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改正労基法運用基準 労使関係の「不安定化」回避――厚労省

厚生労働省は、今通常国会で成立し4月1日に施行した改正労働基準法の運用に関する通達と「Q&A」をまとめた。消滅時効期間を5年に延長したものの、「当分の間」は3年に短縮する「経過措置」を設けたことについて、直ちに長期間の消滅時効期間を定めると、労使関係が不安定化し、紛争の早期解決・未然防止という趣旨に反するためとした。賃金債権は大量かつ定期的に発生するケースが多く、斉一的処理の要請が強いことから、改正法の施行日以後に支払期日が到来する賃金請求権が適用となる。

有期労働契約 不更新条項による満了認めず――福岡地裁

博報堂で働いていた労働者が、無期転換申込権が発生する直前の雇止めを不服として訴えた裁判で、福岡地方裁判所(鈴木博裁判長)は雇止めを無効とする判決を下した。労働者は1年間の有期労働契約を29回更新してきたが、無期転換ルールの開始とともに、同社が契約期間の上限を5年と定めたため、30年3月末で退職となった。雇用契約書には不更新条項があったが、同地裁は約30年の勤続を重視。契約書への署名拒否は契約打切りにつながる状況にあったとして、契約満了の合意を認めず、違法な雇止めと判断した。

職責限定し基本給7割に――七欧通信興業

電気通信工事業の七欧通信興業㈱(東京都荒川区、鳴海広司代表取締役社長)は、定年年齢である60歳を迎えた人材を「技術指導員」として再雇用する制度を運用している。再雇用後は業務の中心が「後輩の指導」となって職責が限定されるため、基本給は定年前の約7割に低減する。評価は年1回行い、63歳の時点で過去3年分の結果を踏まえて月例賃金の見直しを実施する。職務遂行に必要な能力が衰えていないかをチェックするため、ジョブ・カードを参考にした「職務能力考課シート」を活用する仕組みを整えた。会社の業績次第では、夏冬の一時金も。

新型コロナ対策 ウェブセミナー600本公開――新潟商議所

新潟商工会議所(福田勝之会頭)は、会員企業向けに配信しているインターネットセミナーを期間限定で誰でも閲覧できるよう無料公開している。新型コロナウイルス感染拡大の影響により様ざまなセミナーが中止や延期に追い込まれているなか、非会員にも新人研修など社内の人材教育に利用してもらう狙い。ビジネスマナー研修・PC講座や観光客への接客方法、経営革新・事業承継などに関するセミナーを約600本、5月まで提供している。

フルタイム男性 ピークは42.4万円に――厚労省令和元年賃構調査(概況)

厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査(概況)」によると、一般労働者・男性の所定内賃金は33.8万円だった。ピーク時である50~54歳で前年比0.5%減の42.4万円となるなど、中高年層のダウンがめだつ。高卒でも同様の傾向がみられ、50歳代で1%程度落ち込んだ。一般労働者・女性の所定内賃金は25.1万円で、男女間格差は74.3%と前年から1ポイント縮小した。短時間労働者・女性の時間給は2.0%(20円)アップして1127円に。

感染症関連相談へ迅速対処――厚労省2年度

厚生労働省は、令和2年度の地方労働行政運営方針を明らかにした。新型コロナウイルス感染症の拡大への対応を前面に打ち出したほか、長時間労働是正に向けた監督指導の推進、外国人労働者の雇用管理改善、テレワークの普及拡大などが重点政策となっている。全都道府県労働局に設置している特別労働相談窓口において、新型コロナウイルス感染症関連の事業主からの相談に迅速に対応する。外国人労働者に対する労働基準関係法令違反については、司法処分を含め厳正に対処するとした。

附帯決議 指導・監督の徹底を要請――通常国会

厚生労働省が通常国会に提出していた労働関係法改正案が、3月末までに原案通り成立した。労働基準法改正案と雇用保険法等改正案の2本で、前者は賃金請求権の消滅時効の5年への延長(当分の間3年)、後者は65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置の努力義務化を規定した。労基法改正に対する附帯決議では、労働基準監督署による指導・監督を徹底し、賃金未払い事案に対する是正指導を厳正に行うことが重要と指摘。雇用保険法等改正については、高年齢者就業確保措置を講ずる場合、個々の労働者の意思を十分尊重するよう求めている。

理事の無期転換認める――横浜地裁

学校法人信愛学園の元理事が、有期契約の更新拒絶を不服として訴えた裁判で、横浜地方裁判所(新谷晋司裁判長)は元理事の労働者性を認め、雇止め無効と無期労働契約への転換を命じた。法人の理事や役員とは委任契約などを交わすのが一般的だが、同地裁は勤務実態や報酬などから、実質は労働契約と判断。更新拒絶には合理的な理由がなく、反復更新した有期労働契約が通算5年を超えていることから、無期労働契約の地位を認定した。転換後の労働条件は最後に更新した際の契約書と就業規則によるとしている。

都内の大卒求人初任給 専門・技術職は21.2万円――東京労働局 学卒者の初任賃金

今春入社した学卒者の求人初任給を集計した東京労働局の「学卒者の初任賃金」調査によると、大卒の専門・技術職は21万2100円、事務職は20万4200円だった。前年からの伸び率は1%以下で、ほぼ横ばいとなっている。階級別分布状況をみると、高卒は、18万円以上の企業が合計5割超を占めている。20万円以上に設定するケースも少なくない。

「有事の際の資金調達方法」

新型コロナウイルスの猛威が世界を襲っています。日本でも4月8日から5月6日迄の間、緊急事態宣言が発令されました。全世界全業種全世代におよぶ被害は甚大で、経済における影響は日々深刻化しています。

下記は企業経営を支援する策としての「有事の際の資金調達方法」の一例です。
◇ 日本政策金融公庫のセ-フティネット貸付
・調達目安  国民生活事業4千万円、利率1.91%/中小企業事業7億2千万円、利率1.11%
◇ 信用保証協会のセ-フティネット保証4号
・調達目安  一般枠とは別枠で2億8千万円/借入債務の100%を保証
◇ 当座繰越の空き枠・契約更新時期の確認と未利用枠の利用
・調達目安  当座貸付の未利用額
◇ 定期預金(社長個人も含む)の解約依頼
・調達目安  定期預金の預け額
◇ 生命保険の契約者貸付制度の利用できる額と利用方法を確認
・調達目安  生命保険の解約返戻金の70~90%
◇ 倒産防止共済(経営セ-フティ共済)の一時貸付制度
・調達目安  解約手当金の95%
◇ 雇用調整助成金
・調達目安  休業手当(平均賃金の60%以上)の2/3、4/5(中小企業)/解雇しない場合は3/4、9/10(中小企業) 上限額8,330円

※ 状況により変更等が予想されますのでご利用時にはご確認下さい。
※ 新たな支援策が発表されることも予想されますので随時報道等でご確認下さい。

全国社労士会連合会 ILOと協力覚書締結

全国社会保険労務士会連合会(大野実会長)は3月23日、ILOとの間で、社労士制度の導入促進などに関する協力覚書を締結した=写真。新興国や発展途上国などにおける社労士制度の導入支援を展開していくほか、ILOが掲げるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現に向け、労働・社会保障法令の遵守を通じた労働者福祉の向上などに貢献する社労士の役割に関する意見交換を行うとした。締結に当たり大野会長は、「ベトナムやマレーシアといった制度の導入を検討している国々への支援など、積極的に活動していきたい」と意気込みを表明した。

使用者責任 「逆求償」を認める――最高裁

業務中に事故を起こした労働者が、被害者に支払った賠償金の返還を会社に求めた裁判で、最高裁判所第二小法廷(草野耕一裁判長)は、労働者の請求を認める判決を下した。民法の使用者責任は会社が被害者に賠償した場合、労働者に対し賠償額の返還を求める「求償」が認められている。労働者が先に賠償した場合のいわゆる「逆求償」が可能かどうかはこれまで判例上明らかでなかった。最高裁はどちらが先に賠償したかによって会社の負担額が異なるのは「損害の公平分担」の観点から相当でないと判断。労働者の逆求償権を認め、返還額審理のため高裁に差し戻した。

職業情報を「見える化」 日本版O―NET始動――厚労省

厚生労働省は、職業情報提供サイト「日本版O―NET(オーネット)」の運用をスタートさせた。約500に及ぶ職種を対象に、仕事や作業の内容を細かく分解したうえ、職務遂行に必要な技術・技能に関する数値データなどが明確になる。職業情報の「見える化」を図る狙い。労働者の転職・再就職活動に役立つほか、企業も採用活動や人材活用に向けたシミュレーションなどが可能としている。アメリカ労働省が運用する「O*NET」を手本として整備した。

過重労働 賠償金8400万円命じる――大阪地裁

大阪府内のフレンチレストランで調理師として働いていた労働者が、ウイルス性疾患により死亡したのは過労が原因と遺族らが訴えた裁判で、大阪地方裁判所(金地香枝裁判長)は8400万円の賠償をレストラン運営会社とオーナーシェフに命じた。約1年にわたり月250時間の残業に従事した結果、免疫力が低下し、疾患発症につながったと判断している。労働者の死亡をめぐっては、昨年5月に同地裁が業務と死亡の因果関係を認め、労災不支給を取り消す判決を下していた。

コロナ対策 テレワーク導入支援を――東商要望

東京商工会議所(三村明夫会頭)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う東京都への緊急要望を取りまとめた。都内経済への影響を最小限に抑えるため、中小企業におけるテレワークの活用促進や時差出勤・フレックス制度といった柔軟な働き方の導入促進、BCP(事業継続計画)策定支援などを求めている。テレワーク導入に向けて、ノウハウが不足する中小企業へのコンサルティングなどきめ細かな支援や、助成金制度の手続きの迅速化を訴えた。

被用者保険適用 24年に「50人超」へ引下げ――厚労省・通常国会

厚生労働省は、年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部改正案を通常国会に提出した。短時間労働者に対する被用者保険の適用対象拡大に向け、事業所の適用規模要件を段階的に引き下げるとした。「現行500人超」を「100人超」「50人超」と引き下げていく。弁護士、社会保険労務士などの資格を有する者が行う法律に係る事業で、5人以上の個人事業所に勤める短時間労働者については、新たに被用者保険の適用対象とする。高齢期の就労継続拡大のため、在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上)の年金額については毎年定時に改定する仕組みを導入するとした。

被用者保険適用 24年に「50人超」へ引下げ――厚労省・通常国会

厚生労働省は、年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部改正案を通常国会に提出した。短時間労働者に対する被用者保険の適用対象拡大に向け、事業所の適用規模要件を段階的に引き下げるとした。「現行500人超」を「100人超」「50人超」と引き下げていく。弁護士、社会保険労務士などの資格を有する者が行う法律に係る事業で、5人以上の個人事業所に勤める短時間労働者については、新たに被用者保険の適用対象とする。高齢期の就労継続拡大のため、在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上)の年金額については毎年定時に改定する仕組みを導入するとした。

現金給与総額 0.3%減の32.3万円――厚労省 毎月勤労統計(元年平均確報)

厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、令和元年平均(確報)の月間給与総額は32.3万円となり、前年比0.3%減だった。平成26年から続いていたプラス推移が止まっている。物価の変動を加味している実質賃金指数は99.9で0.9ポイント減少した。一方、雇用形態別の所定内給与についてはフルタイム労働者が0.6%増の31.4万円、パートタイム労働者の時間当たり給与が2.7%増の1167円で揃って改善している。パートタイム労働者の比率は31.5%に。

違法判断で処遇後退の恐れ――横浜地裁

社会福祉法人青い鳥の非正規職員が、正規職員との間に会社独自の出産手当金の有無などの差があるのは同一労働同一賃金を定めた労働契約法に違反すると訴えた裁判で、横浜地方裁判所(新谷晋司裁判長)は請求を全面的に棄却した。同法人は正規職員が産前産後休業を取得した際、出産手当金として通常の賃金を支給していた。非正規には手当がなかったが、同地裁は手当の目的は将来的に経営にかかわる人材の離職防止にあると指摘。違法との判断は手当の全面廃止につながりかねず、むしろ格差是正のための施策を後退させるとして、不合理性を認めなかった。

20春季交渉――前年並み回答と評価

2020年春季労使交渉の集中回答日となった3月11日、金属労協の髙倉明議長は、先行大手の回答について「多くの単組が前年並みの賃上げ回答を獲得できた」とした。回答額平均は1097円で前年の最終集計を255円下回ったが、7年連続の賃上げとなった。産別については、電機連合の13単組中4単組が1000円以上のベアを獲得、JAMでは300人未満労組のベアが全体平均を上回っている。

氷河期世代就職支援 正規1.8万人増めざす――愛知県

愛知県内の政労使団体は、令和4年度末までに就職氷河期世代の正規雇用者を県内で1万7700人増やす目標を掲げた。同県は官民一体となって取り組む「就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム」のモデル県に選出されており、今年2月に開いた第2回会議で令和2~4年度までの事業実施計画を策定した。支援講座や職場実習を通じて正規雇用に結び付けるほか、同県内企業50社を集めて同世代限定の面接会を催すなどの対策に取り組むとしている。

総務人事課長 管理監督者性認めず――東京高裁

㈱エルピオ(千葉県市川市、牛尾健代表取締役)で総務人事課長として働いていた労働者が残業代の支払いを求めた裁判で、東京高等裁判所(深見敏正裁判長)は管理監督者性を認めず、370万円の支払いを命じた一審判決を維持した。同社は遅刻や外出などに許可を得る必要がなく、労働時間に広範な裁量があったと訴えた。同高裁は勤怠がタイムカードで管理され、労働時間規制の枠を超えた活動を要請されざるを得ないような権限を有していなかったとして、主張を退けた。

派遣先企業 4割が団交要求に「対応」――厚労省調査

派遣労働者の所属する労働組合から団体交渉を求められた場合、「対応する」と回答した派遣先が4割に達していることが、厚生労働省の実態調査で分かった。平成24年と27年に改正した派遣法の施行状況を調べたもので、今後の制度見直しへ向けた基礎資料とする。雇用安定措置に基づき派遣労働者を直接雇用へ切り替えた経験のある派遣先は約3割で、多くは無期雇用としていた。改正目的である雇用安定化を一定程度達成している。3年を超えて有期雇用派遣労働者を受け入れていた派遣先は2割だった。

「働き手のエンゲ-ジメントの重要性Part2」

前回の第235回に続いてエンゲ-ジメント(働き手にとって組織目標の達成と自らの成長の方向が一致し、仕事へのやりがい・働きがいを感じる中で、組織や仕事に主体的に貢献する意欲や姿勢)について触れます。

経団連が自社における把握状況を尋ねた調査では「把握している」との回答が78.7%に上りそのうちエンゲ-ジメントの状況について「高い」5.9%、「どちらかというと高い」72.3%と8割近くに上った。

企業がエンゲ-ジメントを高めるための対応として特に重視している項目(複数回答)としては、「職場のコミュニケ-シヨンの活性化・円滑化」54.8%との回答が最も多く、続いて「経営理念や事業目的と社員の働く意義とのマッチング」46.8%、「社員一人ひとりが尊重される企業・職場風土の形成」44.3%が多くなっている。

エンゲ-ジメント向上のために、社員同士のコミュニケ-ションをはじめ、職場風土の改善や個々の社員の意識の尊重を重視している企業が多いと言える。

加えて、(独)労働政策研究・研修機構の調査では、「仕事を通じて、成長できている」「自己効力感(仕事への自信)が高い」「キャリア展望が明確になっている」といった認識を持つほど、エンゲ-ジメントも高いと分析している。

社員がこうした実感を持ちやすくするための取り組みを検討することも一案と言える。以上

「働き手のエンゲ-ジメントの重要性」

企業において、一人ひとりの働き手が持てる能力を最大限発揮するための環境を整備し、 労働生産性を向上させていく上でエンゲ-ジメントという概念が注目されている。

経団連ではエンゲ-ジメントを、働き手にとって組織目標の達成と自らの成長の方向が一致し、 仕事へのやりがい・働きがいを感じる中で組織や仕事に主体的に貢献する意欲や姿勢を表す概念としている。

定期的なアンケ-トを通じて企業全体のみならず、職種、役職、雇用管理、年齢などの 様々な区分毎に働き手のエンゲ-ジメントの状態を見える化する手法が開発されており、 自社の抱える課題を把握し解決していく上で活用することができる。

エンゲ-ジメントの向上は、企業に様々なメリットをもたらすと言われており米Gallup社が 世界の主要企業に対して行った調査では、エンゲ-ジメントが高い企業は低い企業に比べて 収益性が21%、労働生産性が17%高くなるといった結果が報告されている。

厚生労働省の調査でも、エンゲ-ジメントの高さは、労働生産性の向上や離職率の低下 と相関があると指摘している。

エンゲ-ジメントが高まれば、新たな挑戦やアイデアが生まれやすく、イノベ-ションの 創出に寄与すると考えられる。以上

大卒・事務技術モデル 非管理職35歳32.5万円に――関経連ほか関西地域の標準者賃金

関経連など9つの経営者団体が共同で実施した「標準勤続者賃金」調査によると、大卒・事務技術のモデル賃金は、非管理職の22歳が20.9万円で35歳では32.5万円だった。22~30歳で改善がみられた一方、35歳以上では前年より軒並み減少している。管理職をみると45歳48.7万円、55歳56.8万円だった。初任給に対するピーク時の倍率は、管理職が2.72倍だったのに対して、非管理職では1.98倍だった。規模別に非管理職35歳の賃金をみると、規模間の差が前年に比べて1.6万円縮まっている。地域別の水準では大阪、京都が他地域に比べて高い傾向にある。

再就職後も復職意思有効――東京高裁

㈲新日本建設運輸(東京都江戸川区)でトラックドライバーとして働いていた労働者が解雇の無効を求めた裁判で、東京高等裁判所(白石史子裁判長)は、解雇から1年半の期間のバックペイのみを認めた地裁判決を変更し、判決確定日までの賃金支払いを命令した。地裁は労働者の再就職から約半年後に就労意思がなくなったとしていたが、同高裁は「生活維持のため他社で働くこと自体は復職の意思と矛盾しない」と判断。労働契約上の地位と地裁の約2倍となる760万円の請求を認容した。

最低報酬設定は回避を――全国中央会

全国中小企業団体中央会(森洋会長)は、現在、厚生労働省内で検討中の「雇用類似の働き方」に対する保護対策について意見表明した。業務受注者側は、一般に経営資源が乏しく取引条件、交渉力などで大きく劣ることが多いため、何らかの保護や育成対策が必要との認識を示したが、新たなガイドライン(指針)の作成とその周知徹底に留めるよう訴えた。報酬額も受注者と発注者双方の協議により決定すべきで、最低基準を定めるべきではないとした。

選択型の65歳定年制へ――住友林業

住友林業㈱(東京都千代田区、市川晃社長)は、4月から65歳を上限とした選択型定年制度を導入する。60歳に達して以降は、正社員として働き続けるか、勤務地や勤務形態の融通が利く再雇用に転換するかを毎年、選択できる。正社員を続ける場合は原則60歳で役職定年となり、給与水準は初年度で直前の7割、以降は毎年5%ずつ抑制していく。併せて65歳を超えて技術系専門人材を雇用してきた「シニア人材バンクセンター制度」を拡充し、70歳までだった上限年齢を撤廃する。

団体交渉 使用者側の開催条件は不当――東京地裁

東京地裁(春名茂裁判長)は、㈱アート警備(埼玉県川口市)が中央労働委員会による不当労働行為の救済命令の取消しを求めた裁判で、同社の請求を棄却した。同社は夏季休暇や賞与に関する団交について、交渉内容を第三者に漏らさない、録音撮影を禁止するなどの開催条件への同意を求めたが、組合が拒否し、団交は開催されなかった。同地裁は開催条件に必要性・相当性はなく、団交拒否に当たるとして、中労委の団交応諾命令を維持した。同社は判決を不服として控訴している。

時間外上限規制 中小適用前に説明会500回――厚労省

厚生労働省は、今年4月から時間外労働上限規制の中小・小規模企業への適用および大企業への「同一労働同一賃金」の適用が開始されるため、経済産業省と連携して「働き方改革対応合同チーム」を新設した。労働局の働き方改革推進支援センターと経産局のよろず支援拠点が収集した各地の中小企業・小規模事業者の「働き方改革」に対する意見などを踏まえ、改正法施行に万全を期す構えである。時間外労働上限規制については、年度末までに全国で合計500回程度の説明会を開くなどとした。

同業のプロジェクト参加OK――DeNA

㈱ディー・エヌ・エー(東京都渋谷区、守安功代表取締役社長兼CEO、連結2437人)では、社内で副業が広がっている。その数、3年弱で累計400件に上った。独自規定の「三原則」に反しない限り広く承認し、場合によっては同業のゲーム会社のプロジェクトへの参加も認める。外部で得た知識を本業に活用してもらいたい考えだ。承認した社員に対しては3カ月に一度、疲労度などのチェックを行って働きすぎ防止に注意を払う。社内での副業、人事異動に関する公募制度なども整え、社員が熱意をもって働ける環境づくりを進めている。

最賃引上支援助成 上限450万円に増額――厚労省

厚生労働省は、令和元年度補正予算により最低賃金の引上げを支援する「業務改善助成金」を大幅に拡充した。従来、事業場内最低賃金を30円以上引き上げた事業場に支給対象を限定していたが、「25円以上」「60円以上」「90円以上」の3コースを新設したうえ、支給額の上限を450万円(従来100万円)まで増額した。地域別最賃を毎年3%程度ずつ引き上げたことに対応するとともに、早期に全国平均1000円を達成する狙い。

情報サービス産業 大卒35歳モデル32.3万円に

情報労連の「ITエンジニアの労働実態調査」によると、大卒のモデル所定内賃金は22歳21.1万円、35歳32.3万円、45歳40.3万円、ピークの55歳42.8万円などとなった。35歳で初任時の1.53倍まで高まり、ピークでは2.03倍に至るカーブを描いている。各社に該当者の最低額、最高額を聞いて集計している職種別の賃金レンジは、システムエンジニアが25.8万~41.2万円、プロジェクトリーダーおよびシステム運用管理者は36.0万~50.2万円となっている。

WLB推進 育休後の女性復職率100%――あいのわ福祉会

障害者支援事業や介護事業を行う社会福祉法人あいのわ福祉会(東京都足立区、橋本弘理事長、306人)は、職員の多数を女性が占めることなどを理由に、ワーク・ライフ・バランスの実現に資する人事施策を数多く展開している。休暇制度は子供の看護休暇や時間単位年次有給休暇をはじめ、冠婚葬祭用の特別休暇や勤続年数に応じたリフレッシュ休暇を用意する。育児休業を取得した女性の復職率は、4年連続で100%を記録中。加齢に伴う体力の衰えに配慮した夜勤や残業のない職場への配置転換や、ラッシュを避けた通勤を可能とする時差出勤なども制度化した。

人材戦略のあり方提示へ――経産省

経済産業省は、大企業の人事担当役員などによる研究会を設置し、企業価値の向上につながる人材戦略のあり方と経営陣などの役割の明確化に向けた検討を開始した。企業に対して経営環境の変化に応じた人材戦略の構築を促し、中長期的に企業価値の引上げを図るのが狙い。経営戦略と人材戦略を密接に関連付けるための体制のほか、「デジタル人材」の確保や多様な人材への対応といった各社に共通する課題について明らかにする。

総合職・大卒35歳38.6万円に――経団連・モデル賃金調査

経団連と東京経協が実施した「2019年6月度定期賃金調査」によると、総合職・大卒35歳のモデル賃金は38.6万円で、前年結果に比べて0.4%増加した。全年齢ポイントで2年連続プラスとなったが、伸び率は0.4~1.2%増と大きくない。ピークの55歳は62.0万円となり、初任時22歳に比べて2.81倍の水準だった。実在者の役職者賃金では、部長が1.2%増の70.6万円、課長が0.6%増の53.9万円と伸びた一方で、係長が0.2%減の40.7万円と落ち込んでいる。

