任意の事業所でテレワーク――キユーピー/柔軟な働き方

食料品製造業のキユーピー㈱(東京都渋谷区、長南収代表取締役社長、連結1万4,924人)は、柔軟性の高い働き方の実現をめざし、フリーアドレス制やフレックスタイム制を組み合わせたテレワークを実施している。 任意の事業所で働くことが可能なサテライトオフィス勤務と、在宅勤務が選択できる。本社など3事業所では、パソコンも貸与した。在宅勤務は、直帰して資料作成をするなどの使われ方も。 フリーアドレス制は、資料などを電子データで保管する傾向が強まったという。

島津製作所は昼休み前後から―就業中の禁煙対策/段階的に喫煙制限

就業時間中の喫煙を全面的に禁止する企業が増加傾向にある。島津製作所は10月、昼休み前後の2時間を禁煙とし、2020年に全面禁煙にする。オリンパスも21年の敷地内禁煙に向け段階的に喫煙所を撤去中。いずれも社員の健康確保が目的だ。一方、「顧客からタバコ臭を指摘された」として、顧客満足度(CS)アップ対策として着手する例もある。

60歳超の処遇改善広がる――2018年掲載事例を振り返る

年金空白期間が生じるようになって5年が過ぎ、大手でも定年制を修正する企業が増えてきた。新たにメリハリを利かせたシニア向け区分を設ける例があったほか、65歳まで同じ制度を適用し続ける例も少なくない。雇用区分に関する改定事例では、コース別管理に基づく役割意識を払拭するため、あえて総合職を全国転勤型のみに一本化したケースも――。先進的な試みとしては、マネージャーの役職を廃止し、全面的に多面評価を活用する事例もみられた。

3カ月ごとにES調査――木元省美堂/コミュニケーション活性化

印刷業の㈱木元省美堂(東京都文京区、木元哲也代表取締役社長、71人)は、社内コミュニケーションの活性化を中心に、様ざまな改革を試みている。 3カ月ごとに全社員を対象に「ESアンケート」(従業員満足度調査)を実施し、上司や部下、配属部署や他部署の社員との交流状況などを確認する。 自分の感謝の気持ちを相手に伝える「Good Job Card(グッドジョブカード)」のやり取りも注目だ。 カードを渡せることを高く評価し、最も多くカードを渡した社員を表彰する。

5年連続増で大卒男性21万円台に――厚労省・30年確定初任給調査

厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査(初任給)」によると、大学卒・男性の確定初任給は前年比2,300円増加し、21.0万円となった。26年調査から5年連続で伸び、初めて21万円台に乗せている。小企業の伸びが200円増にとどまったことで、大企業との格差が1万円を超えている。一方で大学卒・女性は5年ぶりにマイナスに転じ、1,500円減の20.3万円となった。規模別では大企業のみ3,400円減と落ち込んでいる。高校卒は男女とも堅調で、男性が2,400円増の16.7万円、女性は3,900円増の16.2万円と急激に伸びている。

働き方改革・新規雇用で1人60万円助成――厚労省・31年度

厚生労働省は平成31年度、働き方改革関連法の施行に伴い労働者を増員した中小企業に、新たな助成金制度を設ける方針である。 雇用管理改善のための計画を作成し、人員配置の変更、労働者の負担軽減などに取り組んだ中小企業に対して、新規に雇入れた労働者1人当たり60万円(上限10人)を支給するとしている。 中小企業では、労働時間を削減する際などにおいて人員確保が困難なケースがあり、同法の施行日も1年間先送りされている。同助成金の活用によって働き方改革へ向けた環境整備を図る。

100人超の改定額5,700円弱――厚労省・賃金引上げ実態調査

厚労省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、規模100人以上における平成30年の賃金改定額は、1人平均5,675円となった。 ベア復活以来の最高値を示した前年の結果を、さらに48円上回っている。所定内賃金に対する改定率は、前年と同じ2.0%だった。 定昇制度を持つ企業のベア実施割合は、管理職で24.2%、一般職では29.8%となり、それぞれ1.3ポイント、3.0ポイント高まっている。

