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中小66%が影響懸念

日本商工会議所と東京商工会議所は中小企業6,000社に実施した最低賃金引上げの影響に関する調査結果を取りまとめた。
今年の引き上げが30円となった場合、「経営に影響がある」と回答した企業が65.7%となった。
仮に、30円引き上げられた際の対策としては、「設備投資の抑制など人件費以外のコスト削減」が45.9%で最も多かった。
一方、「正社員の残業時間の削減」は37.7%、「一時金・福利厚生費の削減」は31.4%、「非正規社員の残業時間・シフトの削減」は30.3%と、労務面での対応を挙げた企業も少なくなかった。

政府は2016年に、「最賃の全国の加重平均額を1,000円になることを目指す」方針を示している。
引上げが1円だった20年を除き、16年から毎年3%台(25~28円)の大幅な引き上げが行われていることに対して、「現在の最賃額が負担になっている」と回答した企業は65.4%にのぼった。

以上

通勤手当 割増基礎に含めず送検――刈谷労基署

愛知・刈谷労働基準監督署(橋本圭一署長)は、割増賃金の基礎となる賃金に「通勤手当」と称した手当を含めなかったとして、タクシー業の安城交通㈱(愛知県安城市)と同社取締役総務部長を労働基準法第37条違反の疑いで名古屋地検岡崎支部に書類送検した。同社が通勤手当の名目で支給していた金額は、実際の通勤距離や費用と相関性がなく、基礎に算入する必要があったと判断している。同社は昨年1月、手当を基礎に含めないことで、労働者1人に対し、時間外・深夜労働に対する割増賃金の一部を支払わなかった疑い。

委託作業者の労働者性認定――中労委

中央労働委員会第1部会(荒木尚志部会長)は、電気メーターの取替え工事業者が個人請負契約を締結した作業者ら5人が所属する組合から求められた団体交渉に応じなかった事案について、団交拒否を不当労働行為と認定し、同社の再審査申立てを棄却した。作業者の労働者性を認めている。同社は作業者ごとに年間の工事計画件数を割り当てていたが、施工件数が月間計画の92%を下回った場合にリカバリープランを提出させるなど、毎月の進捗を管理していた。最終的に年間92%を下回ると、翌年度の割当てを減らしている。

停職の違法性めぐり弁論――最高裁

富山県氷見市の消防職員だった労働者が2度の停職処分を違法と訴えた裁判で、最高裁判所は2度目の停職処分の軽重を争点に弁論を開いた。二審の名古屋高裁金沢支部は複数人への暴言・暴行を理由に停職2カ月とした1度目の処分を適法と認める一方、被害者に不利な証言をしないよう圧力をかけたことを理由とした停職6カ月の処分は「重きに失する」として違法と判断していた。弁論で労働者は「不当な圧力を掛ける意図はなかった」、同市は「被害者に謝罪をするどころかさらなる圧力を与えており反省がみられない」とそれぞれ主張した。判決言渡しは6月14日。

7割が10年以内に退職

日本経済新聞社が実施した女子学生への調査では多様なキャリア意識が浮かんだ。新卒入社の会社で定年まで働き続けるとの回答は11.5%。10年以内の退職見込みは68.9%に上った。

退職理由は転職や学び直し、起業など自身の意志に基づくキャリアシフトが48.7%。結婚が20.3%、出産・育児が22.7%と一定数あった。
理想の働き方が多様化しているとみられ、女性の人材確保や就労意欲を高めるには、企業が採用時から画一的なロ-ルモデルでなく柔軟なキャリアパスを示す必要がある、としている。

以上

大手の大卒実在者賃金 55歳57万円がピーク――中労委 令和3年賃金事情調査

大手企業の賃金実態を調べている中央労働委員会の「賃金事情調査」によると、大学卒の事務・技術(男性)の実在者平均所定内賃金は、22歳で22.2万円、35歳で39.0万円、45歳で49.9万円などとなり、ピークの55歳では56.6万円だった。全体的に前年比プラスの傾向を示したものの、35歳では0.2%減、40歳では1.2%減と落ち込んでいる。役付手当の平均支給額は、定額制の場合で部長級が7.7万円、課長級が4.7万円、係長級が2.4万円となり、5年前の前回調査と比べて1~3割アップしている。

リスキル推進に報酬提示を――経産省

経済産業省は、人的資本経営の実現に向けた検討会の報告書を取りまとめ、経営環境の急速な変化に対応するための人材戦略の1つとして、リスキル・学び直しの推進を掲げた。現在の職務にかかわらず機会を提供するため、労働時間の一定割合をリスキルに活用できる制度を導入するなどとしたほか、挑戦を促すうえではリスキル後に期待される報酬水準や処遇、ポジションを示すことが重要と提言している。

都の時短命令は違法――東京地裁

飲食業を営む㈱グローバルダイニング(東京都港区、長谷川耕造代表取締役社長)が、東京都による令和3年3月18日付けの時短営業命令を不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所(松田典浩裁判長)は命令を違法と判断した。命令は緊急事態宣言解除までを対象としており、効力が生じる期間は4日間しかなかったことが確定していたと指摘。それにもかかわらず、あえて発出する必要性を合理的に説明できていないと強調している。一方、同社が求めた104円の損害賠償については、都知事に過失があるとまではいえないとして、請求を棄却した。

繁忙期に月180時間残業――小諸労基署

長野・小諸労働基準監督署(末永信二署長)は、労働者2人に対し、時間外労働の上限規制を超えて働かせたとして、フランス料理店を営む㈲Ryobi(長野県軽井沢町)と同社代表者を労働基準法第36条(時間外および休日労働の上限規制)違反の疑いで長野地検佐久支部に書類送検した。同社は繁忙期の1カ月間に最長で180時間の時間外・休日労働をさせることで、月100時間の上限を超過した疑い。1日の時間外労働についても、36協定で定めた上限7時間を超えていた疑いが持たれている。

同一労働同一賃金 4割強で待遇差是正推進へ――東京都調査

東京都が都内3000社に実施したパートタイマーに関する実態調査によると、正社員との不合理な待遇差をなくすための取組みを実施済み、もしくは実施を予定している企業の割合が4割強に上った。そのうち、職務評価などを通じて根拠の明確化のみで対応するとした割合は18%に留まり、77%がパートの待遇に対して何らかの改善に取り組んでいる。改善内容別の取組み割合は、休暇制度の見直し45%、基本給の引上げ・変更36%、賞与の支給対象拡大30%などとなっている。

留学費用 賃金と相殺は有効――東京地裁

大成建設㈱で働いていた労働者が留学費用と相殺された賃金の支払いを求めた裁判で、東京地方裁判所(和田山弘剛裁判官)は相殺を有効と認め、相殺後の残金730万円の返還を労働者に命じた。労働者は同社の社外研修制度で海外の大学に留学したが、復職後1カ月も経たないうちに自己都合退職した。両者は復職後5年以内に自己都合退職した場合は留学費用を返還し、賃金との相殺についても異議を申し立てないとする誓約書を交わしていた。同地裁は、労働者は自由意思で相殺に合意したと指摘。労働基準法が定める全額払い違反はなく、相殺は有効と判断した。

人事評価整備で企業成長へ――中小企業白書

中小企業庁は、2022年度版の中小企業白書を取りまとめ、人事評価制度を導入する重要性を強調した。企業規模21~50人の企業では現状、導入率が6割弱に留まる点などを指摘。従業員の能力開発につながるほか、制度のある企業の方が、ない企業より売上高増加率が4ポイント高いとのデータを示した。環境変化に合わせた制度の見直しも求められるとし、頻繁に見直しを行う企業ほど売上高増加率が高い傾向にあるとしている。

ポスト消滅による解雇有効――東京地裁

クレディ・スイス証券㈱(東京都港区、桑原良代表取締役社長兼CEO)で働いていた労働者が部署・ポスト消滅による解雇を不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所(佐藤卓裁判官)は解雇を有効と判断した。同社は部署廃止後に計5つの社内公募を提示しており、解雇回避努力を尽くしたと評価している。労働者は社内公募ではなく任用の保証があるポジションを提示すべきと主張したが、同地裁は「社内公募という人事制度を採用している同社に対し、特別な措置を求めるに等しい」と認めなかった。判断枠組みはいわゆる整理解雇の4要素を用いている。

ホワイトカラー 能力診断ツールを開発――厚労省

厚生労働省は、40~60歳代のミドルシニア層のホワイトカラー職種向けに職業能力を診断できる「ポータブルスキル見える化ツール」を開発し、職業情報提供サイト「jobtag」内で公開した。「現状の把握」や「計画の立案」といった自身のスキルを15分程度で入力すると、本人の持ち味を生かせる職務や職位が示される仕組みで、労働者のキャリアの形成・転換に生かすことができる。キャリアコンサルタントなどの支援者が、企業内の労働者のキャリア自律と自己啓発を促すための相談や、求職者の職業相談の場面で活用することなどを想定している。

最低賃金引上げの影響

日本商工会議所と東京商工会議所が中小企業6000社に実施した最低賃金引き上げの影響に関する調査結果によると、今年の引き上げ額が30円となった場合、「経営に影響がある」と回答した企業が65.7%にのぼった。仮に30円引き上げられた際にとる対応策としては、「設備投資の抑制など人件費以外のコスト削減」が45.9%で最も多かった。

一方、「正社員の残業代の削減」は37.7%、「一時金、福利厚生費の削減は」31.4%、「非正規社員の残業時間、シフトの削減」は30.3%と、労務面での対応を挙げた企業も少なくなかった。

政府は2016年に、「最低賃金の全国加重平均額を1000円になることをめざす」方針を示している。引上げが1円だった20年を除き、16年から毎年3%台(25~28円)の大幅な引き上げが行われていることに対し、「現在の最低賃金額が負担になっている」と回答した企業は65.4%あった。

以上

改善基準 拘束時間超過で違法残業――新潟労基署

新潟労働基準監督署(佐藤一成署長)は、運転者1人に対し36協定の延長時間を超える時間外労働を行わせたとして、貨物自動車運送業の富士興業㈱(新潟県新潟市)と同社の新潟営業所長および運行管理者を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで、新潟地検に書類送検した。「改善基準告示における拘束時間の上限を時間外労働の限度とする」としていた36協定の記載に基づき、拘束時間の上限を超えた労働を違法な時間外労働とした。

10月以降開始した育休に適用――厚労省

厚生労働省は10月1日に施行となる育児休業中の社会保険料免除の要件改正に関するQ&Aをまとめ、地方厚生局などに通知した。改正後の要件は10月1日以降に開始した育休に適用し、施行日をまたぐ育休には改正前の要件を適用するとしている。たとえば9月15日~10月10日に1度目の育休、10月11日~10月31日に2度目の育休を取得したケースでは、1度目の育休には改正前、2度目の育休には改正後の要件を適用する。9月に賞与を支給した場合は免除の対象になるが、10月に支給した場合は対象にならないとした。

解雇無効時の金銭救済制度 権利行使は労働者に限定――厚労省

厚生労働省の有識者会議「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」(座長=山川隆一東京大学大学院教授)は、解雇が無効の際に企業からの金銭支払いによって雇用が終了する救済制度について、「権利行使は労働者に限定する」、「個別の法律で禁止されている解雇も対象とする」といった内容の報告書を取りまとめた。企業が支払う金銭額を算定する際の考慮要素として、退職前の給与額や年齢、勤続年数などを挙げている。同制度を導入するか否かは、今後労働政策審議会で議論する。

最低賃金法違反 高齢者の時給650円に引下げ――津島労基署

愛知・津島労働基準監督署(鈴木基義署長)は、労働者3人を最低賃金額未満の時給で働かせたとして、織物修正加工業の㈱アイ・アール・ジェイのほか、同社取締役会長や顧問社会保険労務士事務所の社労士など計5人を最低賃金法第4条(最低賃金の効力)違反の疑いで津島区検に書類送検した。同労基署によると、同会長は高齢を理由に時給を引き下げており、変更額は人によって異なる。最も低い者で時給650円。同社は3年前に技能実習生に関する同法違反で送検されている。

大学教授 講義に就労請求権認める――東京地裁

東京福祉大学で教授の地位にあった労働者が、平成28年の秋以降、同大学が講義を一切担当させなかったのを不服とした裁判で、東京地方裁判所(布施雄士裁判長)は労働者の就労請求権を認め、債務不履行による慰謝料など計106万円の支払いを命じた。雇用契約書に「最低でも週4コマ」という時間数の明記があり、同大学には講義を担当させる義務があったと判断している。一般に、労働は義務であり権利ではないとの考えから、就労請求権は認められない傾向にある。さらに使用者の就労を受領する具体的義務に踏み込み、債務不履行責任を認めた判決は初めてとみられる。

改正育介法対応 権利侵害行為を是正指導――厚労省・令和4年度行政運営方針

厚生労働省は令和4年度地方労働行政運営方針を作成した。多様な人材の活躍を促進するため、4月から段階的に施行されている改正育児介護休業法の周知と履行確保に重点的に取り組むとした。男性の育休取得促進を目的とした出生時育休(産後パパ育休)を労働者に取得させないなどの権利侵害行為や、育休取得を理由とした不利益取扱いが疑われる事案を把握した場合、事業主に対して報告徴収と是正指導を積極的に実施する。改正法に沿った企業の取組み事例集の活用も事業主に呼び掛けていく。

私立高校 教員8人に残業代払わず――大阪南労基署・送検

大阪南労働基準監督署(千葉卓克署長)は、私立高校の教員8人が行った部活指導などの時間外労働に対し、割増賃金の一部を支払わなかったとして、学校法人浪速学院と同法人役員を労働基準法第37条(割増賃金)違反の疑いで大阪地検に書類送検した。同法人は是正勧告を受けたことを契機に、それまでシステムで管理していた勤怠確認に自己申告制を導入し、部活の指導を「業務外」と扱うなどして、教員からの残業申請を却下していた。

コロナ理由の団交拒否認めず――中労委

中央労働委員会第3部会(畠山稔部会長)は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を理由に団体交渉を拒み、書面による回答を続けた㈱小西生コン(愛知県名古屋市)の対応について、初審命令に続き不当労働行為に当たると認定した。義務的団交事項にかかる団交は労使が同席、相対峙して協議、交渉を行うことが原則とし、組合側が感染対策に配慮した開催時期・方法を提案していたことも踏まえ、直接話し合う方式を採ることが困難な特段の事情はなかったと判断している。

意思表示の錯誤無効認める――東京地裁

警備業大手のテイケイ㈱で働いていた労働者が退職強要を受けたと訴えた裁判で、東京地方裁判所(戸室壮太郎裁判官)は退職の意思表示の錯誤無効を認め、労働契約上の地位確認とバックペイ支払いを命じた。判決によると、同社は令和元年5月9日の終業後に労働者をホテルに連れて行き、遅刻を申告せずその分の賃金を受け取っていたのは詐欺罪に当たるとの虚偽説明をし、「去る者追わずっていうのはある」などと告げた。同地裁は、労働者は退職届を書かなければ警察に連れて行かれると誤信していたと指摘。意思表示は錯誤に基づくものとして、無効と判断した。

23年度から720時間以内に――日建連

大手ゼネコンらで構成する日本建設業連合会(宮本洋一会長)は、2024年4月から建設業にも適用される時間外労働の上限規制に向け、「時間外労働削減ガイドライン」を策定し、17年に掲げていた自主規制目標の計画を前倒しした。全会員企業に対して、23年度から年720時間以内などの法令に適応するよう求める。実態調査では労働時間の削減状況が伸び悩んでおり、20年度調査では従業員の約11%、1万3363人が年720時間を超えていた。現場で監督業務に当たっている者がめだち、会社へ戻ってから行う事務作業が労働時間増加の原因とみている。

企業規模要件 1年のうち6カ月で判断――厚労省・社保適用拡大の取扱い

厚生労働省は、今年10月に施行される短時間労働者への健康保険・厚生年金保険の適用拡大について、日本年金機構に事務の取扱い上の留意点を通知するとともに、取扱いに関するQ&Aを明らかにした。今回の適用拡大では、短時間労働者の社会保険加入の企業規模要件を「常時100人超」に引き下げる。同通知などでは「常時100人超」について、同一法人事業所における厚生年金保険被保険者の総数が、1年間のうち6カ月以上100人を超えることが見込まれる場合を指すとした。

産保センターと連携推進――協会けんぽ

主に中小企業が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は令和4年度の事業計画を決定した。メンタルヘルス予防対策を強化するため、都道府県支部が産業保健総合支援センターと連携して、企業の健康経営を後押しする取組みを新たに始める。背景には精神疾患による傷病手当金の支給増加がある。2年度に支給した傷病手当金は約3分の1が精神疾患を理由としていた。都道府県ごとの特性を踏まえた保健事業も実施する。埼玉では企業の福利厚生の担当者を対象としたセミナーを開く。

20から30代、夫のキャリア優先

「自分のキャリアより夫のキャリアを優先する」2000年以降に成人したミレニアム世代において、子供をもつ女性の過半数がそう考えていることが、21世紀職業財団の調査で分かった。

調査は、本人・配偶者とも26歳から40歳の正社員で子供がいる男性1912人、女性2194人の回答を分析。

夫婦の目指すキャリアタイプを聞いたところ、女性は「配偶者のキャリアを優先する」が55.2%と最も多く、「夫婦でお互いキャリアアップを目指す」が28.1%と続いた。
一方、男性は「お互い」が41.4%と最多で、「自分のキャリアを優先する」は28.3%で2番目だった。

女性では、自分の状況が「マミ-トラック」(仕事の難易度や責任の度合いが低くキャリアの展望もない)に該当する、とした人も46.6%に及んだ。
この点から、夫婦共にキャリアアップするためには、マミ-トラックに陥らせない仕組みや、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に関する研修などが有効としている。

以上

事務課長ピークは61万円――人事院 民間給与の実態(令和3年確報)

人事院の令和3年職種別民間給与実態調査によると、課長クラスの所定内給与のピークは、事務系で52~56歳61.2万円、技術系では同59.7万円だった。大卒新卒者を含む係員20~24歳の水準と比較すると、それぞれ2.75倍、2.71倍となっている。定年後再雇用者の所定内給与は、係員で26.1万円だった。役職者については課長43.7万円、部長54.1万円などとなっており、定年前人材のピークの水準とは25%程度の差が付いている。昨年のベースアップの実施率は、係員で23.5%、課長で19.2%だった。

時間外労働 8人が月120時間超に――金沢労基署

石川・金沢労働基準監督署(野田宏署長)は、労働者8人に対して特別条項付きの36協定の限度時間を超える時間外労働を行わせたとして、道路貨物運送業の㈱アペックス(同県金沢市)と同社代表取締役ら3人を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで金沢地検に書類送検した。確認した時間外労働は1カ月で1人120~185時間。同労基署によると、同社では長時間労働が常態化しており、1年以上指導を続けたが是正されなかった。

休息時間 11時間以上を努力義務に――労政審バス・ハイタク作業部会報告

厚生労働省・労働政策審議会のバスおよびハイヤー・タクシー作業部会はそれぞれ、自動車運転者の労働時間等改善基準の見直しに関する報告をまとめた。バス運転者とタクシー運転者(日勤)ともに、現行基準において継続8時間以上と定めている1日の休息時間について、9時間を下限に設定するとともに、11時間以上を努力義務にするのが適当とした。原則13時間以内・最大16時間としていた1日の拘束時間は、原則13時間以内・最大15時間に見直すとした。

社会福祉施設 2割が休憩時間確保せず――彦根労基署

滋賀・彦根労働基準監督署(枡谷佳幸署長)が管内の社会福祉施設全387事業場に求めた自主点検の結果によると、休憩時間を確保していない事業場が約2割に上ることが分かった。理由として「施設利用者の状況に左右されるため」と答えた事業場が約8割を占めている。安全衛生面を尋ねた項目からは、利用者サービスに関するヒヤリハット活動のみ実施している事業場が、全体の3割を占める実態も浮かび上がった。同労基署は、利用者に重点が置かれ、労働者への対策が不十分なことを問題視し、広く注意を呼び掛けている。

就業規則の周知を否定――東京高裁

派遣会社でトラック運転者として働いていた労働者2人が未払い残業代の支払いなどを求めた裁判で、東京高等裁判所(石井浩裁判長)は「運行時間外手当」などを固定残業代と認めた一審判決を変更し、同社に計380万円の支払いを命じた。手当は就業規則で残業への対価と明示されていたが、周知が図られておらず、労働契約の内容にならないと指摘。通常の労働時間の賃金に当たるため、残業代が支払われていないと判断した。同社は就業規則を額縁に入れ掲示していたと主張したが、同高裁は「かなりの厚さ(45枚)のあるものを額縁で掲げるのは不自然」と退けている。

雇調金不正受給 261件32億円超える――厚労省

厚生労働省の集計によると、新型コロナウイルス感染症の拡大によって特例的に手厚い措置で雇用を支えてきた雇用調整助成金などの不正受給が、令和3年末までに261件、32億円超に達していることが分かった。雇用関係がない者を雇用関係があるように装ったり、休業していないのに休業を行ったように見せ掛けたケースなどが典型的。最近の特徴として、不正受給を扱う一般報道を見た従業員などからの通報が増加していることや不正事案の複雑化・巧妙化による調査の長期化などが指摘されている。

小規模・男性でピーク587万円――国税庁 民間給与実態(令和2年細部集計)

国税庁の民間給与実態(令和2年分)によると、従業員30~99人の小規模事業所に勤務する男性の平均年間給与は、586.7万円がピークだった。中規模の500~999人においては1.21倍の711.8万円、大規模の5000人以上では1.49倍の874.2万円となっている。20~24歳の水準に対するピーク時の指数は、小規模が209、中規模が230、大規模が356で、賃金カーブにも規模間格差がみられた。資本金2000万円未満の株式会社における平均年間給与は、男性・正規が424.9万円、女性・非正規が137.1万円だった。

無効な36協定で違法残業――岩国労基署・送検

山口・岩国労働基準監督署(赤尾裕一郎署長)は、ベトナム人技能実習生2人に違法な時間外・休日労働を行わせたとして、縫製業のY・M㈱(山口県岩国市)と同社の労務管理責任者を、労働基準法第32条(労働時間)と第35条(休日)違反の疑いで山口地検岩国支部に書類送検した。時間外・休日労働は最長の実習生で月135時間に上り、そのうち15時間が2日間の休日労働による。同社から36協定の届出はあったが、内容を理解していない実習生を一方的に過半数代表に選んでおり、無効と判断した。

無期雇用転換権利 使用者に明示義務化――厚労省改正案

厚生労働省は、多様化する労働契約のルールに関する検討会(座長・山川隆一東京大学大学院教授)の報告書(たたき台)を明らかにした。労働契約法第18条規定の無期転換ルール見直し案を示している。要件を満たす労働者に対して、無期転換申込機会の通知を使用者に義務付けるべきであるとした。無期転換申込権発生前の雇止めを抑制する方策として、労働契約の更新上限を新たに設ける場合、その理由の説明を使用者に義務付けるなどとしている。

JAM ベア要求4700円に

各産業別労働組合が統一要求日を迎え、昨年を上回る賃上げ要求の状況が明らかになってきた。機械・金属の中小労組が8割を占めるJAMでは、平均要求額が8635円(3・39%)となり、同一組合による比較で前年を840円上回っている。ベア等の改善分は規模計で4647円、100人未満に限れば4969円で、中小が大手を上回る傾向が続いている。流通、サービス関係の労組が加盟するUAゼンセンでは、平均要求額が8855円(3・25%)となり、前年比では731円上回った。短時間労働者の要求は、時給ベースで37・0円(3・69%)となっている。