“追い出し部屋”での考課無効――東京高裁

㈱フジクラで働く労働者が、いわゆる「追い出し部屋」での人事考課に基づく賃金減額などを不服とした裁判で、東京高等裁判所(都築政則裁判長)は、退職勧奨に応じなかったことを理由に評価を低くした疑いがあるとして、減額を無効とした1審判決を維持した。業務の履行態度を問題とした解雇についても無効と判断し、減額分の賃金計126万円とバックペイの支払いを命じている。同社は出向先を探す業務命令に従わなかったため、評価を下げたと主張したが認められなかった。

自動車運転者の改善基準 拘束時間、休息期間を改定へ

厚生労働省は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)の見直し検討を開始した。自動車運転業務の時間外上限規制は、平成30年に成立した働き方改革関連法施行5年後に「年960時間」を適用することになっている。このため、ハイヤー・タクシー、トラック、バスの運転者に適用している「改善基準告示」の拘束時間、休息期間、連続運転時間などの規制時間を見直す考え。健康確保、過労死防止、労働時間短縮をめざすとした。

東京都/中小企業の賃金事情 都内中小のモデル賃金 大卒35歳で30.6万円に 若手除き軒並みダウン

東京都の「中小企業の賃金事情」調査によると、大卒のモデル賃金は22歳21.1万円、35歳30.6万円、45歳37.9万円、ピークの55歳43.7万円となった。初任給に当たる22歳と25歳以外では前年比ダウンし、40歳以上では総じて2%以上の減少率を示した。対照的に学卒初任給は堅調で、大卒では金融業,保険業が22.0万円に達し、高卒では宿泊業,飲食サービス業が20.0万円などとなっている。

最賃遵守へ集中監督実施 小売・飲食など700社 東京労働局

東京労働局(土田浩史局長)は、昨年10月1日に発効した地域最低賃金(1013円)を管内企業に遵守させるため、今年2月まで集中的な監督指導を展開する。最賃引上げの影響が大きい食料品製造業や小売業、飲食業など700事業場程度を調査し、法違反があれば是正勧告していく。昨年同時期に実施した監督での違反率は、全国集計を上回る18.7%に上る。「最賃額自体の周知は進んだものの、対象となる労働者など最賃制度の詳細を理解していない事業場が少なくない」(同労働局)という。

複数就業者 雇保・労災で保護強化 一括5法案提出へ 通常国会 厚労省

厚生労働省は、雇用保険法改正案、高年齢者雇用安定法改正案、労災保険法改正案など、主要労働5法案をまとめた「雇用保険法等の一部改正案要綱」を作成した。今通常国会へ一括審議法案として提出する。マルチジョブホルダー(複数就業者)に対する雇用保険と労災保険の適用に関する取扱いや高年齢者の70歳までの就業機会の確保などが柱となる。令和2年度の失業給付等の保険料率は1000分の6(労使折半)で、今年度から変更はない。

「アジャイル型組織」・チームリーダーに基本給加算・業績評価の運用任せる――アフラック

アフラック生命保険㈱(東京都新宿区、古出眞敏代表取締役社長)は、マーケティング、契約サービス、ITなどの各部門から専門人財を集めてチームをつくり、短期間で成果を創出する「アジャイル型の働き方」を推進している。今年1月には、参加メンバーを処遇するため、評価・報酬・育成などの仕組みを整えた。業績面の評価はチームを率いるプロダクトオーナーに委ね、チーム内で目標設定を達成度評価を行うルールを明確にした。プロダクトオーナーは非管理職が担うこともあり、責任と処遇が一致しないケースがあるため、ポストに応じて基本給に加算を行う。

ベア要求額提示せず・各労組が水準設定へ――自動車総連・今春労使交渉方針

トヨタや日産などの労働組合でつくる自動車総連(髙倉明会長)は、中央委員会を開催し、「2020年総合生活改善の取組み方針」を決定した。昨年に引続き、産別労組としてのベースアップ基準を示さず、各労組自らがめざすべき賃金水準と要求額を設定するとしている。企業内最低賃金に関する取組みも強化し、すべての労組が協定を締結するとしたほか、18歳の最低要求額を16万4000円に定めた。

労務面で企業診断認証制度・働き方改革を後押し・4月から――全国社労士会連合会

全国社会保険労務士会連合会(大野実会長)は今年4月、労働関係の法令遵守や働き方改革に取り組む企業を支援するため、取組みを社労士が診断し、同連合会が認証する「社労士診断認証制度」を開始する。就業規則や36協定の整備状況などを確認するもので、取組み状況などに応じた3段階の認証を用意する。それぞれ要件を満たした企業にはマークを付与するほか、特設サイトに企業情報を掲載。同連合会は、「認証を受ければ『人を大切にする企業』であることをアピールでき、人材確保面の効果が見込める」としている。

小規模・男性のピーク631万円――国税庁調査

国税庁の民間給与実態統計(平成30年分)によると、従業員30~99人の小規模事業所に勤務する男性の平均年間給与のピークは、631万円だった。中堅規模の500~999人では1.18倍の748万円、5,000人以上では1.42倍の896万円などとなっている。賃金カーブにおいてもめだった規模間格差がみられ、20~24歳の水準に対するピーク時の格差は、小規模で2.29倍、中堅規模で2.42倍、5,000人以上では3.56倍だった。

副業・勤続5年以上に対象拡大・”支援休暇”も新設――アサヒビール

アサヒビール㈱(東京都墨田区、塩澤賢一代表取締役社長)は、今月から勤続5年以上の全社員を対象に副業を解禁した。これまでは、定年退職後の再雇用人材に限って認めていた。他社への就業は認めず、個人が保有するスキルを活用した業務委託契約や個人事業主としての活動のみ容認する。活動は就業時間外のみとするが、新たに月2日の「副業支援休暇」を制定し、社員が取り組みやすい環境もつくっている。

柔軟な働き方へ総合支援・テレワーク導入促す・リカレント教育にも注力――東京都

東京都は、長期的な政策の方向性を示した「『未来の東京』戦略ビジョン」を策定した。「誰もが輝く働き方の実現」を2030年に向けた重点戦略の1つに位置付けている。在宅勤務やサテライトオフィス勤務など時間・場所にとらわれない柔軟な働き方を実現するため、中小企業向けテレワークスペースの整備や、コンサルティングなど総合的な支援を展開する。高齢者を含む幅広い世代が生涯を通じてスキルや知識を高められるよう都立大などにおけるリカレント教育(学び直し)にも力を入れるとした。

「オヤカク、企業の半数実施」

オヤカクは「親に確認」の略称。内定者や選考中の学生の内定を承諾したことに ついて、親が賛成しているか確認することを指している。親の意向で学生が内定 を辞退する「親ブロック」を防ぐのに有効とみる企業が多い。

人材サ-ビスのネオキャリアが2019年3月に大学・大学院を卒業する子を持つ 親618人と309社から有効回答を得たデ-タによると、内定後に実際に行った オヤカクについて企業に複数回答で聞いたところ、何かしらの施策を行ったのは 47.6%に達した。2018年の前回調査から6.3%増えた。 最も多かったのは「企業情報を親へ送付」が23.0%で前回から4.6%増えた。 さらに、「親向けの内定同意書の用意」が15.5%、「親向けの内定理由通知書を 親に送付」が12.6%で、前回に比べほぼ倍増している。

また、内定者の親に手紙を送っているケ-スもある。手紙に子どもを評価した 理由を書くことで、会社のことも応援してくれるようになる傾向があるようだ。 一方、内定者の親に対してどのようなオヤカクを希望するか聞いたところ、 「特にない」が73.6%に達した。しかし、子どもの就活に関しては「就職して ほしい企業とそうでない企業がある」という答えが55.3%と過半数を占めた。 「企業によっては内定辞退を促す」という回答も20.4%に達した。 私大を中心にキャリアセンタ-が親向けに就職ガイダンスを開く大学も多く、 その際の担当者のアドバイスで共通しているのは「金は出しても口だすな」。 子の意向を妨げずに、ほどよく伴走して就活の完走を見守る距離感も重要では。 以上

メンバーズ/社員一斉テレワーク 残業時間10%減る 詳細な手引きが奏功

㈱メンバーズ(東京都中央区、剣持忠代表取締役社長、1192人)は、今夏に迫る東京オリンピック・パラリンピック期間中の予行演習として、昨夏に社員500人が参加する2週間の「一斉テレワーク」を実施した。事前に、140ページにおよぶ社外で働く際のルールをまとめたマニュアルを用意し、勤務時間のルールなどを周知した。就業場所は原則自宅とし、難しい場合には会社が契約するシェアオフィスで働くよう定めている。結果、業務上の支障は発生せず、そのうえ残業時間が10%減る副次的な効果が得られた。

学卒・男性21.3万円に――厚労省・確定初任給調査

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)」によると、大学卒・男性の確定初任給は21万2,800円となり、前年比で2,700円アップした。平成26年から6年連続で改善が進み、伸び率でも前年結果を0.2ポイント上回った。企業規模別では中・小企業の伸びがより大きく、100~999人では4,100円増、10~99人では2,900円増と上昇している。大学卒・女性は20万6,900円となり、4,300円増と2年ぶりにプラスに転じた。高校卒は男女とも2,300円伸び、それぞれ16万8,900円、16万4,600円となっている。

今春から週休最大4日・出勤する曜日は固定――SMBC日興証券

SMBC日興証券㈱(東京都千代田区、清水喜彦代表取締役社長)は、週休4日制、3日制を導入する。週休4日制の対象は40歳以上の正社員で、40~50歳代は利用目的を介護に限定。週休3日制は30歳から利用を認め、30歳代は利用目的を育児と介護に絞った。月給は出勤日数に応じて、それぞれ60%、80%支給する。利用を希望する社員には申請を求め、1年ごとの更新制を採る。毎週の出勤曜日は固定する。

生産ライン職・月7時間30分の特別休暇・2回に分割して取得――ライオン㈱

ライオン㈱(掬川正純代表取締役社長)は来年9月、シフト勤務で働く生産ライン職を対象に、1カ月最長7時間30分の特別有給休暇を付与する「生産職お助け休暇制度」を導入する。 フレックス勤務ができない働き方の社員に対し、育児や介護といった個人の事情に対応する時間を確保しやすくする狙い。利用は30分単位で月2回までに限定する。生産職以外の社員では、コアタイムのないフレックスタイム制度を開始する。

既存ルールの弾力化進む――2019年掲載事例を振り返る

働き方改革と人手不足解消の両立が求められるなか、2019年は既存の枠組みを弾力化する制度改定がめだった。シニアの活用に向けて65歳定年や再雇用者の処遇改善を進める企業が増える一方、女性の成長機会を拡大するために勤務地限定の働き方を工夫する動きも起きている。グローバル展開を支える基盤づくりとして、従来以上に欧米型の制度と取り込む企業もみられた。

子育て両立支援策・減少賃金の50%を補填・育児短時間中に手当――コーソル

データベース技術を核としたサービス事業を展開する㈱コーソル(東京都千代田区、金山俊明代表取締役、133人)は、育児により制限された勤務時間分の賃金の50%を補填する「育児支援手当」などを導入し、社員の育児と仕事の両立を支援している。 時短勤務は法定を大幅に上回り、子供が小学校卒業まで認める。社内報などで制度を利用した男性社員が体験談を披露するといった風土づくりも推進中。今年度、厚生労働省主催「イクメン企業アワード(両立支援部門)2019」でグランプリを受賞した。

高齢者の安全・健康/集中要する作業に制限を・対策実施へ調査審議――厚労省

厚生労働省は、70歳までの就労促進に向け、高齢者が働きやすい職場環境実現のためのガイドライン案を作成した。身体機能低下による労働災害発生リスクについて、 災害事例やヒヤリハットから洗い出し、優先順位の高いものから対策を講じるリスクアセスメントを実施すべきとしている。具体的には、通路の段差の解消、注意力・集中力を必要とする作業時間の限定などを示した。多様な高齢者が健康で安心して働くことができるよう、国民的な気運醸成を図る方針である。

事務課長のピーク60万円弱・新人層に比べ2.7倍――人事院/民間給与の実態(確報)

人事院の平成31年職種別民間給与実態調査によると、課長クラスの所定内給与のピークは、事務系で52~56歳未満59.6万円、技術系では56歳以上60.8万円だった。大学新卒者を含む係員20~24歳の水準と比較すると、それぞれ2.72倍、2.82倍となっている。一方、今年度にベースアップを実施した事業所における配分状況は、一律定率19.3%、一律定額39.9%となり、一律以外40.8%が最も多かった。具体的にどの世代に重点を置いたかを尋ねた設問では、20歳代以下とする事業所が3割を超えるなど、若手に傾斜した配分傾向が明らかになっている。

行動指針適う活動称え合う・社員間で投票を実施――RELATIONS/組織づくり 

RELATIONS㈱(東京都港区、長谷川博章代表取締役、48人)は業績拡大に伴い、積極的に社員を採用し、組織づくりに力を注いでいる。 「従業員からも顧客からも信頼される会社」づくりが目標だ。その1つが、会社の行動指針に適う活動をした社員に票を投じる「バリュー投稿」。 会社が利用するビジネスチャット上で、互いに活動を称賛する。全員が参加するミーティング「TGIM」や1人の社員が1時間程で自らの人生について語る施策も実施。 毎月1万円を上限として、社員同士で食事をした際に補助を行う制度も導入している。

「中堅企業の経営幹部の女性比率」

英グラントソントン・インタ-ナショナル(国際会計事務所)が行った非上場企業を 中心とする中堅企業4933社を対象に、主に部長職以上の女性幹部割合の調査によ ると、世界全体の女性幹部の割合は平均29%で、前回調査の24%から5ポイント 上昇した。

1位・・・ニュージーランド 44%
2位・・・オ-ストラリア  42%
3位・・・ナイジェリア   38%
3位・・・ボツワナ     38%
5位・・・フィリピン    37%
5位・・・ベトナム     37%
7位・・・ドイツ        36%

が上位で、日本は前回より割合は高まり15%となったが、04年の調査開始から続く 最下位から抜け出せなかった。グロ-バル化や女性活躍推進法など政府の取組効果 が出始めていることが背景として考えられる。また、最近では経営者の娘が事業を 引き継ぐケ-スも増えており、特に比較的小規模を中心とした事業承継が全体割合 を押し上げている可能性もあるとしている。厚生労働省の17年の調査でも規模が大 きいほど女性管理職の割合が低くなる傾向が出ている。従業員が5000人以上の企業 の課長級以上の女性管理職比率は6.2%だったのに対し、10~29人は19.2%に達した。 政府は20年に女性管理職比率を30%までに高める目標を掲げているが、今回の調 査でも経営幹部に女性が一人もいない企業が52%を占めており、改善の余地が大き いことがわかる。 女性比率を高めるために実施している施策について複数回答で聞いたところ、 「柔軟な働き方を可能にする」「発展的な業務に触れる機会を平等に与える」 「採用方法の見直し」といった回答があったが「特に対策を取っていない」という 回答が45%と最も多く、世界全体の25%よりもかなり高く、施策が追いついていな いという実態も浮き彫りとなった。                                                                                                                    以上

「フレキシブル休職」を新設・視野広げる機会に――三洋化成工業

三洋化成工業㈱(京都府京都市、安藤孝夫代表取締役社長)は、「フレキシブル休職制度」を導入した。 ボランティアをはじめ、要介護状態ではない親族の介護、自己研鑽、副業――など多様な目的での利用を想定している。 在職中に1度、最長2年まで取得を認める。社外での経験は従業員の視野を広げ、新たな発想につながると判断した。業務引継ぎの観点などから、休業に入る1カ月前までの申請を求める。

改定額5,600円に――厚労省・賃金引上げ等実態調査

厚労省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、規模100人以上の企業における賃金改定額は、1人平均5,592円だった。前年結果と比べるとわずかに83円下回ったが、所定内賃金に対する改定率では3年連続2.0%となった。定期昇給制度を持つ企業におけるベア実施率は、管理職が24.8%、一般職は31.7%だった。現行の集計方式となった平成15年以来、一般職の実施率が初めて3割を超えている。

入社日時点で10日付与・半年ごとに3連休を――美芳会/年次有給休暇

働きやすい職場環境づくりに注力している社会福祉法人美芳会(静岡県富士市、大塚芳正理事長、150人)は、年次有給休暇を正職員に入社日時点で10日付与している。 非常勤職員も同様で、日数は契約日数に比例している。「3カ月で1日」「半年ごとに公休を含めて連続3日以上」といった独自の“ルール”を決めて確実な取得を促進中。 平成30年度の平均取得日数は12.2日で、3年前に比べて倍増した。近年はくるみん、えるぼし、ユースエールの認定により、求人に対する応募が増えている。

1時間単位の取得が可能に――厚労省・介護と子の看護休暇で

厚生労働省は、育児・介護休業法施行規則および指針を改正し、子の看護休暇と介護休暇の最低取得単位を柔軟化する。 家族介護、子の看護において、専門機関との相談や必要な対応を行う場合に、所要時間に応じて柔軟に取得できるようにする狙い。 現行の「半日単位」を「1時間単位」に改定する予定である。1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は、現行半日単位取得の適用外だが、併せて同規定を削除する。施行は令和3年1月1日を予定している。

アニメーター労働条件・平均年収が441万円――業界団体調べ

一般社団法人日本アニメーター・演出協会(入江泰浩代表理事)は、アニメーターの労働条件に関する実態調査結果を公表した。 平均で1日の労働時間9.66時間、1カ月の休日5.40日などの実態が判明している。年収は、全体平均で441万円だったものの職種によっては低水準に留まった。たとえば動画担当は125万円で、同協会は「引き上げていかないとならない」と危機感を示した。

アニメーター労働条件・平均年収が441万円――業界団体調べ

一般社団法人日本アニメーター・演出協会(入江泰浩代表理事)は、アニメーターの労働条件に関する実態調査結果を公表した。 平均で1日の労働時間9.66時間、1カ月の休日5.40日などの実態が判明している。年収は、全体平均で441万円だったものの職種によっては低水準に留まった。たとえば動画担当は125万円で、同協会は「引き上げていかないとならない」と危機感を示した。

ベア分・中央値で1300円に――中企庁・雇用状況等調査

中小企業庁の「平成30年度中小企業の雇用状況等に関する調査」によると、正社員の月例給与引上げ額の中央値は、定昇分で3,994円、ベースアップ分で1,300円となった。引上げ率は、それぞれ1.50%、0.59%となっている。非正社員の時給引上げ額は同じく30円、2.38%だった。正規・非正規の待遇差の是正に関しては、全体の33.7%が「対応済み」、47.1%が「2021年までに対応予定」とする一方、10.5%が「対応困難」と回答している。

ベア分・中央値で1300円に――中企庁・雇用状況等調査

中小企業庁の「平成30年度中小企業の雇用状況等に関する調査」によると、正社員の月例給与引上げ額の中央値は、定昇分で3,994円、ベースアップ分で1,300円となった。引上げ率は、それぞれ1.50%、0.59%となっている。非正社員の時給引上げ額は同じく30円、2.38%だった。正規・非正規の待遇差の是正に関しては、全体の33.7%が「対応済み」、47.1%が「2021年までに対応予定」とする一方、10.5%が「対応困難」と回答している。

70までの就労支援へ拠点――厚労省令和2年度・キャリアサポートセンター新設

厚生労働省は令和2年度、70歳までの就業機会の確保を狙いとし、キャリアサポートセンター(仮称)を新設するとともに、企業の実情に応じたオーダーメイド型在職者訓練支援を強化する方針である。 キャリアサポートセンターは、労働者のキャリアプランを再設計したり、キャリア形成を支援する拠点で、全国的サービスを展開する予定。 65歳超の高齢者の継続雇用支援については、各企業の実情に合ったオーダーメイド型在職者者訓練を推進し、スキルチェンジなどを促すとしている。

パートの賃上げ4%基準に――UAゼンセン

2019-11-21製造・流通・サービスなど様ざまな産業の労働組合でつくるUAゼンセン(松浦昭彦会長)は、このほど開催した政策フォーラムで、2020春季労使交渉の方針の「素案」を明らかにした。 パートタイム労働者の賃上げについて、制度昇給分が明確ならベースアップで2%、不明確なら4%基準(時給ベースで40円相当)で引上げを要求していく。一時金は、同一労働同一賃金ガイドラインを踏まえ、最低で年間2.0カ月を求める。

東京の4人世帯24.1万円――地域別標準生計費

都道府県人事委員会による4人世帯の標準生計費は、東京都24.1万円、大阪市21.0万円、名古屋市22.2万円などとなった。 東京都が前年比18.6%減と大幅にダウンした一方で、大阪市は1.0%減、名古屋市は1.3%増と横ばいだったため、 東京との格差が2万~3万円にまで縮小した。過去5年間の平均値でみても地域間格差は縮小傾向にあり、全47地域の6割強が20万~22万円台に集中している。

育児短時間は小学校卒業まで――アドバンテッジリスクマネジメント/女性活躍推進

メンタリティマネジメントや就業障がい者支援、リスクファイナンシングなどの事業を行う㈱アドバンテッジリスクマネジメント(東京都目黒区、鳥越慎二代表取締役社長、320人)は、産前産後休業や育児休業取得時の態勢整備と長時間労働削減により、 女性社員が活躍できる職場づくりに力を入れている。育児短時間勤務の期限を法定以上の小学校卒業時までとするほか、有給の看護休暇などを導入、仕事と育児の両立を行いやすくしている。残業削減対策は、「定時以降の会議の原則禁止」「他部署への業務依頼は17時まで」などのルールで対応する。

大卒・事務系21.8万円に――19年3月卒決定初任給調査

経団連と東京経協が実施した2019年3月卒の決定初任給調査によると、大学卒・事務系は21万7,981円、技術系は21万7,834円だった。前年実績からの引上げ額はそれぞれ1,652円、1,736円となり、ともに0.8%伸びている。 高卒では、事務・技術・現業の3職種すべてで17万円を超えている。一方、初任給の引上げ改定をした企業は全体の約6割を占め、2年連続で据え置いた企業の数を上回った。 決定に当たって最も重視した判断要因では、「人材確保の観点」を挙げる割合が7年連続で伸びており、今回初めて2割を超えている。

申送り業務・シフト作成 管理職の負担大幅減――ビックカメラ

㈱ビックカメラ(東京都豊島区、宮嶋宏幸代表取締役社長)は、社内連絡ツールやシフト作成ツールの導入によって、管理職の労働時間削減を進めている。 連絡ツールは、店舗における時間帯責任者同士の申送り業務の簡略化につながった。かつて1カ月の予定を組むのに1~2日掛かっていたシフトづくりでは、作業時間が大幅に短縮している。 今春には労働組合と合同で「小1の壁セミナー」を初開催し、育児期社員の離職防止対策を強化した。

「フリ-ランス白書」

フリ-ランス人口について、ある機関の調査では副業を含むフリ-ランス人口は 2018年で119万人。2015年との比較では22.6%増で労働力人口の約17%を占めるまでになった。

実際の働き方については、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリ-ラン ス協会がまとめた「フリ-ランス白書2019」によると、年齢は30代が40.3%と 最も多く、40代が33%で続いている。職種では、ライタ-系など「文章系」が 25.2%で最も多く、IT(情報技術)・エンジニア系が22.8%、ビジネス系17.0%、 コンサルタント・カウンセラ-系12.8%となっている。

月の平均時間が140時間以上200時間未満と正社員とほぼ変わらないフルタイムワ-カ-の年収は200万円~400万円未満が29%で最も多く、400万円~600万円 未満が21.6%で続いており、200万円未満も10.0%で決して高いとは言えない。 フリ-になった理由(複数回答)をみても「自分の裁量で仕事をするため」が59.4%、 「働く時間・場所を自由にするため」が56.0%と高く、「収入をふやすため」は 26.6%にとどまった。「収入」よりも「自由」を優先する人が多いことがわかる。 一方、フリ-を続けていくうえで障壁になっていることを尋ねると、「収入がなか なか安定しない」が60.9%でトップだった。また、「経理などの庶務・バックオフィ ス作業が煩雑」「社会的信用を得るのが難しい」という声も30%を超えた。

