平均年間給与 正規・男性が561万円――国税庁 令和元年民間給与実態

国税庁の令和元年民間給与実態統計によると、昨年1年間を通じて勤務した正規従業員・男性の給与は561万円だった。前年比では0.3%の増加に留まっている。女性は同0.8%増の389万円だった。非正規に目を転じると、男性が同4.4%減の226万円、女性が同1.2%減の152万円に。規模別では、100人以上では概ね1~3%台の伸びがみられたのに対し、99人未満の小企業において軒並み減少傾向を示した。30~99人では男性が4.6%減の495万円、女性が2.3%減の296万円に。

人材戦略のあり方 経営戦略と連動強化を――経産省報告書

経済産業省は、持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書を取りまとめた。経営陣が果たすべき役割として、経営戦略目標を達成する際に重要な人材関連アジェンダ(課題)を特定することや、課題ごとの定量的なKPI(重要業績評価指標)の設定、経営戦略と連動した人材戦略の策定などを挙げた。CEOとともに戦略の策定・実行を主導するCHRO(最高人事責任者)の設置も重要としている。

60歳台前半の賃金底上げ――厚労省3年度

厚生労働省は令和3年度、高齢者の就労・社会参加の促進に向けた支援策を拡充する方針である。60~64歳までの労働者の処遇改善を行う企業に支給する高年齢労働者処遇改善促進助成金(仮称)を新設する一方、65歳超雇用推進助成金において他社による継続雇用制度を導入した企業に助成対象を広げる。高年齢労働者処遇改善促進助成金では、高年齢雇用継続給付の給付額が95%以上減少した企業に減少分の一定割合を助成するとした。

「若手教員10%超退職検討」

20代から30代の若手教職員の10%超が、パワハラやセクハラの被害を理由に退職を考えていたことが、全日本教職員組合(全教)のアンケ-トから判明した。
全教では、「経験の浅い若手は被害に遭っても職場で声を上げられず、孤立している実態が明らかになった」と分析している。
調査は2019年8月~12月、全教の地方組織がある地域で、小中高や特別支援学校の教職員を対象に実施。
19年から過去3年間に被害を受けた経験を尋ね、811人から回答があった。
その結果、パワハラやセクハラなどで退職を検討した人は99人で全体の12.2%だった。
別の質問で種類別の被害経験を尋ねると、パワハラ被害が最も多く253人で全体の31.3%に上った。
具多的には、管理職や先輩教職員による一方的な意見の押し付けや、過剰な叱責を挙げた人が多かった。
被害を受けた253人の性別を見ると、男性の26.8%に対し女性は35.5%で標的になりやすい傾向がうかがえた。
セクハラ被害の経験は66人で全体の8.1%。性的関係を迫られた例もあった。

以上

通信費光熱費 使用者が経費負担を――連合

連合は、「テレワーク導入に向けた労働組合の取り組み方針」を策定した。テレワークを実施する際に、労組から提案・要求すべき項目を示している。通信費などの経費負担は原則会社負担として毎月の手当として支払うよう求めるとしたほか、生活時間を確保するための「つながらない権利」獲得に向けて、時間外や休日、深夜のメールを原則禁止するとした。モデルとなるテレワーク就業規則(在宅勤務規程)も作成した。

成績・能力不足も解雇無効――東京地裁

みずほビジネスパートナー㈱(東京都新宿区、宇田真也代表取締役社長)で働いていた労働者が解雇を不服とした事件で、東京地方裁判所(髙市惇史裁判官)は解雇を無効と判断し、労働契約上の地位確認と900万円のバックペイ支払いを命じた。労働者は親会社であるみずほ銀行からの転籍者で、社内での窃盗、女性社員へのセクハラで2度懲戒処分を受けたほか、業務上のミスを繰り返し、転籍後4年間で4度異動していた。同地裁は業務ミスやセクハラでの労働者の落ち度を認めたものの「解雇に相当するほど重大といえない」と指摘。客観的・合理的な理由を欠くとした。

ウィズ・コロナ時代 業種・地域超え再就職促進――厚労省・令和3年度

厚生労働省は令和3年度、「ウィズ・コロナ」「ポスト・コロナ」の時代に対応し、業種・地域・職種を超えた再就職促進支援に力を入れる方針である。雇用調整助成金により雇用維持に取り組む事業主を支援する一方で、ハローワークに専門の就職支援ナビゲーターを新規増員して業種を超えた再就職促進に努める。大都市圏に専門の相談員を配置するなどにより、地方への就職希望ニーズにも応える考えだ。離職者の早期雇入れ企業に対する助成金上乗せ分を含め、全体の予算額は1200億円を超える。

来年度から赤字の可能性――協会けんぽ

全国健康保険協会(協会けんぽ)は新型コロナウイルス感染症による経済悪化で、平均保険料率10%を維持しても、来年度から赤字に陥る可能性があるとする試算を明らかにした。リーマン・ショック時の実績を踏まえ、賃金の伸び率などで3つのケースを設定。最も経済が悪化するケースでは来年度から、最も改善するケースでも2025年度から赤字に転落するとした。料率10%は昨年度まで大幅な黒字となる水準だったが、料率を維持しても、赤字の回避は難しい状況となった。

感染症BCPの普及進む――東商調査

新型コロナウイルス感染拡大を受け、感染症BCP(事業継続計画)に取り組む企業が増えていることが、東京商工会議所(三村明夫会頭)の調査で明らかになった。感染拡大以前に策定済みだった2割弱の企業と合わせ、半数を超える企業が感染症BCPの策定に取り組んでいる。一方で、必要性を感じているものの策定予定がない企業も4割と少なくない。ノウハウ不足などを課題に挙げる企業が多いため、同商議所では、専門家派遣などによる策定支援を強化する考えだ。

36協定届出数が急拡大――厚労省

中小企業に対する時間外労働上限規制の適用を前に厚生労働省が実施した36協定締結・届出支援対策が成果を挙げている。「36協定届等作成支援ツール」の利用者数が前年同期比230%に達したほか、令和元年の同協定届出数全体も177万5000件を超え、前年比約6%増加した。厚労省では今後、同協定未届事業場20万件に対して、協定の必要性を明記した自主点検シートを送付して届出を勧奨するなど、さらなる拡大に力を入れる方針である。