運送業 拘束時間短く偽り送検――魚津労基署

富山・魚津労働基準監督署(岡利光署長)は、運転者の拘束時間などの記録を求めた際、虚偽の運転日報を提出した運送業者を富山地検に書類送検した。運転者35人の2カ月分の日報で荷積作業時間などを偽り、実際の拘束時間より合計2047時間38分短く記載していた。改善基準告示違反により地方運輸局から営業停止などの処分が下されるのを恐れ、告示が定める1日13時間、月293時間の限度を超えないよう、事務員ら他の労働者が乗務したとみせかけるなどしていた。

カスハラ 行為態様別に対処策――厚労省

厚生労働省は、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルを作成した。顧客などからの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求といった著しい迷惑行為に、事業主がどう対応すべきかを提示している。事業主の基本方針・基本姿勢の明確化と従業員への周知・啓発、従業員(被害者)のための相談体制整備、実際にカスハラが発生した場合の対処方法などをあらかじめ定めておく必要があるとした。時間拘束型、リピート型、暴言型などカスハラの態様別対処方法も明記している。

高卒就活の併願可能に――大阪府・大阪労働局など

大阪府は令和5年3月新規高卒者の就職活動について、今年9月5日の応募開始日から1人2社まで併願できるようにする。大阪労働局などと検討会議を開いて申し合わせた。高卒採用の1次募集は、全国的に「1人1社制」が慣例で、複数社に応募できるのは10月以降のいわゆる2次募集からのみ。応募開始日から併願可能なのは秋田・沖縄・和歌山の3県に留まっていた。こうした慣例は、高卒者の早期離職率が大卒者に比べて高い要因として指摘されていることなどから、同府は見直しを検討していた。

年休時季指定 始期・終期は明確性必要――東京地裁

建材などを扱う商社で働いていた労働者が、年次有給休暇の取得を不当に拒否された結果、休職期間が短くなり自然退職になったと訴えた裁判で、東京地方裁判所(小野瀬昭裁判官)は労働者の請求を全面棄却し、休職期間満了による退職を有効と判断した。労働者は休職前に年休消化を申し出ており、取得が認められていれば休職期間が伸びていたと主張したが、同地裁は年休の時季指定は「始期・終期が明確であることが必要」と指摘。労働者の申し出は「3日からは年休をいただき、その後は病欠でお願いします」というもので、終期の明確性を欠くと評価した。

デジタル人材 年間1万人を確保・育成――東京都・能力開発計画案

東京都は、令和3~7年度を対象とする第11次職業能力開発計画案をまとめた。デジタル社会を担う人材の計画的な確保・育成を重点施策に掲げ、年間1万人のデジタル人材の確保・育成を図るとした。若者・女性などを対象とした職業訓練を強化するほか、中小企業が行う従業員のリスキリング(再開発)に対する支援などを展開していく。中小企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の課題把握から、リスキリング方針の策定、講習の実施などについて一体的な伴走型支援を新たに開始する。

23年卒の採用見通し

リクル-トが発表した2023年新卒者の採用に関する調査で、大学生・大学院生の採用が22年卒に比べて「増える」と答えた企業が10.3%で、「減る」の3.9%を上回った。
22年卒の調査では「減る」が11.6%と「増える」7.7%を上回っていた。

23年卒の採用を業種別で見ると、飲食店・宿泊業は「増える」の回答が「減る」を14ポイント上回った。
22年卒の調査では「減る」が「増える」を15.7ポイント上回っており、コロナ禍で採用を抑制していた反動が大きいと言える。

他にも情報通信業で10.9ポイント、機械器具製造業で10.6ポイントそれぞれ「増える」が「減る」を上回った。

従業員規模別では500人以上の企業で「増える」が21.4%、100人未満で8.5%となり、いずれも「減る」を上回った。
特に大企業での採用意欲が回復している傾向が見られた。

また、採用戦略として初任給の引き上げ実施、もしくは予定しているかでは「既に取り組んでいる」が21.8%、「今後取り組む予定である」が22.7%だった。
業種別では、建設業と小売業で「既に取り組んでいる」「今後取り組む予定だ」と回答した割合が、それぞれ52.4%、52.9%と多かった。

人手不足に対して初任給などの待遇の改善で対応する動きが高まっていることがうかがえた。

以上

割増不払いで社長逮捕――十和田労基署

青森・十和田労働基準監督署(山脇雅史署長)は、労働者9人の時間外労働に対する割増賃金の一部約500万円を期日に支払わなかったとして、同県東北町の東北みやげ煎餅㈱と㈲エハタの代表取締役社長を兼任する男を労働基準法第37条(割増賃金)違反の疑いで逮捕し、青森地検八戸支部に身柄送検した。青森労働局によると、管内での逮捕事案は約30年ぶり。同労基署の調査に対して虚偽の賃金台帳を提出するなど、証拠隠滅の恐れがあったため逮捕に踏み切った。法人としての両社は書類送検した。

格差は1.5%に広がる――協会けんぽ

全国健康保険協会(協会けんぽ)は令和4年度の都道府県別の保険料率を決めた(表)。料率が最も高い佐賀と最も低い新潟の差は1・49%と、今年度の1・18%から拡大した。都道府県ごとの料率は2年度前の1人当たり医療費の実績などをもとに算定している。令和2年度は4~5月にかけた新型コロナウイルスの1度目の緊急事態宣言により、都市部を中心に医療機関の「受診控え」が続出し、医療給付に大きな影響を与えた。その結果、1都3県などで料率がマイナスになったとみられる。

奨学金返還費用を助成――東京都

東京都は、中小企業の人材確保を支援するため、奨学金の貸与を受けている学生を技術者として採用した際に、企業と東京都が協力して奨学金返還費用の一部を助成する新事業を開始する。建設、IT、ものづくり分野の中小企業が対象で、都に登録済みの学生を採用した場合、企業の負担額と同額を東京都が負担する。企業が負担するのは3年間で、負担額は年間5万円、12万円、25万円の3つから選択する。

専任講師の雇止め無効――東京地裁

東京福祉大学と有期労働契約を締結し、専任講師として働いていた労働者が雇止めを不服とした裁判で、東京地方裁判所(三木素子裁判長)は雇止めを無効と判断し、バックペイ支払いなどを命じた。同大学は譴責処分などが理由と主張したが、同地裁は処分後に1度契約を更新している点を指摘。雇止めに客観的・合理的な理由がないとした。一方、労働者の無期転換については、専任講師には教員任期法の特例が適用されると評価し認めなかった。同法は大学教員の無期転換申込権が発生するまでの期間を10年超と定めている。

男性の育児休業取得推進 奨励金支給数を2倍に――東京都

東京都は来年度、男性の育児休業取得促進の取組みを強化する。男性労働者に育休を取得させた企業に最大320万円の奨励金を支給する「働くパパママ育休取得応援事業(働くパパコース)」について、支援数を前年度の400社から750社へと大幅に増やす方針だ。分割取得時も支給対象とし、通算して15日間を取得させた場合に25万円を支給、以降15日ごとに25万円を加算する。経済団体と連携し、経営者への意識啓発キャンペーンも展開していく。

一人親方も保護対象に――厚労省

厚生労働省は、事業者の各種措置義務を定めた労働安全衛生法第22条の規定を、労働者と同じ場所で働く労働者以外の者(一人親方など)も含めて保護対象とするため、同条に基づく11の省令を改正する。事業者の指揮命令関係にない一人親方など請負人の安全衛生の確保を狙ったもの。省令に定めた特定の作業方法の遵守や保護具の使用の必要性などについて、新たに周知義務などを設ける方針である。昨年5月の最高裁判所判決に沿った見直しとした。

処遇維持して65歳定年へ――TOTO

TOTO㈱(福岡県北九州市、清田徳明社長)は今年10月、国内のグループ会社10社を含めて65歳定年への段階的な移行を開始する。直前の9月末までに60歳を迎える世代を61歳定年とするのを皮切りに、今後5年間かけて毎年1歳ずつ定年年齢を伸ばす。一般社員層では60歳到達後も処遇水準を維持し、減額措置は採らない。管理職層については同時に人事制度を改め、新たにグループ共通の役割等級へ一本化する。ライン長などの職位に留まれるのは最長60歳までとし、役割等級に合わせて処遇していく。

育介法25条 制度の利用対象者に適用――東京高裁

子育てを理由に配転時期の配慮を申し出た労働者が、その後に行われた降格処分は育児介護休業法が禁止する相談を理由とした不利益取扱いに当たると訴えた裁判で、東京高等裁判所(中山孝雄裁判長)は同法第25条は育児休業などの制度の利用にかかる言動の相談が対象で、制度の取得要件を満たさない労働者は対象外と判断した。労働者は配慮を求めたところ、上司から「行く気がないんだな」と面談を打ち切られ、降格処分に遭ったと主張していたが、同高裁は、面談は相談に当たらず、上司の言動も同法に違反しないと退けている。労働者の控訴はすべて棄却となった。

労働契約更新上限 労使合意で設定を――厚労省検討会

厚生労働省は、労働契約法第18条の無期転換ルール適用を回避するための雇止めが労使紛争に発展するケースが少なくないとして、使用者に労働契約更新上限の有無など労働条件明示の義務付けを検討していることが分かった。とくに、契約更新時に更新上限を新たに設ける場合、労使双方が納得の上で合意することを促すとしている。無期転換申込権が発生した労働者に対して申込機会の発生通知とともに権利行使の意向確認を使用者の義務とすることも課題としている。

テレワ-ク新入社員への影響4割

就職情報サ-ビスの学情が企業の採用担当者に実施した調査によると、テレワ-クを実施している企業に入社1年目の社員の活躍について尋ねると、「影響がある」「どちらかと言えばある」が計43.7%あった。「影響がない」は4.8%、「どちらかと言えばない」は14.3%だった。

影響があると回答した人に具体的な影響(複数回答)を聞いたところ、「上司や先輩との人間関係が築けていない」が74.3%で最多だった。
次いで「同期間での人間関係が築けていない」が55.4%とテレワ-クが社内の人間関係の構築に響いていると考えている人が多いと言える。

一方で「スキルの習得や自己学習に取り組む社員が増えた」14.9%、「自分から質問するなど自走できる社員が増えた」6.9%など、テレワ-クで自ら行動できる社員が育ったと前向きに評価する声も上がった。

若手社員がテレワ-クをするときに課題となる点(複数回答)では、「モチベ-ションの状態をつかみにくい」が65.4%で最も多かった。
また、「作業の進捗状況や成果の把握が難しい」が55.2%などもあり、テレワ-ク時のコミュニケ-ションの充実が引き続き課題と言える。

以上

総合職・標準者賃金 大卒35歳で38.4万円――経団連・東京経協 21年6月度定期賃金調査

経団連と東京経営者協会が実施した「2021年6月度定期賃金調査」によると、総合職・大学卒のモデル賃金は22歳22.3万円、35歳38.4万円、45歳53.0万円などとなり、ピークを迎える55歳は61.1万円だった。50歳が3.4%増などとベテラン層では伸びた一方、若年層の伸び率は1%前後に留まっている。22歳に対するピーク時の倍率は2.74倍となった。役職者賃金は、部長が1.8%増の72.0万円、課長が0.5%増の54.4万円、係長が0.6%減の41.1万円などとなっている。

日数、時間数の合意を――厚労省

厚生労働省は、需要の繁閑へ対応したシフト制労働者が拡大しているとして、適切な雇用管理に向けた「留意事項」を明らかにした。シフト勤務開始前に提示するシフト表により労働日、労働時間などの変更を使用者または労働者が申し出る場合の期限・手続きや、一定のシフト勤務期間において労働する可能性がある最大の日数、時間数、時間帯を労働者と使用者で話し合い、あらかじめ合意することが望まれるとした。ほとんどの労働日などが使用者の都合により設定されており、労働紛争に発展することがあると指摘している。

船舶所有者 「健康検査」活用を徹底――国交省・船員法施行規則改正省令案

国土交通省は、船舶所有者による船員の健康確保対策を盛り込んだ船員法施行規則等改正省令案を明らかにした。昨年10月にまとめた省令案に修正を加えたもので、船員がおおむね1年に1回受けている「健康検査」を通じた健康管理制度を創設するとしている。船舶所有者に対し、常時使用する船員が同検査を受けた際、船員から医師の診断書を提出させるよう義務付ける。検査結果が有所見だった場合は医師から意見を聴取し、必要に応じて就業場所の変更などを行う。施行予定は令和5年4月1日。

14階層から5階層に簡素化――フラクタ

企業のブランド戦略のコンサルティング業務を行う㈱フラクタ(東京都渋谷区、河野貴伸代表取締役CEO)は、全社員を5階層に格付ける新人事制度を導入した。単線型・14階層としていた旧制度を廃止し、よりシンプルな体系を整備して再格付けしている。評価制度については業績貢献度、組織貢献度、行動面を採点する3つの仕組みを併用し、総合評価を昇格、昇給、賞与決定に反映することとした。6つの要素を採点する行動評価は、創設からの8年間で築いてきた企業文化を凝縮してつくり込んでいる。報酬面では、賞与に大きなメリハリを利かせ、最高評価を取れば標準額の2倍を支給する設計とした。

CAの無期転換認める――東京地裁

KLMオランダ航空で客室乗務員として働く有期契約労働者3人が、同社が無期転換を認めず雇止めにしたのは違法と訴えた裁判で、東京地方裁判所(三木素子裁判長)は3人の無期労働契約上の地位を確認する判決を下した。3人は約2カ月の訓練後、平成26年5月に有期労働契約を結び、1回の更新を経て令和元年1月に無期転換を申し込んだが、訓練は労働契約に当たらず、通算期間は5年を超えていないとして拒否、雇止めになっていた。同地裁は訓練には時間・場所的拘束や指揮監督下での労務提供があったと指摘。労働契約に該当するとして、無期転換を認めた。

企業白書提言 労働法制と行政の見直しを――同友会

経済同友会(櫻田謙悟代表幹事)は、「人間及び人間社会の本質的欲求と企業経営」をタイトルとした第18回企業白書をまとめ、価値創造人材の活躍を促すための労働法制の見直しを敢行すべきと提言した。自律的な働き方が可能となるように、旧来の画一的な働き方や所定の場所・時間に従事することを前提とする労働法制および労働行政を抜本的に見直す必要があると主張している。既存の「裁量労働制」「高度プロフェッショナル制度」も一定の労働時間管理を前提にしたものとして批判的である。

都内中小のモデル賃金 大卒35歳で30.0万円に――東京都 中小企業の賃金事情

東京都の「中小企業の賃金事情」調査によると、大学卒のモデル賃金は、22歳21.2万円から35歳30.0万円、45歳36.0万円と高まり、ピーク時60歳は41.9万円だった。前年比で改善したのは、22歳および25歳のみで、30歳以上はいずれもダウンしている。初任時に対するピーク時の倍率は、大学卒が1.98倍、高校卒が1.99倍で、ともに2倍を下回った。役付手当の支給状況も調べており、同一役職に同額を支給しているケースでは、部長が8.7万円、課長が5.6万円、係長が2.6万円となった。

非管理職への降格有効――東京地裁

㈱日立製作所(東京都千代田区、小島啓二代表執行役)で働く労働者が管理職から非管理職への降格などを不服と訴えた裁判で、東京地方裁判所(佐藤卓裁判官)は降格を有効と判断し、労働者の請求を全面的に棄却した。約2年間にわたって売上げをまったく上げておらず、管理職に期待される役割を果たしていないとして、降格には業務上の必要性があったと評価している。同社は平成26年10月に管理職の職能資格等級を廃止し、職務遂行能力の高さから、役割や職務の大きさに着目する制度への移行を図っていた。

10月に0・6%へ引上げ――厚労省

厚生労働省はこのほど、雇用保険料率の改定について方針を決定した。新型コロナウイルス感染症の経済への影響が残っているとして、失業等給付にかかわる保険料率は令和4年4~9月まで現行の1000分の2を維持するが、同年10月~5年3月までは1000分の6に引き上げる方向である。雇用調整助成金などの大規模支給により雇用保険財政が「過去に例を見ない危機的状況」にあるものの、労使の負担感も踏まえて激変緩和措置を採ったとしている。労働政策審議会の雇用保険部会(守島基博部会長)が、報告書をまとめた。

家族手当 5割が正社員にのみ支給――栃木労働局・同一労働同一賃金

栃木労働局(藤浪竜哉局長)は、昨年4月にパート・有期雇用労働法の同一労働同一賃金規定が中小企業にも適用されたことを受け、管内企業562社に対して実態調査を実施し、結果を取りまとめた。各種手当のうち、家族手当を正社員にのみ支給する企業が5割を超えることが明らかになったのに対し、「同じ業務と認められない限りは、手当の支給について助言することは難しい」とした。対応状況については6割が完了したとする一方、「内容が分かりづらい」との課題を挙げる企業が少なくないことを懸念している。今後は説明会の開催回数を増やし、個別支援を強化する。

無期転換特例 非常勤講師は対象外――東京地裁

科学技術・イノベーション活性化法が定める無期転換申込権の特例に関して、大学の非常勤講師が対象になるかが争われた裁判で、東京地方裁判所(伊藤由紀子裁判長)は特例の対象外と判断し、無期転換を認める判決を下した。裁判は専修大学で語学を担当する非常勤講師が起こしたもの。同法は大学と有期労働契約を結ぶ「研究者」の無期転換申込権が発生する期間を5年超から10年超に伸ばしている。同地裁はこの研究者の要件について「研究開発業務に従事していることを要する」と指摘。授業のみを担当する非常勤講師に特例は適用されないとした。

テレワーク 「週3日、7割以上」に奨励金――東京都

東京都は、職場におけるテレワーク推進の中心的な役割を担う「テレワーク推進リーダー」設置制度を創設した。同リーダーを選任した中小企業が「週3日・社員の7割以上」のテレワークを1カ月間実施した場合、最高25万円の奨励金を支給する。同リーダーは、オンライン研修を受講する必要がある。新型コロナウイルス感染症の拡大防止と経済活動の両立に向けてテレワークの普及・定着を図るのが狙い。

リモ-トワ-ク 人事評価に課題

ビズリ-チが運営するHARMOS WorkTech研究所の調査によると、リモ-トワ-クを実施する企業の47%が「人事評価における問題が発生・拡大した」と回答した。
そのうち23%が「新たな問題が発生・既存の問題が拡大」、12%が「新たな問題のみ発生」と「既存の問題のみ拡大」だった。

発生した新たな問題として「チ-ムでのコミュニケ-ション状況を把握・評価できない」が66%で首位だった。
次いで「意欲や感情といった業務外の面の把握ができない」が57%、「勤務態度を直接把握・評価できない」が51%だった。
自由回答では「評価対象がプロセスから成果に偏りつつある」との声が上がった。

既存の問題拡大としては「評価者によって人事評価にバラツキがある」が48%と最も多く、「評価基準が曖昧」が46%、「適切なフィ-ドバツクができない」が44%と続いた。

適切な人事評価を実現するには働き方だけでなく、いかに従業員の状況を把握し、適切な評価ができるか考えることが重要で、引き続きリモ-トワ-クを実施する企業には従業員を適切に評価する仕組みが必須となりそうだ。

以上

転勤拒否者の懲戒解雇有効――大阪地裁

NECの子会社で働く労働者が、転居を伴う転勤の拒否を理由に懲戒解雇されたのは違法と訴えた裁判で、大阪地方裁判所(中山誠一裁判長)は懲戒解雇を有効と判断した。労働者は持病を抱える子供がいて転居は難しいと主張したが、同地裁は子供の通院は1カ月に1回程度で、配転をしたとしても対応可能な範囲内と指摘。通常甘受すべき程度を著しく超える不利益はないとして、配転命令は権利濫用に当たらないと評価した。命令に応じない事態を放置すれば企業秩序維持に支障が出るとして、懲戒解雇も有効としている。

カスハラ 安全配慮義務違反を認めず――横浜地裁川崎支部

NHKのコールセンターで働いていた労働者が、視聴者のわいせつ発言や暴言により精神的苦痛を受けたことなどを不服とした裁判で、横浜地方裁判所川崎支部(飯塚宏裁判長)は安全配慮義務違反の成立を認めず、労働者の請求を全面的に棄却した。わいせつな電話があった場合、上司に転送して良いルールになっており、心身の安全を確保していたと評価している。労働者は継続雇用拒否も争ったが、同地裁は電話対応時のルール違反が多数あり、注意・指導を聞き入れる意思がなかったと指摘。継続雇用拒否も有効と判断した。

改正育介法対応でQ&A 意向確認後も申出拒めず――厚労省

厚生労働省は、来年4月から順次施行される改正育児介護休業法に関するQ&Aをまとめた。改正法に基づき労働者に育休取得の意向を尋ねた際に「取得意向はない」と回答されたとしても、その後労働者から申出があった場合、事業主は取得を拒めないとしている。分割取得が可能な出生時育児休業(産後パパ育休)については、労働者が初回申出時に2回分をまとめて申し出ることを原則とした。まとめて申し出ない場合、2回目の取得は拒むことができる。

100人以上の改定額 246円減り4694円――厚労省 賃金引上げ等の実態調査

厚生労働省の「令和3年賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、規模100人以上の企業における賃金改定額は1人平均4694円となり、前年結果を246円下回った。3年連続して前年を割り込んだが、減少幅は406円縮小している。改定率は、0.1ポイント減の1.6%だった。定昇制度を有する企業のうちベアを実施した企業は2割に満たず、管理職では15.1%、一般職では17.7%となっている。

口外禁止条項 当事者の合意が重要に――全労委総会

第76回全国労働委員会連絡協議会総会が11月18~19日にオンラインで開かれ、集団調整事件などのあっせんや不当労働行為事件審査の和解における口外禁止条項の取扱いについて、各労委公労使委員が議論した。労働審判において労働者の意向に反して同条項を付けたことを違法とした昨年12月の長崎地裁判決を踏まえたもの。労委からは、解決金の支払いがある紛争を中心に同条項を付けていることが報告された。同条項の内容にも様ざまなパターンがあることから、あっせん条項などに加える場合の留意点として、「当事者の意向を聞きながら合意を得ること」との意見が出た。

出生時育児休業 1週間前に労務課へ申出――厚労省

厚生労働省は、改正育児・介護休業法で新設した「出生時育児休業(産後パパ育休)」の規定例を明らかにした。労使協定の締結により一定の労働者を同休業制度から除外したり、休業中の労働者の就業を可能とする規定などを示した。労使協定により除外できるのは、「入社1年未満」や「1週間の所定労働日数が2日以下」の労働者などとした。休業中の就業については、1週間前までに人事部労務課に申出するよう求めながらも、休業前日までは提出を受け付けるとしている。

新しい資本主義 フリーランス保護法制定へ――政府

政府の新しい資本主義実現会議(議長・岸田文雄内閣総理大臣)はこのほど、「緊急提言」をまとめ、新たなフリーランス保護法制の早期国会提出を明記した。事業者がフリーランスと契約する際の契約や禁止行為の明確化などを行うとしている。最低賃金については、地域間格差にも配慮しながら、より早期に全国加重平均1000円をめざす。賃上げに積極的な企業への税制措置は、非正規雇用を含めて全雇用者の給与総額の増加を対象とする。

労働費用総額40.8万円に――就労条件総合調査

厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査」によると、常用労働者1人1カ月平均の労働費用総額は40.8万円で、そのうち現金給与額が33.5万円を占め、現金給与以外の労働費用は7.3万円だった。法定福利費は5万283円、法定外福利費は4882円で、5年前の前回調査と比較して順に5.4%増、25.2%減となっている。法定外福利費については、企業規模30~99人に限って増加しており、13.7%アップした。このうち、食事に関する費用は1.8倍増えている。

