外国人留学生活用でチェック表作成へ――経産省など

経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省は合同で、外国人留学生の日本国内への就職やその後の活躍を促すための施策について検討を開始した。 企業が求める日本語能力の水準は様ざまであるため、その多様性に応じた採用プロセスと採用後の処遇の多様化を推進していく考え。 企業の取組みを把握した後、年内をめどに、採用・育成・定着に向けて企業において確認すべき事項を示した「チェックリスト」や、それを踏まえた「運用マニュアル」と「ベストプラクティス集」を作成していく。

事務課長の所定内57.2万円に――人事院・職種別民間給与実態調査

職階別の賃金実態を把握している人事院「職種別民間給与実態調査」によると、課長級の平均所定内給与額は事務系57.2万円、技術系58.3万円だった。 非役職者の係員級と比べると、ともに1.94倍の水準となっている。前年調査に比べて事務系では課長が3.0%減、部長が1.4%減と低下し、技術系では非管理職層に0.7~3.1%の落ち込みがみられた。 一方、定年後再雇用者の係員級の水準は、3.4%増の25.4万円と改善している。大卒初任給額は、事務系が0.3%増の20.2万円、技術系が1.0%増の20.6万円だった。

事務系新入社員を海外へ――JFEスチール/グローバル人材育成

JFEスチール㈱(東京都千代田区、北野嘉久代表取締役社長、1万5677人)は、「新入社員海外派遣研修」と「若手海外派遣研修」によりグローバル人材の育成を推進中だ。 前者は、事務系の新卒入社1年目全員が、海外事務所・現地法人で約3カ月間滞在し、英語や現地語を習得したり、研修を受けるもの。 後者は、新卒入社3~5年目の技術系のなかで経験やスキルが適切と思える社員を、スーパーバイザーやプロジェクトマネージャーの補佐として派遣する。 若手に技術者としての経験を積ませ、語学力や異文化で仕事をする積極性を養わせる。

管理職にグローバル6等級――オリンパス

オリンパス㈱(東京都新宿区、竹内康雄社長)は今年4月、国内管理職層約1,800人に対して新人事制度を導入し、6等級のグローバルグレードを適用した。 既存の組織階層を改め、個々のポジションに責任と権限を割り当てている。報酬面ではシングルレートだった基本給を同一等級内でも幅のあるレンジ給に改め、年間賞与を基本給6カ月を標準額とし、評価に応じて50~150%の範囲で変動させる。 中心化傾向がみられていた評価制度は、今後12段階で絶対評価を行う。メインとなる業績評価では職務に基づく目標設定を徹底する一方、新たにコアバリューに基づく行動評価を採り入れ、±10%の加減点を可能とした。

VR活用しセミナー開く/日本生命・介護両立対策

日本生命保険相互会社(大阪府大阪市、清水博代表取締役社長)は、職員を対象にVRを活用した介護セミナーを開催した。 父親が認知症で徘徊したなどの事例を体験させ、現時点で自身が何をすれば介護を抱えている同僚が働きやすくなるかを考えた。 定年直前の59歳など節目を迎えた職員には、ハンドブックを配布して家庭内で介護を話し合うきっかけも提供している。

高年法改正・2段階で義務化――厚労省・70歳までの就労

厚生労働省は、令和2年通常国会に高年齢者雇用安定法の大幅改正案を提出する方針を明らかにした。今年秋頃から審議会による具体策検討を開始する予定である。 人生100年時代を迎え、働く意欲のある高齢者が十分に能力を発揮できるよう、企業による70歳までの雇用・就業維持を努力義務化する意向。 第二段階では、義務化して行政指導に応じない企業を公表できる仕組みとする。小林洋司職業安定局長は「雇用以外の就業を含む実行可能な法改正としていきたい」と話した。

基本給75%で定年延長――オカムラ

㈱オカムラ(神奈川県横浜市、中村雅行社長)は、60歳以降は基本給を75%とする65歳定年制を運用している。従来は概ね50%程度に抑制していた再雇用制度を改めたもので、基本給の改定は行わないが、目標管理の結果で賞与に差を付ける。 一般社員層では定年まで同じ業務を継続し、資格等級も変更しない。管理職層は経験を活かせる業務への転換を図り、一律にシニアエキスパートと呼ぶ等級へ格付ける。併せて60歳役職定年制を導入し、若年層の登用機会を妨げない措置を採っている。