人手不足もあってフリ-人材を活用しよういう企業は増えている。しかし、企業側 の受け入れ体制や仕事の受発注の仕組みの整備など多くの課題も残っている。 以上

60歳まで役割・賃金を維持――サトーの65歳定年制

サトーホールディングス㈱(東京都目黒区、小瀧龍太郎社長)は、10年以上前から採用してきた65歳定年制の改善を進め、役職定年や年俸の抑制措置を60歳以降に限定するかたちへ見直している。 従来は56歳で一部減額、さらに60歳に達してから段階的に減額する体系としてきたが、今後は原則として60歳まで同じ役割を担ってもらう。 一部の人財が50歳代で“引退準備”モードに入りがちだった傾向を改めるのが狙いで、キャリア研修・個別相談会の拡充にも取り組んでいる。 早期退職者に対する退職加算金制度を維持しつつ、現職にとどまる以外の選択肢も見据えたシニアの活躍支援策を推進していく。

60歳まで役割・賃金を維持――サトーの65歳定年制

サトーホールディングス㈱(東京都目黒区、小瀧龍太郎社長)は、10年以上前から採用してきた65歳定年制の改善を進め、役職定年や年俸の抑制措置を60歳以降に限定するかたちへ見直している。 従来は56歳で一部減額、さらに60歳に達してから段階的に減額する体系としてきたが、今後は原則として60歳まで同じ役割を担ってもらう。 一部の人財が50歳代で“引退準備”モードに入りがちだった傾向を改めるのが狙いで、キャリア研修・個別相談会の拡充にも取り組んでいる。 早期退職者に対する退職加算金制度を維持しつつ、現職にとどまる以外の選択肢も見据えたシニアの活躍支援策を推進していく。

切り札はテレワーク――2020オリパラ開催時

2020東京オリンピック・パラリンピックが9カ月後に迫るなか、開催エリアの企業においてテレワークを中心とした期間中の出勤対策を講じる動きが活発化してきた。 ㈱メンバーズ(江東区)は、来夏の期間中に出社しないで働くために、今夏2週間にわたって一斉テレワークを行って業務上に問題がないことを確認した。 残業時間が10%減少する副次的効果もあった。㈱乃村工藝社(港区)は、テレワーク実施に向け社員にノートPCなどを支給している。

切り札はテレワーク――2020オリパラ開催時

2020東京オリンピック・パラリンピックが9カ月後に迫るなか、開催エリアの企業においてテレワークを中心とした期間中の出勤対策を講じる動きが活発化してきた。 ㈱メンバーズ(江東区)は、来夏の期間中に出社しないで働くために、今夏2週間にわたって一斉テレワークを行って業務上に問題がないことを確認した。 残業時間が10%減少する副次的効果もあった。㈱乃村工藝社(港区)は、テレワーク実施に向け社員にノートPCなどを支給している。

5年で管理職2.3倍に――日建協/建設業・女性活躍推進

女性の技術者は1.6倍、技能者は1.3倍に増加――日本建設業連合会(山内隆司会長)は、女性活躍推進のアクションプランなどを策定した2014年以降の5年間の取組み成果を明らかにした。 企業における行動指針作成や働きやすい現場環境の整備などによって、女性の技術者・技能者が13年度比で大幅に増加している。管理職への登用も進み、会員企業における女性管理職は2.3倍に増えた。 子育てをサポートする取組みとして現場技術者に時差出勤制度などを活用している企業割合も大きく上昇し、4割に達している。

5年で管理職2.3倍に――日建協/建設業・女性活躍推進

女性の技術者は1.6倍、技能者は1.3倍に増加――日本建設業連合会(山内隆司会長)は、女性活躍推進のアクションプランなどを策定した2014年以降の5年間の取組み成果を明らかにした。 企業における行動指針作成や働きやすい現場環境の整備などによって、女性の技術者・技能者が13年度比で大幅に増加している。管理職への登用も進み、会員企業における女性管理職は2.3倍に増えた。 子育てをサポートする取組みとして現場技術者に時差出勤制度などを活用している企業割合も大きく上昇し、4割に達している。

「障害者雇用率」

国や自治体、民間企業にはそれぞれ従業員に占める障害者の割合である法定雇用率の達成が義務付けられている。2018年4月から法定雇用率の算定式に精神障害者が加わり、官民とも数値目標が引き上げられ、現在の民間の雇用率は過去1.8%から 2.0%そして2018年4月から2.2%になっている。 厚生労働省の17年6月1日時点の集計では、企業で働く障害者は約49万6千人と 前年比4.5%増。障害者雇用率も1.97%と0.05ポイント上昇し、いづれも過去最高を更新している。

人手不足が深刻な上、法定雇用率が引き上げられたことで障害者雇用が売り手市場に なっているという見方もある。ただ、一方では法定雇用率を満たしている企業は全体の半数に留まるという実態もあり、障害者雇用に熱心な企業とそうでない企業の差が一段と大きくなっているとも言える。                以上

派遣労働・賃金引下げも可能――厚労省が同一労働同一賃金で回答

厚生労働省はこのほど、派遣社員の「同一労働同一賃金」の運用に関連し、経団連からの疑義に応えた回答集を明らかにした。 派遣先均等・均衡方式において賃金を決定した派遣社員が賃金に見合った能力が発揮されていない状況となった場合、どのように賃金の見直しを図るべきか、また東京都内で派遣先が変わり業務内容や責任の程度が変更された場合、 その都度賃金も変更しなければならないか――など制度運用上の実務的な疑義に答えている。

介護士に月額8.2万円加算――セントケア

介護業界で処遇改善が進んでいる。セントケア・ホールディング㈱は介護福祉士を対象に、経験年数と役割などに応じた手当を支給する。経験10年以上で最上位の役割の場合、支給額は月額8.2万円以上になる。 経験年数は前職を通算して算出する。㈱ベネッセスタイルケアは、10年目超の介護福祉士に最大4.5万円の手当増額を行うほか、専門資格を新設して最大月額3万円を支給する。 非常勤の夜勤専任介護職員に対する処遇も見直している。

スキル発揮と月例給を連動――㈱medibaの新人事制度

㈱mediba(東京都港区、江幡智広社長)は今年10月、スキル評価を基準とし、行動指針に基づく360度の評価を加味して処遇する新人事制度を導入した。職種に相当する「職能」18種類を新たに定義し、専門性・スキルの発揮度をダイレクトに資格等級、基本給の改定へ結び付けていく。個人業績偏重型だった旧制度の課題を踏まえ、年間賞与の一部にプロジェクトの業績に基づく賞与も追加した。組織体制の変革に向けて管理職の役割の多様化を進め、人財育成を担うV職、個々のプロジェクトを率いるP職など4系統に分けている。

配偶者転勤時に「帯同制度」――東邦銀行

㈱東邦銀行(福島県福島市、北村清士頭取)は、行員の配偶者が転居転勤になった際、同居可能な通勤圏の勤務地に転勤できる制度を導入した。配偶者が同行の行員でなくても構わない。 今後は、配偶者が宮城県や東京都といった福島県外に転居転勤になっても働き続けられる。「若い世代を念頭に置いて導入した」(同行広報)としており、片方の親に育児の負担が掛かる単身赴任を回避できるようになる。

過重労働・疾病未発症でも不法行為に――長崎地裁・慰謝料支払い命令

食品加工業を営む㈱狩野ジャパンで働いていた労働者が、長期間に渡る過重労働は不法行為に当たると訴えた裁判で、長崎地方裁判所(宮川広臣裁判官)は同社に慰謝料30万円を含む計480万円の支払いを命じた。 労働者の退職前2年間の時間外労働は2カ月を除き月100時間を超え、最長で160時間を超える月もあった。疾病は発症していなかったが、同地裁は心身の不調を来す危険のある長時間労働に従事させたのは「人格的利益の侵害」と判断、不法行為を構成するとした。

総合職・大卒35歳32.4万円――愛知のモデル賃金

愛知県経営者教会と名古屋商工会議所が実施した「愛知のモデル賃金」調査によると、総合職・大卒のモデル賃金は22歳20.7万円、35歳32.4万円、40歳37.7万円、50歳46.1万円、ピークの60歳46.8万円などとなった。 30歳までの若年層では微増傾向を示したのに対し、中高年層では0.4~1.7%減と落ち込んでいる。初任時に対するピーク時の倍率は、前年並みの2.26倍だった。管理職の実在者賃金は、部長相当職で55.0万円、課長相当職で44.3万円となっている。

求人不受理と保留が544件――厚労省・労働時間違反めだつ

厚生労働省の集計によると、若者雇用促進法に基づき、ハローワークにおいて企業からの求人申込みを不受理扱い(職業紹介の一時保留含む)とした件数が、今年6月末までに544件に達していたことが分かった。 同法では、労働基準法違反など一定の労働関係法令違反が判明した企業に新卒者を紹介しない求人申込み不受理条項を設けている。不受理件数が多かったのは、週40時間制違反だった。 来年3月には不受理条項の適用が全ての一般求人に拡大することが決まっている。

正規・男性の年間給与560万円に――国税庁・民間給与実態

国税庁の民間給与実態統計によると、昨年1年間を通して勤務した正規従業員・男性の平均年間給与は560万円だった。 前年比では2.3%増となり、めだった伸び率を示している。女性についても堅調で、正規は2.5%増の386万円、非正規は2.2%増の154万円だった。 一方、役員も含めた全体平均では、年間給与が2.0%増の441万円、そのうち賞与が2.5%増の70万円となった。ともに改善傾向は維持しているが、伸び率は順に0.5ポイント、2.9ポイント鈍化している。

利用は月間就業日の半分まで――バンテック/テレワーク

総合物流企業の㈱バンテック(神奈川県横浜市、児玉幸信代表取締役社長、460人)は2018年10月から、事務職など約200人を対象にテレワークを導入した。 目的は、社員の納得感を高めて定着率向上をめざすなどとしている。全社での導入をスムーズに進めるために、16年から対象の社員や部署を特定し、トライアルを繰り返した。 過程や結果を検証し、改善を重ねた。現在は、「実施日ごとに上司の承認を得る」、「利用回数は月の就労日の半分まで」、「始業・終業時には上司へメールを送る」など、細かくルールを決めて運用している。

帰省費用3~5万円支給――マネックス・介護両立対策

マネックスグループ㈱(東京都港区、松本大取締役会長)は、遠距離で暮らす親などを帰省して介護しやすくする目的で長距離移動費の支給を開始した。 1カ月当たり国内では3万円まで、海外では5万円までを付与する。介護休業制度も見直し、通算180日に拡大した。介護当事者に差し掛かる50歳代の社員が多く、先手を打って対応した。

ブラック企業対策を強化――JAM・運動方針

中小企業の機械・金属産業で構成するJAM(安河内賢弘会長)は、2020・21年度の運動方針で、ブラック企業対策の強化を決めた。 JAM本部と地方JAM・地域協議会の物心両面の支援体制を構築するとしており、具体的には地域の商工会議所などの場で適正な労使関係を経営者に訴えかけていく。 ブラック企業の背後には一部の悪質な社会保険労務士がいるとして連合、地方連合と連携を強め撲滅に向けた取組みを推進する。

役職継続し65歳定年――飛島建設㈱

飛島建設㈱(東京都港区、乘京正弘社長)は今年7月、60歳以降も現場所長などの役職や資格等級が変わらずに働ける65歳定年制へ移行した。 標準モデルでは60歳到達時の年収の約70%を確保し、全社共通の評価制度を適用する。原則として昇格は対象外となるが、基本給と年間賞与はそれぞれ能力・職責評価と業績評価で変動させる。 資格手当や子女手当などの諸手当については、継続的に同額を支給することとした。業界全体で人材不足が続くなか、経験豊富かつ技術・スキルの高いベテラン層に従来どおりの役割を担ってもらい、若手の成長を促し、後任の育成を急ぐ。

求人企業にマイページ――厚労省・来年に紹介システム刷新

厚生労働省は、2020年1月からハローワークの職業紹介システムを全面刷新する。自宅や会社のパソコンなどによる求職・求人申込みが可能となり、ハローワークに出向く必要がなくなる。 求人企業がマイページを開設すれば、過去の募集履歴の閲覧・利用ができるようになる。求人情報提供において、事業所の画像やメッセージなど充実した企業PR情報も公開可能となる予定。20年度以降は、求人・求職情報の検索機能を強化する。現在、システムのテスト運用や職員研修を実施している。

後継者の試行雇用に補助金――事業承継支援で中企庁

中小企業庁は来年度、中小企業の円滑な事業承継に向けて、新たに事業承継・世代交代集中支援事業を開始する。後継者不在の企業における後継者確保・育成を促すため、外部から候補者を試行的に雇用する際の費用を対象とした「承継トライアル補助金」を新設。経営者交代後の設備投資などを支援する「事業承継補助金」も見直し、新規事業への参入などを伴う場合の補助率を手厚くする。このほか、企業に対する事業承継計画策定の支援や専門家派遣を強化する方針だ。

専門人材に年収も3,000万円も――NTTコム

NTTコミュニケーションズ㈱(東京都千代田区、庄司哲也社長)は今年7月、データサイエンティストなどの高度専門人材を処遇する「アドバンスド・スペシャリスト制度」を整備した。従来は会社とスペシャリスト本人が個別に契約を結んでいたところ、新たに4階層の格付け体系を整備し、それぞれに給与レンジを設定した。CTOや技術顧問に適用する最上位のロール1では、年俸1,500万~3,000万円を想定する。市場価値の変化に対応するため、レンジ上限を超えて手当を加算できる仕組みも採り入れた。既存の人材約170人に適用した一方、今後はデータマネジメント領域のエンジニア採用を強化する。

就職氷河期世代・正社員採用で60万円――厚労省・令和2年度

厚生労働省は令和2年度から「就職氷河期世代活躍支援プログラム」を3年間にわたって集中的に実施する。 就職氷河期世代を正社員として雇用した事業主に1人当たり最大60万円(中小企業)の助成金を支給するほか、民間事業者のノウハウを生かした就職支援の実施、安定就労に有効で短期取得可能な資格取得支援など幅広い事業を展開する方針である。 内閣官房に「就職氷河期世代支援推進室」を設置し、政府全体で対策に取り組む態勢を整えている。

介護職員の月給者21.5万円――介護労働実態調査

介護労働安定センターの平成30年介護労働実態調査によると、月給制で働く介護職員の所定内賃金は21.5万円だった。前年に比べて3,300円、1.5%上昇し、6年連続で改善している。 調査対象の全8職種ともプラスとなっており、訪問介護員は3.9%増の20.6万円、サービス提供責任者は1.5%増の23.4万円、介護支援専門員は1.1%増の25.8万円、看護職員は1.6%増の27.6万円だった。 時間給者では、介護職員が29円増の985円、訪問介護員が37円増の1,286円と伸びている。

手引つくり原因・対策を周知――丸井グループ/安衛活動推進

㈱丸井グループ(東京都中野区、青井浩代表取締役社長、5326人)は、安全衛生についてグループで方針を定めて本社と各社・各事業所が連携しながら取組みを進めている。最大の特徴は、健康経営と一体化させた活動の推進だ。病気予防に留まらず、全員がより活力高く幸せになることを目標とした活動を通じて、安全で活気ある職場づくりをめざす。カゴ車やカッターに起因する災害には、独自の手引きで原因と対策を周知。転倒災害防止にはポスターを活用し、降りる時は一歩目で踏み外しがちと注意を促す。

「今春入社学生の入社先の決め手」

リクル-トキャリアの調査によると、就職先を確定する際に決め手となったのは

1位 ・・・ 自分の成長が期待できるか 47.1%
2位 ・・・ 福利厚生や手当てが充実しているか 37.8%
3位 ・・・ 希望する地域で働けるか 37.0%

が上位で以下、“会社や業界の安定性があるか”“働く人が自分に合うか”“理念やビジョンに共感”“会社や業界の成長性”が続き“年収が高い”は18.4%にとどまった。セカンドキャリアを考えると会社の善し悪しではなく自分の成長が最も大事、と考える傾向がみられた。

働きたい組織の特徴を聞いた別の調査によると、“どこの会社に行ってもある程度通用するような汎用的な能力が身につく”という組織を選んだ学生が72.3%に達した。一方、成長とストレスのどちらを優先するかという設問では、“短期で成長できるが、体力的・精神的にストレスがかかる”という回答は32.2%にとどまり、“短期では成長しにくいが、体力的・精神的なストレスがかからない”を選んだ学生が67.8%に達し、成長志向を掲げながらもストレスを避けたいという思いがうかがえた。グロ-バル化やテクノロジ-の進化による競争激化で企業寿命が短くなる一方で人生100年時代で職業寿命は延びており、将来が見通しづらい中では自らの成長こそが安定につながると考える学生が多くなっている。              以上

部署内で出勤時間減らす――ゆうあい会/働きやすい職場づくり

がんなどの検査に特化した診療所を運営する医療法人社団ゆうあい会(神奈川県横浜市、片山敦理事長、121人)は、時差式勤務の導入により労働時間を柔軟にして、家庭の事情に応じて勤務できるようにしている。 各部署で複数の勤務時間を設定し、個々の職員の希望を調整したうえでシフトを組む。業務がスムーズに引き継がれるよう、各職員の業務量や難易度を平準化する試みも。 一方、通勤時間削減へ採り入れたのが近隣住居手当だ。5キロ圏内に引っ越した場合に一律10万円を支給し、さらに居住し続ける限り毎月1万円を支給している。

平均妥結額6,800円に微減――厚労省・民間主要企業賃上げ集計

厚生労働省がまとめた民間主要企業の春季賃上げ集計によると、今年の平均妥結額は6,790円となり、前年結果の7,033円を243円下回った。交渉前の平均賃金31.1万円に対する賃上げ率は、0.08ポイント低い 2.18%となっている。産業別では、計20産業のうち9産業がプラスで、11産業がマイナスだった。最も高い機械が8,000円を超え、化学や造船が7,900円台で続いている。

就職氷河期世代・地域限定正社員で採用――山九

物流業およびプラントメンテナンス業の山九㈱(東京都中央区、中村公大代表取締役社長)は、30~40歳代の「就職氷河期世代」に限定した中途採用を開始した。 全国のハローワークを通じて、限定正社員として毎年100人ずつ、3年間で合計300人の採用をめざす。ミスマッチ防止に向け、実務体験を中心とした2~3日間の インターンシップを開く。求人は各事業場で行い、採用後は習熟度に応じた研修を実施する。

ママ社員24人在籍・出産理由の離職ゼロ――横井製作所/女性活躍推進対策

精密プラスチック成形加工の㈱横井製作所(京都府宇治市、横井洋治代表取締役社長、100人)は、利用無料の社内託児所の開設や、残業の事前申請制度などにより、 女性を中心に誰もが働きやすい職場環境づくりを推進している。社員の7割を女性が占め、子育て中の母親は24人に上る。託児所は、産後早く職場復帰できるようする目的で、0歳児から預かる。 これまでに6人の乳幼児を受け入れ、出産による離職者はゼロである。かつての採用難は一変し、今では新卒採用で応募者が絶えぬ状況に。

管理職ポストへ抜擢可能に――飯田信金のダブルラダー制度

飯田信用金庫(長野県飯田市、小池貞志理事長)は今年6月、一般職員の上位層にダブルラダー型の制度を適用した。人基準の「貢献資格」と仕事基準の「役割等級」という2つの格付けに分離する仕組みにより、 管理職レベルの役職への抜擢登用も可能にしている。まずは上位の役職を任せ、一定の成果を収めた場合に管理職層へ昇格させるルールを確立した。処遇面では、範囲給と洗替給を組み合わせる基本給体系に よって、役割の大きさとその達成度の評価に応じてメリハリを利かせる。他の一般職員に対しては従来の複線型を廃止し、計4階層の能力等級へと一本化している。

人材とホテルをマッチング――観光庁

観光庁は、女性がより活躍できる観光先進国をめざすため、「観光分野における女性活躍推進に向けた検討会」(座長・矢ヶ崎紀子東京女子大学教授)をスタートさせた。復職やキャリアップを希望する女性と多様な人材の活躍を進めたい東京都内のホテルをマッチングさせ、実際に就労したうえで、課題や解決策の抽出を狙いとした実証事業を行う。事業実施に先立ち、人材を受け入れるホテルに対し、「メンター育成講座」なども開く。

外国人留学生活用でチェック表作成へ――経産省など

経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省は合同で、外国人留学生の日本国内への就職やその後の活躍を促すための施策について検討を開始した。 企業が求める日本語能力の水準は様ざまであるため、その多様性に応じた採用プロセスと採用後の処遇の多様化を推進していく考え。 企業の取組みを把握した後、年内をめどに、採用・育成・定着に向けて企業において確認すべき事項を示した「チェックリスト」や、それを踏まえた「運用マニュアル」と「ベストプラクティス集」を作成していく。

事務課長の所定内57.2万円に――人事院・職種別民間給与実態調査

職階別の賃金実態を把握している人事院「職種別民間給与実態調査」によると、課長級の平均所定内給与額は事務系57.2万円、技術系58.3万円だった。 非役職者の係員級と比べると、ともに1.94倍の水準となっている。前年調査に比べて事務系では課長が3.0%減、部長が1.4%減と低下し、技術系では非管理職層に0.7~3.1%の落ち込みがみられた。 一方、定年後再雇用者の係員級の水準は、3.4%増の25.4万円と改善している。大卒初任給額は、事務系が0.3%増の20.2万円、技術系が1.0%増の20.6万円だった。

事務系新入社員を海外へ――JFEスチール/グローバル人材育成

JFEスチール㈱(東京都千代田区、北野嘉久代表取締役社長、1万5677人)は、「新入社員海外派遣研修」と「若手海外派遣研修」によりグローバル人材の育成を推進中だ。 前者は、事務系の新卒入社1年目全員が、海外事務所・現地法人で約3カ月間滞在し、英語や現地語を習得したり、研修を受けるもの。 後者は、新卒入社3~5年目の技術系のなかで経験やスキルが適切と思える社員を、スーパーバイザーやプロジェクトマネージャーの補佐として派遣する。 若手に技術者としての経験を積ませ、語学力や異文化で仕事をする積極性を養わせる。

管理職にグローバル6等級――オリンパス

オリンパス㈱(東京都新宿区、竹内康雄社長)は今年4月、国内管理職層約1,800人に対して新人事制度を導入し、6等級のグローバルグレードを適用した。 既存の組織階層を改め、個々のポジションに責任と権限を割り当てている。報酬面ではシングルレートだった基本給を同一等級内でも幅のあるレンジ給に改め、年間賞与を基本給6カ月を標準額とし、評価に応じて50~150%の範囲で変動させる。 中心化傾向がみられていた評価制度は、今後12段階で絶対評価を行う。メインとなる業績評価では職務に基づく目標設定を徹底する一方、新たにコアバリューに基づく行動評価を採り入れ、±10%の加減点を可能とした。

VR活用しセミナー開く/日本生命・介護両立対策

日本生命保険相互会社(大阪府大阪市、清水博代表取締役社長)は、職員を対象にVRを活用した介護セミナーを開催した。 父親が認知症で徘徊したなどの事例を体験させ、現時点で自身が何をすれば介護を抱えている同僚が働きやすくなるかを考えた。 定年直前の59歳など節目を迎えた職員には、ハンドブックを配布して家庭内で介護を話し合うきっかけも提供している。

高年法改正・2段階で義務化――厚労省・70歳までの就労

厚生労働省は、令和2年通常国会に高年齢者雇用安定法の大幅改正案を提出する方針を明らかにした。今年秋頃から審議会による具体策検討を開始する予定である。 人生100年時代を迎え、働く意欲のある高齢者が十分に能力を発揮できるよう、企業による70歳までの雇用・就業維持を努力義務化する意向。 第二段階では、義務化して行政指導に応じない企業を公表できる仕組みとする。小林洋司職業安定局長は「雇用以外の就業を含む実行可能な法改正としていきたい」と話した。