目標水準35歳28.9万円に――連合

連合は11月18日、中央執行委員会を開き、規模間格差是正に向けた目標水準を昨年より2~3千円高い35歳28・9万円、30歳25・9万円などとする2022春闘方針案を確認した。すべての組合が月例賃金の改善にこだわり、「2%程度」を目安に賃上げ(ベースアップ)に取り組む一方で、規模間・雇用形態間・男女間などの格差是正の流れを加速させるとしている。新たに企業内最低賃金の目安を50円アップの時給1150円以上としたことに伴い、各種の要求指標を引き上げた。

過重労働防止へ改善事例集――松本労基署

長野・松本労働基準監督署(中川賢一署長)は、管内の事業場から長時間労働の改善策を収集し、事例集を作成した。過重労働解消キャンペーンに合わせて取りまとめたもので、強化する監督指導のなかで活用する。夕方以降に業務が集中するため出勤時刻を繰り下げたケースや、固定残業制をやめて残業代との差額を賞与に組み入れたケースなどを盛り込んだ。中小企業にも取り組みやすい対策を示すことで、指導に留まらず改善につながるフォローをしていく。

偽装請負 直接雇用成立を認める――大阪高裁

住宅建材の製造販売を営む東リ㈱と業務請負契約を締結していた会社の労働者5人が、労働契約申込みみなし制度に基づき直接雇用成立の確認を求めた裁判で、大阪高等裁判所(清水響裁判長)は5人の直接雇用成立を認め、バックペイ支払いを命じた。みなし制の適用を認めた判決は全国初とみられる。5人は東リ伊丹工場で建材の製造に従事していた。同高裁は東リが実質的に作業指示などを行っており、偽装請負に当たると指摘。「日常的・継続的に偽装請負を続けており、偽装請負の目的があった」として、労働契約成立を認定した。

リカレントガイドライン作成――厚労省

厚生労働省は、自律的・主体的なキャリア形成に向け、労働者・企業が取り組むべき事項や人材開発施策に係る諸制度を体系的に示した「リカレントガイドライン」(仮称)の作成に向けて検討に入った。従来型の正社員に対するOJT中心の人材育成システムが十分に機能しなくなるとともに、企業による人材投資が減少傾向にあることから、日本の労働生産性が低位に置かれているのが実態。キャリアコンサルタントの積極的活用により労働者の自律的・主体的な学習とキャリア形成を促す必要があるとした。

コロナ行動制限緩和後の出社率

日経新聞「社長100人アンケ-ト」によると、行動緩和後の出社比率について
57.3%の企業が「引き上げる」と回答し、「同じ」と回答した41.9%を上回った。出社日については「週2日」が27.6%と最多で、「週1日」が13.8%だった。出社を促す理由として最も多かったのは「従業員間のコミュニケ-ションを円滑にするため」が87.7%で、次いで「対面が欠かせない業務がある」が71.6%あった。

同アンケ-トでは
・在宅勤務の利用拡大により働き方の選択肢が広がった一方、コミュニケ-ションや育成、労務管理における新たな課題が生じた
・新入社員や異動者に対するメンタル面でのサポ-トを意識的に推進する必要性が生じた
・新たな働き方の実効性や有用性の向上に向けた検討や試行が重要となる
・対面やオンラインによるメリットを生かすハイブリットな働き方が定着する
などの指摘があった。

以上

上限規制 複数月平均違反で初送検――上田労基署

長野・上田労働基準監督署(森孝行署長)は、製造部門で働く労働者8人に上限規制を超えて違法な時間外労働を行わせたうえ、虚偽の帳簿を提出して隠ぺいを図ったとして、鋼材・鉄筋加工販売業者を長野地検上田支部に書類送検した。立件した今年3~8月の時間外労働は毎月100時間を超えており、中小企業に上限規制が適用された令和2年4月以降、複数月平均80時間以内の規制(労働基準法第36条6項3号)違反での送検は全国でも初めてとなる。

医師の時間外上限 原則年960時間に――厚労省

厚生労働省は令和6年4月に施行となる医師の時間外・休日労働の上限に関する省令案をまとめた。一般的な医業に従事する医師の上限を1カ月100時間未満かつ年960時間以下とする一方、地域医療の確保や技能向上のために上限を超えざるを得ないケースが想定されるとして、特例水準を設けている。特例水準は年1860時間を限度とするが、地域医療確保にかかる特例水準については、17年度末の廃止に向け、3年ごとの見直しを行っていくとした。

経団連提言 職種・業務で労働法制選択

経団連は、先行き不透明感が強く、将来予測が困難な時代にあっては、職種・業務に適合した「労働法制」を選択できる仕組みが重要とする提言を明らかにした。先ごろ開催した内閣府の規制改革推進会議に提出した。近年、労働時間と成果が連動しない業務が拡大していると同時に、労働生産性向上が求められているためで、具体的には企画業務型裁量労働制の対象業務の早期拡大を主張している。「裁量的にPDCAを回す業務」「課題解決型開発提案業務」の2つを対象業務に加えるよう指摘した。

2労基署が別件で同時送検――甲府労基署・岡谷労基署

山梨・甲府労働基準監督署(篠原敦署長)と長野・岡谷労働基準監督署(柴崎正彦署長)は、同じ建設業者をそれぞれ異なる労働安全衛生法違反の疑いで10月25日に書類送検した。山梨では代表取締役が自ら無資格の労働者に不整地運搬車の運転を指示し、発注者から告発された。長野では116日間の休業を要する労働災害が発生したにもかかわらず、労働者死傷病報告の提出を怠っている。各労基署は異なる端緒から個別に捜査へ着手したが、捜査を進めるなかで互いに同社を対象としていることを知り、同時に送検している。

女性活躍 職場での意識改革を徹底――都審議会

都知事の諮問機関である東京都男女平等参画審議会は、「東京都男女平等参画推進総合計画の改定に当たっての基本的考え方(中間のまとめ)」を取りまとめた。令和4~8年度を対象とする計画に盛り込むべき取組みに、時間や場所にとらわれない多様な働き方のさらなる普及・定着の後押しのほか、女性の職域拡大・登用促進、出産・育児などと両立できる職場環境の整備を挙げた。男女間の所得格差や女性管理職比率の低さの背景には、固定的性別役割分担意識の存在があるとみて、企業における意識改革に向けた啓発に取り組むとした。

タクシーの拘束時間288時間に――厚労省・改善基準告示

厚生労働省は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を大幅に見直す方針である。ハイヤー・タクシーの日勤の拘束時間は、現行1カ月299時間から288時間に11時間短縮、バスでは、現行4週平均で1週65時間を1カ月について年3300時間を超えない範囲で281時間などとする方向である。自動車運転業務については、時間外上限規制適用猶予後の上限時間を休日を含まず年最大960時間としているが、早期に一般則に移行できるよう協議を加速すべきとされている。

JOB型人事制度への期待

日経BP総合研究所の調査によると、JOB型人事制度にどんな期待をしているかで
最も多かったのは「専門性をより高めやすい」で62.7%あった。次いで「年功より
も能力やスキルに応じた登用が進みやすい」44.9%、「高度な専門能力を持つ人材の
厚遇につながる」44.5%だった。上位3大理由からは、ビジネスパ-ソンが専門性
を重視している様子が浮かび上がる。
その他では、「職務や成果に応じた人事評価制度の方が意欲を高めやすい」「テレワ
-クの普及に伴って求められる自律性をベ-スとする制度と適している」「年次(若さ)
などを理由に本業以外の雑務を任されることが減る」「自社の人材獲得力を高める上
で欠かせない職種別採用や職種別賃金と親和性がある」といったJOB型人事制度の
特性を期待としていることがわかった。

雇止めを不当労働行為認定――大阪労委

大阪府労働委員会(宮崎裕二会長)は、学童保育クラブで指導員として働く組合員らを雇止めし、撤回などを求める団体交渉にも応じなかったとして、㈱共立メンテナンス(東京都千代田区)を不当労働行為と認定した。組合員10人の職場復帰とバックペイの支払い、団交へ応じることを命じている。同社は大阪府守口市から学童保育の業務委託を受けた際、同市に雇用され指導員として3~36年間勤務してきた組合員らを同じ職務で有期雇用していた。雇用時の説明会では給与水準を保つ現給保障について説明するなど、市営時代の実績を引き継ぐ姿勢を示していた。

キャバクラ女性従業員 労働者性を認める――さいたま地裁

埼玉県内のキャバクラ店で働いていた女性従業員が残業代など1100万円の支払いを運営会社に求めた裁判で、さいたま地方裁判所による関与和解が成立していたことが分かった。女性従業員の代理人らがこのほど記者会見で明かした。和解は両者間の契約が労働契約であったと認め、運営会社が解決金を支払う内容。解決金の額は非公表となっている。代理人によると、今年4月頃に同地裁から労働者性について肯定的な心証が示され、和解に向けた協議が始まったという。

雇用保険制度 マルチ高年齢被保険者新設――厚労省

厚生労働省は、令和4年1月1日から65歳以上の高年齢労働者を対象とした「雇用保険マルチジョブホルダー制度」を新設する。複数の事業所で勤務する65歳以上の高年齢労働者が、2つの事業所での勤務を合計して一定の要件を満たす場合に特例的に雇用保険被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができる。マルチ高年齢被保険者として雇用保険の適用を希望する者が加入要件に該当する場合、事業主は必ずこれに対応しなければならないとした。

建設技能労働者 4割で賃上げ2%以上――全建

地方のゼネコンを中心に1・9万社の会員を抱える全国建設業協会(奥村太加典会長)が実施した調査で、技能労働者の賃金を2%以上引き上げた(引き上げる)企業の割合は42・1%となった。回答企業の6割弱が下請との契約で労務単価の引上げを実施しており、うち41・2%では下請でも2%以上の賃上げがあったとしている。今年3月、国土交通省と建設4団体の間では、「概ね2%以上の賃金上昇をめざす」との申合せをしていた。同調査では3社に1社が、既に「取り組んでいる」としている。

公立校教員 残業代請求を全面棄却――さいたま地裁

埼玉県内の公立小学校で働く教員が、同県に240万円の残業代支払いなどを求めた裁判で、さいたま地方裁判所(石垣陽介裁判長)は教員の請求を全面的に棄却した。固定残業代として月給の4%を支払うと定めた給特法で、労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)の適用は明確に排除されていると判断している。一方、給特法は労基法第32条(労働時間)の適用は除外していないとして、長時間労働が常態化している場合は、国家賠償法上の違法が認められるとした。

雇用シェア 7カ月で7382人に――厚労省・届出状況まとめる

厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症対策として今年2月に創設した産業雇用安定助成金の利用状況を明らかにした。出向計画届出状況によると、約7カ月が経過した9月時点までに出向労働者数7382人に達した。出向元事業所数は689社、出向先事業所数は1156社だった。出向元事業所の約8割は、雇用調整助成金を受給中。厚労省では、休業と在籍型出向(雇用シェア)を併用し、雇用維持を図っている状態にあり、選択肢の一つとして取り組む事業主が増えているとした。

労災防止へ専門家無料派遣――神奈川産保センター

神奈川産業保健総合支援センター(渡辺哲所長)は、転倒・腰痛災害ゼロをめざす企業に専門家を無料で派遣するサービスを全国で初めて開始した。加齢に伴う身体機能の低下が災害発生要因の一つになっているとみて、各事業場に適した健康保持増進計画の作成を支援する。従業員の健康づくりを通じて加齢による災害発生を防ぐ考えだ。神奈川県内では転倒災害が多発しており、50歳以上の労働者が被災するケースがめだっている。

再教育でDX人材育成――内閣官房

政府の内閣官房は令和4年度、転職支援につながるリカレント教育やDX(デジタルトランスフォーメーション)投資促進事業を新たに立ち上げて、就職氷河期世代支援対策を強化する方針である。リカレント教育では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた就業者、失業者・非正規雇用労働者に加え、希望する就職ができない若者に対して、大学・専門学校を拠点とした就職・転職につながるプログラムを提供する。DX投資促進により1000人のデジタル人材を育成する狙い。

アジャイル型開発 派遣・請負の要件明確化――厚労省

厚生労働省はアジャイル型開発について、発注者と受注者が対等な関係の下で協働し、受注者側の開発関係者が自律的に判断して業務を遂行していれば、労働者派遣に当たらないとする考えを明らかにした。アジャイル型開発は、開発要件の全体を決めずに開発を始め、リリースと開発を繰り返しながら機能を追加していく手法。発注者と受注者がチームを作り、意思疎通を図りながら開発を進めていくが、意思疎通が指揮命令に当たると判断される法的リスクがあり、導入のネックになっていた。

JOB型雇用で下剋上狙う若手

日経BP総合研究所の調査によると、JOB型賛成派の割合は39歳以下で76.3%
と高く、40歳代で64.6%、50歳代では46.8%と低下し、ベテランほど人事
制度の刷新に消極的な様子が浮き彫りになった。
ゼネラリストで長年やってきたのに専門性と言われても、という戸惑いが
感じられる。

60代では、今の管理職の大半が職を失うとの回答があった。雇用のル-ルが
変わると、自身がお払い箱になってしまうのではないか、このように心配
するベテランの本音がにじむ。

若い頃は年功序列のル-ルに基づき耐えてきたのに、ベテランに
なってから実力主義に変わったら、今後どうしていいのか。
自身にとっての「制度改悪」に戸惑うケ-スも少なくないのでは
ないだろうか。

企業は若手の期待に応えつつ、ベテラン勢の不安を払しょくする舵取りも
求められる。

以上

アイドルに労働者性認めず――東京地裁

「農業アイドル」として活動していた女性の遺族が、報酬が最低賃金を下回っていると主張し、約8万円の支払いをマネジメント会社に求めた裁判で、東京地方裁判所(佐藤卓裁判官)は女性の労働者性を認めない判決を下した。女性はアイドル活動の一環として、地元の特産物を販売するイベントに参加し、店舗をPRする「販売応援」業務に従事していた。遺族は指揮命令下でマネキン業務に就いていたと主張したが、同地裁はイベントへの参加は任意であったと評価。労働基準法上の労働者に当たらないと判断した。

出向解除復職 不当労働行為に当たらず――中労委

中央労働委員会第3部会(畠山稔部会長)は、相鉄ホールディングス㈱(神奈川県横浜市)がバス子会社に在籍出向中の労働組合員に対して、労使合意がないまま親会社である同社への復職を命じた事案で、不当労働行為に当たるとして出向継続を命じた初審命令を取り消した。復職命令停止を神奈川労働委員会から勧告されたにもかかわらず復職を命じていたが、業務上の必要性に基づいたもので、支配介入に当たらないとしている。団体交渉などを重ね、子会社への転籍条件や出向延長を打診するなど、復職や転籍の合意に向けた努力も行っていたと判断した。

過労死認定 労働時間以外を総合評価――厚労省

厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、新たに「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」として、都道府県労働局長あてに通知した。長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化したのが、大きな改正点。労働時間以外の負荷要因として、休日のない連続勤務、勤務間インターバルが短い勤務、出張の多い業務などを示した。また、短期間の過重業務や異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できるケースを明確化、「発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合」などを例示した。

労働審判件数が過去最高に――最高裁・2年度司法統計

最高裁判所事務総局は令和2年度の司法統計をまとめ、地方裁判所が新規に受け付けた労働審判の事件数が3907件と、制度創設以来過去最高になったと発表した。事件の内訳は地位確認(解雇等)が1853件で前年度比252件(15・7%)増となる一方、賃金手当等(解雇予告手当を含む)は1501件で33件(2・2%)減となった。労働関係の第一審通常訴訟も3960件で、平成4年以来過去最高の数字となっている。事件数増加の背景には、新型コロナウイルスの影響があるとみられる。

下請Gメンの調査強化――中企庁

中小企業庁は令和4年度、企業における賃金引上げが実現できるよう、取引環境の改善をはじめとする事業環境整備などに重点的に取り組む。取引実態を積極的に把握するため、下請Gメン(取引調査員)の体制をさらに強化したうえで、全国の下請中小企業へヒアリングを展開。消費税転嫁対策調査官による厳正な監査・検査も実施する。さらに、中小企業・小規模事業者が抱える様ざまな経営課題に対処する相談窓口「よろず支援拠点」による経営相談体制の強化を図るほか、オンライン相談を開始する。

DX人材育成推進員を全国配置――厚労省・4年度

厚生労働省は令和4年度、中小企業のデジタル化を促進するため、全国の生産性向上人材育成支援センターに新たに「DX人材育成推進員」(仮称)を配置する方針である。中小企業からの要望に応じて、デジタル分野の新たなスキル修得に向けた職業訓練などに関する相談支援に当たる。公的職業訓練においては、IT分野の資格取得をめざす訓練コースの拡大を目的とした訓練委託費の上乗せを行う。民間部門におけるDX加速により、生産性を「徹底的に引き上げる」とする政府方針に沿ったもの。

慰謝料30万円支払い命じる――東京地裁

人事システムの販売などを営む㈱シーエーシーで働いていた労働者が降格を不服とした裁判で、東京地方裁判所(上村考由裁判官)は降格を違法・無効と判断し、慰謝料30万円を含む計220万円の支払いを命じた。同社は平成28年1~2月にかけ、労働者を2度降格処分とし、役職手当を減額した。同地裁は労働者の能力不足を示す証拠はないと指摘。降格と手当減額は人事権濫用に当たり無効とした。2度目の降格については、判断する期間が短すぎるとして、不法行為に該当すると評価している。

最賃引上げ対応 取引公正化へ行動計画――公取委

公正取引委員会は、今年10月の地域別最低賃金の引上げによって中小企業に不当なしわ寄せが及ばないようにするため、相談対応の強化などを柱とした「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」をまとめた。下請企業向けの相談窓口を全国9カ所に設置するほか、オンラインによる相談会も実施する。最低賃金改定に伴うQ&Aを新たに作成し、最賃改定で労務費コストが上昇した下請事業者からの単価引上げ要請に、一方的に従来どおりの単価で発注することが下請法で禁止されている「買いたたき」に該当する恐れがある点を発注者側へ周知する。

カスハラ防止へ企業研修――厚労省・4年度

厚生労働省は、令和4年度にカスタマーハラスメント対策に着手する方針である。顧客や取引先企業雇用者などからの著しい迷惑行為に対処するため、企業向け対策マニュアルを作成し、担当者への研修を全国展開する考え。就職活動中の学生などへのセクシュアルハラスメント対策では、対策事例を収集・公表し注意喚起を図る。併せて、4年度から中小企業に義務化されるパワーハラスメント防止措置に関する実務的観点からの研修を進める予定である。

テレワ-ク定着の壁

読売新聞の主要企業へのアンケ-ト調査で、テレワ-クの課題や限界を指摘
する声が相次いだ。新型コロナウイルスの感染急拡大で、政府は改めてテレ
ワ-クの徹底を訴えているが、取り組みの定着へ向けては更なる環境整備が
欠かせない。

感染収束後にテレワ-クが縮小すると考えられる理由として、
□意思疎通について
・人材育成や組織運営、イノベ-シヨンの創出には対面コミュニケ-ション
も重要。
・テレワ-クでも業務効率に差はないが、より質の高いコミュニケ-ション
を求めることが予想され、出社率は自然と高まる。
・健康管理や業務指示、コミュニケ-ションの円滑化を目的として、テレ
ワ-クの一定の制限を設ける。

□効率について
・出勤した方が生産性が高いと思われる業務が存在する。
・テレワ-クに向かない業務が多い。
・対面の方が緊急時の迅速な判断や対応が可能である場面が多い。

□顧客対応について
・得意先の要請により、対面での打ち合わせが増えることが想定される。
・外部への提出書類が紙媒体である限り、出社を余儀なくされる。

などがあがった。

以上

特別条項超えて働かせ送検――兵庫労働局

兵庫労働局(荒木祥一局長)は、調理師1人に対して1日10時間、週6日勤務をさせていた飲食業者を労働基準法第32条違反の疑いで神戸地検に書類送検した。36協定の特別条項では上限を月75時間と定めていたが、毎月第3~4週目にはこれを超えることになり、最長で月90時間の時間外労働を行わせていた。労働者には採用の段階で、9~21時のシフト制勤務、休憩2時間、週休1日との労働条件を明示していた。

未払い残業代 400万円の支払い命じる――東京地裁

ヘッドスパサロンなどを営むRアイディア㈱(東京都渋谷区、竹澤陽代表取締役)で働いていた労働者が、新型コロナウイルスの影響で解雇された後に、未払い残業代の支払いなどを求めた裁判で、東京地方裁判所(佐藤卓裁判官)は同社に計400万円の支払いを命じた。営業開始45分前に始まっていた朝礼は労働時間に当たるとして、過去2年間分の残業代と付加金の請求を認めている。労働者は解雇直後に労働基準監督署に相談し、助言を受けていた。

最賃対応 助成金活用へ強化期間――東京労働局

東京労働局(土田浩史局長)は、今年10月1日に改定される最低賃金を周知して賃金引上げに関する助成金の活用を促進するため、9~10月を「最低賃金・支援策周知強化期間」に設定した。関東経済産業局と連携して助成金に関するワンストップ説明会を開催するほか、同労働局と管内労基署幹部が使用者団体などを直接訪問し、中小企業での助成金活用に向けた要請を行う。周知強化期間の設定は初めて。東京地方最低賃金審議会が改定後最賃を答申する際、中小企業における継続的な賃上げに向けて各種支援策の活用をさらに促進するよう同労働局に強く求めていた。

2021年春闘での労使交渉

読売新聞の調査によると、今春の労使交渉で決定した項目として最も多かったのは「初任給の引き上げ」で36.9%だった。「20~30代の定昇引き上げ」は27.7%あり、将来の競争力維持に優秀な人材の確保が欠かせない背景がみえる。

コロナ下では働き方改革についても労使双方で推進する流れが続き、今春では「労働時間の削減・有給休暇の推進」が31.7%、「テレワ-クや時差通勤の推進」が24.7%と、労働環境の改善を決めた企業が多かった。

業種別では、「労働時間の削減・有給取得の推進」を決めたのは製造業の26.7%に対し、非製造業は44.7%に達した。

コロナ禍は対面の営業活動や会議、満員電車での通勤などを刷新する機会になった。在宅やオンラインで仕事の効率化をどう実現していくか。新たな雇用形態や人事評価を含め、ニュ-ノ-マル(非常態)に向けた改革が求められている。

以上

団体交渉 他の組合同席は不当労働行為――千葉県労委

千葉県労働委員会(舩越豊会長)は、団体交渉の場に他の労働組合の組合員を同席させ、交渉を一任した使用者側の対応を、不当労働行為と認める命令書を出した。社会福祉法人千歳会の労働組合が懲戒解雇に関する団体交渉などをめぐり救済を求めた事件で、不誠実交渉に当たるとして、団交応諾やポストノーティスなどを命じている。交渉を一任されていたのは「首都圏青年ユニオン連合会」の組合員を名乗る男性で、千歳会労働組合によると、組合つぶしのために同法人が引き入れた労務コンサルタントだという。

女性活躍へ取組み強化――東京都

東京都は、今後強化していく施策を示した「『未来の東京』の実現に向けた重点政策方針2021」をまとめた。コロナ禍による経済情勢の悪化によってとくに女性の雇用に大きな影響があったことから、女性活躍推進に関する取組みをさらに強化するとした。短時間勤務制度やテレワークの導入など、多様で柔軟な働き方を推進し、仕事と家庭を両立しやすい環境づくりを加速する。具体的な内容は、年度内の策定をめざしている「『未来の東京』戦略 政策のバージョンアップ2022(仮称)」に盛り込む考え。

