ワーケーション広がる――長期休暇先で仕事

長期休暇滞在先などで仕事をすることを認めることで、年次有給休暇の取得増進といった効果が発生する「ワーケーション」に注目が集まり始めている。日本航空㈱はこの夏に実施。自治体側では和歌山県が今年度、滞在先として選択してもらえるよう企業への働きかけを強化している。サテライトオフィスを増設しテレワーク環境をより充実させる。

震災復興工事の残業削減へ”リアス宣言”――岩手労働局

岩手労働局(久古谷敏行局長)は、震災復旧・復興工事現場における過重労働の解消をめざし、自治体やゼネコンなどとともに「いわてリアス宣言」を採択した。重点実施事項として、月80時間を超える時間外・休日労働を行う労働者の抑制、月1回以上の土曜日の現場閉所などを掲げた。同労働局管内では依然として過重労働が問題になっており、昨年、時間外・休日労働を月160時間以上行わせた工事現場を指導している。自主点検結果をみても、80時間を超える工事現場の数が前年比で4割増加しているという。

介護職員の所定内20.8万円に――28年介護労働実態調査

月給制・介護職員の所定内賃金は大幅増で20.8万円に――。介護労働安定センターの「平成28年介護労働実態調査」によると、職種別の所定内賃金は総じて前年比アップし、なかでも介護職員は4.8%増とめだって改善した。訪問介護員は2.8%増の19.7万円、サービス提供責任者は2.3%増の22.5万円、介護支援専門員は1.9%増の25.5万円などとなっている。改善傾向は時給制労働者にも共通するが、訪問介護員は34円減の1,255円に落ち込んだ。

シルバー人材センター・週40時間就労が拡大――厚労省・改正高年法で

厚生労働省によると、シルバー人材センター事業において、週40時間までの就労が実施可能となっている地域が、今年6月現在で26地域に達していることが分かった。神奈川県横浜市を始め、山梨県笛吹市、滋賀県全域などで、商品販売、配達飲食サービス、廃棄物処理、生産関連事務などの業務分野に広がっている。今後は高齢者雇用の拡大と人手不足対策として、保育・介護分野での活用にも力入れていく方針である。

無期転換制度・「内容知らない」当事者84%――連合調査

労働契約法に基づく有期契約労働者の「無期転換ルール」の開始まで余すところ8カ月となったなか、内容まで知らない当事者が84%もいることが分かった。全国の民間企業で週20時間以上働く20~59歳の当事者1000人を対象に連合が行ったインターネット調査で判明したもので、「不合理な労働契条件の禁止」もそれ自体を知らない当事者が約6割に上っている。どちらか一方でも「知っていた」うちの半数強が「マスコミ」を情報源とし、「勤務先からの説明」は35.9%と低調な実態も分かった。

課長以上の女性比率12.1%――厚労省・雇用均等基本調査

厚生労働省の「平成28年度雇用均等基本調査」によると、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は、12.1%だった。前年度結果に比べて、0.2ポイント伸びている。正社員・正職員全体に占める女性の割合は24.8%で、管理職比率とは12.7ポイントの差が付いている。コース別雇用管理の採用率は、全体計では7.2%と大きくないものの、極端な規模間格差を示した。100人未満では10%を切り、中堅規模でも27.1%にとどまるのに対し、5,000人以上規模では50.5%と半数を占めている。

「就活学生の労働意識」

2018年春の入社を目指し、東京都内で就職活動している大学生、大学院生を対象に日経新聞が直接聞き取り調査を行った。調査期間は5月15日~23日で141人(男性80人、女性61人)から回答を得た。

□働き方改革で企業に求めたい内容
1位 決めた時間以降の残業禁止、強制消灯    51%
2位 ノ-残業デ-の設定                               46%
3位 フレックスタイム制度の導入                        41%
4位 無駄な会議や資料作りの見直し                 31%
5位 管理職の意識改革                                     30%
以下、経営陣の意識改革、長時間労働の是正を狙った人事給与制度改革、在宅勤務(テレワ-ク)の整備、過剰サ-ビスの見直し、ITによる業務効率化となっている。

□1ケ月間に残業しても構わない時間
最も多かったのは「20時間~40時間未満」(1日あたり1~2時間)の43%で「20時間未満」の16%、「残業したくない」の1%をあわせると60%に達し、就活学生の10人に6人は月40時間を超える残業はしたくないと考えていることになる。