基本給75%で定年延長――オカムラ

㈱オカムラ(神奈川県横浜市、中村雅行社長)は、60歳以降は基本給を75%とする65歳定年制を運用している。従来は概ね50%程度に抑制していた再雇用制度を改めたもので、基本給の改定は行わないが、目標管理の結果で賞与に差を付ける。 一般社員層では定年まで同じ業務を継続し、資格等級も変更しない。管理職層は経験を活かせる業務への転換を図り、一律にシニアエキスパートと呼ぶ等級へ格付ける。併せて60歳役職定年制を導入し、若年層の登用機会を妨げない措置を採っている。

全国一律の最賃実現を――全国知事会

全国知事会はこのほど、令和元年度の全国知事会議を開き、27の提言を決定した。女性活躍・ウーマノミクスに関する提言では、全国一律の最低賃金実現を昨年に引続き要請している。 中央最低賃金審議会は都道府県をA~Dランクに分け、ランクごとに引上げの目安額を示しているが、同知事会はランク制度について、地域間の格差を拡大しているとして、廃止すべきと訴えた。 今年5月に成立したパワハラ防止法は「罰則がなく実効性が不透明」と指摘し、さらなる取組みの推進を求めている。

海外展開めざす中小向け人材育成塾――ジェトロ

日本貿易振興機構(JETRO)は、中小企業における海外ビジネスの中核となる人材を育成する「中小企業海外ビジネス人材育成塾」事業を開始する。 日用品・機械・食品・サービスの4分野で輸出や海外進出を計画する企業を対象とするもので、研修の事前準備や国内・海外研修を組み合わせた全13コースを開講する。 各コースの参加費は基本無料。海外展開の担い手となる人材の確保を課題と捉える企業が多い中、効果的な事業戦略を立案・遂行する能力を持った人材の育成を後押しする。

「子の就職先への親心」

就活生の子に入社して欲しいのはどんな企業か。情報就職大手のマイナビが就活生の保護者向けに実施した調査で1千人からの回答によると、

□子どもが入社するのはどのような特徴を持った企業がよいか
・経営が安定している ・・・ 42.6%
・本人の希望や意志に沿っている ・・・ 28.7%
・福利厚生が充実している ・・・ 19.1%

が上位で“社風や雰囲気が良い”“子どもの能力や専門性を生かせる”“企業の成長性が見込める”が続いた。

□子どもが働く業界を選べる場合の希望は
・特に希望の業界はない ・・・ 22.8%
・官公庁、公社、団体 ・・・ 20.9%
・医療、調剤薬局 ・・・ 7.6%

で2番目と3番目は大きく差が開き、安定を重視していることがうかがえる。

また、子どもの就活環境については“多少楽”“かなり楽”の合計が38.5%で前年調査から4.0ポイント増え、売り手市場が続いていることが親世代にも認識されていることがわかった。現在と同様に売り手市場だったバブル期に就活を経験した保護者に聞いたところ、67.2%が自身より子どもの就活の方が“大変”“すごく大変”と回答した。理由として、“エントリ-シ-トの負担が大きい”“面接が多い”という声が多かった。バブル期は現在よりも内定が得やすく囲い込みも派手で、現在の方が選考過程が多く複雑なため、負担が大きいと親世代には映っているようだ。    以上

小企業の賃金改定率2.5%に――厚労省・賃金改定状況調査

厚生労働省の賃金改定状況調査によると、今年6月までに賃金引上げを実施した小規模事業所の平均改定率は、2.5%となった。前年結果を0.3ポイント下回り、2年ぶりにマイナスに転じている。 引上げを実施した事業所の割合は全体の53.6%に高まり、前年結果の43.9%から約10ポイント伸びている。1時間当たり所定内給与額は、一般労働者が1.0%増の1,626円、パートタイム労働者が1.8%増の1,087円だった。

建設業の女性活躍で新行動計画策定へ――国交省

国土交通省は、建設業界5団体などと共同で、「建設業における女性活躍推進に関する新計画策定のための委員会」を立ち上げた。 女性技能者数の目標値などを盛り込んだ行動計画の策定から5年目を迎えたことから、新たな行動計画を策定し、女性活躍に向けた官民の取組みをさらに推し進める方針だ。 全国の建設現場で働く女性の意見を反映させた新行動計画を年内にまとめ、来年から周知活動を開始する考え。

特別休暇削減は不適切――厚労省・使用者の年休指定義務で指導

厚生労働省は、今年4月施行の改正労働基準法により義務化した年次有給休暇の年間5日の時季指定義務に関連し、不適切な行為が広がらないよう、企業に対して注意を呼びかけている。 年間5日を年休として時季指定する一方で、所定休日や企業が独自に付与する有給の特別休暇を労働日に変更し、実質上、従来からの労働日数を維持しようとする行為である。 労働基準監督署などに違法性について労働者からの問い合わが寄せられている。厚労省ではこのほど新たにリーフレットを作成して周知を促すなど警戒を強めている。

正社員男性のピーク44万円に――厚労省・雇用形態別賃金

平成30年賃金構造基本統計調査の雇用形態別集計によると、男性フルタイム労働者の所定内給与のピークは、正社員が50~54歳44.0万円、非正社員が60~64歳は25.9万円だった。 20~24歳に対する格差はそれぞれ2.04倍、1.37倍となっている。女性パート労働者の時給については、非正社員の無期雇用が1,067円だったのに対し、有期雇用は28円高い1,095円だった。 勤続5年以上の労働者に限れば無期1,102円、有期1,125円となっており、ともに初めて1,100円台に達している。

中小企業での外国人受入れへ研修実施を――東商・要望

東京商工会議所(三村明夫会頭)は、「国の中小企業対策に関する重点要望」を取りまとめた。中小企業の人手不足が深刻化するなか、多様な人材の確保・活躍に向けた環境整備に対する支援を訴えている。 新在留資格「特定技能」創設を機に初めて外国人を雇用するケースなどに対応し、受入れ企業の外国人材支援責任者などを対象とした研修事業の創設などを求めた。 高齢者の継続雇用に取り組む企業や、女性活躍に向けた一般事業主行動計画を策定する企業へのインセンティブ拡充も重要とした。

副業・兼業=労働者の自己申告が前提――厚労省・時間管理で報告案

厚生労働省は、副業・兼業を行う労働者に対する労働時間管理のあり方について検討会報告書(案)をまとめた。複数の事業場の労働時間を厳密に管理することは困難とし、基本的には労働者の自己申告を前提とせざるを得ないとしている。
割増賃金は、自己申告に基づき労働時間を通算して法定労働時間を超えた際に支払うか、または現行の解釈を変更して各事業主の下での法定外労働時間に対してのみに支払い義務を限定するか、2つの選択肢があるとした。
自己申告に「証明書」を求めるなど、どの程度の客観性を担保するかも今後の課題である。

階層別からeラーニングへ――ライオン/研修制度見直し

ライオン㈱(東京都墨田区、掬川正純代表取締役社長執行役員、連結6,941人)は、今年1月から新研修制度「ライオン・キャリアビレッジ(LCV)」を開始した。 既存の階層別研修の大半を廃止し、新たに幅広い業務の知識を学べる100コース超のeラーニングと、少人数で議論を深めるケース討議へ移行した。 社歴や経験、所属部署にかかわらず、社員が自分の学びたい分野を自由に選択できるのが特徴だ。知見の幅を広げ、自ら考える力を磨くことで、多様な思考を持つ人材の育成をめざす。

期待と役割で5コース運用――YKK

YKK㈱(東京都千代田区、大谷裕明社長)は、会社の期待と現任の役割の違いで5つのコースを設定し、社員の自律性に基づく運用を実現している。 組織長やその候補者向けのコースでは転勤に制限を設けない一方、地域限定のコースでも課長級のポストに就任できる。個々の職務ごとに役割記述書を整備してデータベース化しており、必要な能力レベルだけでなく任用可能なコースまで明らかにしているもの。 年1回、コース選択を含む今後のキャリア申請の機会を設け、ライフイベントに合わせた一時的な変更も可能にしている。

通勤手当・4分の1が支給基準に差異――岩手労働局・自主点検

岩手県内の大企業の4分の1で、正社員と非正規社員の通勤手当の支給基準が異なっていることが、岩手労働局(小鹿昌也局長)が求めた自主点検により分かった。 来年4月(中小企業は再来年4月)施行の同一労働同一賃金規定に基づくガイドラインは、正社員と同一の支給を求めているため、不合理と判断される可能性がある。 改正法対応の進捗状況をみても、2割が「対応が未定」と回答しており、対策の遅れが懸念される。 同労働局は7月に5会場で7回説明会を開催するなどし、周知・啓発を強化していくとしている。

全社員へ巡回面談実施――レンタルのニッケン/メンヘルケア推進

土木、建設、産業関連機械のレンタルサービス業の㈱レンタルのニッケン(東京都千代田区、南岡正剛代表取締役社長、3074人)は、メンタルヘルスケア推進のために、 「健康相談窓口の設置」「職場巡回面談の実施」「ラインケア研修」の3施策に取り組んでいる。健康相談窓口では、社員からいつでも相談を受け付ける。 職場巡回面談は、全国の拠点にカウンセラーが出向き、相談や悩みを聞く。事前に日程を決め、ほぼ全社員と面談を行う。ラインケア研修は、全管理職を対象に実施する。3施策を確実に機能させ、社員の心身の健康維持に力を入れる。

全社員へ巡回面談実施――レンタルのニッケン/メンヘルケア推進

土木、建設、産業関連機械のレンタルサービス業の㈱レンタルのニッケン(東京都千代田区、南岡正剛代表取締役社長、3074人)は、メンタルヘルスケア推進のために、 「健康相談窓口の設置」「職場巡回面談の実施」「ラインケア研修」の3施策に取り組んでいる。健康相談窓口では、社員からいつでも相談を受け付ける。 職場巡回面談は、全国の拠点にカウンセラーが出向き、相談や悩みを聞く。事前に日程を決め、ほぼ全社員と面談を行う。ラインケア研修は、全管理職を対象に実施する。3施策を確実に機能させ、社員の心身の健康維持に力を入れる。

専門・技術職29.5万円に――厚労省・中途採用者賃金(30年度下半期)

平成30年度下半期に中途採用された常用者・男性の平均賃金は、専門的・技術的職業29.5万円、事務的職業32.9万円、技能職全般を含む生産工程、労務の職業22.8万円などとなった。全職業で29年度下半期の結果を上回り、専門的・技術的職業では2.8%増加している。 女性は全体平均で2.9%増の21.0万円となり、事務的職業が2.8%増の21.8万円、介護職や給仕係などを含むサービスの職業が3.1%増の19.7万円などとめだって伸びている。

専門・技術職29.5万円に――厚労省・中途採用者賃金(30年度下半期)

平成30年度下半期に中途採用された常用者・男性の平均賃金は、専門的・技術的職業29.5万円、事務的職業32.9万円、技能職全般を含む生産工程、労務の職業22.8万円などとなった。全職業で29年度下半期の結果を上回り、専門的・技術的職業では2.8%増加している。 女性は全体平均で2.9%増の21.0万円となり、事務的職業が2.8%増の21.8万円、介護職や給仕係などを含むサービスの職業が3.1%増の19.7万円などとめだって伸びている。

労災保険・他社賃金も加味して給付へ――厚労省「副業・兼業」で方向性

厚生労働省は、兼業・副業を行う複数就業者の労災保険給付において、労災を発生させていない事業場の賃金額を加味して給付額を決定する方向で具体的な検討に入った。 ただし、労災を発生させていない事業場に労働基準法上の災害補償責任を負担させるのは不適切としている。使用者側は、複数就業者の生活保障の必要性は理解するが、賃金額の合算を前提とする議論に対して「強い違和感」を表明している。

労災保険・他社賃金も加味して給付へ――厚労省「副業・兼業」で方向性

厚生労働省は、兼業・副業を行う複数就業者の労災保険給付において、労災を発生させていない事業場の賃金額を加味して給付額を決定する方向で具体的な検討に入った。 ただし、労災を発生させていない事業場に労働基準法上の災害補償責任を負担させるのは不適切としている。使用者側は、複数就業者の生活保障の必要性は理解するが、賃金額の合算を前提とする議論に対して「強い違和感」を表明している。

「中小企業の離職を考える」

中小企業においては常に人材不足という課題があります。その原因として労働政策研究・研修機構の調査によると、33.3%の中小企業(299人以下)で“離職の増加”を挙げています。従業員の離職は生産性の低下を招くだけでなく、需要の増加に対応できない、技術やノウハウの伝承が困難になる、時間外労働が増える、職場の雰囲気が悪くなるなどのリスクを引き起こします。中小企業では従業員一人一人に責任のある仕事を任せているケ-スが多く、場合によっては即座に仕事の流れが止まり事業活動に支障を来たすこともあります。総務省統計局、厚生労働省の調査によると20代と30代で離職の41.9%、総合職新規採用者の10年後の離職割合では男性37.1%に対して女性58.6%となっています。
また、若年労働者が始めて勤務した会社を辞めた主な理由としては(複数回答可)
・労働時間、休日、休暇の条件がよくなかった ・・・ 22.2%
・人間関係がよくなかった ・・・ 19.6%
・仕事が自分にあわなかった ・・・ 18.8%
・賃金の条件がよくなかった ・・・ 12.4%
・ノルマや責任が重すぎた ・・・ 11.1%    が上位に挙がりました。
離職を防ぐには、その元となる原因を排除するとともに制度などの見直しが必要となります。例えばハラスメント問題が発生している職場であればそれを止めさせ、人間関係がギクシャクしていれば社内コミュニケ-ションがしやすい環境や仕組みを作る、賃金制度に問題があれば個々の成果に応じ評価を行い、昇格や処遇に反映させたり評価の公平、公正化をはかる等の対応が求められます。  以上

期間社員も同じ賃金体系に――日本通運が役割基準の新制度

日本通運㈱(東京都港区、齋藤充社長)は今年4月、役割基準の新人事制度を導入し、勤続3年以上の有期雇用社員約3,600人を正社員化するなどの抜本的な改革を実施した。 3年に満たない人材は有期のままとしたが、新たに「期間社員」との区分を設け、社員と同じ賃金体系を採用している。同時に従来は支店ごとに定めていた地域限定型社員の処遇を整理し、全社共通の「社員(エリア職)」として統合した。 経営層から期間社員に至るまでを全14等級に格付け、賞与や手当も含めて賃金体系の統一を図っている。今後は6つの観点から「求められる役割をどの程度担えるか」を評価し、結果をポイント化して昇格管理を行う。

期間社員も同じ賃金体系に――日本通運が役割基準の新制度

日本通運㈱(東京都港区、齋藤充社長)は今年4月、役割基準の新人事制度を導入し、勤続3年以上の有期雇用社員約3,600人を正社員化するなどの抜本的な改革を実施した。 3年に満たない人材は有期のままとしたが、新たに「期間社員」との区分を設け、社員と同じ賃金体系を採用している。同時に従来は支店ごとに定めていた地域限定型社員の処遇を整理し、全社共通の「社員(エリア職)」として統合した。 経営層から期間社員に至るまでを全14等級に格付け、賞与や手当も含めて賃金体系の統一を図っている。今後は6つの観点から「求められる役割をどの程度担えるか」を評価し、結果をポイント化して昇格管理を行う。

プロマネへ最大月6万円――大日本印刷・新人事制度

大日本印刷㈱(東京都新宿区、北島義斉代表取締役社長)は、近年注力しているICT分野の業務でプロジェクトマネージャー(プロマネ)に就く社員に対し、月額3万円の手当を支給し始めた。 対象は1カ月50人日以上のプロジェクトとし、100人日を超す場合は6万円に増やす。負担が大きくなりがちなプロマネの処遇改善を狙う。併せて、社員が他社で働く副業の解禁なども行った。

プロマネへ最大月6万円――大日本印刷・新人事制度

大日本印刷㈱(東京都新宿区、北島義斉代表取締役社長)は、近年注力しているICT分野の業務でプロジェクトマネージャー(プロマネ)に就く社員に対し、月額3万円の手当を支給し始めた。 対象は1カ月50人日以上のプロジェクトとし、100人日を超す場合は6万円に増やす。負担が大きくなりがちなプロマネの処遇改善を狙う。併せて、社員が他社で働く副業の解禁なども行った。

労働者性拡張は見送り――厚労省・「雇用類似」で中間報告

厚生労働省は、「雇用類似」の働き手に対する保護のあり方について、検討会中間報告(案)を明らかにした。 労働者性の判断基準を拡張して、雇用類似の働き手を保護すべきという意見が一部で挙がっていたが、今回については見送っている。 労働者と類似した働き方ではあるが、基本的には「自営業者」と位置付け、何らかの保護対策を打ち出す予定である。報酬水準の目安、最低報酬の設定、適正な就業条件などに対してルールを設定する見通し。

労働者性拡張は見送り――厚労省・「雇用類似」で中間報告

厚生労働省は、「雇用類似」の働き手に対する保護のあり方について、検討会中間報告(案)を明らかにした。 労働者性の判断基準を拡張して、雇用類似の働き手を保護すべきという意見が一部で挙がっていたが、今回については見送っている。 労働者と類似した働き方ではあるが、基本的には「自営業者」と位置付け、何らかの保護対策を打ち出す予定である。報酬水準の目安、最低報酬の設定、適正な就業条件などに対してルールを設定する見通し。

新卒採用を限定型2コースに――聖隷福祉事業団

社会福祉法人聖隷福祉事業団(静岡県浜松市、山本敏博理事長)は、全国転勤を条件とした新卒採用を取りやめ、同一県内のみで異動する「地域総合職」、市内レベルにまで範囲を絞った「地区限定職」の2つで募集を行っている。 従来は全国転勤型で一括採用をし、3年経過時点などに改めてコースを選ぶ機会を設けていたが、勤務地限定採用のみに切り替えたもの。並行してコース別雇用管理制度を改め、役職への登用制限を撤廃したほか、課長職に設けていた給与格差を解消した。 範囲外への転勤は本人と合意した場合のみとし、赴任中は月3万円の手当を支給する。

大企業の働き方改革のしわ寄せ防止へ――厚労省など対策強化

厚生労働省と中小企業庁および公正取引委員会は、大企業の働き方改革のしわ寄せで下請の中小企業の労働環境が悪化しないようにするため、連携して対策強化に乗り出す。 今後、「しわ寄せ防止総合対策」を策定し、中小企業での時間外労働の上限規制が始まる来年4月に向けて集中的な取組みを実施する考え。 発注方法についての配慮を求める労働時間等設定改善法や下請中小企業振興法に基づく振興基準を周知するほか、都道府県労働局が大企業にしわ寄せ防止を要請する。

AI化で人手不足傾向緩和へ――厚労省審議会が中間報告案

厚生労働省の労働政策審議会労働政策基本部会(守島基博部会長)は、AI等の新技術を活用して「豊かな将来」を実現するための方策を明らかにした報告書(素案)を作成した。 AI等の導入で産業構造が大きく変容するため、円滑な労働移動による職業のミスマッチ解消が課題としたが、全体としては人手不足傾向の緩和に進むと観測している。 政労使のコミュニケーションの強化やAIによる判断に関する企業の責任・倫理の明確化も重要とした。

地域最賃・20年代に全国1000円に――自民党が緊急提言

自由民主党の政務調査会・雇用問題調査会は、根本匠厚生労働大臣に、2020年代のうちにすべての都道府県における最低賃金を1000円にすべきなどとする「緊急提言」を手渡した。 雇用情勢は改善したものの、未だ賃金引上げには結びついていない実態を憂慮している。パートタイム労働者や中小企業・零細企業の労働者の賃金水準を引き上げるには、最賃の大幅引上げに加え、官公庁発注業務を受託した企業に賃金引上げに取組んでもらうことが重要とした。

シニア社員にベア7万円――JR西日本

西日本旅客鉄道㈱(大阪府大阪市、来島達夫社長)は、基本給に7万円のベースアップを実施するなど、今年8月から定年後再雇用者の処遇を大幅にアップする。 現在は各種手当を組み込んだ定額の基本給を支給しているが、今後は乗務員手当などの職務関連手当を別建てとし、社員と同様に勤務実績に応じて加算することとした。 併せて基本給と年2回支給している精励手当の水準を引き上げ、年収ベースでは百数十万円改善する。同じく有期雇用者であるフルタイム勤務の契約社員の処遇も見直し、一時金である精勤手当を年間約20万円増額するほか、新たに家族手当なども社員と同様に支給する。

親睦旅行兼ねる「合宿型」も――日本航空/ワーケーション

日本航空㈱(東京都品川区、赤坂祐二代表取締役社長執行役員、連結3万3038人)は2017年に、休暇先でテレワークを行うワーケーションを導入した。 社内で徐々に浸透しており、年次有給休暇の取得促進のほか、自らの仕事の見直しやメリハリのある働き方の実現につながるなど、様ざまな効果も生まれている。 なかには、親睦を深める旅行をしながら職場とは異なる環境で組織の未来を集中討議する「合宿型」の取組みもみられる。経験者からは「新たな気付きや活力を得られた」と好評を博している。

「残業のメカニズム」

パ-ソナル総合研究所の調査によると、残業の職場での発生メカニズムに「集中」と 「感染」の大きく2つがある。1点目は、残業はある特定の優秀層に「集中」する傾向がある。この背景には管理職の仕事の割り振りがある。管理職の約6割は優秀な部下に優先して仕事を割り振っている。2000年代に入り成果主義の浸透とともに、この傾向は高まっている。短期的な成果を追うために、優秀なメンバ-に割り当てるのが効率的という発想。そうした視点からは、中長期的な人材育成の観点が抜け落ちてしまい、成果主義導入の副作用と言える課題。 2点目は、残業は「感染」するという特性がある。多くの組織特性の中でも最も残業を増やしていた要因は、周りの人が働いていると帰りにくい雰囲気にある。しばしば指摘される、過剰品質の追求といった組織要因よりも、先に帰宅しにくいことへの同調圧力が最も日本企業の残業問題に影響している。 また、この帰りにくさは若いほど感じやすく、20代は50代の1.7~1.9倍帰りにくさを感じている。 この2つの「集中」と「感染」の現象は、異なるようでいて関係しあっている。 優秀な社員は社内で注目を浴びやすくロ-ルモデル化しやすい。しかし、そうした社員に業務が集まり残業が増えるとその人を中心に周囲に、先に帰りにくい圧力が生まれてきてしまう。また、残業対策を行っている企業では従業員層に仕事を振りにくくなり、管理職の業務量が増えてしまうと同じように帰りにくい雰囲気を感染させてしまう悪循環の恐れもある。これらは個人を超えた組織的なレベルの現象であり、勘と経験によらない客観的で組織的な視点での解決が不可欠といえる。 以上

大手大卒・総合職モデル 55歳62万円がピーク――中労委/平成30年賃金事情調査

大手企業の賃金実態を調べている中央労働委員会の「賃金事情調査」によると、大卒・総合職のモデル賃金は22歳21.9万円、35歳40.2万円、45歳55.0万円、55歳61.8万円などとなった。35歳までの若年層で1%台の改善がみられた一方、高齢者層は落ち込んでいる。ピークを迎える55歳の水準は、初任時22歳に比べて2.82倍だった。一方で高卒・生産労働者のモデルは全年齢で1%以上改善し、50~60歳では4%台の伸び率を示している。ピークを迎える55歳の水準は42.6万円だった。

自転車通勤導入へ手引――国交省

国土交通省は、企業における自転車通勤を促進するため、官民協議会において「自転車通勤導入に関する手引き」を作成した。事業者側の経費削減や従業員の健康増進といったメリットを提示したうえで、導入時の検討事項を明らかにしている。 安全教育・指導の徹底や駐輪場の確保を挙げたほか、自転車通勤手当の設定について、日によって異なる交通手段を利用できるような金額の設定を推奨した。