出生時育休制 就労は所定労働日数の半分――厚労省・改正育介法省令案

厚生労働省は、通常国会で成立した改正育児・介護休業法の運用に向けた省令事項(案)を明らかにした。新たに創設した男性労働者の「出生時育児休業制度」の施行日を令和4年10月1日とした。同休業中に認められた就業については、所定労働日数の半分以下とし、仮に使用者の意に反して労働者が同休業中の就業を希望しなかったとしても解雇その他の不利益取扱いをしてはならない。同休業開始予定日の前日までに就業可能日や就業時間帯を申し出る必要がある。

移籍前の勤務で期待生じない――東京地裁

東京都内のマンションで管理員として働いていた労働者が、雇止めは無効とビソー工業㈱を訴えた裁判で、東京地方裁判所(松浪聖一裁判官)は雇止めを有効と判断した。労働者は同社と有期労働契約を締結する前から、同マンションの管理員を務めていた。管理業務の受託先変更に伴い同社に移籍し、5年にわたって管理員として契約が更新され続けてきたと主張したが、同地裁は「移籍は契約更新まで保証したものとは認められない」と評価。契約更新に対する合理的期待はなかったとした。

建設現場集中監督 元請の安全管理不十分――東京労働局

東京労働局(土田浩史局長)は、建設業における死亡災害の急増を受けた緊急対策として実施した集中監督指導の結果を取りまとめた。法令違反が発覚した工事現場の8割で、下請への指導を行っていないなど元請の安全衛生管理面に不備がみつかっている。現場管理者への聞取りも行った結果、労働災害発生要因として実感する項目に「危険意識の低下」を挙げるケースが3割を超えた。このため、同労働局は、危険予知活動や職場巡視の徹底といった自主的な安全活動の実施を元請などに求めていく方針。

雇用仲介サービス業 法的位置付けを明確化――厚労省

厚生労働省は、事業内容の多様化と並行して利用が活発化している「雇用仲介サービス」の適正化に向けたルール作り、法的位置付けの明確化に取り組む方針である。労使双方が安心して利用するための環境整備に加え、雇用仲介サービス事業が労働市場に参画する際に依拠すべきルールを創設する考え。求人情報に関するトラブルでは、表記された労働条件と実態が異なるなどとするケースが全体の5割を占めている。

給与規程の変更は無効――東京高裁

栗田運輸㈱(東京都江戸川区、栗田浩一代表取締役)で働くトラックドライバー3人が、給与制度の変更を不服とした裁判で、東京高等裁判所(小野瀬厚裁判長)は変更を無効とした一審判決を維持し、同社に計143万円の支払いを命じた。同社は歩合給や家族手当をなくし、新たに固定残業代に相当する運行時間外手当を新設する給与規程の改定を実施した。同高裁は歩合給と家族手当の廃止により、通常の労働時間分の賃金が約3割減るのは不利益の程度が著しいと指摘。規程改定に合理性はないと判断した。

中小のDX推進加速を――商・中小施策要望

日本商工会議所(三村明夫会頭)は、中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望を取りまとめた。コロナ禍からの再起をめざし、ビジネスモデルの転換やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を支援するよう求めた。各社に適したデジタルツールを活用できるよう、IT導入補助金における賃上げ要件の緩和や補助率引上げなど同助成金の推進・改善を盛り込んでいる。デジタル技術導入を目的とした専門家派遣の拡充も要望した。

雇調金特例 失業率2.6%押下げ――3年版・労働経済白書

雇用調整助成金などによる完全失業率抑制効果は2・6%ポイント程度――厚生労働省がまとめた令和3年版の労働経済の分析(労働経済白書、副題=新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響)で明らかになった。完全失業率は昨年10月に月に3・1%に上昇しており、雇調金などの特例措置がなければ、5%を大きく超えていた可能性がある。テレワークに関しては、オフィスで働く場合より生産性・効率化が低下する傾向にある。

柔軟な働き方コロナ後も

日本経済新聞とパ-ソナルキャリアの調査で、新型コロナウイルス禍を機に働く場所についての認識が変化している様子が浮き彫りになった。

回答企業の5割はコロナ収束後もテレワ-クを恒久措置として続けると回答。
個人は若い世代ほど柔軟な働き方を企業選びの際に重視すると答えた。

コロナ禍で企業が新たに導入・拡大した働く場所についての施策では「ウェブ会議システムの整備」が最も多く、回答企業の79.4%を占めた。
「テレワ-クの導入・拡大」も68.1%と高く、47.3%はコロナ禍の収束後も継続すると回答。
テレワ-クの導入を機に転勤や単身赴任の廃止や中止を決定・検討している企業も1割前後あった。

働く場所が柔軟になるとオフィス見直しが進む。
企業にオフィスの在り方で検討している項目を聞くと、本社の移転・縮小が全体の11.5%を占めた。
特に東京都の企業の場合は21.5%と割合が高かった。

働き手の意識も変わってきた。
個人に「転職時に柔軟な働き方の整備を重視するか」を聞いたところ「重視する」「まあまあ重視する」と答えた人は20代で76.8%に達した。
若い人ほど割合が高いが50代も62.2%あった。

以上

年休5日の時季指定怠り送検――津島労基署

愛知・津島労働基準監督署(戸嶌浩視署長)は、労働者6人に対して年次有給休暇取得の時季指定を怠ったとして、給食管理業の栄屋食品㈱(愛知県あま市)と各事業場の責任者である店長3人を、労働基準法第39条(年次有給休暇)違反の疑いで名古屋区検に書類送検した。平成31年4月以降、年5日の年休取得が義務化されたにもかかわらず、複数の労働者から取得できないとの相談が寄せられていた。取得調整が十分可能であったとして、10人以上の3事業場の店長のみ送検対象としている。取得義務についての送検は県内で初めて。

採用過程の期待権侵害認める――東京地裁

採用条件変更の一方的な通告は不法行為に当たるとして、求職者が仮想通貨交換業のフォビジャパン㈱を訴えた裁判で、東京地方裁判所(布施雄士裁判官)は期待権侵害を認め、同社に60万円の損害賠償を命じた。求職者は中途採用面接を受け、同社の取締役から月給39万円と提示をされたが、入社予定日の直前になって、月給30万円になると通告を受け、労働契約を締結しなかった。同地裁は求職者には前職を上回る待遇での採用が確実との認識があったと指摘。一方的な通告によって失職していた期間に受け取れていたはずの給与額を損害と認定した。

マルチジョブホルダー 高齢者に雇用保険適用――厚労省方針

厚生労働省は、令和4年1月1日からマルチジョブホルダーである65歳以上の高年齢労働者に対して、雇用保険の特例適用制度を試行する。1週間の所定労働時間が20時間未満である労働者は、雇用保険制度から適用除外されているが、2つの事業所の週所定労働時間を合算して20時間以上の高年齢労働者を新たに対象とする。事業主が労働時間を把握し、手続きを行うのは困難であるとし、労働者本人が申出る必要がある。

氷河期世代対策 正社員就職6000件超えに――大阪労働局

大阪労働局(木暮康二局長)は、昨年度からスタートした「就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム」の取組み状況を公表した。ハローワークの職業紹介による正社員就職は6868件に上り、1年当たりの目標とする5600件を上回っている。若手の獲得が難しい企業や、氷河期世代に当たる年齢層が薄い企業で採用に至っているケースがめだつ。同労働局では昨年度の結果を踏まえ、今年度は面接会のさらなる充実をめざすとしている。

定年までの賃金支払命じる――東京地裁

㈱ディーエイチシーで働いていた労働者が、懲戒解雇処分を不服とした裁判で、東京地方裁判所(生田大輔裁判官)は処分を無効と判断し、同社に賃金計1200万円の支払いなどを命じた。労働者はタイムカードの改ざんなどを理由に平成30年7月に懲戒解雇となった。同地裁は「処分を正当化するほど企業秩序に重大な悪影響を生じさせるものとまでは認められない」と指摘。懲戒解雇を無効と判断し、定年となる令和元年11月までのバックペイ支払いを命令している。

天災対応 定期的に従業員訓練実施――東京都

東京都は、地震などの自然災害発生時における社員の帰宅抑制に積極的に取り組む企業の事例集を作成した。平成30年度に創設した「一斉帰宅抑制推進企業認定制度」の認定企業の取組みをまとめたもの。3日分の備蓄品を廊下やロッカーなどの空きスペースに分散して管理したり、緊急時に慌てずに行動できるよう定期的に訓練を実施したりしている企業がめだつ。災害時の初期行動などをまとめたカードを従業員に配布し、携帯させるケースも多い。

紛争解決援助制度 パワハラ関連が3割強――神奈川労働局・令和2年度集計

神奈川労働局(川口達三局長)が取りまとめた令和2年度の雇用均等関係法の施行状況で、労働局長による紛争解決援助件数計69件のうち、パワーハラスメントに関するものが3分の1の23件を占めていることが分かった。会社側が対策を講じたにもかかわらず、労働者から対応が不十分と申し立てられるケースがめだつとしている。仮に会社としての対応が十分だった場合、紛争解決に向けて再発防止策への指導、当時者が顔を合わせずに済む業務の振分けなどの助言を行っている。

元職場へ復職させる義務なし――東京地裁

福祉輸送専門のバス会社に勤める労働者が、休職明けに元の職場へ復職させなかったのは違法と訴えた裁判で、東京地方裁判所(三木素子裁判長)は元の職場に復職させる義務はないと判断した。労働者は精神疾患で休職に入り、休職中に降格処分を受け営業所から本社に配置転換となった。訴訟提起前に降格を不服とする労働審判を申し立て、降格前の賃金支払いを受ける地位のみを確認する審判が確定していた。同地裁は審判により配転は確定していると指摘。営業所でなく本社に復職させたとしても、復職配慮義務違反は認められないとしている。

労災保険特別加入 フードデリやIT人材も対象に――厚労省

厚生労働省は、労災保険の特別加入制度の対象範囲を急ピッチで拡大している。今年4月から芸能従事者、アニメーション制作従事者、柔道整復師など合計約30万人に対象を広げたのに続き、新たにフードデリバリーを含む自転車配達員やフリーランスの情報サービス事業者合計約30万人へ拡大する考えだ。働き方の多様化や社会経済の発展に向けてフリーランスを有効活用するのが狙い。就業保護を強めて安心して働ける基盤を整備する。

雇用のミスマッチ拡大、コロナ禍での円滑移動に壁

総務省が5月14日発表した労働力調査によると2021年1月~3月の失業者214万人のうち、
「希望する種類・内容の仕事がない」と答えた人は64万人と30%あった。

2019年の調査では20%台後半だったが、
新型コロナの感染拡大が雇用市場に影響を与えた2020年~2021年は3割台が続いている。
就職を希望するが求職活動をしていない人も全体の37%にあたる95万人が
「適当な仕事がありそうにない」と理由を答えている。

一方で、出産・育児や介護・看護のために求職活動をしていない人は大きく減った。
新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中で、
雇用吸収力が大きかった飲食や宿泊など一部のサ-ビス業では雇用が蒸発。
他方で医療・福祉などは直近の2021年3月も有効求人倍率が2~3倍とコロナ禍でも引き続き強い。

デジタル・トランスフォ-メ-ション(DX)に関連した職種も求人は堅調だが、
働き手の希望やスキルが一致せず、労働移動が進まない状況になっている。

2021年1月~3月期で失業が1年以上になった人は、前年同期比8万人増の65万人になった。
6カ月~1年未満の人も39万人と13万人増えており、
コロナ禍で職を失った人が再就職しづらい状況となっている。

以上

「管理監督者」で是正勧告受ける――熊本市

熊本市は、36協定を超えて時間外労働を行わせていたなど3つの法違反があり、熊本労働基準監督署から是正勧告を受けて改善を図ったと公表した。時間外手当の誤支給が発覚したほか、管理監督者に準ずる者として協定の適用外としていた人事職員について、同労基署から「除外対象に当たらない」と指摘を受け、月122時間に及んでいた時間外労働の改善を求められている。併せて同市職員が斜面から滑落した労働災害についても是正勧告を受けた。

建設業 賃金上昇率2%実現へ

国土交通省と建設業の業界団体は、建設技能労働者の賃金水準2%引上げに向けた取組みを本格化する。国交省はこのほど、総務省との連名で、ダンピング対策のさらなる強化などを地方公共団体に対して要請した。日本建設業連合会がおおむね2%以上の賃金上昇に向けた下請契約の締結に取り組むことを決議しているほか、全国建設業協会でも、下請会社への指導などを行うことを事業計画に盛り込んでいる。今年3月に開いた赤羽一嘉国交大臣と建設業4団体の意見交換会において、担い手の確保に向けておおむね2%以上の賃金上昇をめざすことを確認していた。

脳・心疾患労災認定基準 勤務時間の不規則性重視――厚労省

厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定基準を20年振りに見直す方針を明らかにした。労働時間の長さ以外の負荷要因である「勤務時間の不規則性」を総合的に考慮して業務上外を判断するとした。具体的には、拘束時間の長い勤務、休日のない連続勤務、勤務間インターバルが短い勤務、不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務――を挙げている。出張の多い業務においては、とくに4時間以上の時差を伴うケースは、過重負荷判断に当たって重視すべきとした。

介護職確保策 週休3日制の本格導入開始――宮城県

介護人材確保の緊急アクションプランに取り組む宮城県では、今年度からモデル事業所5社で「週休3日制度」の本格導入を開始した。1日10時間勤務とし、賃金水準は保ったまま年間約50日の休日増を見込む。メリットとして連休取得の実現や、同時に働く人数が増えた結果、残業削減につながったケースがみられる。一方、身体的負担や欠員へのフォロー体制などの課題も挙がっている。来年にはノウハウや課題解決策をまとめたハンドブックを作成する予定で、さらなる改善と普及をめざす。

退職金 5割超える減額は無効――東京地裁

エイブル保証㈱で働いていた労働者が退職金の減額は違法と訴えた裁判で、東京地方裁判所(矢島優香裁判官)は5割を超える減額は無効として、165万円の支払いを命じた。労働者は元部下が経営する取引先から、クラブでの接待を繰返し受け、気に入った外国人ホステスのビザ更新のため、在職証明書の偽造を依頼したことで諭旨退職となった。同地裁は懲戒解雇事由があると認めたものの「勤続の功をすべて抹消するほどの著しい背信行為とまではいえない」と評価。5割を超える減額は無効とした。

契約不更新問題 業務委託講師も労働者――中労委

中央労働委員会第一部会(荒木尚志部会長)は、大手予備校の河合塾で業務委託契約に基づく講師として業務に従事していた労働組合書記長が出講契約を打ち切られたとして救済を求めた紛争で、学校法人河合塾(愛知県名古屋市)の対応を不当労働行為と認定した。委託契約講師の労働者性を認め、組合員であることなどを理由とした不利益扱いに該当するとして原職復帰とバックペイを命じた初審判断を維持している。講師は法人の事業遂行に不可欠な労働力として組織に組み入れられていたほか、委託契約を法人が一方的・定型的に決定していることなどを重視した。

労組の除名処分は違法――東京地裁

東京都内のタクシー会社に勤める労働者が、労働組合の除名処分を不服と訴えた裁判で、東京地方裁判所は除名を無効・違法と判断し、同労組に慰謝料33万円の支払いなどを命じた。紛争は同労組が第2組合を設立しようとした労働者を除名し、ユニオンショップ協定に基づき会社に解雇するよう求めたことで起きた。同地裁は除名の前提となる理由はなく、手続き的相当性も欠くと指摘。解雇要求についても、同労組は他の労組に所属する労働者をユシ協定によって解雇できないと認識しており、不法行為が成立するとしている。

建設業で死亡災害倍増――東京労働局

東京労働局(土田浩史局長)は、建設業における死亡労働災害が前年に比べて約2倍に増加していることから、今年7月末までを対象期間とする死亡災害撲滅に向けた緊急対策を展開する。同労働局と管内労働基準監督署が工事現場に対して集中的な指導を実施するほか、大手建設業者との連絡会議などを開き、労災防止への対応を求めていく。建設業関係団体に対しては、建設事業者の取組みとして、現場の集中的な安全点検の実施や統括管理の強化、墜落・転落防止対策の徹底などを要請している。

育・介法改正案成立 男性に最大4週の育休――通常国会

6月16日に閉幕した令和3年通常国会で、厚生労働省が提出していた育児・介護休業法改正案が原案通り成立した。男性の育児休業取得促進のために、子の出生直後の時期に柔軟な取得を可能とする制度の創設が柱である。子の出生後8週間以内に4週間まで休業取得することができ、2回まで分割できる。小規模事業の労働者でも利用できるよう、代替要員確保や雇用環境の整備などに対して支援を行い、事業主の負担に配慮した制度運営を行うとしている。

SNS「炎上」 経営上のリスクに

SNSへの書き込みによる「炎上」が企業経営上のリスクに――厚生労働省の「技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会」(守島基博座長)は、SNS上で外部に不満を訴え、企業が損害を受ける可能性が高まっているとする報告書案をまとめた。社内で不満を表明しやすく、しかも表明しても不利にならない雰囲気と企業文化を醸成する必要があるとした。相談窓口を設け、実際に機能させることが重要である。社内でのSNS利用を制限するのも不信感につながる。

労災手続き問題 元請は使用者に当たらず――中労委

中央労働委員会第3部会(畠山稔会長)は、建設工事の2次下請に雇用されている労働者の労災手続き問題に関する団体交渉に元請が応じなかった事案で、元請の不当労働行為を認定した初審命令を取り消し、救済申立てを棄却した。労働保険徴収法や労災保険法には元請負人のみを数次の請負事業の事業主とするという規定はあるものの、下請の従業員の労働条件決定や労務管理上の指揮命令とは関係がないと指摘。徴収法などの規定を根拠として、元請が労働組合法上の使用者に当たるとはいえないとした。

労働時間認定 持帰り残業へ留意点――厚労省が質疑応答・事例集

厚生労働省は過労死等の労災請求事案の労働時間認定に係る質疑応答・事例集を作成し、都道府県労働局労災保険課長に通知した。14個の質疑応答と7つの参考事例を載せており、これらを活用しながら適切な労働時間認定に努めて欲しいと要請している。質疑応答では、いわゆる持帰り残業や出張先のホテルでの作業、自宅でのテレワークなど、具体的な事案ごとの基本的な考え方と調査上の留意点を指摘。事例集は実際の認定事例をもとに、労働時間を認定する際のポイントを示している。

大卒男性が22.7万円――厚労省令和2年 賃構・初任給調査

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、通勤手当を含む男性の初任給は大卒が22.7万円、大学院卒が25.4万円、高卒が18.0万円だった。大卒の企業規模別の水準は大企業が23.0万円、中企業が22.8万円、小企業が21.1万円であり、大企業との差は順に1900円、1.9万円と小さくない。前年比を求めると、大企業は6200円(2.8%)増、中企業は5400円(2.4%)増、小企業は1500円(0.7%)減だった。都道府県ごとの平均額についてみると、男性では22万円台に14地域が、女性では21万円台に17地域が集中している。

公益通報者保護 不利益取扱い禁止規定を――消費者庁

消費者庁は改正公益通報者保護法の指針案を公表した。大企業の義務となる内部公益通報体制の整備について、通報者への不利益取扱いを禁止する規定などを設けなければならないとしている。不利益取扱いした行為者に対しては、被害の程度を考慮し、懲戒処分を含めた適切な措置の実施を求めた。改正法は昨年6月に成立したもので、労働者数が300人以上の大企業に内部通報体制の整備と、公益通報に対応する担当者の選任を義務付ける内容。施行は令和4年を予定している。

コーポレートガバナンス・コード 「労働環境への配慮」を明記――東証

東京証券取引所は、来年4月から適用するコーポレートガバナンス・コードの改定案を明らかにした。上場会社は、社会・環境のサスティナビリティ(持続可能性)向上に向けて、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮、公正・適切な処遇の実現へ「積極的・能動的」に取り組む必要があると規定している。コロナ禍を背景に従業員の働き方の見直しが進んでおり、ニーズに対応した社内環境整備が求められるとした。

新型コロナウイルスの影響で求人数、業種と職種で明暗

3月の有効求人数は全国で約201万人と前年同月比10%減少した。
このうち「販売の職業」は約19万人で前年同月比20%、
「サ-ビスの職業」は約47万人で前年同月比16%と大幅に減少した。

一方、医療や情報通信、建築などの「専門的・技術的職業」は約45万人と
前年同月比6%減にとどまった。

また、コロナ禍前から人手不足が深刻だった「建設・採掘の職業」は
約12万人で前年同月比で17%増えた。

総務省の労働力調査によれば、2020年の転職者数は319万人だった。
転職者は増加傾向で2019年は351万人と比較可能な2002年以降で過去最多だったが、
コロナ禍で労働移動が停滞した。

今後はニ-ズの高い分野に人材移動を促すことが必要となる。
医療分野や在宅ニ-ズで需要が見込まれる情報通信関連などが受け皿に挙がる。

さらに、カギになるのが職業訓練で、パ-ソナル総合研究所のアジア太平洋地域の
14カ国・地域を対象とした2019年の調査では、勤務外で学習や自己啓発を
行っていない就業者の割合を見ると日本は46%だった。
14カ国・地域の平均13%より大幅に高く、職業訓練の余地は大きい。

以上

大手の大卒実在者賃金 55歳56万円がピーク――中労委・令和2年 賃金事情調査

大手企業の賃金実態を調べている中央労働委員会の「賃金事情調査」によると、大卒の事務・技術(男性)の実在者平均所定内賃金は、22歳22.1万円、35歳39.1万円、45歳49.6万円、55歳56.1万円などとなった。22歳を除くすべての年齢階級で前年比で減少し、とくに45歳以上では1.6~4.5%ダウンしている。ピークを迎える55歳の水準は、初任時22歳と比べて2.54倍となり、0.05ポイント減少した。家族手当については、配偶者もしくは第1子を指す「第1順位」の支給額が1万6300円で、6年前の前回調査と比べて1100円(6.3%)減少した。

22年度大卒初任給 総合職で22万円超える――労働新聞社

2022年3月卒業見込みの大卒求人初任給を労働新聞社が調べたところ、総合職の平均は22万826円となった。原則として全国転勤型のサンプルを集計したもので、前年に比べて約1600円伸び、初めて22万円台に乗せている。引上げを実施した企業の割合は、全体の23%だった。伸び幅こそ低下したもののその他の職種も総じて上昇傾向を示しており、技術系は2400円増の22万3281円、一般職は900円増の19万1160円、営業職は1000円増の23万3822円となっている。

テレワーク 「週3日・7割以上」を認定――東京都

東京都は、感染症の拡大防止に有効なテレワークの定着を図るため、「週3日・社員の7割以上」のテレワークを3カ月間実施した中小企業を「テレワーク・マスター企業」として認定する制度を創設した。認定企業に対しては、東京都のホームページでPRするほか、通信費や機器・ソフト利用料などの経費に基づいて算定した最高80万円の定額の奨励金を支給する。認定を受けるには、テレワークの実施予定人数などを記載した計画エントリーシートを事前に提出する必要がある。

ジョブ型インターン 事前に職務・条件示す――文部科学省

文部科学省は、今年度後期からの試行を予定する大学院生向けのジョブ型研究インターンシップについて、参画する企業、大学、マッチング機関に向けたガイドライン案を取りまとめた。有給かつ2カ月以上の実施を前提に雇用契約を結ぶ仕組みと定義し、当面の間は理工農系の博士課程学生のみを対象とする。募集に際してはマッチング支援機関を介してジョブ・ディスクリプションを提示するなど、詳細な運用ルールを定めた。終了後は成果を評価して証明書を発行し、採用選考活動にもつなげる。

