インターバル勤務を開始――ユニ・チャームが働き方改革

昨年10月に「働き方改革推進室」を社内に設置したユニ・チャーム㈱(東京都港区、高原豪久代表取締役社長、1297人)は、今月から社員の健康維持と生産性向上を目的に、インターバル勤務制度と在宅勤務制度を開始した。インターバルとして設ける休息時間は最低でも8時間としている。両制度とも、対象は原則全社員となっている。

働き方改革で支援拠点――北海道

北海道は、道内企業の働き方改革をバックアップするため、総合相談窓口「ほっかいどう働き方改革支援センター」を札幌市内に開設した。社会保険労務士を「働き方改革アドバイザー」として企業に派遣することで、長時間労働の是正や子育て支援拡充のための助言・指導を行う。人手不足が深刻な情報サービス業などに対しては就業実態調査を実施し、業界団体と連携しながら、働き方改革推進に向けたモデル事業を展開する。

大卒は60歳45万円がピークに――都内中小のモデル賃金

東京都の「中小企業の賃金・退職金事情」によると、大卒のモデル賃金は22歳20.6万円、35歳31.0万円、45歳39.3万円などとなり、ピークを迎える60歳45.4万円は初任時の2.2倍の水準だった。初任給に相当する22歳以外は軒並みダウンし、30歳と35歳では2%台の減少率を示している。退職金制度を持つ企業は7割弱となり、2年前の前回調査から9ポイント低下した。大卒・定年時のモデル退職金は1,139万円、支給月数では25.4カ月だった。

「誰もが活躍」を推進――東京都の新中期計画

誰もが活躍できるまちをめざし、非正規労働者の正規雇用化を重点的に支援――東京都は、平成32年までの政策方針を示した中期計画「都民ファーストでつくる『新しい東京』2020年に向けた実行プラン」を発表した。「ダイバーシティ」の実現をキーワードの一つに挙げ、非正規雇用対策の強化や女性の活躍推進などによって「誰もが活躍できるまち」をめざすとした。正社員転換を実施する企業や若者を採用する企業への助成金制度などを通じて、平成29年度中に1万5000人の正規雇用化を図る。

同一労働同一賃金~正規・非正規の賃金差必要――流通団体が提言

(一社)日本スーパーマーケット協会(川野幸夫会長)は12月26日、同一労働同一賃金を図ることで人件費が12%超増加するとの試算結果を公表、労使で合意できる賃金格差を正規・非正規の間に設ける必要があると提言した。生産性向上がまず先とした一方、労働側のUAゼンセンは、労働政策審議会の軽視自体に不満を述べつつ、政府が年末に示した同一労働同一賃金ガイドライン案の方向性を前向きに捉えている。

大卒35歳のモデル賃金30.9万円に――情報労連・ソフトワーカーの労働実態

情報労連の「ソフトワーカーの労働実態調査」によると、大卒・基幹職のモデル賃金は22歳20.4万円、35歳30.9万円、45歳40.3万円などとなった。35歳で初任時の1.52倍、45歳では1.98倍と高まっていくカーブを描いている。システムエンジニアの所定内賃金は、平均30.8万円となり、各社の最低額・最高額から求めた賃金レンジは24.8万~40.3万円だった。その他の職種の平均は、プログラマー22.5万円、アシスタントSE25.9万円、プロジェクトリーダー等38.9万円、システムコンサルタント等45.9万円となっている。

「同一賃金同一労働」

厚生労働省は平成28年12月16日に「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」の
中間報告を、同年12月20日には「同一労働同一賃金ガイドライン案」を発表した。
本施策におけるポイントは
①正規、非正規社員両方の賃金決定ル-ル、基準の明確化
②職務や能力等と賃金など待遇水準との関係性の明確化
③能力開発機会の均等、均衡による一人一人の生産性向上
で、ガイドラインの位置付けと民間(労使)の取組については
・第一義的には現行法解釈の明確化と位置づける
・制定、発効には適切な検討プロセスを経ること
・制定、発効には過不足のない時間軸の確保が重要
・民間(労使)による積極的な取組が不可欠
・賃金決定を客観化、透明化し正規、非正規間を比較可能にすること
・具体的な取組は手当を優先に
・基本給部分は段階を踏んだ取組が必要
・企業の実情に合わせた丁寧な対応が必要
などとされている。
ガイドライン案については、今後、関係者の意見や改正法案について国会審議を踏まえて
最終的に確定する。

 参考/厚生労働省ホ-ムペ-ジ
「同一労働同一賃金中間報告」「同一労働同一賃金ガイドライン案」

過去最高の積立金を「還元」――厚労省・雇用保険法改正へ

保険料率0.2%引下げへ――厚生労働省は、雇用保険制度を見直して、平成29年度から実施する方針である。賃金日額全般の引上げ、特定受給資格者の給付日数の拡大、保険料率の引下げ、教育訓練給付の拡充などを進める方向で、雇用情勢改善による積立金増加に対応したものとなっている。マルチジョブホルダーの雇用保険適用では、新たに検討会を設けて技術的問題などを議論していくとした。

円滑な事業承継へ”ガイドライン”示す 中企庁

中小企業庁は、事業承継の実施手順や留意点を示した手引「事業承継ガイドライン」を策定した。中小企業経営者の高齢化が進み、多くの企業が今後5~10年間に事業承継のタイミングに迎えることから、円滑な事業承継を後押しするのが狙い。実施手順として、経営状況・経営課題の把握、承継計画の策定、承継実施など5つのステップを提示した。承継前には商品力や人的資源を強化し、経営状況を改善するよう勧めている。

無期化・正社員化が活発に――2016年掲載事例を振り返る

長引く人手不足や目前に迫った無期転換ルール適用に対応するため、2016年は無期化・正社員化を図る施策が活発だった。正社員並みの基本給水準を確保した「エリア限定区分」の導入がめだったほか、多数の契約社員を活用してきた企業において、一律の無期化に踏み切ったケースも出ている。役割等級へのシフトも引き続き進展し、同時に管理職層を複線型とする事例が多かった。スペシャリスト志向を打ち出したり、海外事業向けのコースを整備するなどの工夫がなされている。IT技術者の需給環境が逼迫するなか、配置転換の範囲をあえて特定領域に限定した正社員区分を設けた事例もみられた。