カスハラも「指針」の対象に――パワハラ防止法が成立

事業主に職場のパワーハラスメント防止対策を義務化した女性活躍推進法等改正案が、通常国会で原案通り成立した。併せて、パワハラ紛争を都道府県労働局長による解決援助と紛争調整委員会による調停対象とする。 事業主が講ずべき措置の「指針」では、カスタマーハラスメントおよび就活生に対するセクハラまでをカバーする防止対策を示す考え。 女性の活躍推進に関する「一般事業主行動計画」に関しては、作成義務対象を現行の常用労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大した。施行は来年4月の見込み。

カスハラも「指針」の対象に――パワハラ防止法が成立

事業主に職場のパワーハラスメント防止対策を義務化した女性活躍推進法等改正案が、通常国会で原案通り成立した。併せて、パワハラ紛争を都道府県労働局長による解決援助と紛争調整委員会による調停対象とする。 事業主が講ずべき措置の「指針」では、カスタマーハラスメントおよび就活生に対するセクハラまでをカバーする防止対策を示す考え。 女性の活躍推進に関する「一般事業主行動計画」に関しては、作成義務対象を現行の常用労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大した。施行は来年4月の見込み。

社内連絡は朝昼夕各1時間に――フレスタ/労働時間削減対策

残業時間に応じて賞与に最大20万円のインセンティブを付与、さらには部下の時間外が1カ月60時間を超えた場合は上長の賞与を1%削減――。 スーパーマーケットチェーンの㈱フレスタ(広島県広島市、宗兼邦生代表取締役社長)では、労働時間削減に向けた取組みを推進した結果、1人当たりの月平均の残業時間が数年前から6時間減の12時間になった。 ムダな連絡を省く目的で5月からは、本部・店舗間で連絡を取って良い時間帯を朝、昼、夕の約1時間に限定した。限られた人員が本業に集中できる環境をつくる。

基準到達後は定昇6割に――JR貨物の新人事制度

日本貨物鉄道㈱(東京都渋谷区、真貝康一社長)は今年4月、年功要素の強かった一般社員層の制度を抜本的に見直し、役割に応じて3つの職群、4つの等級で処遇する新制度を導入した。固定的だった定期昇給制度を改め、等級別の基準額に達した以降は昇給を6割に抑える基本給体系を採用している。一方で55歳以降の低減措置を撤廃し、定年60歳まで昇給し続けられる仕組みとした。諸手当の改廃も含め、助役などの管理者の処遇を大きく改善することにより、若手のキャリアアップを促す環境を整えている。

残業削減幅で特別手当―協和精工

残業時間の削減幅に応じた「特別手当」を支給――ブレーキなどの開発製造を行う㈱協和精工(長野県下伊那郡高森町、橋場浩之代表取締役)が開始したもので、支給額は削減幅に応じて0.5~0.1の係数を設定して決める。 残業代が生活費の一部になっている現状を踏まえ、生産性向上などで時間外が減っても暮らしに影響が出ないよう補填する。 2年後には、さらに透明性の高い賃金制度に改定する予定もある。

経営人材集める新制度導入――東京海上HD

東京海上ホールディングス㈱(東京都千代田区、永野毅社長)は、グループの舵取り役を担うリーダー層を処遇する受け皿として、管理職層向けの新人事制度を導入した。 グループ全体にかかわる財務・IT・リスク管理などの分野において、高度な専門性とマネジメント力を持つ経営人材を社内外から集める。 7つのコンピテンシー要素に基づいて計4階層の等級に格付け、競争力のある水準を設定した。 基本給には4つのゾーンによるメリット昇給制(メリット・インクリース)を採用する一方、賞与には0~225%という大きなメリハリを付ける。

テレワーク導入意向は2割――五輪中の交通混雑解消策/東商調査

東京商工会議所(三村明夫会頭)は、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会期間中の交通・輸送に関する調査結果を明らかにした。 東京都が交通混雑緩和に向けた協力を企業に呼び掛けるなか、重点取組み地域の企業のうち、期間中のテレワーク導入に前向きなのは2割程度にとどまった。 時差出勤についても、前向きな企業割合は拡大しているものの4割に満たない。交通輸送対策の課題では、勤務シフトの変更など「人の問題」が5割を占めている。

働き方改革・下請へ負担押し付け――厚労省など通報制度強化

厚生労働省と公正取引委員会および中小企業庁の3者は、働き方改革の本格化に伴い、親会社による圧力などにより下請会社の労働環境が悪化しないよう相互通報制度の運用を強化した。 長時間労働の背景に、親事業者の下請法違反などが疑われる場合に、厚労省から中小企業庁や公正取引委員会に通報する。 納期までの期間を通常より短く発注し下請会社が休日勤務を余儀なくされたにもかかわらず、通常と同一の単価を一方的に定めたなどが典型例とした。

賃金等消滅時効が5年に延長見込み――厚労省・検討会議論

厚生労働省は、賃金等請求権の消滅時効を現行の2年から5年に延長すべきとする検討会提言をまとめる見込みである。 現在、学識経験者を集めて専門的な議論をしているもので、一定の方向で見解がまとまりつつある。令和2年4月から施行する改正民法に合わせた見直し。 同時に課題となっていた年次有給休暇の消滅時効については、5年に延長すると年休取得が阻害される可能性が高まるため、現行の2年を維持する見通し。

会社都合の転居転勤ゼロに――AIG損保/Work@HomeBase制度

AIG損害保険㈱(東京都港区、ケネス・ライリー代表取締役社長兼CEO、7,272人)は、今年4月から会社都合による転居を伴う転勤を廃止した。 全国を11の地域に分け、社員は自分の希望する勤務地エリアを選択する。エリアを限定しない全国転勤型を選ぶことも可能だ。 現在、対象社員の約8割が特定エリア内で勤務する「ノンモバイル」型を選択しているが、配属後も定期的に見直しの機会を設け、「自分のキャリアを自分で選択する」という社員の自律的なキャリア形成を、全面的に支援していく。

大卒60歳・退職金2,260万円に――経団連・東京経協「退職金・年金調査」

経団連と東京経協が共同実施した退職金・年金調査によると、60歳のモデル退職金は総合職・大卒が2,260万円、生産・現業労働者の高卒が1,820万円だった。所定内賃金で除した支給月数は、順に38.2カ月、46.0カ月となっている。 退職金額の算定にポイント方式を用いる企業が7割まで上昇し、別建て方式を採る企業は全体の84%を占めた。年金制度では、確定拠出年金(企業型)の導入割合が前回調査から10ポイント増と顕著に伸び、68%にまで高まっている。

月給比率高め役割等級へ――㈱NJSの新人事制度

建設コンサルタントの㈱NJS(東京都港区、村上雅亮社長)は、ライン長と専門職に複線化する役割等級体系へ移行するとともに、 従来は一本化していた給与体系を見直した。年収の4割を賞与としていた報酬体系を改め、月給部分のウエートを高めている。 職群・等級ごとに求められる役割をより明確にすることで、等級間で重複部分の多かった基本給レンジを整理した。 レンジの中位を過ぎた場合は、昇給額を約3分の2に抑える仕組みも採り入れている。併せて将来の専門人材確保を見据え、70歳定年制も導入。 60歳以降はシニア専用の体系を適用するが、年収は従前の7~8割程度を維持する。

介護離職防止へ制度改定―賃金約75~100%で選択――東急百貨店

㈱東急百貨店(東京都渋谷区、大石次則代表取締役社長執行役員)は、介護離職防止に向けて一律だった勤務体系を改め、 1カ月に4日程度短時間勤務を認めるなど計5パターンに拡充した。働き方と賃金の減少幅を選択できるようにしている。 賃金は最低でも通常勤務の約75%を保障する。併せて育児関係の働き方も見直した。

7業界対象に導入マニュアル作成――厚労省・同一労働同一賃金で

厚生労働省は、非正規労働者を多く雇用している7つの業界に向けて、同一労働同一賃金導入マニュアルを作成した。 現状の社員タイプを把握・整理したうえ、比較対象者の選定、待遇差の有無、均衡待遇か均等待遇の判断、具体的な是正策の実施などをアドバイスしている。 賞与支給を、業績に対する功労報償と位置付け、実績を支給基準にしていた場合、非正規労働者に支給しないのは「不合理ではない」といえず、改善に取り組むよう求めている。

時短女性らが建設現場を遠隔支援――ダイダン

総合設備工事業者のダイダン㈱(本店:大阪市西区、藤澤一郎社長、1540人)では、現場で働く技術者の業務を軽減する取組みとして、CADオペレータや事務員で構成する「現場支援リモートチーム」の活動が成果を上げている。 ICT技術により支店・現場間で情報共有を図り、チームのメンバーが離れた場所から図面作成などの業務を担う。常時10カ所程度の現場を一元的かつ計画的に支援することで、常駐する人員の削減につなげている。 育児短時間勤務者を含むメンバーにとっても、自宅から最も近い職場での勤務が可能になった。

中小規模の課長級44万円に――厚労省/役職・職種・標準者賃金

賃金構造基本統計調査の役職者賃金によると、課長級の所定内給与額は1,000人以上の大手規模で59.4万円、500~999人の中堅規模で49.8万円、100~499人の中小規模で43.9万円だった。大手に比べると中堅は84%、中小は74%の水準となっている。 一方、非役職者の職種別集計をみると、男性ではシステム・エンジニアが前年比0.3%増の34.5万円、営業用大型貨物自動車運転者が0.7%減の28.2万円、機械組立工が3.1%減の25.7万円、女性では看護師が0.4%減の29.8万円、販売店員が1.9%減の19.5万円、福祉施設介護員が3.0%増の21.9万円などとなっている。

eラーニングも支援対象に――厚労省・助成金制度を改編

厚生労働省は今年度、雇用安定関係の各種助成金制度を拡充・新設した。利用が急増している「人材開発支援助成金」は、要件を満たすeラーニングによる職業訓練と長期の教育訓練休暇導入に対する助成を新設した。 「中途採用等支援助成金」では、60歳以上の労働者を雇い入れた事業主に70万円を支給、UIJターン移住者の採用に対しても採用経費の一部を助成していく。 「キャリアアップ助成金」や「トライアル雇用制度」も助成額の増額や対象者の拡大を行っている。

「今春入社の学生の入社先の決め手」

2019年入社予定の大学生が2018年12月に就職先を確定する際の決め手となった項目は何か。リクル-トキャリアが民間企業への就職が確定している978人に行った調査によると、

1位 自分の成長が期待できるか ・・・ 47.1%
2位 福利厚生や手当が充実しているか ・・・ 37.8%
3位 希望する地域で働けるか ・・・ 37.0%

が高く、「会社や業界の安定性があるか」は29.5%、「年収が高いか」は15.4%に留まり、学生からは“セカンドキャリアを考えれば会社の善し悪しではなく自分の成長が最も大事”という声があった。男女間でも回答には差がでる項目もあり男子の第1位は「自らの成長」に対し女子は「希望する地域で働ける」で、慣れない土地での勤務や全国転勤を敬遠し、勤務地の選べる点を決め手に挙げる女子学生が多かった。さらに、「会社、団体で働く人が自分に合っているか」や「フレックス制度や在宅勤務、育児休暇などの働き方が充実しているか」は女子の方が高く、「年収が高いか」は男子の方が高かった。                                                 以上

原則3年単位で転居転勤――三井住友海上・限定総合職へ新コース

三井住友海上火災保険㈱(東京都千代田区、原典之社長)は、勤務地限定の総合職社員を対象とし、周辺エリアの範囲内に限って転居転勤を行うワイドエリアコースを導入した。 他地域・他部門の業務を経験する機会をつくるのが狙いで、原則3年単位で転居を伴う拠点に赴任し、次回の異動ではいったん自宅通勤可能な職場に戻る――というサイクルで運用する。 転居先赴任時には給与・賞与に20%加算し、自宅通勤時にも5%加算する。同時に定年後再雇用者の処遇体系を見直し、水準を大きく改善した。定額だった月例給は、行動評価により昇降給を行う体系に変更した。 上位職にはさらに、担当業務に応じて月2万~15万円を支給する職務加算の仕組みも採り入れた。本人の同意次第で転居転勤も可能とし、適用者には月15万円を上乗せ支給する。

所定外と合わせ月45時間――カゴメ・副業解禁

カゴメ㈱(愛知県名古屋市、寺田直行代表取締役社長)は4月から、社員の副業・兼業を解禁した。費やせる時間は、所定外労働時間と合算して1カ月45時間までに定める。 対象者は、直近1年の年間労働時間が1900時間未満で、かつ直近3カ月の平均残業時間が15時間未満の入社2年目以上の正社員と契約社員。正社員の場合、全体の約25%が当てはまる。他社で雇用される働き方も認める。

接遇向上へ交通事業者向け研修モデル――国交省

国土交通省は、鉄道やバス、タクシーなど交通事業者が実施する従業員向け接遇研修を充実させるため、交通機関の種類ごとに必要な研修内容を示したモデルプログラムを作成した。
障害者や高齢者など、移動に制約がある人への望ましい接し方を示した「接遇ガイドライン」に沿った対応を促し、各事業者における一定の接遇水準の確保を図る。プログラムには、障害当事者の参画の下で実施する現場職員に対する実技講習や、管理職など向けの障害疑似体験などを盛り込んだ。

東京・中企業の男性39.8万円に――厚労省・都道府県別賃金

賃金構造基本統計調査の都道府県別集計によると、100~999人規模企業で働く一般労働者・男性の所定内給与額は、東京39.8万円、大阪34.5万円、愛知31.7万円などとなった。 主要3地域とも前年比プラスだったが、なかでも東京の伸びは2.7%増とめだち、大阪との差が5万円を超えている。短時間労働者・女性の時間給は、東京が17円増の1,310円となり、大阪は38円増の1,193円、愛知は28円増の1,114円だった。 千円以下の地域は15県までに減り、東北、中国、九州にしかみられない。

定年65歳へ引上げ――鉄鋼4社

神戸製鋼所など大手鉄鋼4社は、2021年度以降に60歳に到達する社員を対象に、定年を60歳から65歳に引き上げる。生産年齢人口の減少への対応や現場力の維持などをめざす。 4社は昨年の労使交渉から協議を続けてきた。給与や賞与に関しては60歳前後で「連続性のある制度」とする方向で妥結しており、賃金カーブの修正などの詳細を今後詰めていく。選択定年を設けるかで、4社の対応が分かれそうだ。

中小への相談対応強化――東京労働局・平成31年度方針

東京労働局(前田芳延局長)は、平成31年度の行政運営方針を明らかにした。監督指導を通じた長時間労働是正および過重労働による健康障害防止や、中小企業の働き方改革に向けた相談対応強化に重点的に取り組むとした。 年5日の年次有給休暇の取得義務や、管理監督者も含めた労働時間把握義務などへの対応について、各労基署が個別訪問によってきめ細かな相談・支援を行うほか、集団指導を通じて法改正事項への理解を促す。

管理職へ「職務加算給」導入――オリックス

オリックス㈱(東京都港区、井上亮取締役兼代表執行役社長)は、グループ13社における課長層以上部長層以下の管理職層を対象に「職務加算給」を新設し、 月額2万~5万円を支給し始めた。以前と比べて多様な人材をマネジメントし、業務が高度化した管理職層へ報いる。貢献度が高ければ、部下を持たないポストでも支給する方針。 会社が期待する役割が変動した場合、支給額の見直しはあり得る。

フルタイム男性のピーク42.6万円に――平成30年賃構調査(概況)

厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査(概況)」によると、一般労働者・男性の所定内賃金は平均で33.8万円、年齢階級別のピークは50~54歳42.6万円だった。 全体的に前年比プラスとなった一方、30~40歳代にはめだった伸びがみられない。100人未満の小企業に限れば、軒並み1%前後の減少率を示している。 上昇が続く短時間労働者・女性の時間給は31円アップし、ついに1,100円台に乗せている。

先輩の修羅場を特集――マクロミル/丁寧な社内報で考える契機に

社員数が急増しているマーケティングリサーチ業の㈱マクロミル(東京都港区、スコット・アーンスト代表執行役社長グローバルCEO、1012人)は、 社内報や社内イントラネットを通じてコミュニケーションの活性化を図っている。社内報「ミルコミ」は社員に考えるきっかけや刺激を与えるために、時間をかけて丁寧に作る。 最近では、若手向けに「実録・先輩たちの修羅場」と題した特集を掲載した。社内イントラネット「NOW」は速報性を重視し、ほぼ毎日、タイムリーな記事をアップロード。 全社集会の資料や人事制度の説明なども載せる。

専門・技術職21.2万円――東京都内の平成31年・大卒求人初任給

今春入社した学卒者の求人初任給を集計した東京労働局の「学卒者の初任賃金」調査によると、大卒の専門・技術職は21万1,500円、事務職は20万3,000円だった。 1,000人以上の大規模事業所が低下傾向を示すなか、規模計では全職種が前年結果を上回り、0.7~1.8%伸びている。高騰が続く高卒では技能職が17万3,700円、販売職が17万5,000円となっている。

建設業の著しい短工期契約を禁止――建築業法改正へ

国土交通省は、建設業の働き方改革の促進と現場の生産性の向上に向けて、建設業法などの改正法案を国会に提出した。 工期の適正化を通じて長時間労働の是正を図るため、発注者に対し、著しく短い工期による請負契約の締結を禁止する。 違反者には国交大臣などによる勧告・公表を実施する。現場の処遇改善方策として、建設業の許可基準も見直し、社会保険への加入を要件化する。

パートの社会保険適用拡大に反対表明――複数業界団体

パートタイム労働者を多く雇用する複数の業界団体はこのほど、厚生労働省に対してパートタイム労働者の社会保険適用拡大に反対する意見書を提出した。 2016年10月の適用拡大によって、就労調整が進み、多数の企業で労働力不足に陥っているとした。パートタイム労働者自身も適用拡大を望まない傾向が強く、さらなる要件緩和に強く反対している。 地方の中小事業者のコスト負担がこれ以上増大すれば、経営悪化、経営危機に追い込まれる可能性もあると懸念を表明した。

「上場企業女性役員調査」

日本経済新聞社が実施した上場企業の女性役員(執行役員を含む)154人から得た回答によると、

「現在、不安や悩みを感じていることは何か」に対して

・業務上の課題や経営に関すること    ・・・ 47.4%
・社員の育成に関すること        ・・・ 35.1%
・自身のスキルや職務経験に関すること  ・・・ 33.1%

が上位3つで以下、

「親の介護、女性であることで不要な注目を浴びがち」
「 リ-ダ-シップの発揮」が続いた。

親の介護以外は男性役員では挙がらない悩みで、これまで多くの企業では女性役員の育成に力を入れてこなかったため、男性より経験の幅が狭くなりがちで、それが自信のなさに繋がっていると考えられる。

役員就任までに最も長かった職務経験では営業(販売、マ-ケティング、商品含む) が21.1%でトップで必ずしも役員としての担当分野と一致しない人も目立った。女性を昇進させようという社会環境は追い風で、登用理由はさておき男性と比べ自身のスキルなどを過小評価せず、与えられた役職で結果を出し評価されることが大事になる。                         以上

大企業・併用型の大卒・定年退職金2700万円に――厚労省・就労条件総合調査報告

退職給付制度の詳細を調べた厚生労働省「平成30年就労条件調査報告」によると、一時金・年金制度を併用する企業における勤続35年以上の大学・大学院卒の定年退職金は、大企業2,660万円、中堅企業2,123万円、100~299人の中小企業1,934万円だった。 中堅企業は大企業の80%、中小企業は73%の水準となっている。一時金制度のみの企業では、大企業の2,146万円に対して中堅企業は89%の1,919万円、中小企業は83%の1,775万円だった。退職一時金額の算定方法に関しては、全体の58.4%が「退職時の賃金」を算定基礎に用いていた。 ポイント方式の採用は全体でみると19.4%にとどまるが、大企業では49.4%と約半数が採用している。

広がるパワーハラスメント

今や職場の最大懸案となりつつあるのがパワハラ防止対策。上司から部下へのいじめ・嫌がらせのみならず、先輩・後輩間、同僚間さらには逆に部下から上司に対するものなど幅が広がって収拾がつかない。放置すると不法行為責任に加え、安全配慮義務違反まで問われて禍根を残すことになるから要注意。

スーパーチェーン・計画年休制度広がる

年次有給休暇の取得率が全業種平均から15ポイントも低い小売業において、取得率向上への取組みが活発化している。マックスバリュ九州㈱(福岡県)や㈱ライフコーポレーション(大阪府)、まいばすけっと㈱(神奈川県)は、個人別付与方式の計画年休を導入。 ライフは4月から、計画年休に加えて半休制度を始めた。

支援意思はステッカー――野村HD/LGBT対応

ダイバーシティ&インクルージョンの一環として、LGBTへの対応に取り組む企業が増えている。金融大手の野村ホールディングス㈱(東京都中央区、永井浩二代表執行役社長グループCEO、2万8280人)は、当事者へのサポートに加えて、社内でのアライ(支援者)活動に力を注ぐ。 アライは自席にステッカーを貼り支援意思を表明する。社会的な理解浸透の活動も積極的に行う。アパレル業の㈱レナウン(東京都江東区、北畑稔代表取締役、942人)では、採用活動における自己PR書では性別記入欄を設けていない。

全国型との給与格差5~10%――㈱ティップネスの地域限定正社員制

三大都市圏にフィットネスクラブを展開する㈱ティップネス(東京都港区、花房秀治社長)は、勤務範囲に応じて2種類の地域限定正社員区分を運用している。 ポストに基づく管理職層への昇格は制限されるが、非管理職として担える役割の範囲には、区分間で差を設けていない。店舗勤務の場合は、施設のトップである支配人の代理職までステップアップできる。 正社員全体に共通の評価制度を適用し、報酬面では同じ役割を担う全国転勤型に比べて90~95%の水準を確保している。

新卒が共同し新店舗運営――串カツ田中・育成方法見直す

㈱串カツ田中ホールディングス(東京都品川区、貫啓二代表取締役社長)は今年4月から、新入社員が共同して新店舗の立上げを繰返し行う育成制度を導入する。 同期と共にいる期間を伸ばしたり、トレーナーを配置したりして安心感を持たせる。早くから責任ある業務に携わらせてやりがいも感じさせ、早期離職を防ぎたい考えだ。

卒業生は経営の一翼担う――ファンケル/会社内に「塾」創設

化粧品・健康食品のメーカー㈱ファンケル(神奈川県横浜市、島田和幸代表取締役社長執行役員CEO、973人)は創業理念をはじめとした会社全体の理念教育の強化を図るとともに、次世代の経営層の育成に力を注ぐ。 社内教育の専門組織「ファンケル大学」では、2014年~15年に全社員を対象に「創業理念研修」を実施した。15年からは毎年4月を「創業月間」に位置付け、全グループで理念を考える機会を設けている。 13年には創業者の意思を受け継ぐ次世代の経営層を育成する「池森経営塾」を開催。卒業生はすでに経営の一翼に。

65歳定年へ”シニア型”総合職――明治安田生命

明治安田生命保険相互会社(東京都千代田区、根岸秋男 取締役 代表執行役社長)は、4月から新たに総合職(シニア型)を新設し、定年年齢を65歳に延長する。 60歳を機に同じ役割・グレードのまま転換を行うもので、管理職のポストを含めて担当できる職務には一切の制限を設けない。処遇面については、60歳前の体系から年功色の強い部分等を廃止する方向で再編しており、 非管理職のスタッフや専門職に対してはそれぞれ専用の給与・賞与テーブルを設けた。従来制度で標準的に再雇用された場合と比べると、年収は約2倍にアップする。一方で年俸制を採っている部長、支社長などのマネジメント職には、60歳以前と同一のテーブルを適用する。

産・育休明け 勤務地選択制度を導入――キリンビール

キリンビール㈱(東京都中野区、布施孝之代表取締役社長)は4月以降、産前産後休業や育児休業から復職する社員に対し、勤務地を都道府県単位で選択できる制度を開始する。配偶者との同居や親族からの支援が受けやすい地域で復職させ、仕事と育児の両立を図りやすくする狙い。 対象は、勤続3年以上で全国転勤型の総合職などとした。キリングループ全体では、以前から一部で行っていた「制約のある働き方」を体験する取組みを拡大した。