週休3日制推進を提言――自民党

自民党の一億総活躍推進本部(本部長・猪口邦子参議院議員)は、希望する労働者の休日日数を週3日とする、選択的週休3日制の推進を政府に提言した。休日を増やすことで、リカレント教育を受ける機会が増えると見込んでいる。政府は企業が自主的に導入できるよう、導入事例の横展開などを図るべきとした。選択的週休3日制については、政府の経済財政諮問会議でも有識者議員が導入推進を提案していた。今年の骨太の方針に盛り込むとみられる。

新規申立てが大幅増――都労委・令和2年不当労働行為審査

東京都労働委員会は、令和2年における不当労働行為審査事件の取扱い状況をまとめた。新規申立て件数が前年比2割増の116件に上り、全国の申立件数の4割超を占めた。一方、終結件数は和解事案の大幅な減少が響き、同20件減の79件に留まっている。新規申立て件数の増加と終結件数の減少について都労委事務局は、コロナ禍による経営状況と労働環境の悪化などが背景にあるとみている。

独自ガイド活用し厳正対処――千葉労働局

千葉労働局(友藤智朗局長)は、今年度の重点対策として長時間労働の抑制を掲げ、独自に作成した働き方改革関連法に関するガイドブックを用いた是正指導、定期監督を推進する。新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しながらも、月80時間以上の時間外労働が疑われる事業場、長時間労働を理由とする労災請求があった事業場には、厳正に対処する方針だ。安全衛生対策にも力を入れ、前年度比で労災が10%増加した建設業に対し、現場ごとに重点対策の宣言を促す。

均衡料率が10%超える――健保連

主に大企業の労働者が加入する健康保険組合の連合組織である健康保険組合連合会(健保連)は、今年度の予算編成状況をまとめ、単年度収支がつり合う均衡保険料率が10・06%と、初めて10%を超えたことを明らかにした。健保組合の収入の合計は8兆1181億円、支出は8兆6279億円で5098億円の赤字となっている。保険料収入が前年度から2・6%減少する一方、前期・後期高齢者の医療費などに対する拠出金が3・6%増加したのが主な原因で、赤字の組合は77・9%に上っている。平均保険料率は9・23%、料率が10%以上の組合の割合は22・3%となった。

障害者雇用促進 テレワーク実施を支援――東京都

東京都は、都内中小企業の障害者雇用を後押しするため、テレワークの取組みを支援するモデル事業を開始する。これから障害者に対してテレワークを実施するモデル企業に対し、障害者雇用の専門家である「ナビゲーター」が、テレワークの導入計画の策定から導入、障害者の採用、定着までを継続的に支援する。1社当たり110万円を限度に、テレワーク機器や就労支援機器の購入費用などの助成も行う。

パワハラ対策強化へ個別訪問――埼玉労働局

埼玉労働局(増田嗣郎局長)は今年度、中小企業のハラスメント対策強化に乗り出す。すでにパワハラの防止措置が義務化されている大企業への個別訪問に加えて、過去に同労働局管内の窓口に相談が寄せられた中小企業も対象とし、来年度の防止措置適用に向けて助言指導を行う。新型コロナウイルスの影響を考慮してオンライン・オフラインを組み合わせたセミナーを開催するほか、12月の集中対策月間には個別相談会を開くなどにより、周知徹底を図る。

国家公務員が65歳定年に――政府

政府は国家公務員の定年年齢を段階的に65歳へ引き上げることなどを盛り込んだ、国家公務員法改正案を通常国会に提出した。令和5年度から2年ごとに1歳ずつ引き上げ、13年度に65歳とする内容で、60歳以降の賃金は当分の間、60歳以前の70%に設定。同時に、管理監督職は60歳までとする役職定年を設けるとした。定年引上げ法案の提出は昨年に続き2度目となる。昨年は検察幹部の定年を、政府の判断で最長3年延長できる特例に批判が集まり、廃案となっていた。

最賃の水準維持を要望――日商など3団体連名で

最低賃金は現行水準維持を――日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、全国商工会連合会の商工3団体は連名で、最低賃金に関する要望を取りまとめた。コロナ禍の収束が見通せないとして、今年度の最低賃金の審議について、現行水準の維持や、危機的な経済情勢を踏まえた新たな政府方針の決定などを求めている。賃金水準の向上を図るうえで「強制力のある最賃引上げを政策的に用いるべきではない」と主張している。

リモ-トワ-クでの顔出し要求を考察する

ある調査において、「あなたは、上司がテレワ-クの際に、会議で顔出しすることを強要することについてパワ-ハラスメントだと思いますか」と質問したところ、
「絶対に該当すると思う」「おそらく該当すると思う」と回答した20代が55.0%であったのに対して、50代では35.7%と世代間で19.3%のギャップがあった。

新型コロナ禍においてリモ-トワ-クが推奨されている中で、
「顔出しを要求することはパワハラ(リモハラ)に該当する」のだろうか。
この点については、職場では顔を隠しながら仕事をしている訳ではないことから、
そのことが直ちにパワハラに該当することにはならないのではないかと思われる。

特に、会議や打ち合わせの際であればコミュニケ-ションの円滑化という
必要性が認められる場合もあり、
リモ-トワ-ク中に顔出しをしなくてもよいという法的に保護される利益が
直ちに認められるとは考えにくく、
業務上何らの必要性がないにもかかわらず、
無用なプレッシャ-をかけてしまっているだけの
顔出し要求であると評価されるような場合でない限りは、
直ちにパワハラに該当するとは言えないのではないかと思われる。

以上

精神障害者雇用 半数が採用前に職場実習――愛知県

愛知県は、早期に離職する傾向が強い精神障害者の職場定着に向けて、定着度の高い同県内企業50社に対しヒアリング調査を実施した。半数近い企業が、採用前に職場実習を行っている。個別回答では、本人の特性に合った業務を切り出し、定期的な面談や声かけを実践している例がめだった。一方、精神障害者雇用が義務化された2018年以降に離職者のいた企業が7割に上るなど、厳しい現状にある。

未加入対策 法人登記簿を活用――年金機構

日本年金機構(水島藤一郎理事長)は令和3年度計画を決定し、厚生年金の加入逃れ対策として、新たに法人登記情報を活用する方針を明らかにした。これまで未加入企業の抽出のため、国税徴収データに加え、雇用保険の被保険者データを活用してきたが、洗い出しにさらに力を入れる。とくに、昨年度の計画策定段階で未加入が判明している事業所については、徹底した対応を実施し、今年度中の加入をめざすとした。コロナ禍への対応として、事業のオンライン化も進めるとしている。

中小のAI導入へ手引――経産省

経済産業省は、中小企業におけるAI(人工知能)導入を促進するため、製造業での部品外観検査と小売業・卸売業における需要予測の2領域を対象とした導入ガイドブックを作成した。中小企業が単独で導入できるよう、AI活用範囲の検討といった企画段階から導入・運用までの工程を明らかにしたうえで、各工程の留意事項を示している。外観検査の企画段階では、各製品の従来の検査時間などを洗い出して導入効果を比較し、AIを活用する製品を決定するとした。

フルタイム男性 ピークは42.0万円に――厚労省 令和3年賃構調査

厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査(概況)」によると、一般労働者・男性の所定内賃金は33.9万円で、前年から0.8%増加した。ピーク時の55~59歳の水準は42.0万円だった。全体的には1%以下の微増傾向を示したが、60~64歳では3.4%増とめだって伸びている。企業規模別にピーク時の水準をみると、大企業は48.5万円、中企業は42.0万円、小企業は34.9万円だった。大企業と小企業の格差は13.6万円と小さくない。

企業年金 死亡後受給権は子供に――最高裁

中小企業退職金共済などの企業年金の加入者の子供が、亡くなった加入者の退職金の支給は配偶者でなく自身が受けるべきと訴えた事件で、最高裁判所は子供の受給権を認める判決を下した。中小企業退職金共済法は加入者が死亡した際の相続順位について、配偶者を第1位と定めている。最高裁は同法の配偶者は、社会通念上夫婦として共同生活を現実に営んでいた者を指すと指摘。20年以上別居を続け、事実上の離婚状態にある配偶者には受給権が認められないと判断した。

令和3年度運営方針 経営事情踏まえ丁寧に対処――厚労省

厚生労働省は、「令和3年度地方労働行政運営方針」を作成した。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業に対する適切な労務管理指導を柱に据えている。感染症の影響による大量整理解雇に関する情報収集と関係部局間での情報共有に努める一方、法違反が認められた場合には、事業主に是正の必要性を分かりやすく丁寧に説明し、自主的な改善を促すとした。とくに中小企業に対しては、人材確保の状況などを考慮するものの、重大・悪質な法違反に対しては、司法処分も含め厳正に対処する。

同一労働同一賃金への中小企業の対応状況

正規と非正規雇用社員の不合理な待遇差をなくす「同一労働同一賃金」が
4月から中小企業にも適用された。

多くの企業がコロナ禍で業績が悪化しており、
非正規の待遇改善に伴うコスト増が経営の重しとなる可能性がある。

中小企業では総務や経理、人事などを社員1名が担当することもあり、
限られた人員で新制度を作る余裕がない場合が多く、手探り状態のスタ-トとなっている。

□ 中小企業の対応状況 / エンジャパン2020年12月~2021年1月調査
(四捨五入のため合計100%にならない)

◇ 対応が完了                          28%
◇ 現在取り組み中、これから取り組む  23%
◇ 対応を検討中              16%
◇ 対応が必要だが何をすべきかわからない  7%
◇ 対応が必要かわからない         6%
◇ 非正規雇用がなく対応不要          18%
◇ その他                 3%

以上

総合職転換 「機会なし」は女性差別――横浜地裁

一般職から総合職への転換制度があるにもかかわらず、女性労働者2人に転換の機会を与えなかったのは男女雇用機会均等法が禁止する性別差別に当たるとして、横浜地方裁判所(新谷晋司裁判長)は巴機械サービス㈱に各100万円の支払いを命じた。労働者が繰返し差別と指摘したにもかかわらず、転換要件や基準を示さなかったのは違法と判断している。一方、総合職との賃金差額の請求については、機会があったとしても、実際に転換できたかは分からないとして、請求を棄却した。同社はこれまで計65人を採用してきたが、総合職はすべて男性、一般職はすべて女性だった。

ダイバーシティ経営――経産省

経済産業省は、多様な人材が能力を発揮できる環境を整えて価値創造につなげる「ダイバーシティ経営」を推進するため、中堅・中小企業の取組みに関する新しい診断ツールを作成した。ツールは、取組み状況を見える化する「診断シート」と、シート活用時の留意点などをまとめた「手引き」で構成。シートでは、経営者の取組みや人事管理制度の整備状況などを点数化して把握し、改善方法を記入する。企業支援に当たる社会保険労務士など専門家による活用を想定している。

「無期転換ルール」見直し――厚労省・検討会設置

厚生労働省は、改正労働契約法第18条の「無期転換ルール」改正に向け、学識経験者で構成する検討会をスタートさせた。無期転換前の雇止め対策、クーリング期間のあり方、無期転換後の労働条件確保などについて、さらにルールを整備する意向である。改正労契法施行後8年が経過し、ルール見直しの時期が来ている。調査によると、30%強の企業が無期転換申込みに応じているものの、8%強が労働契約期間通算5年を超えないよう運用しているのが実態である。併せて、多様な正社員制度も見直す。

試用期間途中の解雇は有効――東京地裁

東京都内の有料老人ホームで働いていた労働者が、試用期間途中での解雇の無効を訴えた事件で、東京地方裁判所(上村考由裁判官)は解雇を有効と認める判決を下した。労働者が同僚の胸ぐらをつかみ「お前やんのか」と暴言を吐いた行為を、介護職員としての適格性を欠くと指摘。試用期間中の勤務によって「採用前には知ることができなかった不適格性を知るに至った」として、試用期間中に認められる留保解約権の趣旨・目的に照らし、行使は正当と判断した。

はしご適正使用を徹底――東京労働局

東京労働局(土田浩史局長)は来年度、建設業における労働災害の減少に向けて、「はしご」や「脚立」の適切な使用を重点的に指導する方針だ。他産業では転倒災害が多いのに対し、建設業では低所からの転落災害が多発しているため、その要因となっているはしごなどの適切な使用を求めていく。個別指導のほか、業界団体を通じた集団指導を通じて、はしご・脚立使用時のチェックリストの活用を呼び掛けていく。

青少年雇用対策指針 早期離職でキャリア自律――厚労省

厚生労働省は、令和3年度から5年間適用する「青少年雇用対策基本方針」を作成し、入職後早期に離転職する若年者へのキャリア支援強化を打ち出した。企業の職場情報および職業情報の見える化を図ったうえで、入職後早期のキャリアコンサルティングの実施、早期離転職者を念頭に置いた新卒応援ハローワークでの職業相談対応などを具体策として挙げている。従来、職場定着対策を重視してきたが、早期離職がかえって若年者のキャリア自律を促すケースが少なくないとの見方に転換した。

通勤手当 派遣への不支給は適法――大阪地裁

㈱リクルートスタッフィングの登録型派遣で働いていた労働者が、派遣元正社員との間にある通勤手当の支給有無に関する差を不服として訴えた裁判で、大阪地方裁判所(中山誠一裁判長)は、不支給は旧労働契約法第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)に違反しないと判断した。同社の通勤手当の趣旨を、時給額改定の経緯・歴史から、配転命令の対象となる従業員の不利益緩和と、求人への魅力的な労働条件提示と指摘。派遣労働者と正社員は職務内容や配転の範囲も大きく異なるため、不支給に不合理性はなかったとしている。

建設業 偽装一人親方の排除へ――国交省

国土交通省は、建設業の一人親方問題に関する検討会の中間取りまとめ案を明らかにした。社会保険加入などの規制逃れを目的とした「偽装一人親方化」を防止するため、下請指導ガイドラインを改正するとした。実態が雇用形態であることが明らかであるにもかかわらず、技能者を一人親方として働かせている企業を下請企業に選定しない取扱いとするほか、適正な一人親方の例を具体的に示す。現場入場時には、自己診断チェックリストを用いて働き方が適正かどうか確認する考え。

賃上げの流れ維持と評価――21年・春季労使交渉――

2021年の春季労使交渉の集中回答日となった3月17日、金属労協の髙倉明議長は、8年連続となった賃上げの流れを継続できたと述べるとともに、格差是正の取組みが定着してきていると評価した。ベースアップの平均回答額は、翌日18日時点で1138円と、前年同期に比べ78円高かった。一時金については、平均4・94カ月と前年より0・16カ月低いが、4組合が前年を上回ったとした。

テレワーク実態調査 6割が自己申告方式活用――品川労基署

東京・品川労働基準監督署(尾城雄二署長)は、テレワークにおける労働時間管理や長時間労働の対策状況を把握するため、情報通信業を中心に管内約150事業所の実態を調査した。労働者からの自己申告方式によって労働時間を把握している事業所が約6割と多数を占めている。同方式を併用する形も含め、勤怠システムなどを用いて客観的な方法で管理している事業所は5割強に留まった。長時間労働対策として、深夜・休日にシステムへのアクセス自体を制限している企業は1事業所のみだった。

マタハラ 慰謝料30万円支払いを命じる――東京高裁

社会福祉法人緑友会で保育士として働いていた労働者が、育児休業からの復帰直前での解雇を不服とした裁判で、東京高等裁判所(後藤博裁判長)は解雇を無効とした一審判決を維持した。一審に引き続き、バックペイなどに加え、慰謝料30万円の支払いを命じている。男女雇用機会均等法が禁止する出産1年以内の解雇に当たるなど、労働者の精神的苦痛は大きかったと判断し、慰謝料請求を認容した。同法人は解雇日がたまたま産後1年以内だったと主張したが、同高裁は「出産を理由とした解雇でないとの証明がない」と退けている。

変容する長期雇用 人材投資「限定化」を懸念――厚労省が第11次能開基本計画案

長期雇用システムの変容と非正規労働者の増加に対応した人材育成システムの形成を 厚生労働省は、令和3年度から5年間を適用対象とする第11次職業能力開発基本計画案をまとめた。企業の人材開発投資が今後「限定的」になっていくことが懸念されるとし、国は訓練経費などを助成することによって、企業内・業界内の職業訓練を積極化させる必要があるとしている。実践的な職業能力の開発に向け、企業による計画的なOJT、Off-JTの機会確保が依然として重要と訴えた。

手当不支給 不当労働行為と認める――東京地裁

障害者の就労継続支援B型事業所を運営するNPO法人せたがや白梅が、東京都労働委員会による救済命令取消しを求めた裁判で、東京地方裁判所(春名茂裁判長)は都労委の命令を維持し、組合員への役職手当不支給などは不当労働行為に当たると判断した。同法人では主任に月5000円の役職手当を支給していたが、平成29年4月、組合員である労働者への支給を停止。同法人は降職によるものと主張したが、同地裁は「不利益取扱いが人事権行使として適法だとしても、組合活動を嫌悪して行われた場合は不当労働行為が成立し得る」と退けている。

自動車運送事業 健康起因事故に行政処分――国交省

国土交通省は、トラック、バスなどの自動車運送事業において運転者の脳・心臓疾患などが原因で運転を継続できなくなる事案が増加しているため、運送事業者に対する行政処分の基準を改正する。運転者に健康診断を受診させず、健康状態の適切な把握を行わないまま重大事故を引き起こしたケースを新たに対象に加え、初違反で40日車、再違反で80日車の車両使用停止処分とする。今年3月中に通達を発出し、4月1日に施行する方針。

JAM 中小のベア要求4千円超に 全体平均200円上回る・UAゼンセン パート時給は37円に

コロナ禍で迎える2年目の春季労使交渉で、格差是正をめざす中小企業単組の要求が大手を上回る傾向が明らかになってきた。機械・金属の産業別労働組合JAMの集計では、ベアに相当する改善要求額が300人未満で平均4354円となり、全体計の4140円を約200円上回っている。小売・外食などを含むUAゼンセンでは、ベアを含む引上げ率が300人未満で3・25%となり、300人以上の3・17%を超えた。パートタイマーの引上げ率は3・70%(時給ベースで37・1円)で、正社員を0・53ポイント上回っている。

エンゲ-ジメント

2021年版「経団連中労委報告」の中で、「働き手一人ひとりのエンゲ-ジメントを向上させ、労働生産性を高めていく働き方改革フェ-ズⅡを推進していくことが大切である。」という中西会長の序文がありました。
今回はその「エンゲ-ジメント」を2つの側面から定義したコメントを紹介します。

① 従業員エンゲ-ジメント
アメリカ最大の調査・コンサルティング会社ギャラップ社が全世界のビジネスパ-ソンを調査し、組織に対する信頼感や愛着等(従業員エンゲ-ジメント)を測る「12の質問(下記参照)」を導き出し、公表したことで広く知られるようになりました。
従業員エンゲ-ジメントの高い職場は業績も高いと分析されています。

② ワ-ク・エンゲ-ジメント
心理学や産業保健心理学分野で提唱されるようになった新しい考え方。
ワ-クエンゲ-ジメントが高い人とは、「仕事に誇りややりがいを感じている(熱意)」「仕事に熱心に取り組んでいる(没頭)「仕事から活力を得ていきいきしている(活力)」の3つが揃った状態の人で、心身ともに健康で、仕事や組織に積極的に関わり、バフォ-マンスを有しているとされています。

従業員エンゲ-ジメントを測る12の質問は下記の通りです。
従業員の定着率に影響を与える質問には〇、特に業績に影響を与える質問には□が付してあります。

Q1: 〇□ 職場で自分が期待されているのを知っている
Q2: 〇□ 仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている
Q3: 〇□ 職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
Q4: 〇□ 上司または職場の誰かが、自分を一人の人間として気にかけてくれているようだ
Q5:  □ この7日間のうちに、よい仕事したと認められたり、褒められたりした
Q6:  □ 職場の誰かが自分の成長を促してくれる
Q7: 〇   職場で自分の意見が尊重されているようだ
Q8:     会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
Q9:     職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
Q10:   職場に親友がいる
Q11:   この6ケ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
Q12:   この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった

以上

2年間で11件労災かくし――関労基署

岐阜・関労働基準監督署(米山宏治署長)は、2年間で11件の労働災害を起こし、いずれも報告しなかった菓子製造業のタンドール製菓㈱(岐阜県美濃加茂市、391人)と同社専務取締役を、労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで岐阜地検に書類送検した。立件対象としたのはそのうち2件の労災で、休業が100日を超えたケースもあり、悪質と判断して送致に至っている。すべての労働者死傷病報告が未提出のまま、労災保険の手続きをしたことで違反が発覚した。

「労務管理責任者」選任へ――国交省・法案提出

国土交通省は、海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律案を国会に提出した。船員の働き方改革に向けて、船員を使用する船舶所有者に対して「労務管理責任者」の設置を新たに義務付ける。選任された同管理者は、船員の労働時間や休息時間、休日などに関する記録簿を作成するほか、労働実態を踏まえ、使用者に対して労働時間の短縮や有給休暇の付与などの措置を提言する。

求職者支援制度 給付金支給要件を緩和――厚労省

厚生労働省は、シフト勤務が減少したり、休業を余儀なくされた大企業の非正規労働者などを対象に、今後のステップアップを支援する新たな雇用・訓練パッケージを明らかにした。求職者支援制度における職業訓練受講給付金の月収要件を現行月8万円から12万円に引き上げるほか、訓練期間や内容の多様化・柔軟化を図る意向である。ハローワークには「コロナ対応ステップアップ相談窓口」(仮称)を設置し、ワンストップで就職支援などを行うとした。

傷病手当金 通算1年半受給可能に――厚労省

厚生労働省は傷病手当金の支給期間の通算化などの内容を盛り込んだ、健康保険法等の一部改正法案を通常国会に提出した。現行制度では、受給が可能な期間を支給開始日から1年6カ月としているが、法案は支給開始日から通算して1年6カ月受給できるとしている。職場復帰により一旦手当が不支給になり、その後同じ疾病・負傷で再度手当を受給する場合、職場復帰していた期間を除いて1年6カ月、手当の受給が可能になる。がん治療では、再発により入退院を繰り返すケースが多く、通算化を求める声が多数挙がっていた。施行は令和4年1月1日となっている

柔軟な働き方実現めざす――東京都

東京都は、長期的な政策方針を示した「『未来の東京』戦略(案)」を取りまとめた。2030年までの重点戦略に「誰もが輝く働き方実現」や「女性活躍推進」などを掲げている。時間・場所にとらわれない柔軟な働き方を実現するため、テレワーク導入から定着までの支援を展開するほか、企業が利用できるサテライトオフィスの充実を図るとした。女性や高齢者、外国人など多様な人材が希望に応じて働くことができる環境整備や、中小企業における“副業・兼業人材”の活用支援にも取り組む。

カスタマーハラスメント 省庁連携し対処マニュアル――厚労省

厚生労働省は、企業や労働者がカスタマーハラスメントおよびクレーマーハラスメントに対処するためのマニュアル作成に向け、関係省庁横断的な連携会議をスタートさせた。顧客や取引先からの暴力や悪質なクレームなどといった迷惑行為は、純然とした労働問題として捉えるべきか疑問視する見方がある。厚労省と労使に加え、経済産業省、国土交通省、消費者庁などが連携して対応する必要があるとした。職場のパワーハラスメントとの相違点を踏まえた実態調査を行い、令和3年度中にマニュアルをまとめる考えである。

休廃業・解散最多1万2千件

東京商工リサ-チの調査によると都内企業の2020年の休廃業や解散が1万2357件に上り(前年比2.8%増)6年連続で最多更新したことがわかった。

その大きな要因として、新型コロナウイルスの影響で経済の先行きが不透明になり、高齢の経営者が事業継続の意欲を維持できなくなったのではないかと分析している。
同社によると、休廃業・解散は倒産以外で事業を停止する事で、産業別では飲食、宿泊などを含む「サ-ビス業他」が最多の4,345件で全体の35.2%を占めた。
このうち飲食店は473件で前年比15.6%増だった。
次に多かったのは、情報通信業で1,303件で全体の10.3%、製造業が1,203件で全体の9.7%だった。

