3年ぶりに7,000円台へ――厚労省「民間主要企業賃上げ集計」

厚生労働省の平成30年春季賃上げ集計によると、民間主要企業334社の平均妥結額は7,033円だった。前年結果の6,570円を463円上回り、3年ぶりに7,000円台に回復している。 交渉前の平均賃金31.1万円に対する賃上げ率は2.26%となり、0.15ポイント上昇した。産業別にみても全体的に堅調さを示し、計20産業のうちの15産業がプラスに。なかでも4,000円近くの大幅アップとなった運輸では、妥結額が1万円に達し、賃上げ率も3.32%と唯一3%を超えている。

東大・水町教授「一括管理」中小へ推奨――連合東京・「働き方改革」学習会

「働き方改革」を進める政府の頭脳を担った東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授は8月6日、連合東京が組合員や経営者を対象に都内で開いた学習会で、改正法への対応を教えた。 実務的に最も煩雑になるとみる、使用者による「年5日」の年休付与義務では、主に中小に「一括管理」を推奨。年休派生の起算日を繰り上げ、期間を定めた付与も可能になると説明した。 会社が行う制度設計に働き手の立場で意見すべきだと助言した。

キユーピー・事前に管理職が挑戦――テレワーク・デイズの取組み

政府が主催するテレワーク・デイズの期間中、企業が様ざまな対策を講じた。 キユーピー㈱は、社員に在宅勤務など6つの選択肢から働き方を選ばせた。社員の挑戦を後押しするため、管理職が事前にチャレンジし、気付きを部下と共有している。 大京グループでは部署ごとに2日以上、モバイルPCを使って社外で働いた。㈱レオパレス21は大災害を想定し、部署一斉の在宅勤務を行っている。

週休3日に改め年収3割増――味の素AGF/再雇用制度の見直し

多様な人材の活躍に力を入れるコーヒー飲料メーカーの味の素AGF㈱(東京都渋谷区、品田英明代表取締役社長、747人)は今年7月、定年後の再雇用制度を見直し週休3日制にした。 年間休日を121日から156日に増やし、所定労働時間は1870時間から1600時間に削減。給与水準を見直し、年収は新制度導入前より約3割増やしている。無年金期間に支給していた雇用継続手当は職能給に組み込んだ。 一昨年12月には、再雇用者を含む全社員を対象に在宅勤務制度を導入した。

月の所定外「30時間以内」に――日建協・中期時短方針

中堅ゼネコンの現場監督など技術系労働者でつくる日本建設産業職員労働組合協議会(日建協・久保田俊平議長)は、8月2,3の2日間東京で開いた第95回定期大会で、今後5年間の中期時短方針を確立した。 1カ月平均所定外労働を「30時間以内」とし、前回方針の「45時間以内」より15時間短縮。36協定による労働時間の年間上限360時間以内を念頭に、月45時間以上の所定外労働ゼロをめざす。 一般社会に業界への理解を促しつつ、働き方改革という急激な環境変化を乗り切る考えだ。

メール、FAXも認める――賃金などの条件明示・厚労省規則改正へ

厚生労働省は、働き方改革推進法の成立に伴って、労働基準法関連省令の一部改定案を明らかにした。労基法第15条(労働条件の明示)に基づく労働条件明示において、現行では認められていないファクシミリや電子メールなどでも可能とする。 同法第18条に規定している労働者の過半数を代表する者とは、使用者の意思によって選出されたものではないことを明確化した。使用者による年次有給休暇の時季指定に当たっては、労働者ごとに管理簿を作成する必要がある。

「新入社員の仕事価値観」

日本能率協会が行った新入社員向けセミナ-参加者352人からの回答によると、 プライベ-トと仕事のどちらを優先したいか尋ねたところ、“プライベ-トを優先 する”という回答が75.8%に達し、前回調査の2014年と比べると10.7ポイント 上回った。売り手市場の就職環境が続く中、多様な働き方を可能にする環境作り が人材確保の大きなカギとなる。

実力成果主義と年功主義のどちらの職場で働きたいかには、“実力成果主義の職場” という回答が65%あり、前回調査と比べると8.6ポイント多かった。 就職氷河期など買い手市場の時は年功主義を志向する傾向が高まり受け身の傾向が 見られるが、売り手市場では入りたい企業や、やりたいことを自ら選んでいるため、 挑戦的でポジティブになっている。

また、理想の上司・先輩像にも前向きな意識が反映され、“部下の意見・要望を傾聴 する”が最も多く、前回最多だった“仕事について丁寧な指導をする”は2位に後退。 逆に、“仕事を任せて見守る”は前回の11位から4位となった。