月給4%程度引上げを――連合・19春闘方針

連合は11月30日、千葉県で開催した第79回中央委員会で19春闘方針を正式に決定した。 賃上げは、定期昇給相当分2%に、2%程度のベア分を加えた総額「4%程度」、賃金実態を把握できない中小などは「1万500円」月例賃金の引上げを求める。 格差是正、底上げ・底支えに従来以上の力を注ぐ考えで、たとえば時給制非正規の場合、高卒初任給との均等待遇重視の考えを初めて打ち出し、「1050円」と設定した。 正規を含めた「水準重視型春闘」へ向けた第一歩、足掛かりの闘争と位置付けている。

テレワーク導入率50%超へ拡大――東京都・中小振興で展望提示

多様な人材が活躍する中小企業をめざし、テレワーク実施率を拡大へ――東京都は、中小企業振興に関する中長期ビジョン(仮称)の中間まとめを作成した。 今後の中小企業振興のめざすべき姿の1つに「多様な人材の活躍」を挙げ、数値目標として「都内企業におけるテレワーク導入率50%超」を設定した。 長時間労働の解消など働き方改革の実現に向けた専門家派遣を展開するほか、テレワーク導入支援を強化するとした。

テレワーク導入率50%超へ拡大――東京都・中小振興で展望提示

多様な人材が活躍する中小企業をめざし、テレワーク実施率を拡大へ――東京都は、中小企業振興に関する中長期ビジョン(仮称)の中間まとめを作成した。 今後の中小企業振興のめざすべき姿の1つに「多様な人材の活躍」を挙げ、数値目標として「都内企業におけるテレワーク導入率50%超」を設定した。 長時間労働の解消など働き方改革の実現に向けた専門家派遣を展開するほか、テレワーク導入支援を強化するとした。

「地方企業の働き方改革への取組と人手不足感」

日本経済新聞の2018年秋の“地域経済500調査”によると、人手不足が続く中、81.3%のトップが働き方改革に既に取り組んでいる、10.9%が予定があると回答しており、地方企業が働きやすい職場づくりに動いていることが見られた。

改革の具体的取り組み(複数回答可)は? の問いには、

・残業時間の上限抑制    67.3%
・女性の復帰支援       57.5%
・勤務時間の柔軟化      54.8%
・男性の育休取得促進    42.7%

が上位にあがった。

地方では人口減による人手不足が都市部以上に深刻で、調査でも50.2%が従業員不足、やや不足と答えた。

その要因としては、

・同業他社との採用競争   55.8%
・地域での労働人口減    47.9%
・大手企業も採用増       34.1%

を挙げるトップが多かった。                 以上

役割レベルを定額で処遇――パーク24

パーク24㈱(東京都千代田区、西川光一社長)は今年11月、能力等級と役割等級を併用するハイブリッド型の新人事制度を導入した。 役割等級を全15階層と細かく刻み、同じレベルの役職でも統括する組織・拠点の規模によっては格差が付くようにしている。等級ごとに定額を支給し、役割の大きさをダイレクトに反映する形とした。 能力等級はチャレンジ、目標達成などのコンピテンシー7要素で格付け、逆転が起きない接続型の範囲給に対応させている。 一方、大卒を最大約30%増額するなど新卒初任給を大きく引き上げたほか、次世代育成支援を強化するために出産祝金の大幅な増額、3歳ごとに3万~10万円を支給する「子ども祝金」の新設なども実施している。

働き方改革へ下請取引改善――中企庁・改正案

中小企業庁は、下請中小企業の取引環境の改善に向けた下請中小企業振興基準改正案をまとめた。 適正なコスト負担を伴わない短納期発注など、下請企業の「働き方改革」を妨げる取引慣行が存在していることから、その是正をめざす。 新たに、親事業者において下請事業者の不利益となるような取引・要請を行わないこととするほか、取引条件を理由とした労働基準関連法令違反を防止するための配慮も求める。

女性・高齢者の就業尽くせ――厚労省・報告案

厚生労働省は、外国人受入れ拡大の前提として、女性・高齢者の就業促進や処遇改善の取組みが十分に尽くされることが重要とする雇用政策研究会報告を近くまとめる方針である。 中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており、経済・社会基盤の持続可能性を阻害する恐れが生じているとして、外国人の受入れ拡大を肯定的にみている。 労働者の転職促進に向けては、労働市場の共通言語・共通基準となる職業情報提供サイト「日本版O-NET」(仮称)の整備が求められると提言した。