休廃業や解散した企業の代表者の年齢は70歳代が38.5%と最も多く、70歳以上が調査開始以来初めて全体の6割を超えた。
後継者育成が進まないまま、代表者が高齢化していることがうかがえる、と分析している。

以上

特別手当不支給は合法――東京地裁

企業買収のあっ旋などを営むGCA㈱(東京都千代田区、渡辺章博代表取締役)で働く労働者が、特別手当の不支給は違法な賃金減額と訴えた裁判で、東京地方裁判所(館洋一郎裁判官)は請求を全面的に棄却した。特別手当は降格に伴う賃金減額への配慮が目的で、支給の有無が使用者の裁量に委ねられている「任意的恩恵的給付」に当たると判断。不支給に当たって労働者の同意は必要ないとした。労働者は平成25年に解雇されたが、30年1月に解雇を無効とする判決が確定し、31年に復職していた。

離職者へ短期集中講習――東京都・21年度事業

東京都は2021年度、誰もがいきいきと活躍できる都市の実現をめざし、多様なニーズに応じた雇用対策・就業支援に重点的に取り組む。人材を確保したい業界団体と連携し、コロナ禍で離職した人に短期講習プログラムなどを実施して再就職につなげる事業を新たに開始する。労働者派遣の枠組みを通じて複数の職種を経験させながら、正社員としての就職を後押しする雇用創出・安定化支援事業については、対象者数を大幅に増やすとともに、対象者を正社員として採用した企業に助成金を支給する。

令和2年 送検事案約400件を公表――厚労省

全国の都道府県労働局が、悪質・重大事案として企業名を公表した司法処分事件が、令和2年の1年間で約400件に達していることが、厚生労働省のまとめで分かった。都道府県別では、東京の11件を大きく上回り、大阪が32件で最多となった。北海道も25件と大阪に次いで多くなっている。違反条項別では、労働安全衛生法第20条および第21条の「事業主の講ずべき措置等」の違反が約200件に上り約半数を占めた。同法第100条違反の「労災かくし」も44件と少なくない。

親族を過半数代表と偽る――関労基署

岐阜・関労働基準監督署(米山宏治署長)は、技能実習生2人に対して違法な時間外・休日労働を行わせたうえ、協定なく家賃や光熱費を賃金から控除し、さらに申告への報復として直後の賃金を支払わなかったとして、縫製業のカッティングセンター相川(岐阜県関市)の個人事業主を、労働基準法第32条(労働時間)および最低賃金法第4条(最低賃金の効力)違反などの疑いで岐阜地検に書類送検した。事業主は、自らの親族を過半数代表として36協定、賃金控除協定を結んだこととし、日本語がほとんど話せない実習生らには一切周知していなかった。

パート社員 契約社員へ転換認めず――中労委・初審命令変更

中央労働委員会第2部会(岩村正彦部会長)は、駅などの清掃会社が組合員をパート社員から契約社員に転換させなかった事案で、契約社員に登用されたものとして取り扱うこととした初審命令を変更した。同社の対応は、組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たらず、不当労働行為に該当しないとした。組合員は禁煙区域での喫煙をやめるよう指導された後も態度を改めなかったため、転換させなかったのは本人の勤務状況が原因で、会社の対応には合理性があると判断している。

障害者雇用納付金 100人以下企業に納付義務――厚労省

厚生労働省は、障害者雇用納付金制度の適用範囲拡大に向けて検討を開始した。同適用範囲は、これまで段階的に中小規模企業へ拡大してきたが、今回は常用労働者100人以下への適用が課題となっている。段階的適用に応じてその都度、障害者雇用が大きく前進する傾向がある。中高年層の障害者を長期継続雇用している場合の雇用率カウントを上積みすべきかも課題となる見込み。3つのワーキンググループを設置して専門的議論を進め、今年6月を目標に方向性を打ち出す。

過労死 取締役に賠償命令――東京高裁

治工具の製造販売を営む㈱サンセイで働く労働者が、脳出血で死亡したのは長時間労働が原因と遺族が訴えた裁判で、東京高等裁判所(北澤純一裁判長)は同社の取締役らへの請求を棄却した一審判決を変更し、同社と取締役1人に計2355万円の支払いを命じた。取締役は労働者の直属の上司だったが、発症の2カ月前の残業時間が月111時間、1カ月前が85時間に上っていたにもかかわらず、業務量を適切に調整するための具体的な措置を講じておらず、重過失があったと判断している。

違法な労働者供給 22人を受け入れて雇用――東京労働局

東京労働局(土田浩史局長)は、職業安定法で禁止されている労働者供給事業で受け入れた労働者を雇用したのち、さらに別の3社に労働者供給を行った派遣元事業主の㈱アクセル(大阪府大阪市)に対し、労働者派遣法に基づく事業停止命令と改善命令を行った。同社は、派遣事業などの許可がない会社と支配従属関係にある者22人を派遣労働者として雇用したうえで、別の3社と「労働者派遣契約」と称する契約を締結、労働者を3社の指揮命令下で労働させていた。

派遣労働待遇決定 約9割が労使協定方式――厚労省

厚生労働省は、派遣労働者に対する「同一労働同一賃金」の適用に当たり、派遣元が選択した「待遇決定方式」についての実態を初めて明らかにした。全体の9割近い圧倒的多数の派遣元が「労使協定方式」を選択し、「派遣先均等・均衡方式」は1割に満たなかった。「通勤手当」は、9割弱が実費支給、「退職金」は、5割強が前払い方式を選択していた。労使協定の締結相手は、9割以上が「過半数代表者」だった。

コロナ禍の副業

厚生労働省は昨秋、副業をする際、本業と副業で働く時間を合算したうえで労働時間の規制の対象とする運用指針を示した。

大手企業では、社員が副業に充てる時間に制限を設ける例が多いが、実際に本業の時間外の労働時間を正確に把握することは難しく、働く側の自主管理に委ねざるを得ないのが現状。

経団連が2019年に行った調査では、副業・兼業への懸念として「社員の時間管理が困難」「健康確保が図れない」ことなどが挙がった。
雇用の形式ではなく、請負契約で副業する人も多い。請負は労働基準法に基づく労働時間管理の対象ではないが、働きすぎとなる懸念があり実効性のある防止策の検討が必要となる。

また、多くの企業は副業する社員に対し本業で得た秘密を漏らさない、同業他社で働かないといった条件を定めている。それでも情報漏洩などを危惧して認めない企業も多い。
一方、副業を容認する企業が増えている背景には、すべての社員に十分な給料で終身雇用を続けることが難しくなっているという側面もあるとみられる。

マイナビが昨年行った企業の人事担当者への調査では、企業側が副業制度を導入した理由について、「社員の収入を補填するため」との回答が43.3%と最も多く、副業容認が待遇引き下げなどの方便として使われないよう用心する必要もある。

以上

時季変更権 夏休み期間中の行使は適法――東京高裁

都営バスの運転者を務める労働者が、年次有給休暇の取得を妨害されたことにより、持病が悪化したとして、東京都に200万円の損害賠償を求めた裁判で、東京高等裁判所(野山宏裁判長)は請求を棄却した一審判決を維持した。労働者は通院を理由に年休を申請したが、夏休み期間中はシフト確定後、個人で交代者を探すルールが長年の労使慣行になっているとして、都交通局は取得を拒否した。同高裁は定時運行が使命の業態で、代替要員確保が困難な期間中に原則時季変更権を行使する運用は、不合理といえないとしている。

労働者派遣 雇入れ時に訓練計画説明――厚労省

厚生労働省は、派遣元・先事業主向けの労働者派遣事業関係業務取扱要領の令和3年1月版と4月版を公表した。派遣法施行規則や派遣元・先指針の改正などを反映したもの。1月版では、派遣元に対して雇入れ時における教育訓練計画の明示と説明を求めたほか、派遣先は派遣先に課されている労働法令上の義務に関する派遣労働者からの苦情に誠実・主体的に対応しなければならないとした。4月版では、派遣労働者の雇用安定措置について、派遣元は本人から希望を聴取しなければならないと明記した。

M&A減税措置 給与引上げ額の25%控除――通常国会

政府は、令和3年度税制改正で、中小企業のM&Aや雇用確保促進に向けた減税措置を創設する方針である。経営資源集約化によって生産性向上をめざす事業計画の認定を受けた中小企業が、M&Aを実施した場合に、投資額の10%を税額控除する。M&Aに伴って行われる労働者の移動などの際に、給与などの総額を対前年比で2・5%以上引き上げると、その増加額の25%を税額控除する。M&A実施後のリスクに備えた準備金についても、投資額の最大70%を損金算入できるようにする予定だ。

5店舗12人に違法残業――大阪労働局

大阪労働局(木暮康二局長)の過重労働撲滅特別対策班(かとく)は、計5店舗でアルバイトを含む労働者12人に36協定を超える違法な長時間労働を行わせたとして、飲食店経営の㈱グルメ杵屋レストラン(大阪府大阪市)と実行行為者である5店舗の責任者1人を、労働基準法第32条(労働時間)違反などの疑いで大阪地検に書類送検した。時間外労働は最長の者で、月110時間に上っている。複数店舗で広範囲にわたって対策を怠っていたことを重くみて、かとくによる厳正対処となった。

緊急事態宣言発令 テレワーク強化期間に設定――東京都

東京都は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発令を受けて、緊急事態措置が終了する2月7日までを「テレワーク緊急強化月間」に設定した。事業主に対し、「週3日・社員の6割以上」のテレワーク実施や「出勤者数の7割削減」を要請するとともに、中小企業制度融資の拡充や、宿泊施設を活用する事業者への経費支援を実施する。たとえば、週3日・6割以上のテレワークに取り組む「東京ルール宣言企業」が制度融資を利用する際の保証料を全額補助する。

緊急事態宣言 雇用シェア出向に助成――厚労省

厚生労働省は、関東1都3県などを対象とする緊急事態宣言の発出に伴い各種経済支援策の拡充と新たな助成金制度を設けるとした。新設するのは産業雇用安定助成金(仮称)で、コロナ禍において事業が縮小し、労働者の雇用を在籍型出向により維持する事業主に対し、賃金や労務管理費用など最大10分の9を支援する。雇用調整助成金は、営業時間短縮に協力する大手飲食店などの助成率を最大100%に引き上げる。緊急小口資金・総合支援資金については、返済の開始時期を、最長で令和4年3月末まで延長するとした。

大卒・事務系 21.8万円で横ばい――経団連・東京経協 20年3月卒初任給調査

経団連と東京経営者協会が実施した2020年3月卒の決定初任給調査によると、大学卒・事務系は21万8472円、技術系は21万7864円だった。前年実績からの引上げ額はそれぞれ1531円、1185円で横ばいとなっている。初任給の引上げ改定をした企業は全体の42.6%で、前年調査と比較して14.6ポイント減少した。据置きとした企業が15.0ポイント伸び、57.4%となっている。決定に当たって最も重視した判断要因では、前回初めて2割に到達した「人材確保の観点」を挙げる割合が16.7%に低下した。

違法な引抜きと認めず――知財高裁

アパレル大手の㈱TOKYO BASEが、人事情報を不正に使用して従業員を引き抜いたとして、同社の元執行役員らを訴えた裁判で、知的財産高等裁判所(森義之裁判長)は請求を棄却した一審判決を維持した。元執行役員は退職後、同社の人材開発チームの元マネージャーと2人のデザイナーとともに、新たなブランドを立ち上げた。同社は違法な引抜きで損害が発生したとして160万円の支払いなどを求めたが、知財高裁は、勧誘は自由競争の範囲内であり、人事情報を使う必要性も認められないと判断している。

フリーランス保護 発注者の問題行為を明確化――政府

政府は、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(案)を作成した。独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法および労働関係法令の適用を整理し、問題行為を明確にしている。事業を発注する業者が優越的地位を利用して、報酬を減額したり、著しく低い報酬で一方的に決定するなどの行為は独禁法違反などとされる。労働関係法令では、労働基準法と労働組合法のそれぞれの労働者性判断を説明している。併せて、同ガイドラインに基づく契約書の雛形も示した。

「テレワ-ク実施率」

民間調査会社のパ-ソナル総合研究所がコロナ第3波に入った昨年11月に

実施したテレワ-ク実施率の調査結果によると、実施率は全国平均で

24.7%となり昨年4月の緊急事態宣言時より3.2ポイント下がった。

同研究所によると「出勤者数の7割削減はかなり高い目標だ」と指摘。

テレワ-クの実施は職種や会社規模による差が大きい。職種では、

企画・マ-ケティングやコンサルタント64.6%、ウェブデザイナ-61.4%

などで6割を超える一方、現場作業員6.2%、ドライバ-2.5%などは低く

なっている。規模では、従業員1万人以上だと45%だが、100人未満では

13.1%で3.4倍の開きがあった。

様々な職種を抱える企業の中には、社内の不公平感が高まることを恐れ、

実施目標を決められず現場の裁量に委ねているケ-スがあると指摘。

経営陣や業界団体が目標を明確化しトップダウンで進め、その上で

テレワ-クが可能な職種は完全実施し、テレワ-クが難しい職種でも業務

を細分化して週に1、2回は出社させないといった対応を取り、出社せざる

を得ない人には手当を支払って不公平感を解消することも有効だとして

いる。

以上

コース制度一本化を図る――損保ジャパン

損害保険ジャパン㈱(東京都新宿区、西澤敬二取締役社長)は昨年10月、非管理職の役職階層を3段階に大括り化し、従来はグレードごとに定めていた在留年数や昇格目安の年数を撤廃した。併せて従来の勤務地の範囲によるコース制度を改め、一本化している。転居転勤の有無は処遇面でのみ反映するかたちとしたもので、最大で年収に2割程度の加算を行う。制度改定を通じて若手の昇格スピードを早め、年功的な人事制度からの脱却や多様な人材が活躍可能な環境づくりなどをめざす。

中小向けBCPモデル策定――愛知県

愛知県は、新型コロナウイルス感染症に対応したBCP(事業継続計画)作成を支援するため、中小・小規模企業向けに「あいちBCPモデル」を策定した。簡単に作成できるようチェック方式や選択式を多用した様式例を示し、無料ダウンロード可能としている。作成までの手順を解説したうえ、製造現場や販売店舗などの職場別に予防策や備蓄品に関するチェックリストを併せて掲載している。

賞与期待権侵害を認めず――東京地裁

日産自動車㈱(神奈川県横浜市、内田誠代表執行役社長兼最高経営責任者)で6カ月半働いた労働者が、賞与に関する期待権を侵害されたとして、140万円の支払いを求めた裁判で、東京地方裁判所(布施雄士裁判官)は請求を全面的に棄却した。労働者は採用通知書に記載された想定年収から、賞与を受給する期待権があると主張した。同地裁は、賞与は労使交渉を経て決定しており、示した年収額は「『想定』の域を出ず、一定の給与を確定的に表示したとはいえない」と退けている。

違法残業で相次ぎ運輸業送検――厚木労基署

神奈川・厚木労働基準監督署(湯川和彦署長)は、違法な長時間労働を繰り返していた運輸業2社を相次いで司法処分した。36協定を超えて時間外・休日労働を行わせたとしてトラック運送業のダイワ運輸㈱(兵庫県神戸市)と当時の厚木営業所長代理を、別件で路線バス事業の神奈川中央交通東㈱(神奈川県平塚市)と同社大和営業所長をそれぞれ労働基準法第32条(労働時間)違反などの疑いで横浜地検に書類送検している。いずれも時間外・休日労働が最長で月120時間に上っており、複数回にわたって是正指導したにもかかわらず、人手不足から改善を怠っていた。

労働審判 口外禁止条項は違法――長崎地裁

雇止めに関する労働審判で、審判内容の口外を禁止され精神的苦痛を受けたとして、バス運転士を務めていた労働者が150万円の国家賠償を求めた裁判で、長崎地方裁判所(古川大吾裁判長)は口外禁止条項を違法と判断した。労働者は口外禁止を明確に拒否しており、将来に渡り義務を負い続けることは「過大な負担」と指摘。審判は経過を踏まえたものといえず、相当性を欠くとした。口外禁止条項を違法と判断する判決は初めてとみられ、他の審判に影響を与える可能性がある。

労働者協同組合法 労働法規を「完全適用」――議員立法

労働者が出資し自ら事業を運営する新たな労働ルールを定めた「労働者協同組合法」が、臨時国会で成立した。出資した組合員が協同組合の行う事業に従事するもので、役員以外は、労働基準法や最低賃金法などの労働法規が完全適用となる。協同組合は営利を目的として事業を行ってはならず、剰余金は、組合員が協同組合の事業に従事した程度に応じて配当するとした。法案成立まで20年以上にわたって議論・検討が続けられてきた。

労働者4人が一酸化炭素中毒――中央労基署

東京・中央労働基準監督署(工藤滝光署長)は、自然換気が不十分な室内で内燃機関を有するエンジンカッターを使用したとして、解体工事業の㈱小見解体(千葉県松戸市)と同社現場代理人を労働安全衛生法第22条(事業者の講ずべき措置等)違反などの疑いで東京地検に書類送検した。労働者4人が一酸化炭素中毒を発症し、うち1人は脳機能に障害が残っている。4人はそれぞれ別会社からの請負として作業に従事していたが、指揮監督はすべて同社現場代理人が行っていたため派遣労働者であったと判断し、派遣先である同社のみを送検している。

秘密管理性欠くと棄却――東京地裁

まつげエクステンションの専門店を運営する㈱リリーラッシュが、元従業員の顧客情報持出しは違法などと訴えた裁判で、東京地方裁判所(柴田義明裁判長)は同社の請求を棄却した。元従業員は退職後、別の会社が運営するサロンで働き始め、施術記録などを記した2人分の顧客カルテを同社の現役従業員から受け取った。同社は顧客カルテが不正競争防止法上の「営業秘密」に該当するとして、損害賠償と利用の差止めを求めたが、同地裁は秘密管理性を欠くと指摘。営業秘密に当たらないと判断している。

医師面接 「原則対面」を削除――厚労省

厚生労働省は、通達を改正し、長時間労働を行った労働者に対するオンラインによる医師面接指導の要領を一部簡素化した。新型コロナ感染症の拡大で、オンラインによる面接指導が推奨されるため、実施基準から「原則として対面によって行うことが望ましい」などとする規定を削除した。労働安全衛生法に基づく特別教育もオンラインによる実施を促進するため、受講者を1カ所に集合させて監視する必要のないことやテレワークにより自宅などで受講することも可能とした。

「企業の5割が副業容認」

就活情報大手のマイナビが中途採用を実施している企業の人事担当者を対象に行った1,901件の全国調査結果を発表した。 回答企業の49.6%が副業・兼業を認めていた。

新型コロナウイルスによる業績悪化の影響で、社員の収入を考慮して副業を容認する傾向があり、導入の理由(複数回答)でも「収入を補填するため」が43.4%と最も多かった。
次いで「モチベ-ションを上げるため」が37.5%、「スキルアップしてもらうため」が33.8%あった。

一方、副業を認めていない企業の理由として「労働時間が過剰になり本業に影響が出る可能性がある」が53.3%、「転職してしまう可能性がある」が35.7%あった。

導入している企業を業種別にみると、医療・福祉・介護が57.2%で最も多く、僅差でサービス・レジャ-が56.2%、IT・通信・インタ-ネットが55.6%と続いた。
最も低かったのは、マスコミ・広告・デザインで29.8%だった。

マイナビでは、医療・福祉・介護業界で副業を認めるケ-スが多いのは「業界として収入が低い一方、介護などの技術は汎用性がある」点を指摘した。
今回の調査では、上場企業の57.1%が副業を認めているのに対して、非上場では46.7%と約10ポイントの差が出たが、「管理体制が整っている上場企業の方が、社内のイノベ-ション創出のために副業・兼業に積極的なのではないか」と分析している。

以上

介護職員・基本給 3000円増で18.2万円に――厚労省・令和2年 介護従事者処遇等調査

厚生労働省の「介護従事者処遇等調査」によると、処遇改善加算を取得した事業所における介護職員の平均基本給は18.2万円だった。1年前17.9万円と比較すると3000円アップしている。手当・賞与を含んだ平均給与額は31.5万円だった。職種別の平均給与額は、社会福祉士35.3万円、介護福祉士32.9万円などに。「特定処遇改善加算」を取得していた事業所は63.3%に留まっている。

違法派遣2年分を刑事告発――香川労働局

香川労働局(本間之輝局長)は、許可を得ないまま約2年間、労働者派遣事業を行ったうえ、禁止されている建設業務への派遣を実施したとして、建設業の㈱匠(香川県丸亀市)と同社代表取締役を労働者派遣法第4条(禁止業務への労働者派遣)違反などの疑いで香川県丸亀警察署に刑事告発した。無許可派遣と禁止業務派遣は合わせて4千人日に上っている。8年前にも同様の違反で同労働局が行政処分をしていたが、処分後も許可を取らないまま偽装請負を続けていた。

労組幹部への賠償請求棄却――東京地裁

飲食店を営む会社の元執行役員が、団体交渉時に威迫行為などを受けたとして、首都圏青年ユニオンの幹部2人を訴えた裁判で、東京地方裁判所(佐久間健吉裁判長)は損害賠償請求を全面棄却した。会社と同労組は学生アルバイトの退職をめぐる労使紛争で、29年3月に和解。元執行役員は和解成立後の同年12月に訴訟を提起し、団交時に大人数に囲まれ恫喝を受けたと主張したが、同地裁は証拠がないと判断した。元執行役員は特定社会保険労務士の資格者で、独立開業している。

看護師自殺 試用期間延長が原因――札幌地裁が労災不支給取消し

新人看護師の自殺の労災認定を遺族が求めた裁判で、札幌地方裁判所(武部知子裁判長)は、業務起因性を認める判決を下した。病院側が能力不足を理由に試用期間を1カ月延長したことを、労働者に解雇の可能性を意識させるもので、労災認定基準が定める心理的負荷の強度「中」に該当すると評価。労働者に吃音の障害があり、入院患者からたびたび苦情が寄せられていた点や、業務上のミスに対して厳しい指導があった点を総合し、業務は精神障害を発病させる程度の強度があったと判断している。

柔軟な働き方導入支援を――東商要望

時間にとらわれない柔軟な働き方の導入促進を――東京商工会議所(三村明夫会頭)は、東京都の雇用就業施策に関する要望を取りまとめた。「コロナ後」を見据えて政府が今後推進していくべき施策として裁量労働制やフレックスタイム制、高度プロフェッショナル制度などの「時間にとらわれない柔軟な働き方」を挙げる中小企業が多いことから、企業に対する専門家による相談指導などの支援に取り組むよう訴えている。

男性育休促進制度 取得日数4週程度に――厚労省・検討案

厚生労働省は、男性の育児休業取得促進制度について方向性を明らかにした。子の出生直後の休業取得を促進するため、現行の育児休業制度よりも柔軟で取得しやすい新たな仕組みを作るとしている。対象期間を子の出生後8週間とし、取得可能日数を4週間程度に限定する案を打ち出した。現行の育児休業制度と同様、労働者の申出により取得できる権利を設定する。厚労省では、来年の通常国会に育児・介護休業法改正案を提出する見通しである。

諸手当 支給総額は1人平均4.8万円――厚労省・令和2年 就労条件総合調査

厚生労働省の就労条件総合調査によると、常用労働者の平均所定内賃金31万9700円のうち、諸手当の総額は4万7500円、全体に占める割合は14.9%だった。5年前の前回調査との比較では、所定内賃金が8100円、諸手当が5300円アップしている。「役付手当など」の支給額は2800円増の4万1600円、「家族手当など」は300円増の1万7600円などとなった。