小規模・男性のピーク588万円――国税庁・民間給与実態(細部集計)

国税庁の民間給与実態統計によると、従業員30~99人の小規模事業所に勤務する男性の年間給与は、55~59歳588万円がピークだった。100~499人では643万円、中堅規模の500~999人では718万円、5,000人以上では906万円などとなっている。賃金カーブにもめだった規模間格差がみられ、20~24歳の水準に対するピークの倍率は、中・小規模がともに2.11倍であるのに対し、5,000人以上では3.70倍となっている。

長時間労働是正へ「共同宣言」――連合と技能協

連合(神津里季生会長)と(一社)日本生産技能労務協会(青木秀登会長)は2月27日、長時間労働の是正に向けた「共同宣言」を締結した。 実現に不可欠な「36協定の適正な締結」を社会全体に訴えていく重要性について意気投合したもので、4月から始まる改正労働基準法に基づく「罰則付き時間外労働の上限規制」の実効性確保を狙う。 長時間労働があって成り立つ面がある日本の商慣行見直しにつなげたい考えだ。

契約社員へ退職金支払い命令――東京高裁・労契法20条裁判

㈱メトロコマースの元契約社員ら4人が正社員との労働条件の差を不合理として訴えた裁判の控訴審で、東京高等裁判所(川神裕裁判長)は一審判決を変更し、退職金の一部など計220万円の支払いを命じた。 退職金には功労報償的な性格が含まれるとして、長期勤務者に一切支払っていないのは不合理と判断。正社員の退職金規程に当てはめ算定した額の4分の1の支払いを命令した。一審は早出残業手当の割増率を除き請求を棄却、損害額を4109円としていた。

大卒・非管理職35歳32.8万円に――関西地域の標準者賃金

関経連など9つの経営者団体が共同実施した「標準勤続者賃金」調査によると、大卒・事務技術のモデル賃金は非管理職が22歳20.8万円、35歳32.8万円、管理職では45歳49.0万円、55歳57.1万円などとなっている。ピーク時の水準は、非管理職で初任給の1.99倍、管理職では2.71倍だった。付帯調査では定年後再雇用者の処遇について調べており、公的年金支給開始前の60~61歳の年間賃金は383.7万円、62~64歳は370.4万円だった。回答企業の23.4%が直近3年以内に処遇を見直しており、今後の見直しを予定する企業、検討する企業が、合わせて3割強を占めている。

バイトへ賞与不支給は不合理――大阪高裁

基本給や賞与、福利厚生に関する正職員との相違が労働契約法第20条に違反するとして、大阪医科薬科大学のアルバイト職員が起こした訴訟で、大阪高等裁判所(江口とし子裁判長)は、賞与や夏期特別有給休暇などについて、全く支給・付与しないことを不合理とする判決を下した。 賞与については、職員の成績や同法人の業績に連動しない算定方法であり、新卒正職員の60%を下回る場合、不合理な相違に当たるとしている。

パワハラ防止措置を義務化――厚労省・今国会に法案

厚生労働省は、パワーハラスメント防止対策の法制化などを新たに規定した女性活躍推進法等の一部改正案要綱をまとめた。このほど、労働政策審議会(樋口美雄会長)の了承を得たため、近日中に通常国会に提出する。職場のパワハラを防止するため、労働者の相談に応じるなど、 事業主に必要な雇用管理上の措置を義務付けた。紛争解決のための調停制度の利用および都道府県労働局による助言・指導なども実施する。

「70歳まで雇用」

日本経済新聞社の社長100人アンケ-トによると、「70歳まで働ける制度を既に始めている」企業は8.3%にとどまっているが、「検討している」「今後検討を始める予定」の企業は半数を超えた。

70歳までの雇用を導入、検討、検討予定の企業の狙い(複数回答可)は

・シニアの経験やノウハウを活用 ・・・ 86.4%
・技能の継承や維持       ・・・ 50%
・人手不足の解消        ・・・ 29.5%   であった。

一方、検討していない企業の理由としては

・世代交代や若返りが停滞    ・・・ 35.4%
・健康上の問題が多くなる    ・・・ 29.2%   があがった。

雇用形態をみると、既に始めている企業の9割が再雇用で、検討している企業でも75.6%が再雇用を想定していた。定年延長についてはどちらも10%未満で定年廃止の回答はなかった。賃金水準は、定年前と同じは4.8%にとどまり、定年前の7割または5割と回答した企業は共に14.8%で最多だった。一般的に賃金水準が維持される定年延長の場合、人件費負担が増す可能性があり、再雇用で賃金水準を下げることで負担回避したい企業側の狙いが読み取れる。ただし、定年前と同じ業務であるにもかかわらず、明確な理由がないまま一律に賃金水準を下げることは同一労働同一賃金の観点から問題でもあり、活用と処遇を個別にしっかりと決めていくことが求められる。                     以上

現金給与総額1.4%増の32.4万円――毎勤統計・平成30年平均(速報)

厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、平成30年平均(速報)の月間給与総額は32.4万円となり、前年比では1.4%増加した。26年からプラスで推移しており、過去5年間で最高の伸び率を示している。 物価の変動を加味した実質賃金指数も、0.2%増とわずかだがプラスに転じた。一方で雇用形態別の所定内給与については、フルタイム労働者が1.0%増の31.2万円、パートタイム労働者の時間当たり給与が2.3%増の1,136円となり、揃って改善している。

中小の事業承継・世襲ありきから脱却を――中経連・提言

中部経済連合会(豊田鐵郎会長)は、中小企業の事業承継・譲渡の円滑化に関する提言書を公表した。世襲ありきの姿勢が事業承継を困難にしていると指摘し、 家族以外にも視野を広げて候補者を探すとともに、マッチングの成功例、失敗例を収集してデータベースに蓄積し、広く共有できるようにすべきとした。 今後、厚生労働省などの関係省庁や、商工会議所などの経済団体に提言していくとしている。

ICT活用・会計伝票16万枚ゼロに――遠鉄・生産性向上策

遠州鉄道㈱(静岡県浜松市、斉藤薫取締役社長)は、会計伝票とグループ会社間の請求書のやり取りを電子化した。年間16万枚あった紙伝票がゼロ枚になり、印刷や保管の作業がなくなる。 一部のアルバイト採用では、面接に替えて応募者の「自撮り動画」を活用、面接日程調整などの時間を省く。ICT(情報通信技術)を駆使し、生産性向上をめざす。

理由不問で機関上限もなし――スリーエス/在宅勤務

産業用機密機器メーカーの㈱スリーエス(東京都北区、吉田秀樹代表取締役、61人)は従業員が働きやすい環境をつくるために様ざまな試みをしている。 最も力を注ぐのが在宅勤務だ。利用者を増やすために、申請の理由や入社年次、配属部署、人事評価、役職、在宅勤務の期間などの条件は設けていない。 週5日すべてを在宅勤務にすることもできるが、可能なら週1日の出社を求める。これまでに3人が、家庭の事情などで制度を利用した。 制度開始前に、システムによる勤怠管理を導入し、ITセキュリティー対策を強化した。

大卒35歳モデル31.9万円に――情報労連「ITエンジニアの労働実態調査」

情報労連の「ITエンジニアの労働実態調査」によると、大卒のモデル所定内賃金は、22歳21.1万円、35歳31.9万円、45歳40.2万円、55歳42.2万円などとなった。 35歳で初任時の1.5倍を超え、ピークを迎える50歳43.2万円では2.05倍に達するカーブを描いている。各社での最低額・最高額から集計した賃金レンジは、SEが25.9万~41.5万円、 プロジェクトリーダー等が35.1万~48.2万円などとなっている。

障害者就労・週20時間未満を拡大――厚労省

厚生労働省の労働政策審議会障害者雇用分科会(阿部正浩分科会長)は、「今後の障害者雇用施策の充実強化」に関する意見書案を明らかにした。 短時間であれば就労可能な障害者の雇用機会確保を支援するため、週所定20時間未満の雇用障害者数に応じて、事業主に特例的な給付金を支給するとしたほか、 中小企業を対象とする優良認定制度を創設する方向である。障害者雇用納付金の徴収対象を常用労働者「50人以上」に拡大するとみられていた点については、「引き続き検討」とトーンダウンした。

〝他社雇用型”含め解禁――アプラスフィナンシャル/副業・兼業

㈱アプラスフィナンシャル(大阪府大阪市、渡部晃代表取締役社長、連結1381人)は昨年11月、1週当たり20時間未満、1カ月平均30時間未満などの条件で社員の副業・兼業を解禁した。 個人事業主型だけでなく他社に雇用される形での働き方も認め、社内で得られない知識や人脈、多様な価値観の獲得をめざす。 他社雇用型を認めるか否かについては、先行事例でも対応が二分している。同社では事前に、「副業を理由に転勤や残業を拒否できない」などと誓約させている。

総合職・大卒35歳38.4万円に――経団連・東京経協「定期賃金調査」

経団連と東京経協が実施した「2018年6月度定期賃金調査」によると、総合職・大卒35歳のモデル賃金は38.4万円となり、前年比で約4,500円アップした。 前年調査での減少傾向から一転し、すべての年齢ポイントで1~2%程度持ち直している。ピークを迎える55歳61.3万円は、初任時に対して2.8倍の水準だった。 役職者賃金についてもほとんどの役職でわずかだが改善がみられ、部長は1.3%増の69.7万円、課長は0.4%増の53.5万円などと伸びている。

前年獲得額超す賃上げへ――Uゼンセン・19春闘方針

UAゼンセン(松浦昭彦会長)は1月30日、大阪で開いた第7回中央委員会でおよそ2%の賃上げ実現に向けた19春闘方針を決定した。 松浦会長は「中小の賃上げを重視する」と述べ、前年以上の獲得にこだわる考えを強調した。人材流出の防止と採用競争力強化の観点から必要だと経営者目線で迫るよう促す方針。 悪質クレーム対策、感染性疾病対策、勤務間インターバル規制の導入など、部門・部会ごとの必須メニューにも取り組む。

「兼業・副業禁止が7割」

リクル-トキャリアが人事部の管理職を対象に実施した調査(2217人から回答)で
社員の兼業・副業について、

「禁止している」が71.2%で
「容認している」25.2%、
「推進している」は3.6%という回答を得た。

国は、働き方改革の一環として広めようとしているが、企業側は社員の長時間労働につながるといった懸念が強く、労働時間の管理と責任という観点からも慎重な姿勢をとっていることがわかった。

禁止している理由の上位3つは

① 社員の長時間労働、過重労働を助長する ・・・ 44.8%
② 労働時間の管理、把握が困難      ・・・ 37.9%
③ 情報漏洩のリスクがある        ・・・ 34.8%

で、以下

・競業となるリスク、利益相反になる
・労働災害の場合の本業との区別が困難
・人手で不足や人材の流出につながる

などであった。兼業・副業の就業規則での位置付けについては、禁止しているが60.8で最も多いが規定自体がないも17.4%あった。現行の労働基準法では、労働時間は事業場や事業主が異なる場合も通算すると規定されている。しかしながら、通算時間をどのように把握すべきかはっきりと決められておらず、企業側には万が一の時のリスクと責任の所在に対する懸念が強くある。兼業・副業を広げるためには、全体の労働時間や労働災害時の責任のあり方等を明記していく必要がある。

以上

4年目から異動範囲限定も――カインズの新コース制

ホームセンター大手の㈱カインズ(埼玉県本庄市、土屋裕雅社長)は今年3月、入社4年目から選択可能なリージョナル社員コースを追加する。 海外勤務もあるナショナル社員に対し、異動の範囲について全国を4つに分けたブロック内に制限するもの。 人材管理上、入社後7年間を集中的な育成期間と位置付けるなかで、従来は30歳まで勤務地限定の選択肢がなかった。 遠方への配転がない区分を設けることで、成長過程の若手に多様なワークライフを提供する。処遇面では新たに2種類の手当をつくり、コース間の格差を確保した。 ナショナル社員に「選択手当」を支給する一方、実際に自宅等を離れて勤務している人材に「隔地勤務手当」を加算する。

広がる「仮眠室設置」――集中力向上めざす

企業規模にかかわらず、仮眠室を設けて就業時間中に昼寝を推奨する企業が増えている。 リフレッシュによって社員の集中力を高め、労働生産性を上げるのが目的だ。このうちの1社である三菱地所では実証実験を行い、仮眠後の集中度の高まりを裏付けた。 厚生労働省は、午後早い時刻における30分以下の昼寝に効果があるとしている。

広がる「仮眠室設置」――集中力向上めざす

企業規模にかかわらず、仮眠室を設けて就業時間中に昼寝を推奨する企業が増えている。 リフレッシュによって社員の集中力を高め、労働生産性を上げるのが目的だ。このうちの1社である三菱地所では実証実験を行い、仮眠後の集中度の高まりを裏付けた。 厚生労働省は、午後早い時刻における30分以下の昼寝に効果があるとしている。

AI導入で作業時間短縮――情報産業サービス協会・事例集

一般社団法人情報サービス産業協会(横塚裕志会長)は、様ざまな産業における働き方改革を推進するため、 取組み時に役立つ最新ITについて解説し、その導入企業事例を示した報告書「IT活用からはじめる、働き方改革」をまとめた。 効果的なツールとしてAI(人工知能)とRPA(ロボットによる業務自動化)を提示し、作業時間短縮につなげているケースを取り上げている。 テレワーク導入時のセキュリティー対策の重要性も指摘し、静脈認証を採用した事例などを紹介した。

AI導入で作業時間短縮――情報産業サービス協会・事例集

一般社団法人情報サービス産業協会(横塚裕志会長)は、様ざまな産業における働き方改革を推進するため、 取組み時に役立つ最新ITについて解説し、その導入企業事例を示した報告書「IT活用からはじめる、働き方改革」をまとめた。 効果的なツールとしてAI(人工知能)とRPA(ロボットによる業務自動化)を提示し、作業時間短縮につなげているケースを取り上げている。 テレワーク導入時のセキュリティー対策の重要性も指摘し、静脈認証を採用した事例などを紹介した。

管理職考課・部下の育休取得で加点――京葉銀行/男性の育児参加対策

㈱京葉銀行(千葉県千葉市、熊谷俊行代表取締役頭取、2144人)は、男性の育児参画推進に力を入れている。男性行員がより取得しやすいよう、部下が育児休業を取ると管理職の人事考課に加点が付くよう工夫したほか、時短勤務のトライアルを実施した。 夫婦参加型セミナー「ファミリーカフェ」の開催や、管理職による「イクボス宣言」の実施など、職場全体で仕事と家庭の両立への意識を高め、働きやすい風土作りにも取り組む。成果は着実で、今では毎年、対象者の7~8割が育休を取得している。

契約社員の”最高位”を新設――ベルシステム24

㈱ベルシステム24(東京都中央区、拓殖一郎社長)は昨年12月、契約社員の待遇改善に向けて全社統一的な枠組みを採り入れた。最高位の区分として新設した「Glade11+(プラス)」では、正社員と同じ業績評価を実施し、年間1カ月分の賞与を支給する。 短時間勤務者のキャリアアップを後押しする狙いから、全社で300人とする人数枠の半数を月80~160時間勤務者に割り振っている。一方で組織・拠点ごとに人材管理を進めてきた一般の契約社員に対し、共通の評価制度を採り入れた。 100点満点中70点以上を獲得した場合、勤務時間数をベースとした評価一時金を支給する。

危機管理能力強化へプログラム作成へ――厚労省・31年度新規事業

厚生労働省は平成31年度、企業のマネージメント力を支える人材育成強化プロジェクト事業(仮称)を新たにスタートさせる。 近年、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、情報セキュリティーの不備などに端を発する不祥事が相次ぎ発生し、 職場環境の悪化や生産活動の停滞につながるケースが拡大している。様々な危機管理対応を含む総合的なマネージメント力を強化する研修プログラムを新規に開発し、 主に中小企業を対象とした人材育成を後押しする考えである。

残業削減へ休息9時間で開始――スリーハイ/勤務間インターバル

産業用・工業用ヒーターを製造業する㈱スリーハイ(神奈川県横浜市、男澤誠代表取締役、33人)は、残業時間削減に向けて昨年3月、勤務間インターバル制度を導入した。 導入前に、年間の全社員の残業時間や残業代を共有し、現状の認識を深めた。従業員が互いに支え合うことで業務を効率化し、ムリやムダを省くために全社で情報共有も進めた。 毎日の朝礼や会議の内容を充実させ、回数を増やす取組みも。導入以降、残業時間は減る傾向にある。休息時間は現在9時間だが、今後11時間への延長も検討している。

大卒35歳モデル30.9万円に――中小の賃金・退職金事情

東京都の「中小企業の賃金・退職金事情」調査によると、大卒のモデル賃金は22歳20.7万円、35歳30.9万円、45歳38.7万円などとなり、ピークの55歳は44.8万円だった。4年ぶりに改善傾向を示し、40~50歳では前年比1.2~2.3%増と伸びている。退職金制度を持つ企業は全体の7割超を占め、定年時のモデル退職金は大卒1,203万円、高卒1,127万円となった。2年前の前回調査と比較すると、それぞれ5.7%増、4.1%増と伸びている。

連合と社労士・残業ルールで共同宣言――「上限規制」の開始控え

4月施行の「罰則付き時間外労働の上限規制」で、連合(神津里季生会長)と全国社会保険労務士会連合会(大西健造会長)は1月7日、「共同宣言」を締結した。 長時間労働を見直し、多様な人材が活躍できる職場環境にすることが、人口減少国家・日本の喫緊の課題という認識を共有したもの。 労働組合のない屋の中の多くの中小企業等に同様の認識を連携して浸透させていく考えで、「残業にもルールがある」と広く呼び掛けていく。

パワハラで慰謝料250万円命じる――長崎地裁

広告制作を行う㈱プラネットシーアール(長崎県長崎市)のデザイナーが、上司からパワハラを受け精神障害を発症したとする訴訟で、長崎地方裁判所(土屋毅裁判長)は、上司の注意が業務を逸脱したいじめ行為に当たると判断した。 パワハラに対する慰謝料250万円と未払い残業代など含め計2000万円の支払いを命じた。上司は、目つきが気に食わないなどと注意したほか、午前中いっぱいを叱責に費やした日もあった。いまだに職場復帰できる状態でない点も重視した。

非正規・個人指す際は実態名で――連合・呼称見直しに着手

連合は、「非正規」の呼称見直し作業に着手した。本部がまとめた「考え方」を基に各産別での討議をこのほど促したもので、今秋の定期大会で正式決定をめざす。 個人と結び付けて使用する際は「パート(有期、派遣)で働く仲間」のように雇用の実態を表す形にし、社会的課題として表現する場合は「非正規雇用」「非正規労働問題」などと呼称する考え。 非正規であることが不本意か否か個々の背景が違ったり、同じ働く仲間のことを指す言葉として不適切とする意見が存在したりすることが背景にある。

事務課長のピーク61.7万円――人事院「民間の給与実態」

人事院の職種別民間給与実態調査によると、課長級の所定内給与のピークは、事務系で48~52歳未満61.7万円、技術系では56歳以上60.7万円だった。 大学新卒者が含まれる係員級20~24歳の水準と比べると、それぞれ2.89倍、2.81倍の水準となっている。 一方、定年制に関する調査では、定年を61歳以上とする本店事業所の割合は12.4%、定年制なしは0.6%だった。延長ないし廃止済み事業所の2割強で、60歳到達を理由に減額する仕組みを入れている。

「人材確保に成功している中小企業の取組み」

2017年版中小企業白書によると、人材確保に成功している中小企業の取組みを見てみると
(複数回答可)、

1位 ・・・ 能力や適正に応じた昇給、昇進 33%
2位 ・・・ 成果や業務内容に応じた人事評価 29.0%
・・・・・時間外労働の削減、休暇制度の利用促進 29.0%
4位 ・・・ 職場環境、人間関係への配慮 28.7%
5位 ・・・ 研修、能力開発支援 25.6%
6位 ・・・ 他社よりも高い賃金水準 23.4%
7位 ・・・ 作業負担の軽減や安全確保の徹底 21.8%
8位 ・・・ 勤務時間の弾力化 17.2%
9位 ・・・ 家賃、住宅に係る補助、手当て 10.3%
10位 ・・・ 育児、介護に係る補助、手当て 8.6%

となっている。男性社員、女性社員それぞれに人材定着と育成に必要だと思える取組は何かとの問いには、男性社員53.5%、女性社員55.7%と共に「能力や適正に応じた昇給、昇進」が1位で企業の取組みと一致していた。

一方、「他社よりも高い賃金水準」については男性社員51.6%で2位、女性社員45.1%で3位と、共に企業の取組み6位より上位となっている。
以上

任意の事業所でテレワーク――キユーピー/柔軟な働き方

食料品製造業のキユーピー㈱(東京都渋谷区、長南収代表取締役社長、連結1万4,924人)は、柔軟性の高い働き方の実現をめざし、フリーアドレス制やフレックスタイム制を組み合わせたテレワークを実施している。 任意の事業所で働くことが可能なサテライトオフィス勤務と、在宅勤務が選択できる。本社など3事業所では、パソコンも貸与した。在宅勤務は、直帰して資料作成をするなどの使われ方も。 フリーアドレス制は、資料などを電子データで保管する傾向が強まったという。

島津製作所は昼休み前後から―就業中の禁煙対策/段階的に喫煙制限

就業時間中の喫煙を全面的に禁止する企業が増加傾向にある。島津製作所は10月、昼休み前後の2時間を禁煙とし、2020年に全面禁煙にする。オリンパスも21年の敷地内禁煙に向け段階的に喫煙所を撤去中。いずれも社員の健康確保が目的だ。一方、「顧客からタバコ臭を指摘された」として、顧客満足度(CS)アップ対策として着手する例もある。

60歳超の処遇改善広がる――2018年掲載事例を振り返る

年金空白期間が生じるようになって5年が過ぎ、大手でも定年制を修正する企業が増えてきた。新たにメリハリを利かせたシニア向け区分を設ける例があったほか、65歳まで同じ制度を適用し続ける例も少なくない。雇用区分に関する改定事例では、コース別管理に基づく役割意識を払拭するため、あえて総合職を全国転勤型のみに一本化したケースも――。先進的な試みとしては、マネージャーの役職を廃止し、全面的に多面評価を活用する事例もみられた。

3カ月ごとにES調査――木元省美堂/コミュニケーション活性化

印刷業の㈱木元省美堂(東京都文京区、木元哲也代表取締役社長、71人)は、社内コミュニケーションの活性化を中心に、様ざまな改革を試みている。 3カ月ごとに全社員を対象に「ESアンケート」(従業員満足度調査)を実施し、上司や部下、配属部署や他部署の社員との交流状況などを確認する。 自分の感謝の気持ちを相手に伝える「Good Job Card(グッドジョブカード)」のやり取りも注目だ。 カードを渡せることを高く評価し、最も多くカードを渡した社員を表彰する。

5年連続増で大卒男性21万円台に――厚労省・30年確定初任給調査

厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査(初任給)」によると、大学卒・男性の確定初任給は前年比2,300円増加し、21.0万円となった。26年調査から5年連続で伸び、初めて21万円台に乗せている。小企業の伸びが200円増にとどまったことで、大企業との格差が1万円を超えている。一方で大学卒・女性は5年ぶりにマイナスに転じ、1,500円減の20.3万円となった。規模別では大企業のみ3,400円減と落ち込んでいる。高校卒は男女とも堅調で、男性が2,400円増の16.7万円、女性は3,900円増の16.2万円と急激に伸びている。