全国一律の最賃実現を――全国知事会

全国知事会はこのほど、令和元年度の全国知事会議を開き、27の提言を決定した。女性活躍・ウーマノミクスに関する提言では、全国一律の最低賃金実現を昨年に引続き要請している。 中央最低賃金審議会は都道府県をA~Dランクに分け、ランクごとに引上げの目安額を示しているが、同知事会はランク制度について、地域間の格差を拡大しているとして、廃止すべきと訴えた。 今年5月に成立したパワハラ防止法は「罰則がなく実効性が不透明」と指摘し、さらなる取組みの推進を求めている。

海外展開めざす中小向け人材育成塾――ジェトロ

日本貿易振興機構(JETRO)は、中小企業における海外ビジネスの中核となる人材を育成する「中小企業海外ビジネス人材育成塾」事業を開始する。 日用品・機械・食品・サービスの4分野で輸出や海外進出を計画する企業を対象とするもので、研修の事前準備や国内・海外研修を組み合わせた全13コースを開講する。 各コースの参加費は基本無料。海外展開の担い手となる人材の確保を課題と捉える企業が多い中、効果的な事業戦略を立案・遂行する能力を持った人材の育成を後押しする。

「子の就職先への親心」

就活生の子に入社して欲しいのはどんな企業か。情報就職大手のマイナビが就活生の保護者向けに実施した調査で1千人からの回答によると、

□子どもが入社するのはどのような特徴を持った企業がよいか
・経営が安定している ・・・ 42.6%
・本人の希望や意志に沿っている ・・・ 28.7%
・福利厚生が充実している ・・・ 19.1%

が上位で“社風や雰囲気が良い”“子どもの能力や専門性を生かせる”“企業の成長性が見込める”が続いた。

□子どもが働く業界を選べる場合の希望は
・特に希望の業界はない ・・・ 22.8%
・官公庁、公社、団体 ・・・ 20.9%
・医療、調剤薬局 ・・・ 7.6%

で2番目と3番目は大きく差が開き、安定を重視していることがうかがえる。

また、子どもの就活環境については“多少楽”“かなり楽”の合計が38.5%で前年調査から4.0ポイント増え、売り手市場が続いていることが親世代にも認識されていることがわかった。現在と同様に売り手市場だったバブル期に就活を経験した保護者に聞いたところ、67.2%が自身より子どもの就活の方が“大変”“すごく大変”と回答した。理由として、“エントリ-シ-トの負担が大きい”“面接が多い”という声が多かった。バブル期は現在よりも内定が得やすく囲い込みも派手で、現在の方が選考過程が多く複雑なため、負担が大きいと親世代には映っているようだ。    以上

小企業の賃金改定率2.5%に――厚労省・賃金改定状況調査

厚生労働省の賃金改定状況調査によると、今年6月までに賃金引上げを実施した小規模事業所の平均改定率は、2.5%となった。前年結果を0.3ポイント下回り、2年ぶりにマイナスに転じている。 引上げを実施した事業所の割合は全体の53.6%に高まり、前年結果の43.9%から約10ポイント伸びている。1時間当たり所定内給与額は、一般労働者が1.0%増の1,626円、パートタイム労働者が1.8%増の1,087円だった。

建設業の女性活躍で新行動計画策定へ――国交省

国土交通省は、建設業界5団体などと共同で、「建設業における女性活躍推進に関する新計画策定のための委員会」を立ち上げた。 女性技能者数の目標値などを盛り込んだ行動計画の策定から5年目を迎えたことから、新たな行動計画を策定し、女性活躍に向けた官民の取組みをさらに推し進める方針だ。 全国の建設現場で働く女性の意見を反映させた新行動計画を年内にまとめ、来年から周知活動を開始する考え。

特別休暇削減は不適切――厚労省・使用者の年休指定義務で指導

厚生労働省は、今年4月施行の改正労働基準法により義務化した年次有給休暇の年間5日の時季指定義務に関連し、不適切な行為が広がらないよう、企業に対して注意を呼びかけている。 年間5日を年休として時季指定する一方で、所定休日や企業が独自に付与する有給の特別休暇を労働日に変更し、実質上、従来からの労働日数を維持しようとする行為である。 労働基準監督署などに違法性について労働者からの問い合わが寄せられている。厚労省ではこのほど新たにリーフレットを作成して周知を促すなど警戒を強めている。