均衡料率 2021年度から10%超に――健保連

健康保険組合連合会(健保連)は単年度収支がつり合う均衡保険料率が、来年度に10%を超える見通しであると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済悪化の影響を試算したもので、保険料収入の大幅な減少を見込んでいる。現在の料率を維持すると、来年度は6700億円の赤字、均衡保険料率は10・2%になるとしている。料率が協会けんぽの平均である10%を超えると、健保組合を維持するメリットが少なくなるため、解散が多発する可能性がある。

テレワーク導入率が減少――東商調査

東京商工会議所(三村明夫会頭)がまとめたテレワークの実施状況に関する最新のアンケート結果で、今年5~6月時点に比べて導入企業割合が大きく低下していることが明らかになった。以前運用していたものの現在は取りやめている企業は2割に上った。そのうちの半数弱の企業が、テレワークを実施しない理由として「生産性の低下」を挙げている。東商担当者によると、「ネットワークの整備などの準備が不十分なまま導入した企業で、生産性が向上していないケースが多い」という。

事務課長の所定内58.0万円――人事院 職種別民間給与実態調査

職階別の賃金実態を把握している人事院「職種別民間給与実態調査」によると、課長級の平均所定内給与額は事務系58.0万円、技術系56.5万円だった。非役職者である係員級と比較すると、ともに2倍弱の水準となっている。対前年比では技術系でダウンがめだち、部長が4.7%減、課長は3.1%減と落ち込んでいる。定年年齢を61歳以上としている企業は、全体の15%だった。一定年齢到達を理由として給与減額を行う事業所の割合は、課長級で26.2%、非管理職では23.2%などとなっている。

再雇用者の基本給 定年前60%未満は違法――名古屋地裁

㈱名古屋自動車学校を定年退職し、1年更新の嘱託職員となった労働者2人が正職員との間の労働条件の差を不服として訴えた事件で、名古屋地方裁判所(井上泰人裁判長)は基本給の違いについて、定年退職前の60%を下回る部分を違法とする判決を下した。定年前後で職務内容や人材活用の仕組みが変わらないにもかかわらず、若年正職員の水準を下回るのは「生活保障の観点からも看過し難い」と指摘。60%を下回る限度で旧労働契約法第20条に定める不合理な労働条件に当たるとした。賞与の一部支払いも命じている。

リスク管理 管理職向けにプログラム――厚労省作成

厚生労働省は、管理者向けの職場リスクマネジメント力向上プログラムを公開した。近年、セクハラ、パワハラ、情報セキュリティーなどに端を発した不祥事が相次ぎ、職場環境の悪化や生産活動の停止に追い込まれるケースが少なくない。社内の業務ごとにリスクを洗い出したあと、リスク評価に基づいて優先順位を決定、実施計画を作成して対策に取り組む。厚労省のサイトから同プログラムセミナーの動画を視聴できる。

「テレワ-ク満足8割」

筑波大の「働く人への心理支援開発研究センタ-」は新型コロナウイルスの感染拡大によって進んだテレワ-クについて8割が満足しているとのアンケ-ト結果をまとめた。
テレワ-クを導入している情報・通信やサ-ビス業、メ-カ-など17社を対象に8月~9月に実施し、4343人から有効回答を得た。
テレワ-ク導入に「非常に満足」20%、「満足」32%、「どちらかと言えば満足」28%との回答を合計すると80%に達した。
テレワ-ク導入で起きた職場や仕事の変化については「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した割合が高かったのは、「メ-ル以外のコミュニケ-ションツ-ルの活用が進み、効率が良くなった」60%、「職場全体が無駄な業務を省くようになった」50%などだった。
一方で、コミュニケ-ションの難しさを実感する回答も目立った。「職場全体の雰囲気が見えにくくなった」73%、「業務以外のことに関する情報交換が少なくなった」72%、「新たな人や初めての人との関係を深めることが難しくなった」69%などが挙がった。
以上

シフト組み16人出向事例も――経産局・雇用シェア事業

各地の経済産業局が、コロナ禍を受けて雇用維持に課題を抱える企業と、人手不足が顕在化した企業をマッチングし、企業間の一時的な人材シェアを支援する事業を展開している。5月中旬から先行して取り組む北海道経産局では、これまでに成立した実例を公表、送出し企業内で16人の社員がシフトを組み、1日3~4人ずつ受入れ先で勤務する在籍出向契約を締結したケースなどを紹介している。関東経産局では埼玉県内のみで実施していた事業を新たに関東広域に広げ、再流行に備えて態勢を強化している。

過重労働 免疫力の低下認めず――大阪高裁

大阪府内のフレンチレストランで調理師として働いていた労働者が、ウイルス性疾患で死亡したのは労働災害に当たると遺族が訴えた裁判の控訴審で、大阪高等裁判所(木納敏和裁判長)は過労死と認めた一審判決を取り消した。一審の大阪地裁は、1カ月250時間に上る残業に約1年従事した結果、免疫力が下がりウイルス性疾患を発症・重症化したと判断したが、同高裁は血液検査の結果などから免疫低下はなかったとした。労働者の死亡をめぐっては、民事裁判も提起されており、2月には同地裁が会社の安全配慮義務違反を認め、8400万円の賠償を命じていた。

ウィズ・コロナ時代 業種・地域超え再就職促進――厚労省

厚生労働省は令和3年度、「ウィズ・コロナ」「ポスト・コロナ」の時代に対応し、業種・地域・職種を超えた再就職促進支援に力を入れる方針である。雇用調整助成金により雇用維持に取り組む事業主を支援する一方で、ハローワークに専門の就職支援ナビゲーターを新規増員して業種を超えた再就職促進に努める。大都市圏に専門の相談員を配置するなどにより、地方への就職希望ニーズにも応える考えだ。離職者の早期雇入れ企業に対する助成金上乗せ分を含め、全体の予算額は1200億円を超える。

就職氷河期世代 60以上の支援事業を予定――政府

政府は令和3年度、厚生労働省をはじめとする関係府省庁が一体となって就職氷河期世代支援を強力に推進する方針である。令和元年度からの3年間で総額650億円を上回る財源を用意、最終年の3年度には最大規模となる249億円以上を投じる見通し。関係府省全体の事業数は60件以上に達している。コロナ禍で大きなダメージを受けている就職氷河期世代を社会全体で受け止め、安定した再就職を促進していく狙いである。

偽装一人親方の排除を――国交省調査

国土交通省は、社員である建設技能者を個人事業主である一人親方として形式上取り扱い、社会保険加入などの規制逃れを図る「偽装一人親方」への対応に関するアンケート調査結果をまとめた。回答した建設業関連団体からは、明らかに実態が雇用であるにもかかわらず一人親方として契約している企業に対し、法的な処罰や、現場入場制限などの規制を求める声が挙がった。上位企業による取引停止措置などを提案する団体もあった。

旧労契法20条 5つの待遇差が不合理に――最高裁

最高裁判所は10月15日、日本郵便㈱の契約社員計14人が正社員との待遇差を違法と訴えた3つの裁判で、扶養手当など5つの待遇差を不合理とする判決を下した。不合理と認定したのは年末年始勤務手当、年始期間における祝日給、扶養手当、夏期冬期休暇、有給の病気休暇の5つ。いずれも目的・性質から職務内容などの違いを踏まえても、契約社員に支給しないのは旧労働契約法第20条に違反すると判断した。高裁で判断の分かれていた夏期冬期休暇については損害発生を認め、大阪高裁が示した通算契約期間が5年を超えた場合のみ不合理とした基準は採用しなかった。

平均年間給与 正規・男性が561万円――国税庁 令和元年民間給与実態

国税庁の令和元年民間給与実態統計によると、昨年1年間を通じて勤務した正規従業員・男性の給与は561万円だった。前年比では0.3%の増加に留まっている。女性は同0.8%増の389万円だった。非正規に目を転じると、男性が同4.4%減の226万円、女性が同1.2%減の152万円に。規模別では、100人以上では概ね1~3%台の伸びがみられたのに対し、99人未満の小企業において軒並み減少傾向を示した。30~99人では男性が4.6%減の495万円、女性が2.3%減の296万円に。

人材戦略のあり方 経営戦略と連動強化を――経産省報告書

経済産業省は、持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書を取りまとめた。経営陣が果たすべき役割として、経営戦略目標を達成する際に重要な人材関連アジェンダ(課題)を特定することや、課題ごとの定量的なKPI(重要業績評価指標)の設定、経営戦略と連動した人材戦略の策定などを挙げた。CEOとともに戦略の策定・実行を主導するCHRO(最高人事責任者)の設置も重要としている。

60歳台前半の賃金底上げ――厚労省3年度

厚生労働省は令和3年度、高齢者の就労・社会参加の促進に向けた支援策を拡充する方針である。60~64歳までの労働者の処遇改善を行う企業に支給する高年齢労働者処遇改善促進助成金(仮称)を新設する一方、65歳超雇用推進助成金において他社による継続雇用制度を導入した企業に助成対象を広げる。高年齢労働者処遇改善促進助成金では、高年齢雇用継続給付の給付額が95%以上減少した企業に減少分の一定割合を助成するとした。

「若手教員10%超退職検討」

20代から30代の若手教職員の10%超が、パワハラやセクハラの被害を理由に退職を考えていたことが、全日本教職員組合(全教)のアンケ-トから判明した。
全教では、「経験の浅い若手は被害に遭っても職場で声を上げられず、孤立している実態が明らかになった」と分析している。
調査は2019年8月~12月、全教の地方組織がある地域で、小中高や特別支援学校の教職員を対象に実施。
19年から過去3年間に被害を受けた経験を尋ね、811人から回答があった。
その結果、パワハラやセクハラなどで退職を検討した人は99人で全体の12.2%だった。
別の質問で種類別の被害経験を尋ねると、パワハラ被害が最も多く253人で全体の31.3%に上った。
具多的には、管理職や先輩教職員による一方的な意見の押し付けや、過剰な叱責を挙げた人が多かった。
被害を受けた253人の性別を見ると、男性の26.8%に対し女性は35.5%で標的になりやすい傾向がうかがえた。
セクハラ被害の経験は66人で全体の8.1%。性的関係を迫られた例もあった。

以上

通信費光熱費 使用者が経費負担を――連合

連合は、「テレワーク導入に向けた労働組合の取り組み方針」を策定した。テレワークを実施する際に、労組から提案・要求すべき項目を示している。通信費などの経費負担は原則会社負担として毎月の手当として支払うよう求めるとしたほか、生活時間を確保するための「つながらない権利」獲得に向けて、時間外や休日、深夜のメールを原則禁止するとした。モデルとなるテレワーク就業規則(在宅勤務規程)も作成した。

成績・能力不足も解雇無効――東京地裁

みずほビジネスパートナー㈱(東京都新宿区、宇田真也代表取締役社長)で働いていた労働者が解雇を不服とした事件で、東京地方裁判所(髙市惇史裁判官)は解雇を無効と判断し、労働契約上の地位確認と900万円のバックペイ支払いを命じた。労働者は親会社であるみずほ銀行からの転籍者で、社内での窃盗、女性社員へのセクハラで2度懲戒処分を受けたほか、業務上のミスを繰り返し、転籍後4年間で4度異動していた。同地裁は業務ミスやセクハラでの労働者の落ち度を認めたものの「解雇に相当するほど重大といえない」と指摘。客観的・合理的な理由を欠くとした。

ウィズ・コロナ時代 業種・地域超え再就職促進――厚労省・令和3年度

厚生労働省は令和3年度、「ウィズ・コロナ」「ポスト・コロナ」の時代に対応し、業種・地域・職種を超えた再就職促進支援に力を入れる方針である。雇用調整助成金により雇用維持に取り組む事業主を支援する一方で、ハローワークに専門の就職支援ナビゲーターを新規増員して業種を超えた再就職促進に努める。大都市圏に専門の相談員を配置するなどにより、地方への就職希望ニーズにも応える考えだ。離職者の早期雇入れ企業に対する助成金上乗せ分を含め、全体の予算額は1200億円を超える。

来年度から赤字の可能性――協会けんぽ

全国健康保険協会(協会けんぽ)は新型コロナウイルス感染症による経済悪化で、平均保険料率10%を維持しても、来年度から赤字に陥る可能性があるとする試算を明らかにした。リーマン・ショック時の実績を踏まえ、賃金の伸び率などで3つのケースを設定。最も経済が悪化するケースでは来年度から、最も改善するケースでも2025年度から赤字に転落するとした。料率10%は昨年度まで大幅な黒字となる水準だったが、料率を維持しても、赤字の回避は難しい状況となった。

感染症BCPの普及進む――東商調査

新型コロナウイルス感染拡大を受け、感染症BCP(事業継続計画)に取り組む企業が増えていることが、東京商工会議所(三村明夫会頭)の調査で明らかになった。感染拡大以前に策定済みだった2割弱の企業と合わせ、半数を超える企業が感染症BCPの策定に取り組んでいる。一方で、必要性を感じているものの策定予定がない企業も4割と少なくない。ノウハウ不足などを課題に挙げる企業が多いため、同商議所では、専門家派遣などによる策定支援を強化する考えだ。

36協定届出数が急拡大――厚労省

中小企業に対する時間外労働上限規制の適用を前に厚生労働省が実施した36協定締結・届出支援対策が成果を挙げている。「36協定届等作成支援ツール」の利用者数が前年同期比230%に達したほか、令和元年の同協定届出数全体も177万5000件を超え、前年比約6%増加した。厚労省では今後、同協定未届事業場20万件に対して、協定の必要性を明記した自主点検シートを送付して届出を勧奨するなど、さらなる拡大に力を入れる方針である。

コンビニ店主 7割が時短営業を希望――公取委

約7割のコンビニエンスストアのオーナーが24時間営業をやめ、時短営業に切り替えたいと希望していることが、公正取引委員会の調査により明らかになった。コンビニオーナーについては、労働組合法上の労働者性を争点とした裁判が現在係属している。労働者と認めた労働委員会の初審命令書では、フランチャイズ契約で年中無休・24時間営業を義務付けている点を重要視していた。調査結果を受け、公取委は本部が24時間営業に関する協議を一方的に拒絶する場合は、優越的地位の濫用に該当し得るとの考えを明らかにした。今後フランチャイズ指針を改正するとしている。

船員の働き方改革 労務管理責任者を選任へ――国交省

国土交通省は交通政策審議会の部会を開き、船員の働き方改革実現に向けた取組みの方向性に関する取りまとめ案を明らかにした。労働時間の適正な管理を促進するため、電子化・システム化による労働時間の記録・保存の推進を今後の課題に挙げている。労務管理を担う陸上の事務所における体制整備も欠かせないとみて、陸上において船員の労務管理に責任を持つ「労務管理責任者(仮称)」の選任を求めるとした。

複数事業労働者 全業務の負荷を総合評価――厚労省

厚生労働省は、「複数事業労働者」の疾病に対する労災保険給付についての運用基準を、都道府県労働局長に通達した。現時点においては、脳・心臓疾患と精神障害を要因とする疾病が対象で、一つの事業における業務上の負荷のみでは業務と疾病の間に因果関係が認められない場合に、複数事業労働者を使用する全事業の業務上の負荷を総合的に評価して労災認定する。保険給付に当たっては、複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算するとした。

労基法 劇団員の労働者性認める――東京高裁

劇団員の労働基準法上の労働者性が争われた事件の控訴審で、東京高等裁判所(上田洋幸裁判官)は劇団員を労働者と認め、運営会社である㈱エアースタジオ(東京都墨田区、藤森一朗代表取締役)に賃金計185万円の支払いを命じた。一審は小道具の準備などの裏方業務のみを労務の提供としていたが、公演への出演と稽古の時間についても、指揮命令下にあったと判断している。同社は公演への出演は断ることができたと主張したが同高裁は「指示に事実上従わざるを得ず、諾否の自由があったといえない」と退けている。

事前承諾なく団交録音――中労委

中央労働委員会第3部会(畠山稔部会長)は、団体交渉の場において、訪問介護事業の㈱アンジュエトワル(神奈川県川崎市)が事前承諾を得ずに録音したことが不誠実な団体交渉に当たるなどとして労働組合が救済を申し立てた紛争で、神奈川県労働委員会の初審に続き、不当労働行為に該当しないと判断した。組合による再審査申立てを棄却している。録音を禁止する明確な団交ルールがなかったうえ、録音は団交経験がなく組合の要求を正確に理解するためだったとした。

簡便な時間管理モデル提案――厚労省・副業兼業

厚生労働省は、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を大幅改定した。裁判例を踏まえると、副業・兼業を認める方向とするのが適当としたものの、使用者は安全配慮義務、労働者は秘密保持義務、競業避止義務、誠実義務などを負うと明記した。労働時間の通算に関しては、「簡便な労働時間管理」のモデルを示した。労働者からの申告に基づき、法定外労働時間を合計した時間数が単月100時間未満、複数月平均80時間以内になるよう、複数事業場間で連携するとしている。

イノベーション生む戦略探る――生産性本部

公益財団法人日本生産性本部(会長・茂木友三郎キッコーマン取締役名誉会長)は今年度、新規事業を立ち上げるなどした優良企業へのヒアリングやアンケートを通じ、イノベーション創出に結び付く人材戦略について探る。第2期を迎えたイノベーション会議のテーマとして取り組むもので、従業員の意識改革や配置・採用面、賃金・評価などの制度面も含めて背景要因を洗い出し、来春をめどに大企業や中堅企業へ改革の方向性を提言するとしている。

法定労働組合と認めず――都労委

エステサロン運営会社から団体交渉を拒否されたとして、首都圏青年ユニオン連合会が救済を求めた事案で、東京都労働委員会(金井康雄会長)は労働組合法上の労働組合に適合しないと評価し、申立てを却下した。役員選挙や会計報告などを行っておらず、労働者が主体・自主的に組織する団体とはいえないと指摘している。不当労働行為の審査で労組の法適合性が問題となった場合、労委の補正勧告に従い規約を改正すれば適合組合と認めるのが通常だが、同連合会は「組合費無料」「運営への参加不要」などを謳って組織拡大を図っており「仮に規約を改正して形式的に要件を満たしたとしても、根本的に労組法上の労組といえない」と判断した。

自動車運送業 働きやすい職場へ認証制度――国交省

国土交通省は、トラック、バス、タクシー事業者における職場環境改善の取組みを可視化する「働きやすい職場認証制度」を創設した。自動車運送事業者の人材確保を後押しするのが狙い。労働時間・休日や、心身の健康などの分野について、一定の要件を満たした事業者を認証する。認証は、取組みの達成状況に応じて「一つ星」~「三つ星」の3段階を用意するが、初年度となる今年度は、一つ星認証に限定して試行実施。9月16日に申請受付を開始し、来年5月に認証事業者を公表する予定だ。

第243話「テレワ-ク評価制度の課題と業務(仕事)の見える化」

テレワ-クにおける評価について評価者は、被評価者の勤務態度や仕事振り
(成果につながる行動や、勤務時間の把握ができない)を、また被評価者は、
仕事の成果やプロセスを正しく評価されないのではないか、上司(評価者)に
成果達成のための相談等を適切(気軽にタイミング良く)に行えないなどの
不安や悩みが顕在化しました。
今までのオフィスワ-クでもこのような課題は存在していましたが、
テレワ-クにより鮮明化されたとも言えます。
テレワ-クかオフィスワ-クかの働く場所の違いがあっても、企業経営に
おける評価の役割と目的に違いはありません。

評価における役割には大きく
① 業務パフォ-マンスを公正に評価し処遇(給与、賞与、昇降格、
異動など)に反映する。
② 評価により明らかになった課題を人材育成に反映する。

の2つがあり、これらを果たすことにより

③ 社員個々のエンゲ-ジメントを高める。
④ チ-ム組織力の向上を図る。
⑤ 企業の持続的成長を目指す。

の3つの目的を達成することが評価に求められます。
そこで、大事なのが「業務(仕事)の見える化」です。上記①、②を果たす
ためには、業務(仕事)が明確でなければそのパフォ-マンスを評価する
ことはできません。目の届かない離れた場所でのテレワ-クであれば
なおさら、期待する業務(仕事)の見える化が求められます。何を評価する
のかという評価対象が明確でなければ、評価そのものは成立しません。

技術者(特にIT技術者)のテレワ-クはスム-ズで生産性が高いという声を
聞きます。これは、技術者の業務(担当業務における目標設定と達成プロ
セスのスケジュ-ル化、進捗チェックの仕組み化など)の見える化が確保
されていたことが、上手く展開できた大きな要因と考えられます。

また、業務(仕事)の見える化はJob型人事制度や同一労働同一賃金という
潮流の中でも必須となるKey Wordです。
企業規模、業種・業態により一筋縄ではいかない領域ではありますが、
新しい働き方が求められていく中にあって自社の業務(仕事)の見える化に
挑戦するタイミングと言えます。

以上

平均妥結額6300円へ減少――民間主要企業賃上げ要求・妥結状況 厚労省/令和2年

厚生労働省がまとめた民間主要企業の春季賃上げ集計によると、今年の平均妥結額は6286円となり、前年の6790円を504円下回った。交渉前の平均賃金31.5万円に対する賃上げ率は、0.18ポイント低い2.00%だった。産業別では、計20産業のうち16産業でマイナスとなり、運輸で3000円以上落ち込んだほか、機械、サービスなどで減額幅が1000円を超えている。プラスは、金融・保険、精密機械など4産業に留まった。

厚生年金保険 4年で加入逃れ撲滅へ――年金機構

日本年金機構(水島藤一郎理事長)は厚生年金の加入逃れ対策を強化する。今年度から4年間を集中取組み期間に設定し、これまでの国税徴収のデータに加え、新たに雇用保険被保険者のデータを活用し、未加入企業を把握していく。加入逃れが発覚した企業については、4年の間にすべて適用をめざすとした。今年5月に成立した年金制度強化法では、同機構による立入検査の権限拡大が図られた。検査結果に応じた職権による適用も実施し、悪質な企業に対しては、告発も視野に入れる。

社外取締役 社長・CEO交代を主導――経産省が実務指針作成

経済産業省は、上場企業の社外取締役に期待される役割やその役割を果たすための具体的な取組みを整理した「社外取締役のあり方に関する実務指針」(社外取締役ガイドライン)を作成した。経営の監督を最も重要な役割に位置付けるとともに、必要に応じて社長・CEOの交代を主導するとした。取締役会の監督機能を強化するため、社外取締役が取締役会における議題設定に関与したり、中長期的な経営戦略に関する議論を促したりするのが望ましいと指摘している。

200人を1年半無許可派遣――群馬労働局

群馬労働局(丸山陽一局長)は、無許可であるにもかかわらず自社で雇用する労働者約200人を1年半にわたり派遣していたとして、㈱マイスタッフ(同県太田市〈当時〉)と同社代表取締役を、労働者派遣法第5条(労働者派遣事業の許可)違反の疑いで刑事告発したことを明らかにした。同県太田警察署による書類送検を経て、公表している。労働者はすべてプラスチック製品組立加工業を営む1社へ派遣していた。許可を得ているか否かの調査を怠ったとして、派遣先にも是正指導している。

100%の賃金支払いを命令――東京高裁

飲食店で働いていた労働者が、自宅待機を指示され連絡を待っていた8カ月超の賃金支払いなどを会社に求めた裁判で、東京高等裁判所(秋吉仁美裁判長)は、100%の賃金請求を認め、350万円の支払いを命じた一審を維持する判決を下した。会社は控訴審で、自宅待機命令以降、労働者がいつまで仕事をしていなかったのかが明らかでなく、失業保険を受給していた場合はその分は減額すべきと訴えた。同高裁は減額にかかる事実は会社が主張すべきで、労働者が賃金や失業保険を得ていたとみられる事情もないとして、同社の主張を退けている。

