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第301話「管理ではなく、遊びの場づくりを」

2023年7月12日

日本企業は社内で人材を育成してきた。
今のリスキリングとは何が違うのか。
実践共同体やキャリア開発に詳しい法政大学大学院政策創造研究科教授の石山恒貴氏によると「VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代に企業は、短期に変化に応じて、必要なスキルの社内蓄積を目指す。
そのために企業が学び直しを進めるのがリスキリング。
一方、リカレント教育(社会人の学び直し)は個人が主語。
企業がリスキリングですぐに成果を出そうとすると、社員はやらされ感を持つ」「リスキリングを個人の行動と組み合わせれば、社員に自律性が生まれ、実践共同体が有効になる。
社員は専門性が高まると、互いに刺激し合い、学び合っていく。
企業は実践共同体に関与しすぎてはいけない。
成果を求めて管理しようとすると、結局うまくいかない。
かつて日本企業のQCサ-クルと呼ぶ小集団活動が機能したのも社員の自主性を生かしたから」「ジョブ型を導入すれば上手くいくという考え方は単純。
ジョブ型には『テ-ラ-の科学的管理法』の管理重視・創造性軽視の短所があり、欧米企業はその点の修正を進めている。
企業は場づくりをしても、社員の学びの主体性を口に出さないこと。
一見、経営に無駄に思えても、実は遊びこそが大事。
管理ではなく、遊びの場づくりに徹したい。
社員を信じる力が問われる」と指摘している。

以上

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