、という結果も出た。
孤独が「全く深刻ではない」人は51.3%が相談相手に配偶者を選んだが、「かなり深刻」と答えた人では15.2%に低下した。
一方、孤独が全く深刻でない人で「友人・知人を選ぶ」と答えたのは26.7%だったが、かなり深刻な人では53.1%に上昇。
専門家を選ぶ人も、同様に6.6%から23.5%に上昇した。

孤独の原因は家庭にある可能性もあり、多様な居場所づくりや相談支援体制の整備が求められる。

以上

年休5日の義務果たさず――久留米労基署

福岡・久留米労働基準監督署(古賀薫署長)は、労働基準監督官に対し虚偽の陳述を行ったとして、昭和建設㈱(同県久留米市)と同社の担当課長を労働基準法101条(報告等)違反の疑いで福岡地検久留米支部に書類送検した。同社は年間5日間の年次有給休暇を取得できていない労働者が複数人いるにもかかわらず、「全員取得できている」と虚偽の内容を記載した有給休暇管理簿を提出し、記載内容に基づいて虚偽の陳述を行った疑い。

無断で動画公開 団交拒否理由にならず――都労委

東京都労働委員会(金井康雄会長)は、労働組合が団体交渉の様子を撮影し、動画サイト上で公開したことを理由として以降の団交申入れに応じなかったテイケイ㈱(東京都新宿区)について、不当労働行為と認定した。動画はモザイク処理などで一定のプライバシーの保護を図っており、会社側の担当者が特定できるものであるとまではいえず、動画の公開により具体的に業務が妨害された事実もないとし、団交を拒否する正当な理由にはならないと判断している。

人への投資 出向通じた能力向上促進――厚労省・令和5年度

厚生労働省は令和5年度、在籍型出向を活用した労働者の能力向上を促進するため、産業雇用安定助成金に新コースとして「スキルアップ支援コース」(仮称)を追加する方針だ。政府が重点課題に掲げる「人への投資」の施策の一環で、労働者のスキルアップのために在籍型出向を行う出向元に対し、出向労働者の賃金の一部を助成する。出向元が新型コロナウイルス感染症による影響を受けているかは問わない。助成率は最大3分の2で、労働者1人1日当たり8355円を限度に支給する。

年休5日の義務果たさず――久留米労基署

福岡・久留米労働基準監督署(古賀薫署長)は、労働基準監督官に対し虚偽の陳述を行ったとして、昭和建設㈱(同県久留米市)と同社の担当課長を労働基準法101条(報告等)違反の疑いで福岡地検久留米支部に書類送検した。同社は年間5日間の年次有給休暇を取得できていない労働者が複数人いるにもかかわらず、「全員取得できている」と虚偽の内容を記載した有給休暇管理簿を提出し、記載内容に基づいて虚偽の陳述を行った疑い。

無断で動画公開 団交拒否理由にならず――都労委

東京都労働委員会(金井康雄会長)は、労働組合が団体交渉の様子を撮影し、動画サイト上で公開したことを理由として以降の団交申入れに応じなかったテイケイ㈱(東京都新宿区)について、不当労働行為と認定した。動画はモザイク処理などで一定のプライバシーの保護を図っており、会社側の担当者が特定できるものであるとまではいえず、動画の公開により具体的に業務が妨害された事実もないとし、団交を拒否する正当な理由にはならないと判断している。

人への投資 出向通じた能力向上促進――厚労省・令和5年度

厚生労働省は令和5年度、在籍型出向を活用した労働者の能力向上を促進するため、産業雇用安定助成金に新コースとして「スキルアップ支援コース」(仮称)を追加する方針だ。政府が重点課題に掲げる「人への投資」の施策の一環で、労働者のスキルアップのために在籍型出向を行う出向元に対し、出向労働者の賃金の一部を助成する。出向元が新型コロナウイルス感染症による影響を受けているかは問わない。助成率は最大3分の2で、労働者1人1日当たり8355円を限度に支給する。