建設業 社保未加入者の入場認めず――国交省

国土交通省は、建設業の社会保険加入における元請・下請企業の取組みの指針となる「下請指導ガイドライン」の改正案をまとめた。今年10月の改正建設業法施行で、建設業の許可要件に社保加入が加わることを受けた措置。元請は、保険未加入の作業員に対し、原則として現場への入場を認めない取扱いを徹底するとした。例外には、施工に欠かせない特殊技能を保有しており、入場を認めなければ施工が困難になる場合などを挙げた。

旧労契法20条 最高裁が5つの裁判で弁論

最高裁判所は、非正規労働者と正規労働者の待遇格差が問題となり、旧労働契約法第20条(不合理な労働条件の禁止)の適否が争点となった5つの事件について、9月に弁論を開くことを決めた。弁論を行うのは佐賀・東京・大阪の日本郵便事件とメトロコマース事件、大阪医科薬科大学事件の5つで、高裁判決は変更になるとみられる。旧労契法20条については、平成30年に2つの最高裁判決が出ているが、事例判断に留まる部分も多く、予測可能性の低さが指摘されていた。最高裁が新たにどのような基準を示すかに注目が集まる。

中小の女性活躍後押し――東京都

東京都は、女性の活躍推進に取り組む都内中小企業への支援を強化する。取組みの意義・メリットや一般事業主行動計画の策定方法に関する研修会を開催するほか、研修会受講企業を対象に、行動計画の策定から目標達成に向けた実践までを専門家が個別に支援する「フォローアップコンサルティング」を実施する。女性管理職の登用を拡大するため、管理職を志す中小企業勤務の女性従業員や男性管理職向けの研修も開始する。

Society5.0 再教育へプログラム開発――厚労省

Society5.0の実現に向け、人材のリスキリング(再教育)とスキルアップ(学び直し)の支援を強化へ 厚生労働省は、今後の人材開発政策の在り方について方向性を明らかにし、資本と「人」へのさらなる投資が不可欠と訴えた。IoT、センシング、ビッグデータ、AI、ロボットなど、技術革新の進展に対応し、デジタル技術を利活用できる人材を育成するため、職業訓練プログラムの開発、職業訓練分野におけるICT活用の拡大などを進めるべきであるとしている。

タイムカード提出拒み送検――松阪労基署

三重・松阪労働基準監督署(古市泰久署長)は、違法な時間外労働の実態を隠すため、臨検の際に虚偽の陳述をし、営業部長である労働者1人のタイムカードを提出しなかったとして、コンクリート製品の製造・販売業の㈱大台(三重県多気郡)と同社代表取締役および取締役の計1社2人を、労働基準法第101条(労働基準監督官の権限)違反の疑いで津地検松阪支部に書類送検した。管理監督者であるためタイムカードを使用していないと主張していたが、実際はタイムカードでの時間管理を行っており、同労基署は管理監督者性を否定している。

人手不足業界へ集中支援――東京都

東京都は、建設業や製造業など人手不足分野の業界団体を通じて都内中小企業の人材採用を後押しする「業界別人材確保支援事業」を開始する。採用・育成に関する基礎知識の習得や多様な人材活用など、事業に参加する業界団体が選択したテーマに沿ったセミナーや個別コンサルティング、採用マッチング支援を各団体の会員企業に対して実施していく。業務に必要な資格・免許の取得支援やスキルアップ研修といった団体独自の取組みを対象に、費用の一部を補助する助成金制度も創設する。

契約申込みみなしの説明徹底――厚労相

厚生労働省は、審議会で行っていた労働者派遣制度の見直しに関する中間報告をまとめた。平成24年と27年の改正事項の普及状況は、「全体としておおむね定着が図られている」と評価している。改善すべき事項として、日雇派遣の年収要件と例外業務のあり方のほか、派遣労働者へのキャリアコンサルティング内容の説明義務化、労働契約申込みみなし制度の雇入れ時説明の徹底などを示した。

第242話「新型コロナ関連の経営破綻」

東京商工リサ-チの調べでは7月13日時点で「新型コロナ」関連の経営破綻は
2月2件、3月22件から4月・5月は80件台に急増、6月は103件と増加傾向に
ある。緊急事態宣言解除後、首都圏を中心に感染者数が再び増加しており、
企業は「新しい生活様式」への対応が求められている。
一方、コロナの感染拡大が収束に向わない現状から今後は、経営体力の乏しい企業の脱落を中心に破綻の増勢が続くと見られる。

[都道府県別状況] ~ 東京都が78件と突出し、大阪府30件、北海道20件と続き、以下静岡県15件、愛知県と兵庫県が14件、福岡県11件、福島県10件で10件以上の発生は8都道府県。

[業種別状況] ~ 来客数の減少、休業要請などが影響した飲食業が51件で最多。
次いで、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業と、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が40件と並び、消費関連の業種で突出している。

[負債額状況] ~ 倒産した255件のうち最多が1億円以上5億円未満で109件(42.7%)。
次いで、1千万円以上5千万円未満52件(20.3%)、5千万円以上1億円未満が35件 (13.7%)、10億円以上が34件(13.3%)、5億円以上10億円未満が25件(9.8%)の順。
負債1億円未満は87件(34.1%)を占めるが、100億円以上の大型倒産も3件発生。
小・零細企業から大企業まで「新型コロナ」関連の倒産が広がっている。

[形態別状況] ~ 破産が83.2%で最多。次いで民事再生法11.2%、取引停止処分が5.4%。8割以上が消滅型の破産を選択しており、業績回復見込みが立たず、不振が続いていたところに新型コロナのダメ-ジを受け、再建意欲やメドが立たない脱落型の倒産が大半となっている。

以上

同一労働同一賃金 希望企業を2社ずつ指導――奈良労働局

奈良労働局(川村徹宏局長)は、管内企業の同一労働同一賃金への取組み状況を把握するために実施したアンケート結果を取りまとめた。大企業は今年4月から、中小企業では来年4月から適用が開始されるが、すでに対応の目処がついているとした企業の割合は、3割に留まることが分かった。同労働局では結果を受けて、複数の企業を集めたセミナー開催を予定する。新型コロナウイルス感染症防止のため、当面はセミナーを希望する企業に対し、1回の参加企業数を2社に絞った小規模開催を進めるほか、個別相談や出張説明、相談窓口の設置に力を入れていく。

パワハラ 慰謝料100万円の支払い命令――東京地裁立川支部

公立福生病院の事務課長を務めていた労働者が、上司のパワーハラスメントで適応障害を発症したと訴えた裁判で、東京地方裁判所立川支部(吉田尚弘裁判長)は、叱責は精神的苦痛を与える違法なものだったとして、病院の運営元に慰謝料計100万円の支払いを命じた。認定事実によると、上司は5カ月の間に7回、「馬鹿」「子供以下」「一回精神科に行ったら」などの暴言を一方的に浴びせていた。病院の安全配慮義務違反も認めている。パワハラは病院幹部も同席する会議の場でも行われていたが、注意・制止をしなかった。

脳・心疾患労災認定 「複数業務」で過重性評価――厚労省が検討結果まとめる

厚生労働省は、「複数業務要因災害」における過重負荷評価のあり方についての検討結果をまとめた。副業・兼業の促進・拡大に対応し、脳・心臓疾患などの労災認定の仕組みを明確にする狙い。複数事業場で就労する労働者に過労死などが発生した場合に、現行の脳・心臓疾患労災認定基準における「業務」の過重性評価を「複数業務」の過重性評価に読み替えて判断するとしている。

常用者男性 専門・技術職30.2万円に――厚労省 中途採用時賃金(元年度下半期)

令和元年度下半期に中途採用された常用者・男性の平均賃金は、専門・技術的職業30.2万円、事務的職業33.6万円、運送・機械運転の職業24.6万円などとなった。全体平均をみると、男性は26.5万円(前年同期比1.5%増)、女性は21.4万円(1.9%増)だった。伸び率は、前年に比べ鈍化している。規模別では、300人以上の企業において顕著に上昇しており、男性の25~44歳では3%を超える大幅な伸びがみられた。都道府県別をみると、東京・男性が32.4万円に。

残業代 2700万円支払いを命令――東京地裁

1カ月単位の変形労働時間制が無効になった際、所定労働時間と賃金額がどのような影響を受けるかが争点となった裁判で、東京地方裁判所(伊藤由紀子裁判長)は所定労働時間のうち8時間を超える部分の契約を無効と判断し、ハイヤー事業を営む会社に付加金を含め残業代計2700万円の支払いを命じた。会社は契約が無効になったことで、所定労働時間が短くなれば、それに伴い賃金も減るため、すでに通常の労働時間の賃金は支払っていると主張した。同地裁は「月給制は所定労働時間と賃金が厳密な対応関係になく、月ごとの賃金額の契約は無効にならない」として、1・25倍の割増賃金が必要としている。

労働・独禁・下請で総合対処――政府

政府は、このほど全世代型社会保障検討会議および未来投資会議(いずれも議長・安倍晋三内閣総理大臣)を開き、フリーランスの適正活用に向けたガイドライン案をまとめた。従来までの労働関係法に加え、独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法の適用を前提に実効性のある総合的な対策を打ち出す方針としている。不十分な契約書面交付は独禁法違反、取引条件の一方的変更は下請法違反などと明確化するとともに、実態上「雇用」に該当するケースを示す。ガイドラインは、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省など省庁連名で作成する。

副業・兼業 労働時間を包括して決定――厚労省

厚生労働省は、副業・兼業における簡便な労働時間通算方法を示した「管理モデル」案を明らかにした。労働者が副業・兼業を開始する前に、本業での法定外労働時間と副業・兼業先での労働時間を合計した時間が月100時間未満、複数月平均80時間以内となるよう設定する。本業事業場は、労働者を通じて副業・兼業事業場に「管理モデル」の導入を要請する。各企業は、それぞれ決められた時間の範囲内で働かせるとした。

建設業 「偽装一人親方」是正へ――国交省

国土交通省は、建設業界の社会保険加入対策や労働時間規制などの強化に伴い、社員である技能者を個人事業者である一人親方として取り扱い、規制逃れを図る「偽装一人親方化」が進んでいるとして、抑制策の検討に着手した。このほど有識者などによる検討会を設置、職種ごとの実態把握や具体的な偽装一人親方化対策、適法な一人親方の処遇改善などについて議論していくとした。今年度内に中間取りまとめを行う予定。

顧客への賠償金 賃金控除は不当利得――横浜地裁

アートコーポレーション㈱(大阪府大阪市、寺田政登代表取締役社長)で引越し作業に従事していた労働者3人が、「引越事故責任賠償金」の名目での賃金控除を不服として提訴した裁判で、横浜地方裁判所(新谷晋司裁判長)は、控除は不当利得に当たるとして、計62万1000円の返還を命じた。同社は社内規程で、顧客へ支払った損害賠償の一部を負担させると規定していたが、実際には事故の有無にかかわらず、1日につき500円を賃金から天引きし、不当に利益を得ていた。

発症なくても安全配慮違反――東京地裁

アクサ生命保険㈱(東京都港区、安渕聖司代表取締役社長兼CEO)で保険営業業務に従事していた労働者が、長期にわたる過重労働は違法と訴えた裁判で、東京地方裁判所(久屋愛理裁判官)は同社の安全配慮義務違反を認め、慰謝料10万円の支払いを命じた。うつ病などの具体的な疾患を発症していなかったが、月30~50時間以上の残業を1年以上継続させた点を「心身の不調を来す可能性があるような労働に従事させた」と評価。労働者から長時間労働について相談を受けていたのに、改善措置を講じなかったことは安全配慮義務違反に当たると判断した。

東京都新事業 氷河期世代の採用後押し

東京都は、就職氷河期世代の安定雇用を実現するため、企業における採用を後押しする新事業を開始した。同世代を正社員として採用し、定着に向けた計画的な指導・育成の取組みを行った中小企業に対する助成金制度を創設、採用人数に応じて1事業所当たり最大90万円を支給する。企業での短期間の派遣就業を経て正規雇用につなげる「キャリア・チャレンジ事業」も開始した。企業側に費用負担は生じず、対象者の適性を見極めたうえで正社員として採用できる。

契約申込みみなし制度 3年間で458件指導――厚労省

厚生労働省は、労働者派遣における「労働契約申込みみなし制度」の運用状況を明らかにした。過去3年間で458件の行政指導を行ったほか、把握しているだけで少なくても22件が派遣先において直接雇用となった。「無許可派遣」や「偽装請負」に関する違反事例が多数を占めている。派遣労働者の同制度の認知度が10%に満たない実態も判明し、重大視している。厚労省では、現在、同制度の適用拡大を含めた労働者派遣法全般の見直しを開始している。

残業させず不当労働行為認定――兵庫労委

兵庫県労働委員会(滝澤功治会長)は、組合加入以降、時間外労働を行わせなかったことが不利益取扱いに当たるとして、一般土木建築資材の販売などを行う株式会社を不当労働行為と認定した。同じ業務に従事している非組合員と差別せず時間外労働を命じるよう求めたうえ、命令日までの約4年間につき、非組合員と時間外労働を折半していたと仮定して割増賃金相当分を支払うよう命じている。会社は平成28年4月にも同様の命令を受けていたが、その後に非組合員を管理職に任命したため公平な取扱いは不要になったとし、命令を履行していなかった。同労委は、権限や業務内容が変わっていないことから、事情の変更に当たらないと判断している。

建設技能者 能力に応じた処遇促進――国交省

国土交通省は、建設技能者のレベルに応じた適切な賃金支払いを促進するため、職種ごとの標準見積書の改定に乗り出す。技能レベルに応じて設定した「賃金目安」に基づいた賃金を下請企業が支払えるよう、標準見積書では職長手当を別枠計上するなどして、適正な労務費を元請に提示できる仕様に改める。今後、目安を設定済みの7職種を対象にワーキンググループを立ち上げ、今年度中に新たな標準見積書を作成する予定。

労災保険特別加入 「雇用類似」に適用拡大へ――厚労省

厚生労働省は、労災保険特別加入制度の適用対象拡大と加入手続き簡素化に向けた検討を開始した。副業・兼業など複数就業者の増加に対応し、特別加入制度の適用範囲を広げ、セーフティネットを拡充する考え。「雇用類似」の働き手の中でも、労働者に準じて保護することがふさわしい者の条件を明確化する見通し。昨年12月の労働政策審議会では、特別加入制度を「現代に合った制度運用」へ改善すべきと提言していた。

大企業に窓口設置義務付け――通常国会

大企業に対し内部通報窓口の設置を義務付けるなど、内部告発者の保護制度を強化する公益通報者保護法改正案が6月8日に参議院本会議で可決・成立した。制定以来初の法改正で、公布から2年以内に施行する。義務違反の企業には消費者庁が助言・指導・勧告などの行政指導を行い、勧告に従わない場合は企業名を公表する。窓口には通報の受付け、調査、必要な是正措置を講じる担当者を配置しなければならず、担当者には刑事罰付きで通報者の特定につながる情報の秘密保持義務を課した。保護の対象者に役員と退職1年以内の労働者を追加している。

健康経営 意識・行動変容などを評価――経産省

経済産業省は、企業が従業員の健康の保持・増進に投資した効果を測定する際の手引きとなる「健康投資管理会計ガイドライン」を策定した。健康投資施策の具体的な範囲を示したほか、効果指標として「従業員の意識・行動変容」など3分野を挙げている。具体的には、禁煙の継続率や職場における体操の継続率などを指標とする。経産省は、投資効果の可視化によって適切な経営判断や社外への開示を行えるようにし、健康経営の取組みを促進する考え。

「休業支援金」を創設――厚労省の2次補正

雇用調整助成金の拡充と新給付制度の創設などを盛り込んだ令和2年度第2次補正予算案が通常国会で成立した。雇調金の日額上限を現行8330円から1万5000円に引き上げるとともに、企業から休業手当を受けられなかった労働者に対して月額上限33万円を支給する「新型コロナ対応休業支援金」を創設することが決まった。雇調金支給に当たっては、処理にかかわる人員態勢の強化を図る一方、社会保険労務士との協力態勢を整備し、迅速化をめざすとしている。厚生労働省では、雇用、生活支援などに総額約5兆円を追加投入する。

インフォコム 再雇用後も年収維持可能に

インフォコム㈱(東京都渋谷区、竹原教博代表取締役社長)は今年4月、60歳定年後の人材に適用している嘱託再雇用制度の運用方法を改定した。役割に応じて社員を格付ける「ミッショングループ制度」の適用を継続し、従来は支給していなかった賞与も支給する。人事評価に基づいて決まる役割のレベルが変動しない限り、年収水準は定年後も下がらなくなる。一方で、短日・短時間勤務の要望に応えるため、個別合意によりフルタイム以外の勤務形態も選択可能としている。現在12人に留まる60歳超の人材は、6年後に100人程度まで増える見込みで、優秀な人材の確保をめざす。

福島県・介護現場のクラスター対策 事業継続へ相互応援制

福島県は、老人介護施設で新型コロナウイルスのクラスターが発生した場合に備え、他の法人から応援の介護職員を派遣する相互支援事業を開始した。感染施設における代替人員派遣は当該法人内で対応することを前提に、結果として人員不足になる傘下の各施設へ玉突き支援を行う。応援に出向く職員は入所者の部屋ごとに配置し、最長で2週間出張させるとした。同県内650施設に事前登録を求め、相互支援で緊急時の介護サービス継続をめざす。出張に要する交通費や宿泊費は、同県が負担する。

被用者保険拡大 パート多数企業で「コロナ禍」――通常国会

厚生労働省が、今通常国会に提出していた年金制度機能強化法案が成立した。短時間労働者に対する被用者保険の適用対象拡大に向け、段階的に事業所規模要件を引き下げていく。国会審議では、新たに適用対象となる中小規模事業所において短時間労働者を多く雇用している一方、新型コロナウイルス感染症の直撃を受けていることを重大視した。政府は、一時的な景気変動にとらわれない長期的視点に立った法改正であり、新型コロナウイルスを要因とする修正は行わない姿勢をとった。

「新型コロナウイルス感染症の流行への対応が就労者の心理・行動に与える影響-3」

シリ-ズで掲載しています、リクル-トワ-クス研究所と国内大学所属の研究員有志のグル-プが2020年4月に行った調査(有効回答4363)から分析した主な発見事実の最終回です。

[4] 就労者の心理・行動を規定する要因
就労者の心理(感染リスク、一貫性感覚、不安、職務ストレス、孤立感)及び行動 (学習棄却、両利き性、関係構築)を規定する要因は様々であり、また中身によって微妙なバリエ-ションが存在する。
ただし、以下の諸要因は、就労者の心理・行動の多様な側面に対して影響を与える。就労者に対してポジティブな影響を与えるものには+、ネガティブな影響を与えるものには-を、どちらの影響も与えるものには+/-を記している。

(1) 本人要因 : 神経症傾向(-)、自己信頼(+/-)、エビデンス重視(+/-)、
現実重視(+/-)、年齢(+/-)、オンラインツ-ルリテラシ-(+/-)、
生活物資・感染予防物資の確保(+/-)
(2) 職場要因 : リモートワ-クの実施(+)、上司支援(+)、相互支援(+)、
公正な扱い(+/-)、心理的安全(+)
(3) 企業要因 : 新型コロナ対応の充実(+)

「+/-」が多いことから明らかなように、ある要因の効果が正負半ばする事が多い。

また、新型コロナウイルス流行によって生じた変化が就労者の心理・行動に及ぼす影響は限定的で、それ以前からの生活環境・職場環境の影響の方が大きい。心理的なネガティブ状態が、創造的な行動を引き出すという逆説(パラドクス) も観察された。

※発見事実がもたらす示唆
新型コロナウイルス感染症の広がりは、日本の就労者に少なからぬ影響を与えている。それはまた、不安の増大に代表されるように人々の心理面にも影を落としている。

希望があるとすれば、こうした事態が日本の就労者の幸福を奪うには至っていないということ、加えて、少なからぬ個人が新型コロナウイルスを取り巻く状況に対し、能動的に向き合っていることが本調査の発見事実から示唆されている。
同時に、新型コロナウイルスの流行により影響を大きく受けている人、こうした影響を吸収するバッファ-を多く持ち合わせている人がいることも示された。
ここでの発見事実は、こうした個人を特定し、支援の手を差し伸べることを可能にするといえよう。

以上

大手企業モデル退職金 会社都合の定年2511万円――中労委 令和元年退職金・定年調査

大手企業のみを対象とする中央労働委員会「退職金、年金および定年制事情調査」によると、大卒・総合職の会社都合時の定年モデル退職金は2511万円(43.0カ月分)だった。2年前の前回調査と比べると6.8%落ち込んでいる。退職年金制度のある企業は94.4%で、このうち確定拠出年金を導入している企業は67.9%だった。マッチング拠出は、47.8%の企業が採り入れている。

「曖昧な雇用」を保護へ――連合

連合は、インターネットを通じて仕事を請け負うフリーランスなど、労働関係法令の保護を受けにくい「曖昧な雇用」で働く就業者を対象とした会員制度を新設する。「連合ネットワーク会員」として登録すると、Q&A方式の回答コーナーを利用できるほか、有料特設メニューも用意し、弁護士への相談や福利厚生サービスが受けられるとした。集団的労使関係を前提とした組織化にもつなげていく。

21年大卒求人初任給 総合職21.8万円に――労働新聞社調査

2021年3月卒の大卒求人初任給を労働新聞社が調べたところ、集計した全4職種で前年結果を上回り、総合職は3000円増の21・8万円、技術系は3600円増の21・6万円などとなった。総合職では、比較可能な企業の4割が増額している。新型コロナウイルスによる経済停滞が懸念されるなか、少なくとも来春に就職を控えた世代に関しては、ベアの影響や技術者不足を背景に1%超の改善が続いている。

ハラスメント対策 周囲にも対応求める――全信協

一般社団法人全国信用金庫協会(佐藤浩二会長)は、当事者に留まらず周囲の人材が持つべき意識、とるべき行動を示した「ハラスメント対策ハンドブック」を作成した。問題を放置すれば悪影響の連鎖で職場の生産性が低下し、人材流出にもつながる恐れがあるとして、3大ハラスメントが起きない職場づくりを推奨している。ケーススタディでは「ミスを繰り返す職員への指導」、「できる上司からの追い込み」などを取り上げ、同僚や当事者の同期人材がどのように対応すれば良いかを説いている。

新型コロナウイルス 感染者3人を労災認定――厚労省

厚生労働省は5月20日までに、新型コロナウイルスに感染した3人の労働者を労働災害と認定した。請求のあった43件のうち、医療従事者2人、生活関連サービス業1人の労災給付を決定している。厚労省は、医療従事者や顧客との接触が多い販売職、クラスターが発生した事業場の労働者などは、感染ルートが明らかでなくても、個別調査をして労災認定していく方針を掲げている。加藤勝信厚労大臣が5月15日の閣議後の会見で、感染者を初めて労災認定したと明かしていた。

新助成金制度 休業手当不払いを救済――政府

政府は、新型コロナウイルスに関する「緊急事態宣言」の解除とともに、医療体制を強化しつつ、「経済活動の再起動」をめざした各種経済対策を打ち出す。雇用調整助成金は抜本的に拡充し、助成額を1人日額1万5000円まで特例的に引き上げ、「世界で最も手厚いレベル」の休業支援とする。労働者が直接申請することができる新たな助成制度の創設も検討中である。製造業、物流・運送業、旅行業、金融業など合計81業種を対象とした感染拡大防止ガイドラインも作成し、活用を呼び掛けている。