働き方改革・新規雇用で1人60万円助成――厚労省・31年度

厚生労働省は平成31年度、働き方改革関連法の施行に伴い労働者を増員した中小企業に、新たな助成金制度を設ける方針である。 雇用管理改善のための計画を作成し、人員配置の変更、労働者の負担軽減などに取り組んだ中小企業に対して、新規に雇入れた労働者1人当たり60万円(上限10人)を支給するとしている。 中小企業では、労働時間を削減する際などにおいて人員確保が困難なケースがあり、同法の施行日も1年間先送りされている。同助成金の活用によって働き方改革へ向けた環境整備を図る。

100人超の改定額5,700円弱――厚労省・賃金引上げ実態調査

厚労省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、規模100人以上における平成30年の賃金改定額は、1人平均5,675円となった。 ベア復活以来の最高値を示した前年の結果を、さらに48円上回っている。所定内賃金に対する改定率は、前年と同じ2.0%だった。 定昇制度を持つ企業のベア実施割合は、管理職で24.2%、一般職では29.8%となり、それぞれ1.3ポイント、3.0ポイント高まっている。

月給4%程度引上げを――連合・19春闘方針

連合は11月30日、千葉県で開催した第79回中央委員会で19春闘方針を正式に決定した。 賃上げは、定期昇給相当分2%に、2%程度のベア分を加えた総額「4%程度」、賃金実態を把握できない中小などは「1万500円」月例賃金の引上げを求める。 格差是正、底上げ・底支えに従来以上の力を注ぐ考えで、たとえば時給制非正規の場合、高卒初任給との均等待遇重視の考えを初めて打ち出し、「1050円」と設定した。 正規を含めた「水準重視型春闘」へ向けた第一歩、足掛かりの闘争と位置付けている。

テレワーク導入率50%超へ拡大――東京都・中小振興で展望提示

多様な人材が活躍する中小企業をめざし、テレワーク実施率を拡大へ――東京都は、中小企業振興に関する中長期ビジョン(仮称)の中間まとめを作成した。 今後の中小企業振興のめざすべき姿の1つに「多様な人材の活躍」を挙げ、数値目標として「都内企業におけるテレワーク導入率50%超」を設定した。 長時間労働の解消など働き方改革の実現に向けた専門家派遣を展開するほか、テレワーク導入支援を強化するとした。

テレワーク導入率50%超へ拡大――東京都・中小振興で展望提示

多様な人材が活躍する中小企業をめざし、テレワーク実施率を拡大へ――東京都は、中小企業振興に関する中長期ビジョン(仮称)の中間まとめを作成した。 今後の中小企業振興のめざすべき姿の1つに「多様な人材の活躍」を挙げ、数値目標として「都内企業におけるテレワーク導入率50%超」を設定した。 長時間労働の解消など働き方改革の実現に向けた専門家派遣を展開するほか、テレワーク導入支援を強化するとした。

「地方企業の働き方改革への取組と人手不足感」

日本経済新聞の2018年秋の“地域経済500調査”によると、人手不足が続く中、81.3%のトップが働き方改革に既に取り組んでいる、10.9%が予定があると回答しており、地方企業が働きやすい職場づくりに動いていることが見られた。

改革の具体的取り組み(複数回答可)は? の問いには、

・残業時間の上限抑制    67.3%
・女性の復帰支援       57.5%
・勤務時間の柔軟化      54.8%
・男性の育休取得促進    42.7%

が上位にあがった。

地方では人口減による人手不足が都市部以上に深刻で、調査でも50.2%が従業員不足、やや不足と答えた。

その要因としては、

・同業他社との採用競争   55.8%
・地域での労働人口減    47.9%
・大手企業も採用増       34.1%

を挙げるトップが多かった。                 以上

役割レベルを定額で処遇――パーク24

パーク24㈱(東京都千代田区、西川光一社長)は今年11月、能力等級と役割等級を併用するハイブリッド型の新人事制度を導入した。 役割等級を全15階層と細かく刻み、同じレベルの役職でも統括する組織・拠点の規模によっては格差が付くようにしている。等級ごとに定額を支給し、役割の大きさをダイレクトに反映する形とした。 能力等級はチャレンジ、目標達成などのコンピテンシー7要素で格付け、逆転が起きない接続型の範囲給に対応させている。 一方、大卒を最大約30%増額するなど新卒初任給を大きく引き上げたほか、次世代育成支援を強化するために出産祝金の大幅な増額、3歳ごとに3万~10万円を支給する「子ども祝金」の新設なども実施している。

働き方改革へ下請取引改善――中企庁・改正案

中小企業庁は、下請中小企業の取引環境の改善に向けた下請中小企業振興基準改正案をまとめた。 適正なコスト負担を伴わない短納期発注など、下請企業の「働き方改革」を妨げる取引慣行が存在していることから、その是正をめざす。 新たに、親事業者において下請事業者の不利益となるような取引・要請を行わないこととするほか、取引条件を理由とした労働基準関連法令違反を防止するための配慮も求める。

女性・高齢者の就業尽くせ――厚労省・報告案

厚生労働省は、外国人受入れ拡大の前提として、女性・高齢者の就業促進や処遇改善の取組みが十分に尽くされることが重要とする雇用政策研究会報告を近くまとめる方針である。 中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており、経済・社会基盤の持続可能性を阻害する恐れが生じているとして、外国人の受入れ拡大を肯定的にみている。 労働者の転職促進に向けては、労働市場の共通言語・共通基準となる職業情報提供サイト「日本版O-NET」(仮称)の整備が求められると提言した。

コア業務に注力し業績アップ――ガイアックス/フリーランス活用

㈱ガイアックス(東京都千代田区、上田祐司代表執行役社長、連結正社員120人)のソーシャルメディアマーケティング事業部は、 2015年からフリーランスを活用した労働環境改善に取り組んでいる。従業員一人ひとりに外注予算を付与した上で、月5万円の必ず使わなければならない「下限」を設けた。 コア業務に注力した結果、離職率は40%から0%に減り、業績は5倍に伸びた。リモートワークにも積極的に取り組む。オフィスの席を3分の1に減らし利用者を増やした。 労働環境改善は採用でもプラスの効果があり、リファラル(従業員の紹介)を中心に採用が進み、従業員数は3倍ほどに。 他の事業部からの異動希望者も出てくるなど、社内の「不人気部署」から「人気部署」へと変貌を遂げている。

前年定年者の退職金 大学・院卒で2,000万円弱――厚労省・就労条件総合調査

厚生労働省の平成30年就労条件総合調査によると、昨年1年間に定年を迎えた勤続35年以上の者の平均退職金は、大学・大学院卒1,983万円、高卒・現業職1,159万円だった。 前回25年調査と対象条件を合わせた比較では、高卒・現業職が横ばいだったのに対し、大学・大学院卒が約150万円ダウンしている。 退職給付制度がある企業は全体の8割を占め、うち一時金のみは73.3%、一時金・年金併用は18.1%だった。年金の支払準備形態は、確定拠出47.6%、確定給付43.3%などとなっている。

都バスは脳ドック費支給――バス運転者の健康管理対策

バス運転者が走行中に意識を喪失して事故を起こすケースが相次ぐなか、一部の事業者や業界団体では健康管理対策が進んでいる。 東京都は、都営バスの全運転者2000人を対象に、脳MRI健診の受診費用の全額補助を開始した。40歳以上の運転者に対し、3年に1度の受診を可能にしている。 熊本県バス協会は今月7日、睡眠時無呼吸症候群(SAS)防止に向けた講習会を初めて開いた。

大卒事務系の初任給21.4万円に――経団連・東京経協調査

経団連と東京経協が共同実施した2018年3月卒の決定初任給調査によると、大卒初任給は事務系21万3,743円、技術系21万5,293円だった。 17年実績との差額を聞いた対前年引上げ額は、順に1,869円、1,760円、率では0.88%、0.82%となっている。 初任給を引き上げた企業が全体の59.0%を占め、据え置いた企業40.8%を大きく上回った。 決定に際して最も考慮した判断要因については、「世間相場」27.6%が例年どおり最も高い割合を示す一方、「人材確保の観点」を挙げる割合が5年連続で上昇し、19.1%にまで高まっている。

企業に時差出勤など要請 五輪時の交通抑制へ――東京都

東京都は、2020年オリンピック・パラリンピック開催時の交通混雑を抑制するため、企業にテレワークや時差出勤などの協力を求める説明会・相談会を11月下旬から継続的に実施する。 交通需要の抑制・分散・平準化を図る交通需要マネジメント(TDM)を実施しなかった場合の鉄道・道路の混雑状況を予測したマップを紹介するとともに、企業における行動計画の整備を促す。 今後、行動計画作成上の留意点などを示したハンドブックも作成する方針だ。

企業に時差出勤など要請 五輪時の交通抑制へ――東京都

東京都は、2020年オリンピック・パラリンピック開催時の交通混雑を抑制するため、企業にテレワークや時差出勤などの協力を求める説明会・相談会を11月下旬から継続的に実施する。 交通需要の抑制・分散・平準化を図る交通需要マネジメント(TDM)を実施しなかった場合の鉄道・道路の混雑状況を予測したマップを紹介するとともに、企業における行動計画の整備を促す。 今後、行動計画作成上の留意点などを示したハンドブックも作成する方針だ。

高プロ制・研究開発など5業務示す――厚労省が適用対象案

厚生労働省は、働き方改革推進法で創設した高度プロフェッショナル制度の対象となる業務案を作成した。 高度の専門的知識などを必要とし、従事した時間と成果との関連性が通常高くないとされる業務が対象になる。 具体的には、①金融商品の開発業務、②金融商品のディーリング業務、③アナリストの業務、④コンサルタントの業務、⑤研究開発業務――の5つを示した。 使用者は始業・終業時間や深夜・休日労働など労働時間に関わる業務命令や指示などを行ってはならない。

高プロ制・研究開発など5業務示す――厚労省が適用対象案

厚生労働省は、働き方改革推進法で創設した高度プロフェッショナル制度の対象となる業務案を作成した。 高度の専門的知識などを必要とし、従事した時間と成果との関連性が通常高くないとされる業務が対象になる。 具体的には、①金融商品の開発業務、②金融商品のディーリング業務、③アナリストの業務、④コンサルタントの業務、⑤研究開発業務――の5つを示した。 使用者は始業・終業時間や深夜・休日労働など労働時間に関わる業務命令や指示などを行ってはならない。

同一処遇制度で65歳定年――TIS㈱

TIS㈱(東京都新宿区、桑野徹社長)は、来年4月から減額措置を伴わない65歳定年制へ移行する。 世代交代を図るためにマネージャー層に限って役職定年を設けるものの、それ以外は定年まで同じ人事制度を適用する。 高度専門職として認定されることで、60歳以降も管理職層として処遇される道を開いた。現在は、55歳から職責と報酬を低減する「専任職」制度を入れ、さらに定年後はグレード別定額で再雇用しているが、 定年延長に伴ってすべて見直す。再雇用時にピークの半額程度になっていた報酬は、定年まで維持することが可能になる。

賃上げ基準「水準」重視へ――連合・春闘改革

連合は、来る19春闘から、賃金の「水準」を重視した要求方針に舵を切る。 「上げ幅」に重点を置いた従来型の要求を続けても格差は縮まらないとみるためで、底上げ・底支え、格差是正の実効力を高める考えだ。 連合に加盟していない世の中の大多数の働き手に賃上げの波及効果を及ぼす狙いも込められており、「働きの価値に見合った賃金水準」への到達をめざし、今春闘以降、取り組んでいく。 賃金実態の把握をまずは強化しなければならないが、19春闘を「第一歩」「足がかり」と位置付ける。

高齢者の就業拡大へ新プロジェクト――厚労省・65歳以上を標的

厚生労働省は平成31年度、就業意欲を有するすべての高齢者が働き続けられるようにするため、 「生涯現役支援プロジェクト」(仮称)を新たに開始する方針である。全国8カ所の大都市圏において、高齢者の就業促進に向けた「動き出し支援」を行うほか、 在職中からのセカンドキャリア設計支援、シルバー人材センターを活用した就業支援など幅広い事業を展開する考えである。就業希望者と実際の就業者との間のギャップを埋める狙い。

「女性が仕事のヤリガイを感じるのは」

エン・ジャパンが同社のユ-ザ-を対象に、“仕事でヤリガイを感じることは何か”をネット調査し、927人から得た結果(複数回答可)を発表した。

・お礼や感謝の言葉をもらう     69%
・仕事の成果を認められる      63%
・自分の成長を感じる        51%
・尊敬できる人と一緒に仕事をする  34%

となっており、成長感や肯定感を重視する傾向が目立ち、いかにヤリガイを引き出すかが、人材定着のカギとなりそう。これらの回答はいづれも男性より10ポイント以上高く、女性は大きな裁量権や新たな仕事への挑戦よりも、成長感や肯定感を重視するとも分析できる。

“仕事を楽しむ工夫をしているか”と尋ねたところ、77%が“している”と回答。

工夫している内容(複数回答可)については、

“人間関係をよくする”
“いろいろな人と関わりを持つ”
“物事をポジティブにとらえる”などが多かった。                 以上

東京の4人世帯29.6万円に――平成30年地域別標準生計費

今年4月の4人世帯の標準生計費は、東京29.6万円、大阪市21.2万円、名古屋市21.9万円などとなった。東京が前年比1.7万円(6.0%)アップし、最近2年間では10.5%増と急激に伸びている。 大阪市が0.4%の微減、名古屋市が1.2%減と落ち込んだため、東京との差がともに約8万円に広がった。全体的な傾向では20万~24万円台に6割強の地域が集中し、4分の1が20万円未満となっている。

勤務間インターバル・11時間で導入広げる――郵政グループ

日本郵政グループ4社で、休息11時間の勤務間インターバルの試行導入が進んでいる。今春の労使交渉結果を反映した取組みで、今月から日本郵政㈱の本社でスタートした。 日本郵便㈱でも年度内に本社などで始める方向。対象労働者数は、4社で合計4.4万人規模になる。このほか10月から、正社員のワーク・ライフ・バランス推進施策を拡充した。 がんで降職した社員向けの早期役職復帰制度や不妊治療休暇などを設けた。

高プロ制・毎勤年間給与の3倍程度以上に――厚労省が運用案

厚生労働省は、改正労働基準法で創設した「高度プロフェッショナル制度」の運用基準案を明らかにした。 対象労働者の年収要件は、毎月勤労統計調査における毎月決まって支給する額の1~12月までの合計額を「基準年間平均給与額」とし、同給与額の3倍を相当程度上回る水準とする 。健康管理時間は、パソコンなどの使用時間記録に基づき把握する。選択的措置として上限時間数を設定した場合は、1週40時間を超えた時間が1カ月で100時間、3カ月で240時間までとしている。

3種の目標で技術職を処遇――㈱構造計画研究所

㈱構造計画研究所(東京都中野区、服部正太代表取締役社長)は、高い専門知識が求められる技術職を育成し、 適正に処遇するため、業務・スキル・行動の3種類の目標を立てる独自のMBOを採り入れ、人事制度の中心に据えている。 部門ごとに必要なスキルを設定して現場に専門教育を委ねる一方、会社の行動理念・指針に沿った等級要件に基づいた評価と昇格審査を徹底している。 今年度からは定年制を廃止し、60歳を超えても同様の仕組みを適用することとした。基本給は年5%ずつ逓減させていくが、同じ基準で評価を実施し、昇給・昇格も行う。

最大2時間勤務短縮可能に――郵船ロジスティクス/会社主導で介護離職防止

郵船ロジスティクス㈱(東京都港区、水島健二代表取締役社長)は、 「介護短時間勤務制度」の利用期間の上限撤廃や最大2時間の所定労働時間短縮などにより、 社員の介護離職防止対策を拡充した。時差出勤も認め、デイサービスの送迎などに合わせて勤務時間をスライドできる。 介護問題を抱える社員からの相談を端緒に、会社主導で制度を見直した。

年金・パートや高齢者で見直し――厚労省・検討を開始

厚生労働省は、就労期間の長期化・高齢化に対応した年金制度の見直しとパートタイム労働者に対する厚生年金の適用拡大に向けた検討を開始した。 近年の平均寿命・健康寿命の延伸に伴って高齢期の経済基盤を充実するには、従来のような単線型年金制度では対応できないとしている。 多様な年金と雇用の組み合わせを可能にする柔軟な制度への移行、年金受給開始年齢の柔軟化、在職老齢年金の見直しなどが課題とした。 パートタイム労働者の厚生年金適用拡大に関しては、賃金要件や勤務期間要件などについて平成31年9月までに検討結果まとめる。

1カ月10日の在宅勤務認める――日建設計総合研究所

㈱日建設計総合研究所(東京都千代田区、野原文男代表取締役、正社員53人)は、将来的に介護を行う社員が増えることなどを理由に、社員が柔軟に働ける環境整備を進めている。 柱は在宅勤務で、1カ月10日まで認める。研究員を中心に約4割の社員が利用。情報保全に向けてセキュリティー面には注意を払う。 一方、組織としての一体感を失わない施策も実施する。毎月行う交流会や、希望者が関心のある会社などを訪問する「大人の社会見学」を行うとした。

総合職・大卒35歳32.5万円に――愛知のモデル賃金

愛知県経営者協会と名古屋商工会議所が実施した「愛知のモデル賃金」調査によると、総合職・大卒のモデル賃金は22歳20.7万円、35歳32.5万円、40歳38.2万円、 ピークの50歳46.9万円などとなった。前年比では若年層にめだった変化がみられず、40歳と50歳で3,000円台の伸びを示している。 初任時22歳に対するピーク時の倍率は、2.27倍だった。一方、課長級の実在者賃金は、平均で44.1万円、規模別では99人以下41.0万円~1,000人以上52.6万円となっている。

賃金構造調査などを基準に――厚労省・派遣労働の格差解消へ協定案

厚生労働省は、派遣労働者の不合理な賃金格差などを解消するためのガイドライン案と労使協定案を明らかにした。 ガイドライン案では、派遣先が雇用する通常労働者と比較して不合理と認められる相違を設けてはならないとし、基本給、手当、賞与などに関する具多的判断事例を示した。 労使協定案では、賃金構造基本統計調査や職業安定業務統計などに基づく調整済み賃金水準と同等以上とする必要があるとした。通勤手当、家族手当、住宅手当などは対象外としている。

「働き方改革の経営への影響」

エン・ジャパンが同社の人事向け情報サイトでアンケ-トを実施。
648人の人事担当者や経営者から得た回答(300人未満が8割)を発表した。

□働き方改革関連法案の施行により経営に支障が出るか
・大きな支障が出る ~  全体9%     300人以上規模 15%
・やや支障が出る  ~    38%                43%
企業規模が大きいほど制度変更などの負担が大きくなっている。

□働き方改革関連法案で支障が出そうな内容は(複数回答可)
・時間外労働の上限規制    66%
・年次有給休暇の義務化    54%
・同一労働同一賃金の義務化  43%

が上位で、“結果的にサ-ビス残業が増加する”“人員不足の中で有給取得の分だけ1人が働く時間が長くなり賃金が上がって利益を圧迫する”“労務費の上昇が考えられ経営を圧迫する”と言う指摘もあった。また、23年4月以降は中小企業の時間外割増率猶予措置の廃止も経営に与える影響度は高いと思われる。人手の少ない中小企業における対応の現実的困難さ、人手を必要とする企業の増員による人件費上昇等、課題は多い。
以上

正規・男性は1.4%増で550万円強に――国税庁・民間給与実態

国税庁の平成29年民間給与実態統計によると、正規従業員・男性の平均年間給与は547.5万円だった。前年比で1.4%増加し、過去5年間で最高の伸び率を示している。 女性は正規が0.9%増の376.6万円、非正規が1.8%増の150.8万円となっている。 一方、役員も含めた1年を通じて勤務した者全体の平均では、年間給与が2.5%増の432.2万円、うち賞与が5.4%増の68.0万円に。 ともにリーマン・ショック直前の水準までほぼ回復している。

トラック運送業の残業改善へガイドライン案――国交省

国土交通省は、トラック運転者の労働時間削減を図るため、荷主企業と運送事業者における取組み手順を示した長時間労働改善ガイドライン案を作成した。 荷主・運送事業者が同席して労働条件改善を検討する会議体を設置したうえで、荷待ち時間の実態を把握し、長時間労働の原因を分析する必要があるとした。 着荷主の敷地内で荷待ち時間が発生するケースについては、混雑時間帯を避けた配送や予約受付システムの導入を推奨するなど、長時間労働の原因ごとに有効な対策も提示している。

企画型裁量制・法案再提出へ包括調査――厚労省

厚生労働省は、統計学者らをメンバーとする「裁量労働制実態調査に関する専門家検討会」を設置し、 裁量労働制の実態を把握するための調査方法や集計方法などについて議論をスタートさせた。裁量労働制の対象業務拡大に当たって国会に提示した調査データに多くの「異常値」が発覚し、 今年の通常国会において審議した働き方改革推進法案から全面削除となった。厚労省では、再度、裁量労働制の対象業務拡大に向けた法案を提出するため、 新たな手法により包括的再調査を実施し、的確なデータの収集に努める方針である。

「『中途採用の選考辞退』実態調査」

エン・ジャパンは直近1年以内に中途採用を実施した企業を対象に選考辞退アンケ-トを実施し、629社からの回答結果を発表した。

□直近1年以内の中途採用において選考辞退は発生しましたか
・はい ・・・ 86%

□“はい”と回答した企業で選考辞退の発生数は前年より増えましたか
・はい ・・・ 50%(前年47%)

となっており、大方の企業で選考辞退がおきていて、かつ拡大の傾向にあった。

□選考辞退はどのタイミングで発生しましたか(複数選択可)
・面接前日、当日のドタキャン辞退 ・・・ 58%(前年58%)
・内定者による内定後の辞退 ・・・ 56%(前年56%)
・書類選考通過者による面接前の辞退 ・・・ 54%(前年52%)
・面接過程の応募者による選考中の辞退 ・・・ 50%(前年58%)

となっており、全体としては選考が進んだ段階での辞退にシフトしている傾向があった。

□面接前日、当日のドタキャン辞退の連絡はありましたか(複数回答可)
・連絡がなかった(すっぽかし) ・・・ 73%
・メ-ルで連絡があった ・・・ 54%
・電話で連絡があった ・・・ 36%

となっており、総合的にみて求職者の選考辞退への意識は軽いと言える。

□応募者の選考辞退が発生した理由は(複数回答可)
・他社の選考を通過した、内定を取得した ・・・ 74%
・希望する給与、待遇ではなかった ・・・ 21%
・希望する仕事内容や条件ではなかった ・・・ 16%
・現職による引き留め ・・・ 14%
・ご家族による反対 ・・・ 13%

となっているが、“特に理由をきいていない”が32%あり、その中には“全く連絡が取れなくなるケ-スがほとんどで、理由が不明”という回答があった。

以上

自己評価のみの測定表活用――サンリッチ三島

介護付き有料老人ホームを運営する㈱サンリッチ三島(静岡県三島市、福家英也社長)は、職場のチームワークと能力育成を第一の狙いとし、一般社員とパートタイマーに対して自己評価のみの人事評価制度を運用している。 会社方針をはじめ食事介助、感染対応、挨拶などについて計34項目を設ける「基礎的業務達成度測定表」を活用しているもので、所属長は面談を通して各人の結果を把握し、課題や指導すべき事項を絞り込んで能力アップを促す。 基本給は原則として勤続に応じて昇給させ、さらに保有資格に応じて資格手当を加算している。

治療と仕事の両立支援・上場企業の実施率は5割――東京労働局

東京労働局(芳延局長)が上場企業に実施したアンケート調査で、病気の治療と仕事の両立支援に取り組んでいる企業が約半数にとどまっていることが分かった。 国の両立支援ガイドラインで示している取組みのうち、経営トップによる両立支援の方針表明や、労働者に対する研修を行う企業割合はそれぞれ2割程度にすぎない。 同労働局は今後、経営トップの方針表明を推進するため、企業の基本方針を募集し、特設ホームページなどを通じて広く紹介していく考え。