残業時間の上限規制では、労使協定を結べは「月平均60時間(年720時間)」までは認められることになったが、「60時間~80時間」で7%、「80時間超」で6%と月60時間の残業はかなり厳しい水準となっている。

以上

平成30年度高卒求人初任給 技術・技能系で18万円超に――労働新聞社調査

来春高校を卒業する生徒に企業が提示している高卒求人初任給の水準を本紙が実地に調べたところ、技術・技能系18万1994円、販売・営業系17万8905円、事務系17万728円などとなり、前年より順に23円減、6581円減、4420円増となった。技術・技能系の建設や運輸関連で18~19万円近い水準となり、人手確保意欲が表れている。ドライバー職も19万円近い水準となっている。

管理職層を役割と貢献の2本立てに――飯田信用金庫が新人事制度

飯田信用金庫(長野県飯田市、森山和幸理事長)は今年6月、管理職層に対して新たに6階層の役割等級を設け、貢献資格3階層と併用するダブルラダー型の人事制度を導入した。支店長のポストを支店規模によって3つの等級に区分するなど、職能資格制度の下で乖離が進んでいた資格と職位(役職)の関係を整理している。7段階洗替え方式の役割給を採用し、役割別の行動評価、目標管理を反映することで、処遇面でも役割との連動性を大きく高めた。

多様な人材活躍へ11施策――サッポロドラッグストアー

㈱サッポロドラッグストアー(北海道札幌市、富山浩樹代表取締役社長)は、チャレンジ精神旺盛な社員の登用、多様な働き方の推進などからなる人事制度「サツドラジョブスタイル2017」を発表した。11施策を用意し、これを組み合わせることで、多くの人材が様ざまな働き方で活躍できる。たとえば、他社で活躍していた60歳以上の社員を「マスター職」として獲得し、店舗運営上の一定の権限を持たせることもある。地域に不足する専門職を兼業によりシェアすることも検討する。

 

業績好調で平均ベア6400円に―日建協

準大手ゼネコンの労働組合を中心につくる日本建設産業職員労働組合協議会(日建協・田中宏幸議長)は7月18日、今年の賃上げ交渉結果を公表した。加盟35組合のうち、好調な業績を背景にベースアップで妥結した26組合の加重平均は6393円(1.61%)となった。要求提出に先立って会社側からベアの逆提示を受けた労組もあり、そのうちの1社では約1万5000円もの大幅なベアが行われている。3年連続、約7割がベースアップで妥結し、優秀な人材獲得に向けた初任給引上げは19社で行われた。

相対化し洗替給にメリハリ――㈱トクヤマの管理職・新人事制度

㈱トクヤマ(本店・山口県周南市、横田浩社長)は今年4月、部課長級の人事制度を12年ぶりに見直し、絶対評価で運用してきた給与体系に相対評価の要素を盛り込んだ。目標達成度を70%、新設した職務基準書に基づく行動評価を30%のウエートで総合し、洗替え方式の成果給と賞与支給額の決定に用いる。担当職務のレベルを評価して支給していた役割給部分は、シンプルに課長級・部長級・それ以外の3つに区分する定額方式へ移行した。年功的な上昇傾向や中心化傾向がみられた従来の運用を改め、メリハリの利いた処遇を徹底する。

「2017年賃上げ率」

経団連が2017年大手企業春季労使交渉妥結結果の最終集計(加重平均)をまとめた。
・2017年賃上げ → 7,755円  2.34%
・2016年賃上げ → 7,497円  2.27%
で前年度より額で258円、率で0.07%上昇している。

製造業では
・2017年賃上げ → 7,248円  2.26%
・2016年賃上げ → 7,192円  2.24%
非製造業では
・2017年賃上げ → 10,152円  2.64%
・2016年賃上げ →  9,057円   2.41%
となっており1万円台に乗せた。

一方、東京都が発表した都内の民間労働組合の妥結状況(最終集計)では
・2017年賃上げ → 5,496円  1.74%
となっており額では前年度より303円減少している。
都内1000組合のうち、前年と比較可能な474組合の結果を業種別に見ると
・宿泊、飲食サ-ビス業 → 14.09増
・食料品、タバコ → 13.35%増など10業種で増加したが
・道路貨物運送業 → 30.95%減など18業種で減少している。
なお、474組合の平均賃金は31万6,651円(38.9歳)だった。

以上