以上

新入社員は3カ月外部に――エス・エー・エス/階層別キャリア開発研修

IT業のエス・エー・エス㈱(東京都港区、青山秀一代表取締役、126人)は、エンジニアを中心に社員教育に注力する。一般社員は4階層に区分したうえで、グレードに応じて「階層別キャリア開発研修」を行う。 各グレードで習得すべき知識やスキル、資格などを明確化することで、キャリアアップの道筋を付け、社員の意識を高めている。最下位グレードでは今年度、3カ月の新入社員研修の主催を内部から外部に切り替えた。他社の新入社員も参加するため、視野拡大の機会になると位置付ける。

3年間の貢献で年収にメリハリ――SCSKのシニア正社員

SCSK㈱(東京都江東区、谷原徹社長)は今年7月、60歳定年を迎えた人材を65歳まで無期雇用する「シニア正社員制度」を導入した。 定年後再雇用という枠組みは維持しつつも、第2定年=65歳までの雇用を保証し、処遇面を大幅に強化した。既存の月給部分に加えて洗替え方式の加算給を新設したもので、過去3年間の貢献度を加点的に評価し、思い切った変動を行う。 年収ベースでは一律の底上げとなり、評価次第では最大で約2倍のメリハリを利かせる。併せて全社的な取組みとして、高スキル人材に対する専門性認定手当を導入した。シニア正社員も含め、認定レベルに応じて最大で年間40万円を加算する。

生産性向上より”プライシング”議論を――連合東京フォーラムで法大・藤村教授

「働き方改革」が必要な真の原因を見極めることが成功の鍵――連合東京が東京都と共催で7月26日に都内で開いた関連フォーラムで、法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科の藤村博之教授が訴えた。 長時間労働是正に不可欠とされる生産性向上だが、日本の労働生産性は低くなく、良いものを高く売る方法を考えるプライシング議論こそをと求めた。時間効率ばかりを追求すればマニュアル化が進み、企業の競争力を決める「変化対応力」の弱い組織になってしまう可能性も指摘した。

「若手が会社を辞めた理由」

人材サ-ビスのエン・ジャパンが運営する転職サイトの利用者8668人から“退職を考えたきっかけ”についての調査結果が公表された。25歳以下の若手の退職理由として、

・給与が低かった・・・39%
・やりがい、達成感を感じなかった・・・36%
・残業、休日出勤など拘束時間が長い・・・32%
・企業の将来性に疑問・・・28%
・人間関係が悪い・・・26%
・やりたい仕事でなかった・・・26%

となっており、人手不足を背景に働き方改革や待遇改善が進むが、社員の定着にはヤル気を出させる仕組みが重要なことがうかがえる。一方、仕事よりも私生活を優先したいという意識が高まっているとされ、所定時間外の残業や出勤などへの不満が退職の引き金となるケ-スがあるようだ。また、給与や待遇への不満や社内の人間関係といった退職理由は以前から多い。

退職を考える際の不安な点については、

・次の職場が見つかるか・・・58%
・次の職場でうまくいくか・・・43%

という回答が多かった。                                                      以上

縁の下で活躍する人材へ光――スターフェスティバル/セクシー賞

中途を中心に積極的な採用を続けるスターフェスティバル㈱(東京都渋谷区、岸田祐介代表取締役社長、420人)は、従業員増加に伴い、互いの仕事や活躍などを知り、認め、称え合う表彰制度「セクシー賞」を設けた。 周りから活躍がみえにくい人が認められたり、役員などが現場の状況や従業員の活躍を知ったりする機会になっている。採用のターゲットは、未経験者も含めた幅広い層と、25歳前後から35歳くらいまでで社会人経験があり、チャレンジ精神が旺盛な人材だ。

全等級一律の昇給額表に――ニチレイフーズ

㈱ニチレイフーズ(東京都中央区、大櫛顕也社長)は、生産工場で働く技能職一般社員に対し、独自のコンピテンシースタンダード(評価基準)により処遇する制度を導入している。 年1回、改善活動および姿勢に関する計7項目で5段階の評価を決定し、全グレード一律の昇給額テーブルによって昇給を行う。一方で評価に応じて付与するポイントを累積し、昇格管理を実施している。 子会社を吸収合併した経緯から工場間で評価・処遇にばらつきがみられていたが、緩やかでも安定して昇給できる賃金テーブルを確立。諸手当も整理し、地域格差を反映する「地区手当」、人数制限なく被扶養者を対象に支給する「扶養手当」を設けている。

無期転換者の財形利用を要求――NTT労組

NTT労働組合(喜井宏明中央執行委員長)は、有期契約から無期契約に転換した組合員も財形制度を利用できるよう、会社に求めていく方針を決めた。 7月12日に福島県で開いた第21回定期大会で決定したもので、全ての組合員が享受できるカフェテリアプランをめざす。 利用頻度が少ないメニューを見直したりしながら、無期転換者が財形を利用できる環境を整備したい考え。同一労働同一賃金政策も視野に、戦略的に取り組む方針。