パートに「要素別点数法」を――厚労省が職務評価を推奨

厚生労働省は、正社員との不合理な待遇格差の解消や就労意欲の向上に向け、パートタイム労働者を対象とした「要素別点数法」による職務評価制度導入を推奨している。 職務の大きさを構成要素ごとに評価してポイント化し、総計ポイントに基づいて賃金などの待遇決定につなげる手法で、「同一労働同一賃金」の実現に資するとみている。 導入ガイドラインによると、作業が簡易で、評価ポイントを様ざま場面で応用できるとした。

介護職は昇格重視で全10等級――SOMPOケア

今年7月にグループ4社の統合を果たしたSOMPOケア㈱(東京都品川区、遠藤健社長)は、同時に人事制度を統合した。
地域別に在宅介護から施設介護までのワンストップサービスを実現する統合の狙いに合わせ、13の職種ごとに等級体系を統一している。
一般社員層の介護職には、全10等級の体系を整備し、評価によって早期昇格で報いていく仕組みをつくり込んだ。
昇格以外でも基本給は一律で1,000円昇給とし、賞与にも評価格差は設けない。
一方で施設長などを処遇する管理職には年俸制を適用し、変動部分において3~5段階の洗替えを行う。

悪質クレーム・サービス現場で横行――UAゼンセン調査

外食や介護、パチンコをはじめ様ざまなサービス業の現場で働いている労働者が、顧客からの悪質なクレームや迷惑行為で強いストレスを受けている実態が判明した。 UAゼンセン(松浦昭彦会長)の調査で同様に回答した人が73.8%もいることが分かったもので、8月には国としての対策を厚労相に直接要請し前向きな回答も獲得。 ILO(国際労働機関)が顧客や第三者も加害者に含むハラスメント条約を制定する流れもあり、企業は動向を注視すべき状況にある。

働き方改革へ相談体制強化――中企庁・平成31年度概算要求

経済産業省は平成31年度、中小企業対策として、生産性向上・働き方改革・人手不足対策や、事業承継支援に重点的に取り組む。 31年度概算要求において、多様な経営課題に対応する「よろず支援拠点」設置や専門家派遣などを行う「ワンストップ総合支援事業」に前年度予算比11・9億円増の62・1億円を計上した。 同拠点のコーディネーターを増員し、相談体制を強化する。企業の現状を踏まえて事業承継計画の策定支援などを行う新規の「事業承継・世代交代集中支援事業」には、45億円を計上した。

生産性向上を賞与で還元――りそなグループ

グループ全体で生産性向上に取り組む㈱りそなホールディングス(東京都江東区、東和浩取締役兼代表執行役社長)は、今夏の賞与でその成果を社員に還元した。 残業削減等で浮いた人件費の一部を総原資に加算したうえ、個人の支給額にも本人の貢献度を勘案した。 支給額の決定権を持つ所属長に対して、人事部門から部下一人ひとりの年間残業時間数ならびに時間外勤務手当の金額などの参考データを提供している。 グループでは近年、退社時刻ルールの大幅な繰上げを進め、かつては営業店で21時、本部で22時までとしていたルールを、すでに一律19時にまで早めている。

5年間で接客マスターへ――㈱あぶらや燈千のマルチタスク推進

旅館業を営む㈱あぶらや燈千(長野県下高井郡、湯本孝之社長)では、新人を接客関連業務全般を担える人材に育て上げるため、職務領域ごとにスキル要件を体系化し、 複数職務への対応度を昇格要件とする人事制度を運用している。新卒入社した人材にはまずフロントと仲居の職務を同時に担当させ、 5年程度でそれぞれの基本事項のマスターを促す仕組みだ。一方で作業単位ごとに全員の習得度合いを一覧化する「業務星取表」を活用し、柔軟なシフト編成を実現している。 半期ごとの人事考課では、会社方針、改善目標、固有スキルの習得などを1つの様式で評価し、基本給の改定に結び付けている。

不合理な待遇差解消へ指針案――厚労省・働き方改革

厚生労働省は、短時間・有期雇用労働者等に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針案を明らかにした。 昨年12月に作成した「同一労働同一賃金ガイドライン案」を大幅に修正している。 不合理な待遇の相違を解消するため、労使の合意なく通常の労働者の待遇を引き下げるのは望ましくないことや、 定年後に継続雇用された有期雇用労働者であることのみをもって直ちに待遇の相違が不合理ではないとは認められないとしている。 併せて、待遇差に関する説明義務の具体的実施方法も示した。

内定者が3年生に自社説明――スターティア/後輩集客

ITインフラ関連事業のスターティア㈱(東京都新宿区、笠井充代表取締役社長、430人)は、内定辞退防止や入社後の早期離職を防ぐ3つの試みを行っている。 特徴的なのは、内定者が後輩である大学3年生を、選考とは無関係の就職活動の勉強会に参加するよう誘い、実際の参加者数を競い合うイベント「後輩集客」だ。 入社する会社のことを丁寧に説明する過程で、帰属意識を醸成する。内定者の保護者向けに内定を出した理由などをまとめた手紙とDVDを送付するほか、全社員が参加する運動会も開いている。

事務課長の所定内69万円に――人事院・職種別民間給与調査

職階別の賃金を調べている人事院・職種別民間給与実態調査によると、課長級の平均所定内給与額は事務系59.0万円、技術系57.8万円だった。 非役職者の係員クラスに比べ、それぞれ2.05倍、1.91倍の水準となっている。技術系では2~3%台の伸びを示す職階が散見された一方、事務系では係長以下の一般層が軒並みマイナスに転じた。 定年後再雇用者でも、係員クラスは2.8%減の24.6万円と落ち込んだ。改善が続く大卒初任給は、事務系で1.1%増の20.1万円、技術系で0.7%増の20.4万円となり、伸び率がさらに高まっている。

「建設業」の技術・技能系19万円台に――労働新聞社調査・31年度高卒の求人初任給

企業の人材獲得欲が著しく高まっていることが、労働新聞社の高卒求人初任給調査で鮮明になった。とくに求人数が激増している技術・技能系は前年を3千円ほど上回る18万円台半ばまで高騰。 より高い水準となった販売・営業系は、事務系とともにサンプル数が少なく、あくまで参考レベルにとどめたい。技術・技能系は全業種とも前年の金額を上回っているが、「建設業」は19万円台に乗った。

介護職員の月給者21万円に――介護労働実態調査

介護労働安定センターの平成29年度介護労働実態調査によると、月給制で働く介護職員の給与は21.1万円となった。5年連続で改善がみられた一方、伸び率は前年調査の4.8%増から1.6%増に低下している。 訪問介護員は0.7%増の19.8万円、サービス提供責任者は2.6%増の23.1万円、介護支援専門員は0.1%増の25.6万円などとなっている。時間給者では、介護職員が11円増の956円と伸び、訪問介護員は6円減の1,249円と2年連続で落ち込んだ。

病児保育補助など開始――小野薬品

小野薬品工業㈱(大阪府大阪市、相良暁代表取締役社長)は、2014年度と比較して15~17の各年度に減少した残業代の全額を、病児保育や資格取得の補助といった形で社員に還元し始めた。 社員が自ら選べる福利厚生メニューの充実も図った。社員への還元とは別に、減った残業代に応じた金額を会社が拠出し、医療関係のNPOなどに寄付する活動も開始した。社会貢献活動と連動させ、社員の働き方改革に対する意欲を高める。

36協定指針案・時間延長は最小限に――厚労省・安全配慮義務も考慮を

厚生労働省は、改正労働基準法第36条第1項の協定(36協定)で定める労働時間の延長および休日労働について留意すべき事項に関する指針案などを明らかにした。労使当事者は、協定締結に当たって、労働時間延長や休日労働を「必要最小限」に留めるよう指摘している。 使用者に対しては、協定上の時間数を超えて労働させることができる時間内であっても、労働契約法第5条に基づく安全配慮義務を負う可能性があると明記。使用者による年次有給休暇時季指定義務に関しては、前倒し付与の運用について規定した。

「働く女性の28%が経験」

独立行政法人の労働政策研究・研修機構が全国6500社で働く25~44歳の女性
約2万6千人を対象に実施したセクハラに関する調査によると、セクハラ被害
を受けた経験があるとの回答が28.7%あった。その相手は、上司が24.1%で最
も多く、同僚・部下が17.6%、別の部署の社員が12%で、取引先・顧客も7.6%あった。

セクハラの態様としては(複数回答)

・容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた・・・53.9%
・不必要に体に触られた・・・40.1%
・性的な話や質問をされた・・・38.2%
・結婚、子供の有無など私生活について必要以上に質問された・・・36.8%
・酒席などでお酌やデュエットを強要された、席を指定された・・・35.2%
・女の子、おばさん、などと呼ばれた・・・31.3%
・性的関係を求められた・・・16.8%

などがあがった。セクハラを受けた後の対応では、加害者に抗議したのは10.2%に留まり、我慢したや特に何もしなかったが63.4%で最も多かった。

以上

3年ぶりに7,000円台へ――厚労省「民間主要企業賃上げ集計」

厚生労働省の平成30年春季賃上げ集計によると、民間主要企業334社の平均妥結額は7,033円だった。前年結果の6,570円を463円上回り、3年ぶりに7,000円台に回復している。 交渉前の平均賃金31.1万円に対する賃上げ率は2.26%となり、0.15ポイント上昇した。産業別にみても全体的に堅調さを示し、計20産業のうちの15産業がプラスに。なかでも4,000円近くの大幅アップとなった運輸では、妥結額が1万円に達し、賃上げ率も3.32%と唯一3%を超えている。

東大・水町教授「一括管理」中小へ推奨――連合東京・「働き方改革」学習会

「働き方改革」を進める政府の頭脳を担った東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授は8月6日、連合東京が組合員や経営者を対象に都内で開いた学習会で、改正法への対応を教えた。 実務的に最も煩雑になるとみる、使用者による「年5日」の年休付与義務では、主に中小に「一括管理」を推奨。年休派生の起算日を繰り上げ、期間を定めた付与も可能になると説明した。 会社が行う制度設計に働き手の立場で意見すべきだと助言した。

キユーピー・事前に管理職が挑戦――テレワーク・デイズの取組み

政府が主催するテレワーク・デイズの期間中、企業が様ざまな対策を講じた。 キユーピー㈱は、社員に在宅勤務など6つの選択肢から働き方を選ばせた。社員の挑戦を後押しするため、管理職が事前にチャレンジし、気付きを部下と共有している。 大京グループでは部署ごとに2日以上、モバイルPCを使って社外で働いた。㈱レオパレス21は大災害を想定し、部署一斉の在宅勤務を行っている。

週休3日に改め年収3割増――味の素AGF/再雇用制度の見直し

多様な人材の活躍に力を入れるコーヒー飲料メーカーの味の素AGF㈱(東京都渋谷区、品田英明代表取締役社長、747人)は今年7月、定年後の再雇用制度を見直し週休3日制にした。 年間休日を121日から156日に増やし、所定労働時間は1870時間から1600時間に削減。給与水準を見直し、年収は新制度導入前より約3割増やしている。無年金期間に支給していた雇用継続手当は職能給に組み込んだ。 一昨年12月には、再雇用者を含む全社員を対象に在宅勤務制度を導入した。

月の所定外「30時間以内」に――日建協・中期時短方針

中堅ゼネコンの現場監督など技術系労働者でつくる日本建設産業職員労働組合協議会(日建協・久保田俊平議長)は、8月2,3の2日間東京で開いた第95回定期大会で、今後5年間の中期時短方針を確立した。 1カ月平均所定外労働を「30時間以内」とし、前回方針の「45時間以内」より15時間短縮。36協定による労働時間の年間上限360時間以内を念頭に、月45時間以上の所定外労働ゼロをめざす。 一般社会に業界への理解を促しつつ、働き方改革という急激な環境変化を乗り切る考えだ。

メール、FAXも認める――賃金などの条件明示・厚労省規則改正へ

厚生労働省は、働き方改革推進法の成立に伴って、労働基準法関連省令の一部改定案を明らかにした。労基法第15条(労働条件の明示)に基づく労働条件明示において、現行では認められていないファクシミリや電子メールなどでも可能とする。 同法第18条に規定している労働者の過半数を代表する者とは、使用者の意思によって選出されたものではないことを明確化した。使用者による年次有給休暇の時季指定に当たっては、労働者ごとに管理簿を作成する必要がある。

「新入社員の仕事価値観」

日本能率協会が行った新入社員向けセミナ-参加者352人からの回答によると、 プライベ-トと仕事のどちらを優先したいか尋ねたところ、“プライベ-トを優先 する”という回答が75.8%に達し、前回調査の2014年と比べると10.7ポイント 上回った。売り手市場の就職環境が続く中、多様な働き方を可能にする環境作り が人材確保の大きなカギとなる。

実力成果主義と年功主義のどちらの職場で働きたいかには、“実力成果主義の職場” という回答が65%あり、前回調査と比べると8.6ポイント多かった。 就職氷河期など買い手市場の時は年功主義を志向する傾向が高まり受け身の傾向が 見られるが、売り手市場では入りたい企業や、やりたいことを自ら選んでいるため、 挑戦的でポジティブになっている。

また、理想の上司・先輩像にも前向きな意識が反映され、“部下の意見・要望を傾聴 する”が最も多く、前回最多だった“仕事について丁寧な指導をする”は2位に後退。 逆に、“仕事を任せて見守る”は前回の11位から4位となった。

以上

新入社員は3カ月外部に――エス・エー・エス/階層別キャリア開発研修

IT業のエス・エー・エス㈱(東京都港区、青山秀一代表取締役、126人)は、エンジニアを中心に社員教育に注力する。一般社員は4階層に区分したうえで、グレードに応じて「階層別キャリア開発研修」を行う。 各グレードで習得すべき知識やスキル、資格などを明確化することで、キャリアアップの道筋を付け、社員の意識を高めている。最下位グレードでは今年度、3カ月の新入社員研修の主催を内部から外部に切り替えた。他社の新入社員も参加するため、視野拡大の機会になると位置付ける。

3年間の貢献で年収にメリハリ――SCSKのシニア正社員

SCSK㈱(東京都江東区、谷原徹社長)は今年7月、60歳定年を迎えた人材を65歳まで無期雇用する「シニア正社員制度」を導入した。 定年後再雇用という枠組みは維持しつつも、第2定年=65歳までの雇用を保証し、処遇面を大幅に強化した。既存の月給部分に加えて洗替え方式の加算給を新設したもので、過去3年間の貢献度を加点的に評価し、思い切った変動を行う。 年収ベースでは一律の底上げとなり、評価次第では最大で約2倍のメリハリを利かせる。併せて全社的な取組みとして、高スキル人材に対する専門性認定手当を導入した。シニア正社員も含め、認定レベルに応じて最大で年間40万円を加算する。

生産性向上より”プライシング”議論を――連合東京フォーラムで法大・藤村教授

「働き方改革」が必要な真の原因を見極めることが成功の鍵――連合東京が東京都と共催で7月26日に都内で開いた関連フォーラムで、法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科の藤村博之教授が訴えた。 長時間労働是正に不可欠とされる生産性向上だが、日本の労働生産性は低くなく、良いものを高く売る方法を考えるプライシング議論こそをと求めた。時間効率ばかりを追求すればマニュアル化が進み、企業の競争力を決める「変化対応力」の弱い組織になってしまう可能性も指摘した。

「若手が会社を辞めた理由」

人材サ-ビスのエン・ジャパンが運営する転職サイトの利用者8668人から“退職を考えたきっかけ”についての調査結果が公表された。25歳以下の若手の退職理由として、

・給与が低かった・・・39%
・やりがい、達成感を感じなかった・・・36%
・残業、休日出勤など拘束時間が長い・・・32%
・企業の将来性に疑問・・・28%
・人間関係が悪い・・・26%
・やりたい仕事でなかった・・・26%

となっており、人手不足を背景に働き方改革や待遇改善が進むが、社員の定着にはヤル気を出させる仕組みが重要なことがうかがえる。一方、仕事よりも私生活を優先したいという意識が高まっているとされ、所定時間外の残業や出勤などへの不満が退職の引き金となるケ-スがあるようだ。また、給与や待遇への不満や社内の人間関係といった退職理由は以前から多い。

退職を考える際の不安な点については、

・次の職場が見つかるか・・・58%
・次の職場でうまくいくか・・・43%

という回答が多かった。                                                      以上

縁の下で活躍する人材へ光――スターフェスティバル/セクシー賞

中途を中心に積極的な採用を続けるスターフェスティバル㈱(東京都渋谷区、岸田祐介代表取締役社長、420人)は、従業員増加に伴い、互いの仕事や活躍などを知り、認め、称え合う表彰制度「セクシー賞」を設けた。 周りから活躍がみえにくい人が認められたり、役員などが現場の状況や従業員の活躍を知ったりする機会になっている。採用のターゲットは、未経験者も含めた幅広い層と、25歳前後から35歳くらいまでで社会人経験があり、チャレンジ精神が旺盛な人材だ。

全等級一律の昇給額表に――ニチレイフーズ

㈱ニチレイフーズ(東京都中央区、大櫛顕也社長)は、生産工場で働く技能職一般社員に対し、独自のコンピテンシースタンダード(評価基準)により処遇する制度を導入している。 年1回、改善活動および姿勢に関する計7項目で5段階の評価を決定し、全グレード一律の昇給額テーブルによって昇給を行う。一方で評価に応じて付与するポイントを累積し、昇格管理を実施している。 子会社を吸収合併した経緯から工場間で評価・処遇にばらつきがみられていたが、緩やかでも安定して昇給できる賃金テーブルを確立。諸手当も整理し、地域格差を反映する「地区手当」、人数制限なく被扶養者を対象に支給する「扶養手当」を設けている。

無期転換者の財形利用を要求――NTT労組

NTT労働組合(喜井宏明中央執行委員長)は、有期契約から無期契約に転換した組合員も財形制度を利用できるよう、会社に求めていく方針を決めた。 7月12日に福島県で開いた第21回定期大会で決定したもので、全ての組合員が享受できるカフェテリアプランをめざす。 利用頻度が少ないメニューを見直したりしながら、無期転換者が財形を利用できる環境を整備したい考え。同一労働同一賃金政策も視野に、戦略的に取り組む方針。

継続雇用制度と不合理

継続雇用制度においては、合理的裁量の範囲で労働条件の提示が可能。しかし、定年前と仕事や労働時間を変えず、賃金を大幅に減らしたり、それを行うために業務内容や労働時間を大幅に変更・縮小したりするような措置は、高年法の趣旨に反し、違法と判断される可能性がある。

引上げ事業所の平均2.7%――厚労省・小企業の賃金改定調査

厚生労働省の賃金改定状況調査によると、今年6月までに賃金引上げを実施した小規模企業の平均改定率は2.7%となり、前年結果に比べて0.1ポイント改善した。回答事業所のうちの44.8%が引上げを実施し、改定を実施しない事業所37.7%を7.1ポイント上回っている。対象労働者の1時間当たりの所定内給与額は、フルタイム労働者が22円アップの1,621円、パートタイム労働者が16円アップの1,085円となっている。

中小の女性活躍推進支援へ5種類の研修――東京都

東京都は、中小企業における女性の活躍推進の取組みを支援するため、各社の状況に応じた適切な研修の受講機会を提供する「女性の活躍推進加速化事業」をスタートさせた。取組み状況別や対象者別の5種類の体系的な研修を実施し、中小企業での女性活躍推進に関する責任者の設置や女性活躍推進法における一般事業主行動計画の策定、行動計画の目標達成に向けた課題解決までを後押しする。

「2018年度都内中小企業の賃上げ」

東京商工リサ-チが都内中小企業1184社、資本金1億円以上の大企業467社から得た回答では、
83.6%が賃上げを実施し17年度を6ポイント上回った。

その内訳は、
定期昇給のみ・・・30.4%
定期昇給とベア・・・15.2%
定期昇給と賞与・・・14.7%
定期昇給、ベア、賞与・・・6.4%

となっており、
賃上げを実施する理由としては、
従業員の引き留め・・・52.9%
従業員の採用・・・20.9%
業績の回復・・・20.6%     だった。

中小零細企業では、“賃上げを実施しても優秀な人材確保に直結しない” “外国人労働者の受け入れ拡大に向けた法整備を急ぐべき”といった意見も聞かれた。人手不足が深刻な中小企業ほど賃上げ額も大きい傾向があり、特に経営への負担が増すベアの額は中小企業の方が大きくなっており、大幅な賃上げに踏み込むと 経営を圧迫させる懸念材料にもなる。 賃上げによる従業員1人当たりの年間の経費負担増加額が“5万円未満”にとどまる中小企業は44.3%で大企業を16.9ポイント下回っているが、“30万円以上” は大企業を8.4ポイント上回る17.4%であった。                                           以上

東京は0.8%増の46万円に――29年平均の現金給与総額

毎月勤労統計調査の地方調査によると、平成29年平均の現金給与総額は東京46.2万円、大阪37.9万円、愛知39.3万円などとなった。対前年比では東京が0.8%増と伸びたのに対し、大阪は0.4%減、愛知は0.1%減と落ち込んでいる。 47都道府県の8割強で前年比プラスとなり、4割強で1%以上アップした。所定内給与の地域間格差は、東京100に対して大阪、愛知とも82で、最も低い青森は63となっている。

「ハラスメント条約」制定に道筋――ILO・委員会報告採択

ILO(国際労働機関)は今年の第107回総会で、「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する「勧告付き条約」の制定に向けた委員会報告を採択した。ハラスメント全般を照準に収めた11年ぶりの条約(190号)制定の道筋が描かれ、来年の第2次討議を経て正式に決まれば、日本も国内法令の整備が要請される。同報告は、「身体的、精神的、性的または経済的危害を引き起こす許容し難い行為」とハラスメントを定義し、「労働者」や「加害者・被害者」の範囲も幅広く対象に含めた。

高プロ制へ全数立入調査――参院厚労委「付帯決議」

参議院厚生労働委員会は、働き方改革推進法案の採決に伴い高度プロフェッショナル制度導入事業場に対し、労働基準監督署による全数立入り調査を実施すべきなどとした「附帯決議」を行った。使用者は労働時間にかかわる業務命令や指示のほか、働き方の裁量を奪うような成果・業務量の要求、納期・期限の設定などをしてはならないことを省令で明確化し、監督指導を徹底するとしている。法令遵守を徹底させるため、労働基準監督官の増員を政府の「優先事項」と位置付けた。

女性活躍で男性の責任者指名――ケア・プランニング/働きやすい環境づくり

介護業の㈲ケア・プランニング(東京都荒川区、中原修二郎代表取締役社長、100人)は従業員が働きやすい環境づくりに力を入れている。全従業員の半数以上を占める女性が柔軟に働くことができるように、時短正社員の制度を設けた。女性活躍推進の責任者も設けたが、男女を公平に取り扱い、決して女性だけを特別に扱わないよう、あえて男性を指名した。多様化する就労形態を踏まえ、各事業部や社員間の情報共有の態勢作りにも取り組む。役員会、事業部管理者が集う実務者会議を開くなどの対策を講じる。

高度専門職を3段階処遇――ノバレーゼ

ブライダル事業大手の㈱ノバレーゼ(東京都中央区、荻野洋基社長)は今年3月、メリハリのある給与体系を実現するため、役職と等級の対応関係を定義したうえ、役職手当を平均で約3割引き上げた。プランナー、ドレスコーディネーターなどの区分ごとに2系統のキャリアパスを明示したもので、今後はマネージャー層だけでなく、専門性の高い人材についても高度専門職として3段階で処遇する。 併せて全社共通だったコンピテンシーも、計10職種別につくり込んだ。目標とすべき役職の姿を目にみえる形で示すことで、社員の挑戦・成長を促していく。

アルバイト 昇給時期早め意欲向上―― 一風堂

㈱力の源ホールディングス(福岡県福岡市、河原成美代表取締役会長兼社長)が展開するとんこつラーメンのグローバルブランド「一風堂」は来月にも、育成ツールのなかに評価システムを落とし込んだアルバイト向けの新制度を導入する。ゲーム感覚で作業を学べ、時給昇給時期が早まるため、モチベーションアップにつながる。効率的に指導でき、店長などの負担が減る。